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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第四幕 第四章:サーラの実家の事情
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この世界での美容の価値

楽しみにして下さっている方々、お待たせいたしました。

執筆が終わりましたので上げさせて頂きます。

それでは、お楽しみ下さい。

「ア、アーサー様?あのぉ・・・えっとぉ・・・その顔は一体どうなされたのですか?」


冒険者ギルドに入った俺への第一声がそれだった。

この受付さんもよく俺だと分かったね。


【ああ、ちょっと実験をですね。で、皆はいるのかな?】


「はい、皆様はいつも通り訓練場におります。」


【そうですか、じゃあ行きましょうか、シェラハザードさん。】


「ああ、向かおうか。」


そう言うと俺達は訓練所へと赴く。

変な顔をした二人を視線で追うと溜息をつく。


「はぁ・・・あれが流行りなのかしら、最近の若い人って・・・。」


ギルドの受付の人達は見なかった事にして仕事を続ける事を選んだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「こりゃ!アミィ、死にたいのか!」


「は、はい!申し訳ありません!」


「避けれぬのなら受け流せ!その為の武器ぞ!」


「ハァ、ハァ、ハイ!」


「・・・水を飲んで休憩するが良い。次じゃ!セシル入れ!」


「かしこまった、剣聖殿!」


さっきの声はアミィだな。

で、次はセシルさんか。

大分しごかれているようだ。

訓練場へ着くと外周のトラックになっている所を歩き、その声の方へと向かう。


カン!


コンッ!


「セシル!掛かり稽古で何を遠慮しておるかっ!」


「も、申し訳ありません!」


カコォン!


ガンッ!


【お、やってるやってる。】


「ほう、ここで修練を積んでいるのか・・・ふむ、若い方は・・・まだまだだな。」


【こら、皆必死に頑張っているんだから、そんな事は言わないの。】


「そう言うものなのか?」


【そう、駄目。人の努力を蔑む奴には俺は武器を作らないぞ?】


「はっはっは、これはまいった。気を付けよう、紅玉殿。」


「しばし休憩を取る事にする。よく来たな、坊主。で、そっちの調し・・・なんちゅう顔をしておるのだ?」


「これは旦那様で・・・何をやっておられるのです?」


師匠だけじゃなくてセシルさんにもすっごい顔をされた。


【これは、錬金術の実験です。鏡を見ていないからユニークな事になっているかと思いますが、気にしないで頂きたい。】


「それで、そっちの娘っ子はなんじゃ?先程から剣気を当ててきおるぞ?」


【こちらはバイジンから来て頂いている方で、シェラハザードさんです。】


「シェラハザード・サダラーンと申す。銀狼牙傭兵団に所属している狼牙将が一人でござるよ、剣聖殿。」


「ほう、金狼殿は元気にしておるか?」


「おや、知り合いでしたか、元気も元気、殺しても死なないとはあの方の事であろうよ。」


「成程な、大方、坊主の鍛冶の事でこの街に来たのじゃろう。で、その面白い顔はルイスちゃん達に関係があるんじゃな?」


【ええ、詳しくは申せませんが、店の主力商品になる事でしょう。】


「ほう、坊主の事じゃから・・・大丈夫なのじゃろうが、奇天烈よな。」


【師匠も御疲れ様です。で、いかがですか?】


「坊主の言う「すとれっち」と「ゆうさんそうんどう」と言う物を皆でやっておるぞ。それ以外は掛かり稽古に素振り・・・まあ色々じゃな。」


【そうですか、師匠に相談があるのですが、お時間を頂けますか?】


「三十分程なら構わんぞ?」


【では、部屋を借りましょう。】


「坊主、もしや闘いか?」


【特殊個体の討伐ですが・・・分かっちゃいますか?】


「ふぉっふぉ、剣気が少し漏れておるの。完全に抑える事が出来ておらん、坊主も修行を致せ。」


【消してたつもりなんですけどね。それで、その他の人達の方は?】


「オーガの牙は底を上げる訓練じゃな、それと帝国から来ている娘っ子、四人は掛かり稽古が主軸じゃよ。」


四人?

