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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第四幕 第四章:サーラの実家の事情
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王都復興への道

皆様、お久しぶりでございます。

なんとかアップ出来ました。

お楽しみ頂ければ幸いでございます。

控室に到着するとドアの外からでもそのやり取りが分かるような声が聞こえてくる。


うーん、この部屋の中に行くの?

右にいるバウマンさんの顔を見る。

申し訳なさそうだった。

左にいるグレイさんの顔を見る。

何かに期待しているようだった。


さて、何があったのかなぁ。


ある程度の予想はつく。

多分だけど、ルイスのドレスの事とかナナリー達のドレスの事とか聞かれるんだろうなぁ。

ちょっと憂鬱。


「アーサー殿、頼みましたぞ!」


【逃げ出したいです。】


「そんな事をおっしゃらずに!」


【変な事は無いんですね?】


「・・・な、ないですとも!」


【バウマンさん、その「間」は何ですか!?】


「ここまで来てつべこべ言わんでくれ、アーサー殿。」


そう言うグレイさんが扉を開ける。

開くと同時にバウマンさんに部屋の中に押し込まれる。

その後をルイスが付いて来る。

目に映るのは六人の女性に詰め寄られているノモス。


ドアからの侵入者に早速声が掛かる。


「ヘファイストス様!」


「ヘファイストス様ですわ!」


「あのドレスはセリーヌにこそ、むぐっ!?」


「カーチェにこそふさわしいです、むご!?」


「是非作って下さいませ!」


「カーチェにこそ意匠の似合う事むがっ!?」


やっぱりこうなってたのね・・・。


「や、やぁ・・・あーさー・・・。」


やつれちゃってるぞ?

貴女達の旦那様が!


【これは酷い。入る部屋を間違えたようですね。】


「「間違って等おりませんわ!!!」」


「ヘファイストス様、貴方様でないと作って頂けないと御伺い致しましたわ!」


「左様です、カーチェの方が似合いますのよ!是非にそのドレスを作っては頂けませんか!?」


ズズイと押されて後ろはバウマンさんが閉めたドアに追い詰められる。


【あのドレスはルイス専用の物であってですね、誰もが着れると言う物ではないんですよ?】


「専用・・・ならばセリーヌ専用のドレスがある事でございましょう?」


「左様ですわ!カーチェ専用の物がおありになるのですわね!」


逆効果だったー!


【それでは御二人共、少々お話をさせて頂けますか?】


「お話よりドレスを!」


「そうです、ドレスを!」


【おや、良いんですか?そのドレスに関係のある話ですよ?】


「「・・・伺いましょう。」」


【実は俺は、ここオーカムの地に御店を持とうとしているのですよ。】


「カーネリアン様が御店を!」


「持つのですわね!」


凄い食いつき方だね!


【そうです。もちろんノモスには支援して頂いております。だよね、ノモス。】


「そ、そうなんだよ、セリーヌ、カーチェ。」


「貴方様、流石でございますわ!」


「とても素晴らしい事ですわね!」


【そのお店が出来ましたら、是非に御来店の程を、その時には歓迎させて頂きます。】


「まあ!それで、どのような御店なのかしら?」


「もちろん女性向けの物があるのですわよね?」


【もちろんです、色々と模索中なんだよ・・・ね、ノモス。】


「あ、ああ、その通りだ。分かってくれたかな、セリーヌ、カーチェ。」


「そのお店の開店は何時なのかしら?」


【近々と思われます。】


「近々とは?」


「近々は近々でございますわ。御二方。」


おや、一緒に来たルイスが初めて声を上げたぞ?


「「貴方様、新婦の・・・。」」


「はい、ルイス・フォン・エターナルでございます。一号店が開店の暁には店長を務めさせて頂きます。」


「まあ、御立派な・・・え!?女店長様ですの?」


「本当でございますか、ヘファイストス様!」


【本当でございます。ノモスをアドバイザーに付け、店員は私の家族で構成致しております。】


「そして女性の味方でもありますの。ねえ、貴方?」


【もちろんでございますよ、妻の言う通り、女性の味方の御店です。そして幅の広い商品を扱う事になるでしょう。】


「・・・そう言う訳なんだ、せりーぬ、かーちぇ。もう少し待ってもらえないだろうか?」


ちょっとは元気が戻ったか、ノモス?


