目玉商品?
いつも読んで頂き、誠にありがとうございます!
皆様の読んで下さっている数字が、拙者のパゥワァ~!
新規書き終わりました。
お楽しみ頂ければ幸いです。
朝、いつものように目が覚める。
今日はルイスの温もりだけを感じる。
その嫁はぐっすりと眠っているようだ。
・・・少しぐらいなら甘えても大丈夫だろうか?
少し怖かったが、その双丘を手で触れる。
その柔らかさを感じている。
ルイスは疲れているようで、深い眠りについているようだ。
これなら少しぐらい触っても大丈夫なのではないのだろうか?
ちょっと悪戯心が芽生える。
その柔らかい膨らみに顔を埋める。
柔らかく、気持ちが良い。
・・・朝からマイサンが元気になってしまった。
昨日のルイスとの事を思い返す。
この人と結婚したんだよね。
そして昨日は満足するまでお互いを求めあった。
そのルイスの寝顔を見ると、俺なんかの為に結婚してくれたこの人を幸せにする。
その事で頭がいっぱいになる。
他の皆は遠慮してくれたのだろう。
この部屋にはルイスと二人っきり。
女将さん、皆、気を使ってくれてありがとう。
だが、そう、これで次のステップへと進む事が出来る。
今考える事はオーカムに出す店の事。
御店での切り札になる新商品の事。
王都の復興の事。
そして、次に結婚を控えているナナリーのお母さんの事。
この四つだろうか?
少し余裕が出来たので店や寮の事から考える。
新規で店を始めるには、何か目玉になる商品が必要だった。
それに教育された店員も。
ある程度の教育を受け、教養のある店員には心当たりがある。
復興がある程度の落ち着きを見せている。
そう爺さんに言われたので、他の事を考える余裕が出来たのだ。
もちろん、新商品の事は考えている物がある。
それには、ルイス達の協力が必要だ。
あとちょっとだけ柔らかさを堪能したらルイスを起こそう。
柔らかい。
張りもある。
顔を埋める。
飽きがこない。
素晴らしい。
「こら、悪さをしているのは何処の人なのかしら?」
【折角、俺だけの物になったんだから堪能しているんだよ。】
「そう・・・貴方だけの物よ?」
【おはよう、ルイス。】
「おはよう、ヘファイストス。」
ルイスが起きたので、日課を済ませる為に体を起こす。
何度も言うが、部屋には二人っきりだ。
「【『アリステリア様』、本日も加護を与えたまえ。】」
あの美しい女神様に祈りを捧げる。
この世界に来てから日課としている祈りである。
日課を済ませると早速だがルイスに店の新商品の事を相談する。
その様な夢のような物があるのかと、ルイスにも期待させてしまった。
とりあえず、その商品を作る為に秘薬が必要なのでルイス達には採取を頼む。
ナナリーさんにもルイス達と同じで採取を頼む。
サーラとフェイはギルドに鍛冶の鍛錬に。
セリスとクレア、ディアナは師匠との鍛錬へと冒険者ギルドへ向かう。
これで、皆の今日の予定が出来上がる。
でも、しばらくはこの感じかな。
俺は食事を終えると、皆と別れサーラとフェイと商業ギルドへと足を進める。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
商業ギルドに着くとアリシアさんに挨拶をして、錬金部屋へと向かう。
二人は鍛冶場へと進んで行く。
さて、朝、ルイスとも相談したのだが、店の新商品を作る為だ。
ノモスの奥様方にも約束してしまったからにはそれなりの物を用意しないとね。
それで前から考えていた、売れ筋の目玉商品の事を考えてみた。
不思議な事に前世での有力商品の作り方を思い出したのだ。
思い出すと言うのが正確な言では無いのだが。
何せ俺は男であって美容品なんかもテレビの宣伝でしか見た事は無い。
女性に向けて発売しようと考えている商品。
これから分析し作り上げる商品を『化粧品』と言う。
だだ、思い出したと言う表現が正しいのかは分からない。
そう、例の「楔」を解除した時にふと作り方が思い浮かんだものだ。
それを確認すると他にもレシピが増えていたのだ。
とりあえず実践してみるのが良いだろう。
まずは作ってみる。
だが、その使用感を感じてもらうモニターが必要だ。
化粧品の元となる薬品は秘薬から錬金術で作る事が出来た。
秘薬は皆が集めているし、買取をしている各ギルドでも扱っている素材だ。
これは新しく集める人を雇うのも良いかな。
オーカムの各地にいるサポーターの人を集めて手伝ってもらうのもいいだろう。
目玉商品になれば良いね。
まずは目玉とする「美容化粧品」と呼ばれる物にチャレンジだ。
・・・それと体に害のない『白粉』まあ、『ファンデーション』の方が良いだろうか?