ああ、いつもの三人と、新しい青薔薇隊の団長の事かな?

で、セリスとクレア、ディアナが集中力を上げる訓練・・・かな?

今度紹介してもらおう。


【流石ですね、師匠。ではお話だけでも良いですか?】


「もちろんじゃ、今度も相応しい相手である事を望むぞ。」


【それは期待して下さい。テラサンなんか目じゃないですよ。】


「期待しよう。三十分程、休憩とする!」


「「「はいっ!」」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


休憩の時間、別室で師匠と話をする。


「ほう、その「ぐらきえーす」とやらが相手か。」


「ええ、剣聖殿。某の部隊から百人将を十人出しましょう。それでいいのだな、紅玉殿。」


【構いません、ウチからは師匠と俺が行きます。】


「坊主、ディアナの嬢ちゃんを育てるつもりなら連れて行くと良いぞ。」


【そうなんですが、ディアナやシェラハザードさん達には対氷竜用の武器を作らないといけないんですよ。明日中には作れると思いますが・・・。】


「紅玉殿、騎士魔法のコンセクレイト・ウェポンではどうにもならんのか?」


【大丈夫ですが、スキル四十程度では効果時間が短すぎて使えませんよ?】


「そうなのか・・・隊に戻ったら訓練をさせる事としよう。」


【アイツは範囲攻撃で吹雪のブレスをバラ撒きますから、ディアナ得意の近接戦では戦いにくいです。それをフォローするのにどうしても必要なんですよ。ディアナは騎士魔法がオーラブレイドしか使えませんしね。】


「成程のう、じゃが作れない事はないのじゃろう?」


【ええ、師匠の言う通り、ディアナの成長に必要なら作ります。それと百人将の九人とシェラハザードさんの武器もですね・・・これは合格してからですが。】


「紅玉殿、この試験が済めば、明日は某に付き合ってくれるのだろう?」


【優先しましょう。それで師匠は大丈夫ですか?】


「強敵ならば良いがな。」


【ドラゴンの下位ですが、ドレイクとは言え特別討伐対象です。そこは安心して頂けるかと、それに行くかどうかはおいておき、人数分の防寒具を作ります。】


「坊主、少し待て・・・セリスの嬢ちゃん、クレアの嬢ちゃん、気配が消えておらんぞ。話を聞きたければ、遠慮なく入ってこい。」


ドアの方からガタゴトと音がする。

しばらくすると顔を赤くした二人が部屋に入って来る。


「盗み聞きとは趣味が悪いぞ、それで何用じゃ?」


「剣聖殿、旦那様、我らにも実戦での経験が必要だと思うのだ!」


「そうです、剣聖殿。我らは主君の騎士、雪原の戦闘などは貴重な経験ではないかな?」


「・・・どうする、坊主?」


【このままですと追いかけて来そうですね。分かりました、二人共・・・そこまで言うのならば連れて行きましょう。】


「流石、旦那様です!なあ、クレア!」


「主君、ありがたく。セリス、共に行こうではないか!」


二人はガシッと腕を組む。


【王国内とは言え、厳しいですよ?特にセリス、クレア、貴女達は雪原地帯での戦闘は初めてですね・・・十二分に気を付けなさい。】


「かしこまりました、旦那様。必ずや役に立って見せましょう。」


「私の事もお願い致した、主君。」


【分かりました。次回のヘルシャーでの戦に役立てて下さい。う~ん・・・。】


「坊主、まだ何かあるのか?」


「紅玉殿?」


【心配と言えばそうなんですが、ドレイクの類の魔物は放っておくとドラゴンを呼びます。それが引っかかるんですよ。】


「ドラゴンがいるかもしれないと言う事か!?」


「某達が行った時にはいなかったが?」


【それですよ、守りに入ったらどうしますか?それにあいつだと、守りに来るのは白竜山脈にいると言う『フロストドラゴン』ですよ?】


「「フロストドラゴン」とな?」


「それは一大事・・・。」


「旦那様、フロストドラゴンとはそこまで警戒する魔物なのですか?」


「主君、どのような魔物なのだ、そのフロストドラゴンと言う竜種は?」


【8thまでの呪文を使って来る知性のある竜で、もちろんドラゴンなのでブレスを吐きますし、更に鋼の武器はその表面の鱗、『アイシクル・スケール』に阻まれて皮膚まで届きません。】


