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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第四幕 第四章:サーラの実家の事情
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とある村にて

いつも読んで頂き、誠にありがとうございます!

書き終わったのでアップ致します。

お楽しみ頂ければ幸いです。

冒険者ギルドへ着くといつものように訓練をしている皆と出会った。


「お、坊主か・・・三十分の休憩とする。」


「「「ふうううぅぅぅ・・・。」」」


休憩と聞いて崩れる人、数名。

そんな人達に水とタオルを順番に渡して行く。


【御疲れ様です、師匠!】


手ぬぐいと飲み物を渡す。


「おう、悪いの。」


【師匠、オーガの牙の訓練状況はどうですか?】


「まだ始めたばかりじゃが・・・中々に良い感じじゃよ。特にジャスティンと言う坊主は吸収するのが早いな。」


【それでなんですが、ディアナだけでなく、オーガの牙で手伝いに行くのはどうかと思いましてね。】


「ほう・・・何か不安があるのか?」


【ええ、グラキエースだけなのだったら今のメンバーでも十分でしょう。問題は増援がいた場合です。】


「ほう、何か不安要素があるのじゃな?」


【はい、彼女達は数日前に討伐対象と戦闘をしています、それで今回の討伐の際にフロスト・ドラゴンがいた場合です。】


「ふむ・・・会った事は無いのだが、そのフロスト・ドラゴンちゅうのはそれ程警戒に値する敵なのか?」


【俺にもそれが分からないんです。知識としてあるのはフロスト・ドラゴンはグレーター・ドラゴン並みに強かったぐらいなんですよ。】


「ふむ、国でも竜が出ると武士団が動いておったなあ。」


【ええ、俺の知っているドラゴンより強いらしいんです。】


「ほう・・・ならば、集団戦の経験を積ませるためにも、オーガの牙を連れて行くと良いな。」


【ええ、そう思って相談に来ました。】


「構わんと思うぞ・・・ジャスティン!」


「は、はい!」


タッタッタ・・・


「何でしょうか、ジュウベイ様?」


「オーガの牙の予定を変更して我らに付き合え、良い経験になるらしいぞ。」


「よろしいのですか?」


「経験に勝るものは無い、それに坊主の心配もこれで何とかなるのではないか?」


【ありがとうございます、師匠。よろしくね、ジャスティンさん。】


「ああ、ああ!絶対に役に立って見せるさ!」


そう言うとジャスティンはダンとアンナが休んでいる方へと戻って行った。

今の話をしているのだろう。

ジャスティン達の防寒具も作らないとね。


「坊主、今日の晩飯は美味い物で頼むぞ。士気を上げねばならんからな。」


【分かりました、酒はどうしますか?】


「もちろんつけてもらおう、士気の為じゃ。」


【良い物をつけましょう・・・アンナさん以外ですけどね。】


それを聞いていたのか聞こえてしまったのかアンナから文句が出る。


「アーサー君、それはないんさ~!」


【酒癖がなおったら御馳走しますよ。】


「アーサー君、お姉さんは君をそんな子に育てた覚えはないんさ~!」


俺の方を見てそんな事を言っている。

俺も育てられた覚えはない。

さて、じゃあ足りない防寒具を作ろうかね。

後は作った武具に練成もしないとな。


あれ?


結構忙しいんじゃねえか?

まあいい、皆から武具を回収しよう。

それでエギエネスシティに行って、練成をしてと・・・。

やる事はいっぱいあるけど何とかしようかね。


まずは防寒具にジャスティンとダンのプレートメイルの凍傷対策をしてっと。


一つずつ、確実に済ませて行こう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ジャスティン達から防具を受け取ると商業ギルドへと向かう。


