結婚式 開式まで
いつも読んで頂き、誠にありがとうございます!
書きあがりました。
よろしければ、お楽しみ下さいませ。
ティアの所へ顔を出す。
話すとルイスとの結婚を祝福してくれた。
大悪魔とは言っても元は天使様だから、その祝福は嬉しいね。
でも・・・なんか式の事は分かっていない感じだった。
そう、結婚には理解を示してくれたのだ。
つがいになるのねと、でも式の方は、結婚式は分からないと言う感じだった。
なんか俺だけで先走っている?
そんなこんなで帰ってまいりました。
いつもの宿屋。
時刻は二十時過ぎ。
ティアの所で結構な時間を過ごしてしまった。
皆は御飯を食べてお風呂に入ったころだろうか。
さて、ルイスは元気にしているかな。
【ただいま、女将さん!】
「お帰りよ、小僧。今日の夜は401号を使いな・・・いいかい、大切にするんだぞ?」
女将さん・・・。
気を使ってくれちゃって、有難いじゃないか!
【はい、必ず幸せにして見せます!】
まずは身綺麗にする為に風呂に入ろう。
カポーン
うん。
邪魔も無く入れた。
風呂は、湯船は良い。
こう言うのは元日本人だからなのかね。
部屋に行くか。
アレだ、今夜はルイスと過ごすんだ。
・・・独身は最後の晩か。
少し寂しい気がしたが、足は部屋へと向かう。
多分だが、ルイスが待ってくれているのだろう。
そんな予感をしつつ、何を話そうかなと頭の中は真っ白だ。
ルイスと初めて会った時の事を思い出す。
ふふ、懐かしいな。
あの頃は信用されてなくってアンタ扱いだったんだ。
ツンデレも経験した。
心地良い関係だったな。
でも・・・今のルイスが好きなんだ。
もう離さない。
その思いは明日かなう。
本当に、俺だけのルイス。
っと、部屋についてしまった。
気配はある。
多分起きている。
コンコンッ
そわそわしながらノックをする。
気配が近付き、ドア越しに声がかかる。
「どちら様ですか?」
【ヘファイストスだよ、愛しのルイス。】
「ど、どうぞ、入って頂戴。」
ドアを開ける。
おおっ!
なんとネグリジェを着てくれている!
美しい・・・この女性は明日、俺の嫁になる。
顔を合わせる。
「お帰りなさい、貴方。」
【ただいま、ルイス。】
「ね、ねえ、感想は無いの?」
【綺麗だよ、俺のルイス。】
「ね、ねえ、その・・・あのね。」
【どうしたのさ、ルイス?】
「今日も・・・可愛がって下さるの?」
【ルイスの望みなら頑張るよ。】
「その前にね、そ、その。お話をしても良いかしら?」
【うん、大歓迎だよ!】
「あら?湯上りなのかしら?入り口ではなんだから・・・ベッドに行きましょう。」
ルイスが俺の手を取りベッドへと向かう。
おや?
震えている。
どうしたんだろうか?
明日の式の事を怖がっているのだろうか?
それとも・・・。
ベッドに着くとルイスが服を脱がせてくれる。
Tシャツにパンツという姿にするとキングサイズのベッドへと入る。
俺も追いかけるように入る。
ルイスを抱きしめると何と言う色気だろうか。
当てられて顔をこちらに向けてキスをする。
すると話が始まった。
「あ、あのね、貴方と会った時の事は覚えている?」
【もちろんだよ、東通りのラファールの親父さんの雑貨屋の前だ。】
「うん。」
【そこでアリスに導かれて、君と会ったんだ。】
「・・・。」
【その時の君は俺の事を信用していなくてね、説得が大変だったんだ。】
「・・・それで、貴方はどうしたの?」
【懸命に説得しましたのですよ。】
「ふふ、それでね色々な事があったわよね。」
【ああ、鮮明に思い出せるよ。順序立てて言おうか?】
「そ、それはいいの。私は・・・こんなに幸せで良いのかしら?」
【幸せにするのはこれからだよ、ルイス?】
「・・・。」
じっと俺の顔を見てくる。
やや、頬が赤い感じ。
【ルイス、良いかな?】
「駄目。」
【ほら、もうこんなになっているんだ。】
ルイスの手をマイサンに当てると驚いたようにルイスが言う。
「もう、我慢できないのかしら?」
【これでも我慢しろって言うの、愛しいルイス。】
「・か・・・。」
【何か言ったかい、ルイス?】
「馬鹿・・・我慢なんかしなくて良いの・・・もっと求めて!私を!」
【じゃあ、良いかな?】
「私が・・・私の事を忘れられなくしてあげる。」
そう言うとルイスはネグリジェを脱ぐ。
目の前の人に襲い掛かりそうだが必死に我慢をする。
「そう、良い子ね、待てはできるのね、ヘファイストス。」
そして裸になるとマイサンをいじりだす。
【ルイス・・・もっとだ!もっと!】
っく、気持ちが良いがじれったい。
「ふふ、貴方は誰の物かしら?」
【ずっと、ル、ルイスの物だよ?】
期待と共に声が震える。
「それは嘘ではないのかしら?」
【嘘なんかではないよ?】
「次々に嫁候補をこんなに連れて来て?」
【皆が魅力的なんだよ。ただ、それが分かっていない奴が多いだけなんだ。】
「・・・。」
ルイスがマイサンを強く握る。
そして舌を這わせてきた。
気持ちが良い!
