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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第四幕 第四章:サーラの実家の事情
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化粧品、その魅力。

いつも読んで頂き誠にありがとうございます。

新作が出来上がりました。

お楽しみ頂けると幸いでございます。

あれから一時間ほど経っただろうか、シェラハザードさんは皆から解放された。


「酷い目にあった・・・紅玉殿、見捨てるとは酷いではござらぬか。」


ジト目で俺の方を見てくる。

ルイス達は今度は化粧水と乳液を色々といじったり塗ったりしている。

お風呂に入ってからでないと洗い流しちゃうぞ?

それに、大丈夫だとは思うけど、実験した意味がないじゃないか・・・。


「ねえ、貴方。この「けしょうひん」と言うのは私達の分もあるのよね?」


「どうなんですか、ヘファ君ー?」


【実験をしていたと言いましたよね?】


「それで、どうなのですか?ヘファイストス様?」


「どうなんや、坊ちゃん?」


【ざ、材料となる秘薬はありますけど、作るにはそれなりの準備がですね、必要である訳でして・・・。】


皆の視線が怖い。


「旦那様、大至急で頂きたいぞ?」


「主君、御店ではこのような物を売るのかな?」


【え、ええ、一応目玉商品で考えておりますよ。他にもポーションや武具を売る様にする予定です。】


「このけしょうひんも売るのね?」


【その通りでございます、ルイス様。】


「今まではこのような物は無かったですから、楽しみですねー。」


【た、楽しみにして下さいね、ナナリー様。】


狩りの獲物になった気分だ。

そんな俺を見てシェラハザードさんが囁いて来た。


『紅玉殿よ、先程の事は忘れぬぞ?』


【お、俺だってこんな事になるとは思っていなかったんだ。ある意味被害者と言っても良いだろう!】


『女子の前にこのような物を出せばどうなるかを、予測しなかった貴方が悪いのですぞ?』


【そうは言っても、こんな事になるなんて予想出来ませんでしたよ!】


『玩具にされた、某の心境をおもんばかるがよい!』


【それは申し訳ないと思っている。でもね、協力を要請して付いて来てくれたんだ。それぐらいの覚悟はあったでしょう!?】


『女子に弄ばれる事がか!?それは少し厳しい物言いではないだろうか、紅玉殿よ。』


【あ・・・その通りだね、本当に申し訳ない。】


「おっほん、それで、紅玉殿。そなたも顔を洗った方が良いぞ?」


【そうだね、じゃあ・・・え!?】


シェラハザードさんと同じように、ルイス達に取り囲まれたのは言うまでもないだろう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【御風呂に入って肌を磨いてからでないと、乳液は効果が出にくいのですよ。】