先程も言ったが、いつの間にか錬金術のレシピに登録されていたのである。
レシピとにらめっこする。
ファンデーション、口紅、乳液、クレンジング等々。
他にも昔の世界の数点のレシピを思い出しているようだ。
さて、調べて行こうかな。
化粧水のレシピは魔力水、ベタイン、トレハロース。
ベタイン?
トレハロース?
調べたが、これらは、秘薬から錬金術で作れるらしい。
白粉は・・・何々、米粉とタルクだと?
タルクってなんだ?
あいかわらずなレシピの材料に四苦八苦している。
だが、秘薬から作れるので問題はないだろう。
ファンデーションは・・・。
錬金のレシピから必要な物は調べ終わったが、化粧品とは無縁だったおかげで効能が分からない。
うーん、とりあえず作ってみるしかあるまい。
その前にアルコールを蒸留する。
濃いアルコール、『殺菌用』を作る。
これは比較的簡単で、アルコールを再蒸留するだけで出来た。
殺菌のアルコールは欲しかったものだ。
掃除の時にも使えるので多めに作る。
準備は出来たので、まずは化粧水から作成してみるかな。
それと同時に錬金術から、ベタインとトレハロースを作る。
今回のレシピでは特殊な物は使わない。
これはレシピ通り、皆が集めてくれた秘薬から作る。
皆、ありがとうね。
しかし、秘薬って有能だよね。
各秘薬から取り出せる成分はゲームの時は無かったので解らない。
ただ、錬金で作れるのは正直助かる。
これらがこの世界に定着すれば、女性の美容と言う項目に関してはアドバンテージを取れるだろう。
まさに、目玉商品になる。
この世界では小麦色に日焼けした人が働き者として優遇され嫁としての人気があった。
これは男性でもそうだが、日焼けをした人は働き者で健康的だと見られるからである。
それとは別で、白い肌を維持したい人達もいる。
そう、夜の街の人達である。
女性の美に対する欲望は凄い物である。
最近の風潮では、色街の女性には肌を白くするものが好まれる。
これは不思議な事で白い肌が好みという男性が増えて来た為だろう。
だが、前までの白粉は毒物と分かり使われなくなってしまった。
その為、今は白粉は使われていない。
俺が作る白粉はその毒物を使用しない物である。
安全性を確かめる為にもモニターとなる人が必要なのだ。
ここは、慌てずに一つ一つやって行こう。
まずは化粧水の作成である。
高品質の物が出来上がった。
良い出来だ・・・と思う。
だけれど、まずは安全性を確かめる為にも実験だよね。
何かがあった時に、嫁さん達で実験するのは何かあると怖い。
・・・自分で使うしかない。
出来上がった化粧水を瓶に入れる。
これは商品にするのなら、細工スキルでガラス瓶を作る必要がある。
ポーション瓶と違い豪奢な入れ物を作る予定だ。
錬金術のスキルは、公国での戦争騒動の時にかなりの数の薬を作るのに使用していたので、最適化が進み一人で作るのにもあまり苦にならなくなった。
一度、錬金で作った物はスキルでどんどん作っていく。
ポーション樽に化粧水を詰め込みそこからガラス瓶に詰め込む。
こういうのはリズ達が得意そうだ。
雇おうとしているサポーターさんの中に得意な人がいるのを願うばかりだ。
さて次だ次だ。
化粧水が出来上がると次は白粉とファンデーションだね。
白粉の問題はタルクなのだが、滑石という結晶性鉱物から作るらしい。
先日、石切り場で素材として使える鉱物を集めた時に採取しておいた石だ。
細かくし、粉状にする。
混ぜ合わせ完成。
次にファンデーションも作る。
こちらはコーンスターチ、シルクベース等を乳鉢で混ぜ合わせる。
少し明るい色になったが上出来ではないだろうか?
容器に入れておく。
念の為、毒物があると困るのでスキルで調べる。
【毒物スキル。】
青だ・・・毒物の反応は無い。
スキル様は絶対だが、念の為に、これは無害だとの事を証明しないといけないので自分で使ってみよう。
万が一が怖いので、確証を得る為に自分で実験をするのが一番だ。
化粧水と一緒に自分で実験。
早速、使ってみる。
まあ、自分で作った物だからね。
しばらく使って結果が問題無ければ、ルイス達に進めてから販売をしてみよう。
化粧水を塗り込み、その上に右半面に白粉を叩き、左半分にファンデーションを叩いてみる。
これで様子を見よう。
後は口紅と乳液なんだけど、レシピは確定していたのでこちらも作っておこう。
実験をしたまま作業をする。
紅を塗って・・・よし!