でも、まだだ、まだ物足りない。
「今だけは、今だけは私を見て・・・ヘファイストス。」
【ルイスしか見てないよ。】
「そうかしら?」
【そうだよ・・・ねえ、ルイス・・・良いかな?】
俺のマイサンがもう限界!
「良く我慢出来ました、良いわよ・・・あ、貴方の好きにして、貴方の物だって私に分からせて・・・。」
【待ちに待った、いや、待たせちゃったね・・・俺だけのルイス。】
「私だけのヘファイストス。」
もう言葉はいらない。
手を重ねる。
そして・・・。
その夜はルイスと激しく交わった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝を迎える。
ルイスは疲れて眠ってしまった様だ。
いよいよこの日を迎えた。
眠っているルイスの方を見る。
この人が・・・俺の嫁になってくれるんだ。
【『アリステリア様』本日、俺に嫁が出来ます。これからも一緒に歩んで行く嫁にも貴女様の御加護のあらん事を・・・。】
丁度、山の頂から朝日が昇って来た。
どうやら祝福してくれているようだ。
さてと準備しないとね。
着替えて厨房へ急ぐ。
女将さんがいた。
【おはようございます、女将さん。本日はよろしくお願い致します!】
「おはよう、小僧。さあ支度だ!今日はとことん気合を入れるよ!」
【お任せ下さい!】
挨拶して鰻を焼いて行く。
この間大量に買った奴らを、焼く!
そして鰻重を大量に作り上げる。
作り上げ温かい物を100個。
温かいうちにバックパック様に入れて行く。
メインの御客さんの鰻重が出来上がった。
余ったら自分達で食べよう。
そしてデザートのプリンも作る。
こちらも100個。
冷やして固まらせてからバックパック様へ入れる。
プリンは評判が良いからね。
そして女将さんの作っている、すき焼きの味見をする。
こ、これはっ!
流石女将さん、味を盗まれてしまったようだ。
その目は「どうだい小僧!」とでも言っているようだった。
【素晴らしいです、女将さん。バッチリですよ!】
「はん、アタシに任せておけばどんな料理だろうと、小僧の言う100点を作ってやるさ!」
【ありがとうございます、これで俺も安心できます。】
「・・・小僧、まだまだレシピを教えてもらわないといけないんだ。嫁の一人ぐらいで腑抜けるんじゃないよ?」
【腑抜けって、まあ、心配はさせませんとだけ言っておきますよ。】
「じゃあ、会場に向かうかね!」
【はい、女将さん!】
鍋や食器類をバックパックに入れる。
忘れ物は・・・無いな。
宿をトマス君に任せて女将さんと出発する。
会場にたどり着くとノモスとバウマンさん、ファリスさんの三人が人を使って飾りつけと席を作ってくれていた。
「おはよう、アーサー、中は出来ているぞ、外はこの広場だけなんだな?」
【おはよう、ノモス。そうだ、1000人ぐらいの見込みなんだけど、どう思う?】
「ふむ。もう少し来ると思うが、食材は大丈夫なのか?」
【この日の為に用意してある、バックパックの中には追加で1000人分の用意がある。】
「女将さん、親友の頼みに応えてくれてありがとうございます。本日はよろしくお願い致します。」
「金持ち、久しぶりじゃないか。野外の料理の事はアタシに任せな。」
「頼みます、女将さん。」
「アーサー殿、最終確認をお願い致します。」
【今行きます、バウマンさん。】
「「「あー、ヘファ君だ!」」」
今日配膳を手伝って下さるお姉様達だ。
「くう、この良物件を見送るのかー!」
「今日の配膳は任せてね!」
「安心して結婚式とやらをするのよ!」
【皆さんも、よろしくお願い致します!】
「「「頑張ってね、ヘファ君!」」」