「「「成程、成程・・・。」」」


【化粧のやり方は明日の朝にナナリーに試しますね。】


「「「え!?」」」


「私ではないの!?」


【こら、ルイス。そんな風に言う物ではないですよ。明日はナナリーには一日中、俺に付いて来てもらいますからね。】


「それに関係があると?」


【そうです、サーラ。皆にも言っておきますが、明日はナナリーのお母様に挨拶に行きます。】


「ついに行くんやね、坊ちゃん。バシッと決めてきいな!」


【もちろんそのつもりです。】


「ヘファ君ー・・・。」


ナナリーから熱い視線を感じる。


「あー、おっほん、えっほん・・・。」


【もちろん、終わり次第武具を作りますよ、シェラハザードさん。】


「して、試練とやらは?」


【貴女の言った通りです。合格と致しますよ。】


「して・・・代金の方はどうか!?」


【そちらは規定の金額を頂きますね。】


ニコッと笑って答える。


「ぐう・・・仕方がない、今回は諦めよう。」


【では、ルイス達は御飯の後に御風呂に入って来て下さい。身体を磨く事も忘れないように。】


「「「はーい!」」」


【ルイス、シェラハザードさんの事を頼むよ。部屋も取ってあげてくれるかな?】


「ええ、解ったわ。ねえ、御風呂に入った後は、そのけしょうひんを付けてくれるのよね?」


【うん、皆がつけるのは夜は化粧水と乳液だけかな。明日の朝、ナナリーに化粧品をつけるからそれをよく見てね・・・その後は自分でやってもらうからね。】


「解ったわ・・・楽しみね。」


ルイスはそう言うと皆と嬉しそうに一階へと降りて行く。

ちょっとプレッシャーが・・・。


ううっ、胃が痛い。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


飯を食って、風呂に入る。


シェラハザードさんはリズとマオの洗礼を受けていたようだ。

だが、彼女は巨乳なのでリズとマオが膝をついていたと言う事をルイスに聞いた。

あの二人はまだ巨乳になりたいのだろうか?

リズのお嫁さんにして騒動を思い出してしまった。


と、皆の部屋で待っている所だ。

もちろんだが御飯は食べたし、風呂にも入った。

準備は整っている。

と、ドアが開いてルイス達が部屋に入って来た。


「ふふっ、来たわよー、貴方。」


「旦那様、明日が楽しみだぞ。」


「ふふっ、主君。私も楽しみだぞ。」


【今日の所は乳液の塗り方です。ナナリー、こちらの椅子へ。】


「は、はいー。」


そう言うとナナリーが部屋の中央に置いてある椅子に座る。

ルイス達がナナリーの顔が見える位置に移動する。


【では、始めますね。まずはこの状態の時に化粧水を掌に適量取り出します。】


「「「ふむふむ。」」」


【化粧水をまんべんなく塗ります・・・塗りすぎてもいけませんからね?」


「「「塗りすぎに注意・・・。」」」


【ナナリー、どうですか?】


「気持ち良いです、ヘファ君ー。」


【では、続けます。次に乳液を塗ります。こちらも適量を手に取り、馴染ませてから塗ります。】


「「「馴染ませる・・・。」」」


【塗り終わりました。これで明日の朝にどうなっているかを見てみたいと思います。】


「旦那様、これだけなのか?」


【夜はこれだけですね。】


「これだけであの肌を手に入れられるのならば・・・。」


【明日の朝は、メイクを教えます。】


「「「メイク?」」」


【ああ、御化粧と言う物ですよ。】


「「「おけしょう!」」」


「坊ちゃん、楽しみでしょうがないよ。」


「そうね、フェイ姉。」


「早く朝になりませんかね。」


【では皆、朝を楽しみにして下さい。】


「「「はい!」」」


「ナナリーさんと同じことをするのね。」


「そうやで、ルイス。」


「クレア、それは取りすぎではないか?」


「そうか、次からは気を付けよう。」


皆が楽しみにしてくれているのだろう。

ふと、シェラハザードさんの方を見るといつの間にか眼帯をして元の姿へと戻っていた。

目も悪くないのに何で眼帯をしているのだろうか。

美人さんなのにもったいない。

ああ、そうだ。

シェラハザードさんの部屋を取らないとな。

女将さんにお願いをすると快く部屋を取ってくれた。


・・・その夜は皆が塗る事が出来たので満足したのだろう。

満足した皆は早く明日にならないかなとそれぞれの部屋に戻って行った。


俺は師匠との二人部屋で久しぶりの快眠をさせてもらった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ゴソゴソと足元から何かが入って来たのに気付く。