「・・・坊主が作ったミスリルの武器ならば通るのじゃな?」


【試したことが無いので不安はありますが、ミスリルの武器ならば通るはずです。】


「紅玉殿、もしも、だがな、そのミスリルの武器を作って頂ける事になったら、その料金は・・・。」


【通常の相場で頂きますね。】


ニッコリと満面の笑みでシェラハザードさんを見つめる。


「ま、まからんか?」


【ミスリルは希少金属ですからねぇ、それに対ドラゴン用の武器、難しいです。】


「そ、そこをなんとか・・・。」


【難しいです。】


「ぐあっ。それでは足が出てしまうではないか!」


【もしもですが、グラキエースなどの討伐が出来れば、ドラゴン種ですから素材の宝庫ですよ?鱗、皮、牙、肉、骨、血液等々、希少素材ですね。いくらになるか想像が出来ませんよ?】


「成程、分け前は活躍次第で頂けるのかな?」


【そうですね、ただし、無謀な事は止めて下さいね。命が一番ですよ?】


「うむ、分かった。」


本当に分かったのだろうか?

目を光らせておこう。


「決まりじゃな、オーガの牙と四人の娘っ子には課題を出しておこう、坊主もそれでよいな?」


【構いません。これ以上連れて行って感づかれても逃げられるので、討伐が難しくなるでしょうからね。】


「旦那様、我が儘を言って申し訳ない。」


「申し訳ないね、主君。だがこの機会を除くと経験を積むことが出来ないのではないかと、そう思ってしまったのだ。」


【分かっております。ただ、二人共に無茶はしないよう心掛けて下さいね。】


「「お任せてください!」」


「ディアナの嬢ちゃんと皆にはわしの方から言っておくぞ、坊主。」


【お願いします、師匠。】


「任せい。」


【では、討伐期間を考えましょう。まずは、ドレイクのいると言うパトリダ村までの行軍ですが・・・。】


シェラハザードさんが自信満々に俺なら手伝ってくれるといった意味が分かったような気がした。


ミカにまた何か言われそうだ・・・。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「・・・面白い事をやっておるのぉ。で、それは何をやっておるんじゃ、あんちゃん達?」