「そう言う事でしたら・・・分かりましたわ、貴方様。」


「お待ち致しましょう、貴方様。」


「【そ、それは良かった。】」


「では、開店日は前もって教えて下さいますのね?」


「ええ、もちろんです、セリーヌ様。」


「わ、私にもですわ!」


「ええ、カーチェ様。御二人を呼ぶ時は貸し切りにすると誓いましょう。」


「か、貸し切りですの!?」


「店長様がそう言われるのならば、開店を待ちますわ!」


【ありがとうございます、御二方。】


「御期待下さいませ。」


「君達へのサプライズのつもりだったんだが・・・。」


【そうですね、バレてしまったのなら仕方がありませんね。】


「「貴方様・・・。」」


「惚れ直しましたわ、貴方様!」


「その通りですわ、貴方様!」


「じゃあ、今日の所は素直に帰ろう・・・戻れるよね?」


「「はい、店長様、ヘファイストス様、楽しみにしておりますわ!」」


「あの、ノモス閣下、ヘファイストス閣下、店長様も質問をよろしいですか?」


おっと取り巻きの四人様からの御質問ですか?


【何でしょうか、奥様方?】


「今度こそは下着が買えるのですわね?」


「そうですわ、またお預けなんて酷い事は言いませんわよね?」


【もちろんです、採寸さえ済めば、種類、数は十二分に御用意致しますよ。】


「それなら安心出来ますわね。」


「今度こそ、今度こそあの下着を!」


「「「よろしくお願い致しますわね。」」」


【ははっ・・・奥様方、お任せ下さい。】


「楽しみになさって下さいませ。」


安心した事で奥様方は馬車に乗って戻って行った。

ルイスの機転で何とかなった。


後は俺達が実現に向けて頑張るだけだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


奥様方を見送ると出入り口に爺さん達がいた。


最後になってしまったがブリタニア国王一同様の御帰りですな。

爺さん、ありがとうな。

レガイアさん、プリンは美味かったか?

マリーナさん、鰻はどうでしたか?