この入り方はリズだな。

目を開く。

眩しい。


【ん・・・朝か?】


俺の胸辺りからスポッとシーツから顔を出しリズが言って来る。


「で、お兄さん。昨日は皆と何をしていたの?」


【ああ、化粧品と言う物をだね・・・。】


「けいしょうひん?」


【ああ、本来は女の子には必須なんだよ?】


「そうなの?」


【女の子は「化粧で化ける」と言われているからね。】


「ねえ、お兄さん。」


【何かなリズさん?】


「女の子に必要なら私達にも必要よね?」


【肌の手入れは必要かもしれないね。】


「それだけなの?」


【うん、それだけ。】


「ルイス姉達には教えるのに?」


【リズや、マオ達は手入れをしなくても綺麗だからだよ。】


「ありがとう、お兄さん。」


【それで、リズさんや?】


「何かしら?」


【何で君はここにいるのかな?】


「お兄さんが悪いんじゃない!」


【俺が悪いの!?】


「そうよ!ルイス姉達は明日が楽しみだと言って眠っているわ、そのルイス姉は嬉しくて眠れなかったみたいだし・・・。」


【そうか、それで何でリズさんがここに?】


「羨ましいからに決まっているでしょう!ずるいわ!私達にも「けいしょうひん」の事を教えてよ!」


【化粧品ね。安全が確認出来たみたいだから良いよ。】


「本当!嬉しい!」


そう言うとリズが抱き着いて来る。

暖かい・・・そして優しく強さを感じさせる温もり。

今日はリズをデートに誘ってみようかな。


【リズ御嬢様、朝のお散歩はいかがでしょうか?】


「お散歩?・・・あ!また連れて行ってくれるのね!?」


【うん、リズさえ良かったらどうかな?】


「行くわ!連れて行ってくれる?」


【ははっ、御嬢様の御願いであります、本日は御供致しましょう。】


「ほほほ、よろしくってよ!」


相変わらず御嬢様になりきるねえ。


【じゃあ支度をしてきてね、一階で待っているよ。】


「解ったわ!」


そう言うとリズは部屋から出て行く。

静かに、そうっと・・・。


着替えを済ませると『アリステリア様』に祈りを捧げ、一階へと降りて行く。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


一階に降りて行くと厨房の女将さん以外だとモップ崖をしている女給さんがいた。


【おはようございます、女将さん!】


「おはよう、小僧。今日はどうするんだい?」


【リズと南通りの朝市に行って来ます。】


「そうかい・・・リズは頑張っているからね。良い御褒美だ。」


【女将さんの目から見ても頑張っているんですか?】


「そうさね、男共の視線を受け流し、仕事をしている所なんかアタシに似て良い女じゃないかい?」


リズが女将さんみたいになるのか・・・。

いやいや、あの可愛いリズが、まさかねぇ。


「小僧、何を考えているのかが丸解りだね。」


【いやいや、そんな事は無いですよ?女将さんに似てしっかり者だって事でしょう?】


そう言うと女将さんが機嫌を直したのか話をしてくれる。


「あの子は一途なんだ、大切にしておやり。マオの方はまだまだだけれどね。」


【大丈夫です、女将さん。二人だけではなく、皆を大切にしているつもりですよ。】


「お兄さん、お待たせ。女将さん、おはようございます!」


「良い挨拶じゃないか、ほら、朝市に行くんだろう?」


【そうでした、リズ。行こうか。】


「はい!」


【では女将さん、行って来ます。】


「行って来ます!」


「ああ、行っておいで。」


女将さんに見送られて南通りへと向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


南通りに向かっている。


リズが腕を組んで来る。

まあ、これぐらいはね。


・・・そう思っていた俺がいた。


リズのアピールが凄いのだ。

腕を胸に押し付け、恋人の様にふるまう。

更に妹さんですか?