裁縫部屋を借り、防寒具を追加で作る。

大目に作っておこう。

そしてジャスティンとダンのプレートメイルとシェラハザードさん達のスタッド防具を冬仕様に変更する。

凍傷対策だ。


それと追加でロングソードとツヴァイハンダーを作る。


出来上がるとギルドを後にしてエギエネスシティへとゲートで向かう。


皆の武器を練成する為だ。

今回も経験を積ませる為にフェイを連れて行く。


「坊ちゃん、ウチでええのかぁ?」


【サーラには鉄の武器をハイクオリティーとして作成させますので、今は他の事をさせたくありません。】


「分かったわぁ、それじゃあ堪能させて頂こうかね・・・。」


フェイを抱え込むと、まずは武器から、各武器にはルニック改良で炎属性の性質を持たせる。

武器ダメージ増加80%、攻撃速度増加、マナリーチ、スタミナリーチ、回避率低下、そしてドラゴン特効を付ける。

ドラゴン特効には「真の真珠」が必要だったのでエギエネスシティの宝石商で購入した。

そしてメイスとウォーアックスとツヴァイハンダー、ガントレット、リーフブレイド、サイスにも同じものを付ける。

シェラハザードさんの武器に練成する時に迷ったのだが、同じものを付ける。


これで対氷竜の武器が出来上がると次は防具。


シェラハザードさん達の防具を練成して行く。

STR、DEX上昇を下地に、それぞれの防具の冷気抵抗を上げた。

フェイにはいい経験になっただろうか?

今回は真面目モードだからね!


練成が終わると王国へと戻る。


もう夕方だった。

冒険者ギルドで待っている皆の所へと急ぐ。

師匠に頼んで皆の慣熟訓練をしてもらう。

そう、急いでいるのは明日には出発するからだ。


ミスリルの武器を初めて扱う人は、その軽さに驚いている。


慣熟訓練が終わると十九時になった所だった。

皆に晩御飯である「カレー」を振舞う。

皆さんに鋭気を養ってもらう。

大好評だった。

流石のカレー。


その美味さに国境はないね。


そして風呂に入り十分に体を休めてもらうと、明日の九時に出発する事を確認して部屋に戻る。


ベッドに入ると明かりを消されたのだが、いっこうに眠くならない。

眠れないので、隣りで寝ているルイス達の温もりを感じながら、明日からの討伐対象の事を考える。

皆を無事に帰すのはもちろんの事だ。

そんな事を考えてもぞもぞしていると、ルイスから声が掛かる。


「ねえ、貴方。眠れないの?」


【ああ、ごめんね、ルイス。楽しみでしょうがないんだよ。】


「もう、そんな人はこうしてあげる。」


むぎゅ!?


柔らかい物に顔が包まれた。


「旦那様、眠れないのだ。私も良いか?」


むぎゅっ!?


顔と後頭部に柔らかい物が当たる。

そうだ、何の心配がある?

この温もりを感じる為なら俺は・・・。


そう思うと眠気が・・・やって来た・・・。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【『アリステリア様』我らに加護を与えたまえ。】