あの後、貴族屋敷に来た俺達は爺さんと面会している。

ステファンさんが笑ってたからな。

鏡を見ておけばよかった。


【これは、錬金の実験をしているんだよ。それで、爺さんに頼みがあって来たんだ。】


「そっちの嬢ちゃんの事もあるのじゃろう?」


【その前に、爺さんの言っていたドレイクの事を聞きたい。】


「おう、えー・・・これじゃな、パトリダ村からの陳情じゃな。ドレイクが近くに住み着いて、家畜が襲われているらしい。」


【そのドレイクの二つ名は?】


「ギルドからの情報じゃと「純白のグラキエース」と言うらしい。」


ビンゴか。


【そいつを討伐に来た、シェラハザードさんだ。今回は俺と師匠、ディアナ、セリス、クレアが助っ人だ。】


「おお、これが片付けられれば国内にいる討伐対象はあと三匹になる!助かるぞ、あんちゃん達。」


【それで爺さんにお願いがあって・・・約1000名の傭兵の陣地構築場所を借りれないかと言う事なんだ。】


「食料は難しいがよいかの?」


【どうなの、シェラハザードさん?】


「百人将を一人残して、そ奴に面倒を見させる。食料も十分持って来ているので心配はあるまいよ。」


「分かった、北門を抜けた辺りならば十分な広さがある。そこではどうじゃ?」


あー、アセディアの時に構築した陣地の所か。


「構わない、公爵様。では、そこを遠慮なくお借り致そう。」


「で、あんちゃん達は何時から行くんじゃ?」


【早ければ明後日には現地に向かう。その村の事は任せてくれ。】


「分かった、あんちゃん。この件は任せる。」


【少数に絞ったから広範囲にわたる吹雪のブレス対策も大丈夫なはずだ。人数分の防寒具は作るからそっちの心配は無いと思う。】


「気を付けるんじゃぞ、あんちゃん達。この間の「疫病」の件もあるしのぅ。」


【必ず討伐して見せる。爺さんは吉報を待っていてくれ。それと爺さんにも仕事を「回収部隊」を頼む、ドラゴン並みの大きさのハントマスターの素材だ、いくらの値が着くかね?】


「分かった、期待して待っているわい・・・『アリステリア様』よ、困難に立ち向かう若者達に加護を与えたまえ。」


【これが終わったら、待たせてる人の所にも行かないといけないんだ。そんな簡単にくたばってたまるかよ。】


「あんちゃん、油断はするなよ?」


【師匠もいるし、油断は無い・・・いや気を付けるよ。あんがとな、爺さん。】


「それでこそ、あんちゃんじゃ。わしはいけぬが吉報を待っているぞ。」


【任してくれ、爺さん。】


「ドリュカス公、お任せを。」


【シェラハザードさんは、試練があるでしょ?】


「ああ・・・だが紅玉殿は、もう行ってくれる気なのじゃろう?」


【っぐ、ま、まだですよ、貴女と言う人を見させてもらいますからね?】


「これは手厳しいな、はっはっは、よく見ると良いぞ、紅玉殿。」


「旦那様、どう言う事か説明して頂けるのだろうな?」


「主君、流石にルイス殿が可哀そうだぞ?」


ついて来た二人から厳しいお言葉が・・・。


【シェラハザードさんや、肯いていないで俺にフォローをしようか?】


「紅玉殿、某などを相手にするより、妻を相手にしなければ可哀そうではないか?」


【ちょ、シェラハザードさん・・・裏切ったな!?】


「旦那様は手を出すのが早いですからね・・・私の時もそうでした。」


【それはセリスが俺の事を好いてくれたからでしょう?でなければあんな事は致しませんよ!】


「主君よ、私の時はどうなのだ、当然セリスと同じなのだろうね?」


【クレアの時は皆と差別をするのが嫌だったからですし、俺が貴女に魅かれたのは言うまでもないでしょう?】


「ふふ、旦那様、焦る事など無い。この身、この心は貴方の物だ。」


「主君、私も同じ思いだ。ただ、主君の口から言ってほしい事ではある。」


【気を付けるよ・・・二人が納得してくれて良かった。さて・・・少し早いが、いつもの宿屋に戻ろうか。】


爺さんと別れると、いつもの宿屋に戻る。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【ただいま、女将さん!】