そう聞かれると、未来の妻なんですとそう返す。


まあ、リズが喜んでいるなら良いか。


【まずは港に行こう。】


「はい、お兄さん!」


そう言うと港へ向かう。


「お、シビ旦那じゃねえか!あれ、その子は恋人さんかい?」


【今のところはそうだね、それで上がってるかな?】


「お兄さん、恋人ってハッキリ言ってくれてもいいのに・・・。」


ちょっとすねたリズはおいておいて。


「ああ、上がっているぜ。もちろん買ってくれるんだよな?」


【もちろんだ、いつものようにしてくれるかな。】


「もちろんですぁ!あ、そうだ、シビ旦那。」


【どうしたんだい?】


「今日は鰺が上がっているはずだ、身がしっかりしているから美味いはずだぜ?」


【ほう、それならその鰺を頂こうか。】


「何本必要だい?形の良いのが・・・あー、確か19本上がってたはずだぜ?」


【もちろん、全部買おう。】


「へへっ、まいど!」


【今日の朝御飯が決まったね、味の塩焼きにしようか。】


「うん!ありがとう、お兄さん。」


【受け取ったらいつものを食べに行こうか。】


「うん、お腹が減ったわ。」


買った物をもらい代金を渡す。


「まいどありっ!また来て下さいよ、シビ旦那!」


【ああ、また頼むよ。】


場所を移動し、味醂干しを食べているとリズが言って来る。


「お兄さんがこの「まよねえず」って言うのを作ったのよね?」


【そうだね、気に入ったかい?】


先達の人達よごめんなさい。


「うん、とっても・・・こんなこともお兄さんと出会ってからよね。」


【後悔しているの?】


「逆よ、逆!こんなに幸せで良いのかしらって・・・。」


【前にも言ったかもしれないけれど、それが俺とリズ達の『アリステリア様』に導かれた運命なんだよ。】


「運命・・・アリスと出会ったのも?」


【そうだね、アリスと出会わなければリズ達との出会いは無かっただろうね。】


「そんなのは嫌!お兄さんは私達と出会う運命だったのよ!」


【リズ、慌てないで。君達との出会いは俺にとっての運命なんだ。これは誰にも変えられない事だよ。】


「そ、そうよね。お兄さんもう一つ食べても良い?」


【朝御飯が食べれるのなら食べて良いよ。】


「が、頑張るわ。」


【リズ、良い子だね。親父さん、もう二つ焼いてくれるかな?】


「へい、秋刀魚と鯖、後はカワハギもありやすぜ?」


【じゃあ、この子には秋刀魚を、俺にはカワハギをお願いするよ。】


「かしこまりました。」


【包みはいつも通りでお願いしますね。】


「いつもありがとうございます、若旦那。」


そう言うと店主は店の奥へと引っ込む。

多分、焼きに行ったのかな?

おっと、そろそろ七味を買っておくかな。


「若旦那、お待たせです。」


【後は七味もあるかな?】


「そう言われると思って仕入れてありやすぜ?」


【親父さんには敵わないね、それを頂こうか。】


「毎度ありがとうございます。お包みは出来次第お持ちします。」


【いつも、ありがとうね。】


「いえいえ、ではこちらをどうぞ。」


そう言うと店主はリズに秋刀魚、俺にはカワハギをのせた皿を渡してくる。

早速かぶりつく。


「美味しいわね、お兄さん。」


【モグモグ、うん、美味い。】


七味が味を引き締める。

マヨネーズは言う必要は無いかな。

俺の隣では秋刀魚にかぶり付いている、リズ。

そう言えば昨日は化粧品の事で盛り上がってしまってナナリーと詰めた話が出来なかった。


食べ終わると店主に包みを持たせてもらい、料金を支払う。


【では、リズさんや、帰ろうかね。】


「うん!」


いつもの宿屋へと足を向ける。


俺の、いや、俺達の朝はこうしてのんびりと始まる。

ここまで読んで下さって、誠にありがとうございます。

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク、等々。

誠に励みになっております。

皆様方には感謝を!

お盆休みは母親と二人で父の墓参りに行ってまいります。

その間は申し訳ありませんが休載とさせて頂ければと思います。

楽しみにされている方々には申し訳ございません。

それでは、次話 未定(仮 にて、お会い致しましょう。

御疲れ様でした。


PS.暑い日が続いておりますが、皆様方も熱中症などに気を付けて下さいませ。

  それでは次話にてお会い致しましょう。



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