朝の日課を済ませると、支度をして、冒険者ギルドへと向かう。

ルイス達は無事を祈り、見送ってくれた。

もちろん御呪いは皆から頂いた。

リズにはほっぺにしてもらった。


【師匠、ディアナ、セリス、クレア、行きましょう!】


「ああ、行こうぞ、旦那様!」


「訓練は順調であった、主君にその成果を見せる時ぞ!」


「二人共、今からそんな事を言っていると気疲れしてしまうぞ?」


「ああ、剣聖殿。だが、楽しみではあるな、どんな強敵なのかとな!」


「そうだね、セリス。だが、我々が負けるはずはない!」


「そうだぜ、兄貴。どんな敵だろうと、アタイらが食い破ってやるさ!」


「士気が高い・・・良い兆候だと良いがな。」


【全くです。】


そして冒険者ギルドへと辿り着く。


入り口にはジャスティン達がいた。


【おはようございます、ジャスティンさん、ダンさん、アンナさん、ラフィアさん!】


「皆さん、おはようございます。天気に恵まれましたね。」


「アーサー様、申し訳ありませんが、荷物を預かって頂けますか?」


【ええ、構いませんよ。ジャスティンさん達をフルプレートで行軍させる訳にはいきませんからね。】


「頼みます、アーサー。」


「頼んだぜ、アーサー。」


二人から荷物を受け取るとバックパックに入れる。

他の人の物は宿屋で預かっている。


「では、気を付けて行かれよ、皆様。」


「お主達はサボる事は無いと思うが、課題の意味を考えて行う様にな。」


「「「お任せ下さい、剣聖様!」」」


【では行って来ますね、皆さん。】


「御姉様の事頼んだわよ、婿様!」


「婿殿、姫様の事、頼んだぞ!」


「婿殿ならば大丈夫だとは思うが、お頼み申し上げる。」


「ヘファイストス様、姫様の事お頼みしますぞ!」


【任されましょう、皆さんも訓練をお願いしますね。】


「では、行くとするかね。」


「そうですな、隊長。」


「「「行って来ますね。」」」


「「「いってらっしゃい!」」」


見送られて北の厩舎に進む。

厩舎で馬を用意する為だ。

俺は昨日の馬を引き取りに行く。

ジャスティン達は西門の厩舎に預けてあるらしいので取りに行ってもらった。


持っていない人の馬を購入する。


シェラハザードさん達は北門に設営した陣のなかにいるとの事だ。

師匠、セリス、クレアの馬を見てもらう。


「うん、素直な子だ。旦那様私はこの馬をお願いする。」


「主君、この毛艶、素晴らしい。私はこの馬をお願いするよ。」


「坊主、選んでくれ。」


「ふむ・・・この大人しい子がよろしいかと思われますね。」


「ならその馬でよい。」


飼葉を購入し桶に水を入れてそれをバックパックにしまう。


皆が馬を購入し門で待っていると馬影が見えて来た。

ジャスティン達五人が馬に乗って現れた。


「アーサー、飼葉や水はお任せしても?」


【もちろんです。多めには用意しましたので御安心を。】


「では、行くとするかのぉ。」


「「「はい!」」」


門を出て野営地へと向かう。


シェラハザードさん達を見つけた。

結構な量の荷物を持っている。

もちろん預かってバックパックへと入れる。


「むむ、バックパック・・・便利じゃのお。」


【特別製なんですよ。】


「ええのお、いつかは某も手に入れて見せるぞ。」


【目標は大きい方がやる気が出ますからね、頑張って下さいね。】


「では、紅玉殿、行こうか。」


【北のアースの街まではゲートが出せます。そこからは順次馬で向かいましょう。】


「なんと、紅玉殿はゲートの魔法を使えるのか?」


【ええ、少しですが時間の短縮にもなりましょう。では開きますよ・・・ゲート・トラベル。】


慣れた物でジャスティン達や師匠、セリスとクレアは順番にゲートに飛び込む。


「こ、これがゲートか・・・。」


【さあ、皆さんも入って下さいね。】


「女は度胸じゃ・・・続け!」


「「「おうっ!」」」


順番に入って行くシェラハザードさん達。

そして皆が潜ったのを確認してゲートに向かう。

先日ナナリーのお母さんを迎えに行くのに通ったアースの街だった。


「紅玉殿、これは噂以上に便利な魔法じゃな!」


【ええ、マーカーだけしてあれば何処にでもいけますよ。】


「便利じゃのお・・・。」


【さあ、今日はまだ進みますよ、ここからは馬の脚ですからね!】


「うむ、行くとしようかのぉ、坊主。」


【はい、師匠!】


カッポカッポ・・・


そう言った事でアースの街の北門を通り過ぎる。

今日中に目指すのは目標の村の一歩手前にある「アステリの町」だ。

本丸であるパトリダ村にも行けるのだが、この人数の宿泊が可能なのは町だろうと言う事である。

まず目指したのは北西にあるスァリスの町である。


馬の御機嫌を見ながら進んで行く。


一時間半ほどの距離を馬で進むと次の町であるスァリスの町にたどり着いた。


町の中央辺りでマーカーをする。

そして北門から次の村に進もうとしたのだが、アンナから意見が出たのだ。


「アーサー君、この人数だと村よりこの町で食事をとった方が良いと思うんさ~。」


【そうですね・・・村に迷惑が掛かってしまいますね。シェラハザードさんと相談して来ます。】


「そうするといいんさ~。」


流石のアンナ。

気の利く頼れる姉御肌。

俺は気が付かなかった。

駄目だなあ。


シェラハザードさんと相談すると意見を飲んでくれた。


少し早めだが、昼御飯を食べようと言う事になった。

大きめな食堂を探す。

場合によっては小さな所でも良い。

人通りの多い市の方へ目を向ける。


見つけたその食堂は大きめな食堂だった。


「いらっしゃいませ!お食事ならこちらでどうぞ!」


少し早めだがやっているようだ。


【十九人だ、料理の手配をしてくれ、オーダーは・・・お勧めは何だい?】


「今日は熟成させた、猪肉のステーキでございます。」


【それで頼む、人数分だ。】


「かしこまりました、好きな所に座ってお待ち下さいませ。」


【馬は正面に繋げておけばいいかな?】


「大丈夫です、では、お待ち下さい。」


席がシェラハザードさん達、俺達で固まる。

こちらの席は必然的に話題が討伐対象のグラキエースの事になる。

おや、声が小さいね。

何か秘密にしたい事があるのだろうか?