「「ただいま、女将さん!」」


挨拶をし、扉を潜ると早速声が掛かる。


「小僧!嫁をほったらかして何処に行って・・・なんだい、その顔は?」


【錬金から作れたものの実験中でして、今日は勘弁して下さい。】


「初顔の小娘・・・アンタも同じだね、何やってるんだい!?」


「これは失礼を、女将殿。某の名はシェラハザードと申します。紅玉殿の実験とやらを手伝っておるのですよ。」


【これもルイス達の為なんですよ。】


「・・・それなら、まあ、いいだろう。さっさと行っておやり!」


【はい、女将さん!】


「かしこまった!」


挨拶を済ませるといつもの席へ、ルイス達の所に行く。


【ただいま、皆!】


「・・・ねえ、見間違えかしら、あの変な人がお兄さんっぽく見えるのよね。」


「リズ姉、見間違いですね・・・ヘファさんには見えません・・・似ている別人です・・・。」


「アレはヘファさんではないです。」


「へ、ヘファ兄ちゃんなの?」


「・・・ヘファさんなのです?」


そりゃそうだ、こんな格好をしているんだからね。


【ただいま、皆。良い子にしてたかい?】


「ね、ねえ、貴方・・・何をしているの?」


「ヘファ君、元に戻って下さいー。」


「ヘファ師匠・・・何の冗談ですか?」


「あっはっは!坊ちゃん、それはいかんでぇ、あっはっは!」


もう俺も何をやっているのやら・・・。

しかし、酷い言われようだ。


【錬金の実験をしているんだよ。で、こちらは協力者のシェラハザードさんです。】


「シェラハザード・サダラーンと申す。よろしくお願いをしたい。」


「貴方、実験って言ってたわよね?」


【そうだよ、愛しいルイス。「化粧品」と言う女性の為の物を作ったんだ。】


「ヘファ君、それはどのような物なのですかー?」


【ナナリー、これには訳があるんだ。言ったよね、実験だと。】


「ヘファ師匠、何でそんなおかしな格好になっているんですか?」


【サーラ、この実験は必要な事なんです。白粉は無害の物から作りました。これはその安全性を実験しているのです。】


「坊ちゃん、そう言うのは自分ではなくウチらで実験してくれないかね?」


【フェイ、鑑定などはしているのですが、何かがあった時に君達には辛い思いをさせてしまうので、まずは自分で実験する事にしたのです。】


「貴方、私達の為の・・・その、実験だと言うの?」


【そうだ、この実験が成功すれば、君達をより輝かせて見せましょう!】


「そ、そうなのね・・・でも、凄い事になっているわよ?」


「それで、実験とやらの結果は出たのですかー?」


【今日一日つけてみましたが、毒物などの反応が無いので大丈夫でしょう。協力者もいましたのでね。】


協力者と言ってシェラハザードさんの方を見る。

同じ化粧をしているのを見て大丈夫なのかと心配をしだした。


「なあに、某は女を捨てた身でございますからなぁ。この程度で紅玉殿の信頼を得られるのならば文句はない。」


【それと、後でナナリーにはお話があります。御風呂の後、相談に乗って下さいね。】


「は、はい。かしこまりましたー!」


【では、シェラハザードさん。お腹がすいているとは思いますが、クレンジングの時間です。】


「「「くれんじんぐ?」」」


【この化粧を落として、乳液を塗るのですよ。所謂、肌のメンテナンスですね。】


「「「めんてなんす?」」」


「紅玉殿よ、聞き慣れない言葉なので実際にやっている所を皆に見てもらった方が良いのではないのかね?」


【そうですね・・・貴女の言う通りだ。では、ルイス達は付いて来て下さい。】


「ねえ、お兄さん。私達は?」


【リズ達には仕事を続けてもらいましょう。】


「えー、私も見たいよ、お兄さん!」


【若い君達にはまだ必要が無いんだ。今回は遠慮してくれると有難いかな?】


「ぶー、何時もそうやってー!」


【ごめんね、リズ。皆の面倒は任せたよ。】


「分かったわよ、でも次からは私も行くからね!」


その言葉を背に成年組と共に部屋にぬるま湯の水桶を持って移動する。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【では「クレンジング」の説明をしますね。クレンジングとは、肌の汚れや今俺が着けている化粧をしっかり落とすための重要な物です。】