ザイード君、これも人生の糧にしてくれると良いかな。


「お、あんちゃんお帰り・・・疲れておるのか?」


「ヘファ君、鰻は駄目だと思っていたのだけれど、とても美味しかったわ。あれが本来の鰻なのね。」


「ヘファイストス殿、主たる鰻、そしてデザートのプリン・・・誠に美味であった。」


「鰻が美味しゅうございました!デザートのプリンもとても美味しゅうございました!」


「あんちゃん、式の方はどうだったかの?」


【爺さん達のおかげで理想通りの式が出来たよ、本当にありがとうな!】


「ドリュカス様、本当にありがとうございました。」


二人して頭を下げる。


「あんちゃん、外を見てみろ。民の笑顔がある・・・あんな事があったのにのう、民とは強い物だ。」


【その土台を作ったのは爺さんとレガイアさんなんだからな・・・俺達はそれを利用しただけだよ。】


「くはは、それでな、あんちゃん。報告が遅れたが王都に土地を確保している。貴族街と上級民用の二か所じゃ。」


【二ヶ所もあるのか?有難いけれどいいの?】


「尊爵の位はあんちゃんなら五年後でも十年後でも変わってはおらんじゃろう。それと上級民の方は店を作ってほしいんじゃ。」


【店を?】


「ああ、オーカムよりも流通は便利じゃしな、そこにカーネリアンが本店を作って構えてくれるとありがたいのじゃよ。」


【早速利用する訳だな?構わないよ、将来的にはルイスを本店の店長に押し進める予定だったからね。】


「え!?」


ルイスが驚いている。


【それで、ノモス、そろそろ借りを返してほしいんだけど、良いかな?】


「察するに、ルイス嬢に商売のい・ろ・は、を教えれば良いのか?」


【うん、こればかりは俺じゃあ教えられないからね。バウマンさんも手が空いてたらお願いしたい。】


「会頭がよろしければ何時でも結構ですぞ。」


【なら、お願いしますね、二人共。】


「分かった、俺の場合は商売人としての顔と感をメインに教えよう。」


「では、私は基本となる物をお教え致しましょう。」


「よろしくお願い致しますね、ノモスさん、バウマンさん。」


ルイスが挨拶をする。

よし、これ以上ない先生が出来た。

しかも二人も。

ルイスには頑張ってもらうからね。


「あんちゃん、それでどうするんじゃ?」


【とりあえず復興の手伝いだろう。それとヘルシャーの事だ。】


「違う、嫁さんと過ごすのじゃろう?」


【そうなんですけど・・・そうそう、二つ程ですが用事を思い出したよ。】


「嫁さんよりも優先する事か?」


【いえ、明日からの予定です。】


「ヘファイストス殿、それならば皆との家族との祝いは我が家でやると良い。料理に関してはマギラス達を鍛えてくれるか?」


【俺は構いませんが、皆もどうだろうか?】


皆の意見を聞く為に声を掛ける。


「ええ、構わないわよ。」


「構いませんね、逆に使わせて頂いてよろしいのかとー?」


「構わん、君達は家族のような物だからな。ですよね、父上。」


「その通りだ、晩御飯も楽しませてくれると嬉しいぞ、あんちゃん。」


【そこまで言われちゃあ、断る選択肢は無いな。晩御飯は任せてくれ。】


「じゃあ、着替えてから移動しましょう!」


「そやな、ちょっと冷えたでなぁ。温かい飲み物でも欲しい所やな。」


「主君、ドリュカス様の館に行くのだな?」


「ノモス侯爵。後は任せても良いか?」


「セリス様、後は御任せて下さい。それよりだ、アーサー。今日ぐらいは家族と過ごせよ。」


【ありがとう、ノモス。じゃあ、女将さん達に挨拶してから向かおう。】


皆で女将さんの所へ向かう。

確かに心配だからな・・・。

材料はあれで足りたのだろうか。

俺は良いけどルイスにクレームが行くのは嫌だな。


と、外に出るとそこには幸せな空間が出来ていた。


皆が笑顔だった。

そして俺達に気付くと口々に祝福の言葉を投げてくる。


「紅玉様、おめでとう!」


「ヘファイストス様、美味い飯をありがとうな!」


「ルイス様、お幸せに!」


「御二人に、『アリステリア様』の祝福があらん事を!」


「「「祝福のあらん事をー!!!」」」


「「「おめでとうございます!」」」


【これは・・・喜んでもらえてるって事で良いのかな?】


「そうね、皆・・・嬉しそうだわ。」


「こんなにも大勢の方々が・・・祝福をー!」


「笑顔です、皆さんが笑顔ですよ!」


「ああ、ええ顔しとるなぁ。」


「それだけ旦那様のやった事が民に受け入れられたのだろう。」


「素晴らしい・・・主君と歩むと、このような光景ばかりだね。」


「小僧、待ってたよ!」


「ヘファ君だ!」


「ルイスさんもいるわ!」


「「「皆さん、御疲れ様でした!」」」


「「【御世話になりました!!!】」」


その声援のなか歩いて行く。

目的地の女将さんの前に着く。


【女将さん、皆さんも!本当にありがとうございます!】