俺はシェラハザードさんらの声に耳を傾けてみた。



「団長、赤狼や白狼に差をつけられないようにって受けたのは知ってますが、いいんですか?」


「そうですよ、紅玉殿までお連れになってしまって・・・。」


「ジェフ、その辺りで止めておきなさい。」


「ですがね、副長!紅玉殿は鍛冶師なんでしょう?」


「・・・ジェフ、帝国のコロッセウムでの勝ち抜き試合、誰が一位だと思いますか?」


「副長、まさか!?」


「そのまさかです、紅玉殿はコロッセウムでの勝ち抜き戦で最高記録をお持ちです。」


「ちょっと待って下さい、その記録って、オーガの牙の・・・。」


「そうです、紅玉殿はオーガの牙の冒険者アーサー様です。」


「馬鹿な!?」


「フリード、何か問題がありますか?」


「ありません。」


「で、ですが嫁を娼婦の様に前線に連れてくるような人ですよ?」


「はあ、それは浅慮すぎますね、ヘッケル。金髪の女性は帝国の「閃光の白き薔薇」と名高いセリス皇女殿下ですよ?」


「そ、それって御転婆姫って言う、あの皇女殿下ですか?」


「そうです、もう一人の銀髪の方は情報がありませんが、その護衛であるならば相当な腕の持ち主ですね。」


「ふう、貴様らは面倒臭いのぉ、某が戦えぬ者を連れてくると思うか?」


「済みません、団長。」


「浅慮を恥じます。」


「申し訳ありません!」


「そうじゃ、紅玉殿に感謝せいよ?お主らの武器は本来ならば我らの持ち金では買えぬ物だ。」


「「「・・・。」」」


「討伐後の希少素材を買い取って頂く約束で我らの武器がそろったのじゃ。」


「副長、本当ですか?」


「本当ですよ、紅玉殿はそう言う方です。だから団長の言葉に首を縦に振ってくれたのです。」


「我らは討伐対象のグラキエースに集中する事が出来るのだぞ?」


「そ、そうだったんですね。」


「「「猛省致します。」」」


話を聞いていたのだが、なんか俺への盛り付けが凄い事になっているような気がする。

それに、シェラハザードさんの言葉に首を縦に振った?

何かあったっけなぁ?

記憶にございません。


「猪のステーキ、黒パンとスープのセットです。」


っと集中しすぎた。

各自の前に置いて行ってくれる。

そろった所で隣のテーブルからの声がする。


「いただきます。」


「「「いただきます!」」


こちらも師匠から始まる。


「いただきます。」


「「【いただきます!】」」


さて、味はどうかな?

うん、いいね!