「「「ふむふむ。」」」


【お肌に大変重要になる事なので・・・まあ、やって行きましょうか。】


「その、くれんじんぐって言うのを見ていれば良いのね?」


「私達だけを呼んだと言う事は私達には必要な事なのですか、ヘファ君ー?」


【そうです、ナナリー。俺の我が儘ですが、貴女達にはいつまでも美しくあってほしいんです。】


「その化粧と言う物と、クレンジングなる物が必要と、そう言う事ですね?」


【ええ、サーラ。それでは、シェラハザードさんの顔をクレンジング致しましょう。】


「某からで良いのかね、紅玉殿?」


【ええ、女性の肌なれば、効果の程が分かるでしょうからね。】


「では、嫁御達はクレンジングなる物の効果を御覧じろ。」


そう言うとシェラハザードさんは椅子に座る。


【あ、眼帯は取って下さいね。では皆、今回用意したクレンジング剤は、ジェルタイプです。肌にのせる前に手のひらでなじませて少々温めます。】


「「「ふむふむ。」」」


眼帯を取ると右目が金色だった。

左右の眼の色が違うのである。

神秘的で美しいと思ってしまった。

おっと、進めましょう。


【温めたクレンジング剤を肌にのせ、手のひら全体で優しくすべらせながら丁寧になじませる。シェラハザードさん、よろしいですか?】


「お、おう、何時でも来られたし!」


上を向いてもらうと説明を続ける。


【ポイントとしては、ゴシゴシと強くこすってはいけないと言う事ですね。】


「「「ほうほう。」」」


【適量を使用して優しく洗う事が大切です。】


「優しくなのだな?」


さすっ・・・さすっ・・・


シェラハザードさんは動かない。

その顔に手を伸ばし優しく洗う。

うん、よく落ちるじゃないか。

肌も良い感じではないだろうか?


「か、顔の色が凄い事になってますね・・・これでよろしいのですか、ヘファイストス様?」


【これで良いのです。コレが済んだ後に貴女達は驚く物を見ます。】


「「「・・・。」」」


【クレンジング剤は、すすぎ残しがないよう丁寧に洗い流します。】


シェラハザードさんに言って顔をぬるま湯で洗ってもらう。


【洗い残しの無い様に、丁寧に洗い流します。】


「「「・・・。」」」


タオルを取り出し、優しく拭う。

ゴシ・・・ゴシ・・・


「ん~!ふう、さっぱりしたぞ。で、どうなのだ紅玉殿?」


【お肌のケアに、乳液を塗って頂きましょう。】


「こっちの白い瓶だな?」


【そうです、乳液を塗るのが大切なのです。】


「・・・まんべんなく塗れたと思うがどうだろうか?」


皆が現れた素顔に驚いている。

すっぴんなのだが見るからにその頬の張りは、てかてかしていて戦士の顔ではなかったのだ。

そう、女性の顔をしていた。

それを見逃す彼女達ではない。


「ね、ねえ、シェラハザードさん、ちょっと触らせてもらっても良いのかしら?」


「ん?嫁御か・・・構わんよ?何か変わっておるかな?」


ペタペタ・・・


「やだ、こんな吸い付くような肌なんて・・・。」


「本当ですね、このモチモチの肌は・・・素晴らしいです、ヘファ君ー!」


「くれんじんぐとやらをすると、この質感の肌を手に入れられると言う事ですか!?」


【クレンジングだけではありませんがね、この肌の状況はこの化粧水と乳液と言う物で手に入れる事が出来るんだ。】


「「「けしょうすい!!!」」」


「「「にゅうえき!!!」」」


皆の目つきが変わった。

正直ちょっと怖い。


「えーっと、ええい、ちょっと待て貴女達、待てと言うに!」


シェラハザードさんにルイス達が群がる。


「凄いもんやな・・・これですっぴんかいなぁ?」


「これは・・・素晴らしいぞ、クレア。」


「セリス、これで美しさが保たれるのだな。」


「貴女達、触るでない!待てと言うに!」


シェラハザードさんは皆にもみくちゃにされている。


【えっと、皆さんそのぐらいで・・・。】


ギロリ!


【ひいっ!?】


視線が俺の方へ。

皆の目がマジだ。

嫁さん達が怖い!

シェラハザードさんには悪いが、このまま尊い犠牲になっていただこう。


しばらくその騒ぎは落ち着く事は無かった。

ぐすん・・・ごめんね、シェラハザードさん。


俺だって怖い物は怖いんだい・・・。

ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます。

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

誠にありがとうございます!

皆様に感謝を!

化粧品の事を調べていたらあっという間に時間が・・・。

男では限界がありました・・・この歳で女性化粧品コーナーとか、何の罰だろうか・・・。

済みませぬ。

それでは、次話 未定 で、お会い致しましょう。

御疲れ様でした!

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