「ふん、小僧。やる事はやったのかい?」


【ええ、やる事はやれた、女将さんや皆のおかげだ・・・本当にありがとう!】


「ふん・・・幸せにしてやるんだぞ?いいね、小僧!」


【はい!】


そして着替えに控えの間へと戻る。

皆のドレスは家が出来るまでは、俺のバックパックの中だね。

着替え終わり皆が来るのを待っているとルイスが近づいて来た。

一番時間がかかりそうだったのにね。


ルイスからドレスを受け取るとバックパック様に入れる。


「終わっちゃったのね・・・でも、これで貴方の一番になれたのかしら?」


【ルイスがどう思おうとも、俺の一番はルイスなんだから・・・今日の夜は、ゆっくり過ごそう。】


「ええ・・・緊張したけれど、楽しかったわ。」


【それなら良かった、これでルイスも貴族様で尊爵婦人だよ?】


「貴族には興味はないわ。」


【そっかー、でもやりたい事があるから・・・手伝ってくれるよね、ルイス店長様。】


「も、もう、それもまだ早いわよ!」


【それと・・・ルイスにしか出来ないお願いがあるんだけど。】


「何かしら?」


【あのね・・・俺が、俺のやっている事が間違いだと思ったら止めてほしい。】


「分かっているわ。」


【それでも止まらなかったら・・・その時は、俺を見捨ててくれて構わない。】


「そんな事を心配しているの?」


【重要な事なんだ。ルイスの、俺が大切な人の言う事を聞かなくなってしまったら、俺はヘファイストスはお終いなんだよ。】


「・・・大丈夫、そんな事は絶対に無いから。」


【どうしてそう言い切れるんだい?】


「貴方には大切な人がいっぱいいるの、その人達を貴方が捨てられる訳がないわ。」


【・・・ルイスには敵わないや。】


「そうよ、私は貴方の物であり、貴方は私の物なの。」


【ねえ、ルイス。俺、頑張るからね。】


「ええ、でも、その隣にはいさせてくれるのよね、旦那様?」


【ルイスは特別なんだ、何時も隣は空けてある。それに、ここに来てからルイスの事を忘れた事は無いよ。】


「も、もう!調子の良い事ばかり・・・ねえ、何かあるの?」


【結婚式をして、俺に初めて本当にお嫁さんが出来たんだ。】


そう言うとルイスを見つめる。


【ルイスは・・・俺の大切な人だから、どんな事があっても必ず君を守るよ。】


「ふふっ、約束よ。必ず守って頂戴ね。」


【『創造神たる女神アリステリア様』にかけて誓います。必ず貴女ルイスを守ると・・・必ず。】


抱き寄せ、キスをする。


「そんな貴方に、魅かれたのよ・・・ヘファイストス。」


【ありがとう、俺のルイス。】


「こちらこそ、私のヘファイストス。」


皆が来るまで、二人で寄り添っていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


皆で爺さんの家に移動すると、待っていましたとばかりにステファンさんと屋敷の人達が祝福をしてくれた。


何を作ろうかと屋敷の厨房に入ると、マギラスさん達も俺達の事を祝福してくれた。


夜御飯の主菜にはロールキャベツを作った。

ステファンさんやマギラスさん、屋敷にいる人達の物も全部作り、無礼講とさせてもらった。

この屋敷には、こんなにいっぱい人がいたんだという数になったが問題ない。

嬉しい事だからね。


こういう時は、嫁さん達に格好良い所を見せないと。


全ての人を満足させると、落ち着いた所でドリュカス様にルイスと執務室に呼ばれた。

部屋に着くと爺さんとレガイアさんが俺達を迎えてくれた。


「あんちゃん、ルイスちゃん、改めて結婚おめでとう。それと、御疲れ様じゃった。」


「見事な「式」であったぞ。これからは今日のような式が増えて行く事であろう。」


【爺さんもレガイアさんもな・・・今日は本当にありがとう。】


「ドリュカス様、レガイア様、本当にありがとうございました。」


二人して頭を下げる。

頭を上げると早速話しかけて来た。


「それでな、あんちゃん。皆のおかげで北街以外はだいぶ復興して来たんじゃ。この街は大丈夫じゃろう、それでな、そろそろ王都の方に本格的に力を入れたいんじゃ。」


【分かった、そっちを手伝えばいいんだな?】


「そこでな、前にレガイアから聞いた事をもう一度、あんちゃんの口から聞きたいんじゃよ。」


【王都の復興の事か?いいぜ。】


先日レガイアさんに言った事を爺さんに伝える。

レガイアさんにはもう一度聞かせる事になるが・・・俺の口から言わせたいようだった。


「ほう、では下水道や上水道の完備いんふらとやらから推し進めるのが良いんじゃな?」


【そうだ、全ての基本となるのは下水道や上水道。そして道だ。これは便利、不便だけの問題だけじゃない。前もって黒死病等を防ぐ目的もある。それに、汚染した水をそのまま川に流せばすぐにその川は使えなくなってしまう。病気も含め下水には処理施設が重要になるだろう。】