これで変な効果が出なければ安心だね。
今日一日つけてみて、実験してみよう。
格好は・・・まあしょうがあるまい。
ルイス達の、いや、この世界に住む女性達の為である。
スキルで作っているのだ、何も出ないだろう・・・と思う。
「・・・!!!」
「・・・!」
おや?
ギルドの受付の方が騒がしくなって来たな。
ここまで聞こえるとは。
何かあったのか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「確かにいらっしゃいますが、良い物を作って頂く為に規則で個人の事は内密にしているのです。」
「そこを何とかと言っておるではないか!」
「無理です、しかも相手はカーネリアン様なんですよ?」
「ええい、らちがあかん!」
何か揉めているみたいだが、カーネリアンと言っている。
俺の事だろうか?
それならば声を掛けなければなるまい。
アリシアさんに迷惑をかける訳にはいかないだろう。
もう一人は見た事が無いな。
でも・・・この人は出来る人だ。
たたずまいが師匠に似ていて、スキが無い。
身長は160cmぐらいだろうか。
彼女の見た目は長髪である赤い髪をポニーテールにしており、肌は褐色。
防具も来崩した女性用のスタッドアーマーだ。
胸にさらしを巻いており、なんか前世の暴走族の特攻服みたいなものを着ている。
背中に標準の物より大きな二本のシミターを背負っており、これが彼女のメインウェポンだと言う事を誇示している。
それと気になったのが右目にしている眼帯である。
隻眼なのだろうか?
雰囲気のある女性だった。
アリシアさんも度胸が付いたな。
こんな女性を相手に一歩も引いていない。
ギルドの職員とは命がけの仕事なのだろうか?
おっと、そんな事を言っている場合ではない。
たまらず声を掛ける。
【何かありましたか、アリシアさん?】
「ヘファイストス様、出て来てはいけませ・・・何をなさっているのですか?」
「この方が紅玉様か!・・・何をやっておられるのだ?」
二人の反応が?
あ、そう言えば、顔に白粉とファンデーションを塗ってたんだっけ!?
【ああ、これは、錬金の実験をしていたんですよ。】
「出て来て下さったのだ、職員殿、声を掛けさせて頂くぞ?」
「ヘファイストス様がよろしいのならば構いません。」
【ん?俺に用事?失礼ですが、どちら様でしょうか?】
「お初にお目にかかります!バイジンに五兵団ある狼牙兵団より参りました。『金狼牙傭兵団』に所属している狼牙将が一人『シェラハザード・サダラーン』と申します。お目にかかり光栄でございます、紅玉殿!」
【それで、そのシェラハザードさんが、俺に何用でしょうか?】
「突然の押しかけ、ぶしつけな事だとは存じますが、某の願いを聞いてはくださらんか?」
「初対面でそれは失礼ではありませんか!」
【アリシアさん、ありがとうございます、大丈夫ですよ。で、そのシェラハザードさんが何のご用でしょうか?】
「まずは、某の話だけでも聞いていただけぬかな?」
【構いませんよ?】
「済まない、実は我らが狼牙傭兵団は『天災の魔物』の討伐依頼を受けたのだ。このオーカムから北に行き、トリニダートの街を超え、白竜山脈に住み着いていると言う特殊個体の白いドレイクの討伐だ。」
王国の他の街に行くかもしれないな。
国内の他の街は初めてだね。
「ただ、その天災の魔物がとんでもなく強く、困り果てていたのだが、この街にカーネリアン様がいらっしゃるとの事で助力を頂けぬかとまいったのだ。」
【それで、俺にどんな助力を?】
「某らに武具を作ってほしいのだ、もちろん金は払う!だが我々にも限度がある。そこでだ、隊の将である私が値段の交渉に来たと言う訳だ。」
【シェラハザードさんに伝えておきます。俺は自分の目で確認し、信頼出来る人にしか武具は作りません。これは各国の王も承認しております。】
「問題ない、紅玉であるヘファイストス殿ならば某らの事を必ずや気に入ってくれるはずだ!」
【凄い自信ですが、そう思われる根拠がおありになるのですか?】
「もちろんだ、その為に某が来たのだ!」
【自信がおありのようですが、根拠を示して頂けますか?貴女が何をする事で俺への信頼を示せるのですか?】
「是非に某と立ち会って頂きたい!そうすれば貴方様は必ず分かって下さる!」
【えー・・・こちらの予定もあるので、今は無理ですね。】