アリスとの初めての食事を思い出す。

俺はこのニンニクが強めの味が好きなんだよね。


「味付けは好みですね、久しぶりに黒パンを食べますが・・・。」


「そうだな、たまにはこのゴリゴリする食感も良いもんだ。」


「昔はこれしか食べれなかったんさ~。」


「ふふ、贅沢になった物ですわね。」


「うめえ、給仕さん、お代わりだ!」


「クレア、これが庶民の食べ物なのだな?」


「そうですよ、セリス。驚きましたか?」


「いや、我々は旦那様の料理と言う物でかなりの贅沢をしていたのだな。」


「ふふっ、主君の料理が美味すぎるのだよ。下級騎士だったころまではこの黒パンが主の食事であった。」


「兵達の食事も考えねばな。これでは士気が上がらぬ。」


「そうだね、セリス。でもね、これはこれで食べ方を工夫すれば美味しいのだよ?」


「どのようにだ?」


「例えばだがね、こう・・・スープに付けるとかだね。」


「行儀は悪くないのか?」


「庶民では普通の事だよ、セリス。」


「そうなのか・・・ゴリゴリ・・・旦那様に感謝だな。」


「そうだね、主君に感謝だね。」


【遠征では当たり前の事ですからね、有難く頂きましょう。】


「そうだね、アーサー。ですが、帰還した時には君の料理が食べたいな。」


「そうだぜ、御褒美ならいいだろう?」


「アーサー君の料理が食べれるとなると楽しみが増えるんさー。」


「兄貴の料理が食えるのならやりがいがあるね!」


「もう、皆・・・でも楽しみはあった方が良いですわね。」


【シェラハザードさん達もいますので構いませんよ?】


「それは気合が入りますね!」


「楽しみだな、相棒!」


「気合が入るのさ~!」


「楽しみだぜ、兄貴!」


「アーサー様、ありがとうございます。」


「坊主の料理で士気が上がるのぉ。」


【こんな事で良ければいくらでも結構ですよ。】


「クレア、楽しみが増えたぞ!」


「ふふっ、主君の御飯は美味しいからね。」


こんな事を話しながらだったが楽しい食事をさせてもらえた。


食事を終えるとマーカーをして次の目的地へと向かう。

次はボスィドナス村だ。

特徴のある村では無い様だが、ここで問題が発生。

村がゴブリンに襲われているのだと言う事だ。


冒険者ギルドに依頼を出しているらしいのだが、受領されないらしい。


「受領されないと言う事は、依頼内容か報酬に問題があるようですね。」


「村長の所に行ってみようぜ、依頼書の控えがあるだろう。」


「なんか嫌な予感がするんさ~。」


「アンナ?」


「どうしたんだい、姉さん?」


【シェラハザードさん達はどうなさいますか?】


「もちろん協力させて頂こう。」


「良い準備運動になりそうですね。」


【ありがとう、感謝致します。】


その足で代表として俺、師匠、ジャスティン、シェラハザードさんで村長の家に向かい依頼書を見せてもらう。


「控えはこちらですね、報酬がまずかったのでしょうか?」


【失礼、拝見致しますね。】


「どうなんじゃ、坊主。」


【ああー、これは・・・問題は依頼料ですね。ゴブリン一匹の報酬が銅貨一枚です。多分これかと思われます。】


「申し訳ありませんが、一匹はいかほどのお値段が相場なのでしょうか?」


【ゴブリンだとDランクなので報酬ですと銅貨十枚が相場です。】


「しかし、村で出せる依頼料はこれが精いっぱいでございます。」


【依頼の確認にスァリスの町の冒険者ギルドに行って来ます。】


「我らはここで休息じゃ、場合によってはそのゴブリンを殲滅するぞぃ。」


「かしこまった、ジュウベイ殿。」


「もちろんお手伝い致しますよ!」


【では行って来ますね。4thリターン!】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「え!?この依頼をお受けになられるのですか!?」


そう聞かれたが、受けてくれる冒険者がいないのなら受けようかと思っていたのだが、ここでも問題があった。


「失礼ですが、ギルドカードをお見せくださいますか?」


【こちらですね。】


ギルドカードを渡す。


「失礼致しますね・・・え!?オーガの牙のアーサー様ですか!?」


おや?

ゼパムさん、アーサーで冒険者登録してくれたのか、ありがたや、ありがたや。


「おほん、失礼を致します。アーサー様、貴方様がこの依頼を受けると言う事には問題がございまして、まず依頼料が低すぎる件です。」


【それで構わないと言っておりますが?】


「いいでしょうか、貴方様がその値段で受けて下さったとなれば、他の依頼ももっと安く済むと思われてしまいます。」


ああ!

そう言う事か!


「冒険者の仕事は時に命がけの仕事です、それを貴方様達のような有名な冒険者が安く受けてしまう、ここまで言えばお分かりになって頂けますよね?」


【依頼料がどんどん安くなり、冒険者が安い値段でしか仕事を受けられない状態になる、と言う事ですね。】


「左様です、なのでギルドでも調査員が派遣されて命がけでランクを付けるのです。」


そうだ、当たり前の事だ。

それにギルドの格付けも正当な物だった。

でも、何かがおかしい。

これは戻って皆と相談するのが良いね。


【分かりました、皆と相談してまいりますね。】


「それがよろしいかと思われます。」


【手間を取らせて済まなかったね。】


「いえ、アーサー様、一点気になる所がございます。」


【気になる点とは?】


「ボスィドナス村ですが、領主であるアンドレイ伯爵様へは、きちんと税を納めております。」


【ふむ、分かりました、村長にもこの件を相談したいと思います。】


「それがよろしいかと思います。この件は改めてギルドでも調査致します。」


【いろいろとありがとうございます。それでは失礼致しますね。】


「またのお越しを。」


その「ミリア」と名札の付いているスタッフさんは俺がギルドを出るまで御辞儀をしてくれていた。

ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから。

評価、イイネ、ブックマーク等々。

誠にありがとうございます!

皆様には感謝しかございません!

それでは 次話 未定(仮 で、お会い致しましょう!

御疲れ様でした!

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