「処理施設か・・・成程な、じゃが王都はここの何倍も広い、しかも下水道じゃ更に広いじゃろう、そこはどうするんじゃ?」


【最終的に排水する前の段階でスライムを使った処理施設を考えている。下水道を作る方はアイデアをまとめておくよ。】


「草案はあるんじゃな、あんちゃん。」


【無い事もない。ただ、この計画にはたくさんのスライムが必要だから、集める所から始めよう。】


「ふむ・・・まかせよう。じゃが、あんちゃんのおかげで各国から援助金が集まるから、金の心配は無いのう。」


【後、もう一つ。王国の各街についてだ。そろそろ力を入れないと住民の負担が不味い事になるだろう。そこでだ、王国中の各街に人材を募集しよう。】


「人材か、確かに足りないとは思うが・・・。」


【人材は何処にでもいるんだよ、爺さん、レガイアさん。一芸が出来るってやつ、男でも女でも歓迎して雇わないと駄目だぜ?】


「ほう、それはどう言う事が起こるんじゃ?」


【剣が得意なやつ、槍が得意なやつ、そんな人達には兵として新たに雇う。】


「腕に自信のある者を集めるのですな?ですが王都の兵とするには熟練度が足りまい?」


【兵士の役目は戦うだけじゃないぜ、レガイアさん。】


「・・・そうか、復興の為の国防の人員か!」


【緊急事態だからこそ人は集まる。そこで『誤解』の無いように言っておく必要はあるけどな。】


「「誤解」ですか?」


【そうだ、今は災害時だから緊急で人を集めているだけでは無いって事だよ。その人達には後日、必ず兵士として雇うと言う事を勘違いさせないようにするんだ。】


「復興作業を、軍で行動する時の行軍の実演をさせるんじゃな?」


【兵士とは、なにも復興作業だけが役割の人達ではない、あくまでも緊急時だと言う事を言い聞かせないとね。】


「うむ、父上、すぐにでも実行させましょう。」


「そうじゃな・・・あんちゃん文官を募集する場合はどうするんじゃ?」


【話が得意なやつ、勉強をして代筆や算術の出来る人物、文官は読み書きが必須だから街に建てる掲示板ぐらいは読めないと話にならないだろう?】


「そうか、その為の掲示板か!掲示板を見て、読んで理解出来れば・・・ある程度人材を絞れると言う事じゃな?」


【そうだ、計算なんか出来るともっと良いね。】


「成程な、国の為に、家族の為に手伝ってくれる。そう言う人物達ならば懸命に働いてくれるであろう。」


【そうだ、身分にかかわらず募集すれば良い人材が手に入る。】


「その通りだな、ヘファイストス殿!」


【それと俺からも一つ、この募集は男女の差別なく広く募集するんだ。】


「こ、国政に女子を参加させるのですか?」


【レガイアさん、今は厳しいかもしれないが俺は言ったよね。一芸をできるのは男じゃなくても良いんだって事だ。】


「分かった、掲示板にはそれも記載しよう・・・何も優れた人材が男だけとは限るまいしな。」


【そうだ、現にシュタイアさんやリーゼ様のように女性が活躍している国もあるぜ?】


「抵抗があるならその人物より優れている所を見せればいいだけの事じゃな。」


【そうだ、爺さん。下手したら王国のオーカム以外にある七つの各街を収めている伯爵様より優れている人が見つかるかもしれないよ?】


「それは困るのう、無能な伯爵を領主にしたと言われてしまうぞ?」


【そこは副官辺りに抑えれば国の為にも働いてくれるだろうさ。】


「ここまでやって尻に火が付かない貴族は・・・と、考えさせられるのぉ。」


【とにかく、それが出来れば人材は集まってくれると思う。】


「あんちゃん・・・いや、今はこれでええ。さっそく実行に移すとしよう。」


「左様ですな、父上。ヘファイストス殿、また知恵を借りたいぞ。」


【何かあったら遠慮なく呼んでくれ。】


それまで黙っていたルイスが口をはさんで来る。


「ふふっ、ドリュカス様、レガイア様。夫は貴方がたに頼りにされるのを喜んでいますから、遠慮なくお呼び付け下さい。」


【ちょ、ルイスさん!?】


「ふははは、そうじゃなルイスの嬢ちゃん。その時は遠慮なく呼ばせてもらうぞ。」


【言った手前、後には引けないね。俺の方でも人材を探してみるよ。せめて内政官を・・・いや、至急だな。】


「頼んだぞ、あんちゃん。」


【任せてくれ、爺さん、レガイアさん。】


主だった話を終えると丁度良い時間だった。

いつもの宿屋へ戻ろう。

歩きながら帰りたかったので、その日は皆で歩いていつもの宿屋へと帰る。

ルイスと手を繋ぎ先頭を歩く。


綺麗な月や星空は、結婚した俺達を優しく照らして祝福してくれているようだった。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

皆様には感謝しかございません。

今回は拙者の都合で掲載が遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした。

これからも頑張りますので、今後とも応援の程よろしくお願い致します。

さて、次話 目玉商品?(仮 で、お会い致しましょう。

それでは、お疲れ様でした!

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