この子もバトル・ジャンキーか・・・。
「何時ならよろしいのか?」
【しばらくは無理ですね、この錬金で作った「化粧品」の性能試験の結果が出た後なら立ち会いますがそれでもよろしいでしょうか?】
「それは何時頃になるのだろうか?」
【三日は必要ですね、お待ちいただけますか?】
「ヘファイストス殿、もう少し早くはならぬか?」
【と、申されましても先約があるので難しいですね。】
「そこを何とかならぬか?」
【先約を軽んじては紅玉の名と共にエクスィ・スィデラスの信頼を地に落としてしまいましょう。難しいです。】
「何とかならぬか?」
【難しいです。】
「そこを曲げてお願いは出来ぬか?」
これは、この人は折れないな・・。
仕方がない。
【ふぅ、仕方がありません。それでは、シェラハザードさんにも手伝って頂きましょう。】
「某で出来る事ならば喜んで!」
【では、そう言う事で・・・部屋に行きましょうか。】
「かたじけない!」
そう言うと右手を伸ばして来た。
握手を交わす。
アリシアさんに許可をもらい二人で錬金部屋へと赴く。
【シェラハザードさん、手伝って頂きたいのはこの化粧品の安全性の試験です。】
「先程も言っていたが、「けいしょうひん」とは・・・?」
【化粧品ですね。今回、試験をするものは女性の肌を守るものと、美しく見せる為のものです。】
「ヘファイストス殿、伺いたいのだが・・・某がただの女子に見えておるのか?」
【ええ、その隠している巨乳は見間違う事は無いでしょう。】
「・・・ヘファイストス殿、其方は変わり者か?」
【変わり者とは失礼な、貴女は十分に魅力的ではありませんか。】
その見事な巨乳をさらしで隠しているからねぇ。
「貴殿・・・傭兵団に某を女扱いする物はおらんぞ?」
【もったいない・・・そんなに魅力的な体をしているのに。】
「くすぐったくなるな、そのように言われたのは初めてだ・・・そ、某に本当に魅力があるのか?」
【貴女さえ良ければ、俺とのお付き合いから初めませんか?】
「はっはっは、某を口説く男など、初めてだぞ?」
【他の男共の目が節穴なんですよ。例えばですが、その眼帯の奥の金色の目とかですね。】
「紅玉殿、貴公そこまでにしてもらえぬか?それと残念だが某にその気はないぞ?」
【仕方がありませんね、話はここまでにしましょうか。ではこの化粧品をつけて頂きたい。】
「この瓶に入っている物をか?」
【ええ、丁度良く出来上がったので後は試験をするだけなんですよ。】
「こんな水を塗るだけで良いのか?」
【試験ですからね、女性に付けさせて頂ければ、大幅に試験の時間は短縮出来るでしょう。】
「塗りたくれば良いのか?」
【まずはこの様に手に出します。その後に伸ばすようにして顔に塗り、ぱしぱしと顔を叩くように馴染ませます。】
「こうか・・・?」
【そうですね、その後に「白粉」と「ファンデーション」を塗ります。】
「紅玉殿、白粉は毒があるとの事で禁止になったはずでは?」
【俺の作った物には毒物は含まれておりませんよ。】
「それに、ふぁんでぃえいしょん?そんな物をを塗っても、日焼けした某の肌には効かないと思うぞ?」
【特別性でして、これにも毒物は使われておりません。】
「ほう、往来の物とは違うと言う事か・・・それが本当ならば、女共がこぞって買いに来るであろうな。」
彼女はそう言うと言われた通り、白粉とファンデーションを顔に塗って行く。
「塗れたが、これでよろしいのか、紅玉殿?」
【ええ、これで完成です。後は試験の結果待ちです。】
「これで終わりか?しかし、水を塗った所の肌はプルンプルンして手に張り付く感じだ。それに、このふぁんでぃえいしょんとやらの効果は何なのだ?」
【水の方は美容成分がいっぱい入っている化粧水と申しまして、ファンデーションは、お肌を色ムラのない均一な美肌に見せ、質感の違いでさまざまなタイプの肌を演出する化粧品です。もちろん無害の物を作ってあります。】
まあ、この辺りは前世の記憶だ。
あの楔がとれてから前世の記憶を取り戻したかのように錬金術のレシピなどに入っている。
有難い事だが、まだ他にも増えているレシピがあるかもしれない。
時間があれば確認して行こう。
「びようせいぶん?しかも、このふぁんでぃえいしょんと白粉は無害だと!?」
【はい、女性の為に作りました。】
「紅玉殿よ、其方は鍛冶師と聞いておったのだが?」
【鍛冶師ですよ、ただ色々とやれる事があるので手を伸ばしていると言った感じですね。】
「まあ良い、それでこのけしょうすいとふぁんでーしょんとやらの結果が出るのは何時なのか?」
【今から着けている物を夜にこの『クレンジングオイル』と言うもので洗い流します。こちらに配合されている美容オイルで洗い流すのですよ。】
「水では駄目なのか?」
【水では完全に洗い流せませんね。先程も言った通り、美容オイルでファンデーションなどを洗い流します。】
「なんぞ、面倒だの。」
【何を言っているんですか、この実験が成功すれば間違いなく革命が起こせます、女性を中心に売れますよ?】
「紅玉殿は商売人なのか?鍛冶師と聞いていたのだがな。」
【もちろん鍛冶師ですよ、ただし商売人でもあります。】
「ふむ、それでこの結果はいつ出るのだ?」
【今日の夜、一晩は様子を見るように致しますので・・・明日の朝ですね。】
「明日か、その後ならば某の話を聞いてもらえるのだろうな?」
【構いませんよ。】
「かたじけない、それでは結果を待とうではないか。」
【つけかたや洗い方を間違うと効果が分かりません、本日は俺と一緒に宿に泊まって下さい。】
「ヘ、ヘファイストス殿!?」
シェラハザードさんの顔が、一瞬で顔が真っ赤になる。
【ああ、言い方を間違えました。俺達の泊まっている宿屋に泊まって下さいと言う事です。】
「そ、そうか、流石に某も焦ったぞ?」
【貴女がそれでも良いのなら構いませんが?】
「はっはっは、紅玉殿は最近嫁をめとったと長老様より聞いたぞ、早速の浮気は出来まい?」
【その通り、残念ですね。それで、ドレイクの討伐と言う事はドラゴン特効の武器ですか?】
「そうだ、紅玉殿ならば出来ると聞いた。」
・・・前にもあった気がするなぁ。
【えっと、それは誰から聞いたのですか?】
「翠玉の、カリュプス閣下だ。」
ミカの野郎・・・まーたやりやがった!
でも、わざわざ訪ねてくれたんだ、仕方がない。
お客様には罪はない。
【それでは明日詳しく伺いましょう。先に一つお伺いしたいのですが。】
「何であろうか?」
【そのドレイクにも「討伐ネーム」が付いているのでしょうか?」
「うむ、「純白のグラキエース」と言うらしい。」
ああ、アイツかー。
結構強いから大変だぞ。
剣士だと防寒対策を忘れるとヤバい事になるからな。
そう言えば爺さんが言ってたドレイクってコイツの事か?
【もう一つ、兵団と伺いましたが、何人で来られているのですか?】
「某の隊は千人でございます。」
【千人のうち特に優れている人を選別して十人までにして下さい。】
「む、紅玉殿は我が隊が足手まといとでも言うのか?」
馬鹿にされたと思ってか、鋭い視線が俺を射抜く。
【違います、これも縁でしょう。私と剣聖であるジュウベイ殿を連れて行きます。これで不足はないかと。】
「なんと!冒険者としての紅玉様だけではなく、剣聖様までいらっしゃるのか!」
【あの相手には、少数精鋭で向かうのがよろしいと思います。】
「紅玉殿はヤツを知っておるのか?」
【よく知っていますよ、そして、その為の少数精鋭です。】
「上手く行けば、兵の被害は抑えられるか・・・では、オーカム公に挨拶をしなければな。残る990名の兵の駐屯をお願いせねばならん。」
【明日になって効果が期待通りであればオーカム公に会う時は案内を致しましょう。】
「おお、有難い、会うだけで日数を取られるのは御免被る。流石、紅玉殿よな。」
【では、明日の結果次第ですね。他に何か聞きたい事はありますか?】
「何かあれば同じ宿なのだ、遠慮なく声を掛けさせてもらおう。」
【構いません。それでは、続きをしましょうか。】
「分かり申した!では紅玉殿、よろしくお願い致す。」
こうしてひょんな事から協力者を得た。
化粧したままだったが、師匠には至急で伝えたかったので、そのまま冒険者ギルドへと向かう。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
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皆様には感謝しかございません!
それでは、次話 剣聖のしごき(仮 で、お会い致しましょう!
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