さて、式場の中を確認・・・。
申し分ない状況だ。
グレイさんが音響の魔道具のチェックをしている。
今日の司会はノモスに頼んでいる。
会場の準備は万端だ。
「アーサー殿、このような式次第で、本当によろしいのですか?」
【俺の田舎ではそうしてたんだ・・・うん、これで頼みます。】
「かしこまりました、では会頭にお渡ししておきます。」
【お願い致します。】
初めての式次第でも、ノモスが喋るのだ。
盛り上げてくれる事を願う。
と、そう思っている。
さて、嫁さんを迎えに行くかね。
会場は素晴らしい出来だ。
これなら皆に祝福されるだろう。
そう思い、ノモス達に後を任せると宿屋に戻る。
鼻歌交じりに入り口を潜る。
威勢の良い挨拶がする。
「いらっしゃいませ!何だよ、ヘファさんか、皆なら朝御飯を食って部屋にいるぜ?」
【いいじゃないか、様になっているよ、トマス君。】
「そ、そうかい?へへ、そう言ってもらえると嬉しいな。」
【皆は上なんだね。】
「そうだぜ。」
「トマスさん、モーニングを二皿とナポリタンです。」
「はいよ!少々お待ち下さいってね!」
うん、こちらも大丈夫みたいだね。
【じゃあ、行くよ。頼んだよ、トマス君!】
「任せな、安心して式とやらを挙げて来な!」
ん?
式とやら?
まあ、いいか。
部屋に戻ると皆に声を掛けてまわり、準備する。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「いよいよやな、ルイス。」
「はい、フェイ姉。」
「ルイス、頑張るんやで・・・坊ちゃんはええ男やからな、しがみついとけ。」
「フェイ姉・・・。」
「ウチらは見させてもらうからなぁ、しっかりな!」
「うん、頑張ってみます。」
「ルイスさん、頑張って下さいねー。」
「もう、次はナナリーさんの番なんですからね?」
「そう言われると、き、緊張しますねー。」
「ナナリーさんが緊張してどうするんですか・・・ルイスさん、頑張って下さいね!」
「そう言うサーラ殿こそ、膝が笑っておるのではないか?」
「ああ!セリスさん、これはですね、そのですね・・・。」
「で、主君よ。結婚式とはそこまで大仰にやるものなのかい?」
「そうですよ、ヘファ君。こんなに人を呼んじゃって、いいんですかー?」
【大勢の人に祝福されるのならこの程度の式、皆は嫌なのかい?】
「け、決してそんな事は無いのですよー?」
「ナナリーさんの言う通りです!」
「うむ、皇族である私は、こ、これぐらいで驚いている事は無いぞ、旦那様。」
「あっはっは、セリス、膝が揺れておるで?」
「うむ、で、主君。主君の思っている結婚式と我々の思っている結婚式とは違うような気がするのだがね。」
【俺の田舎だとこういう風にやってたんだよ。外来の出席者はいなかったけれどね。】
「では、初めての事なのですかー?」
【知り合いの結婚式を見ただけですからね、後はノモスと爺さんの呼んでくれた司祭様が上手くやってくれるでしょう。】
「ノモス様と司祭様次第なんですか?」
「侯爵ならば問題はあるまいよ、さて、そろそろ神殿に着くぞ。」
「この間のドレスを着るんだねぇ、ウチのは露出が多いからなぁ、緊張するわ。」
【フェイの物は俺好みだからね、他の奴らに堂々と見せるんだ、俺の婚約者だぞってね。もちろん、皆もだがね。】
ルイスが緊張しているのか全然喋らない。
声を掛けてみようかな。
【ルイスはどう思っているの?】
「わ、私は皆に送られて貴方と結婚するだけでも良いのだけれど・・・。」
「駄目ですよ、ルイスさん。ここはヘファ君の希望も叶えるべきですよー?」
「そうですよ、あんなに素晴らしいドレスを着れるんですから。」
「そうだぞ、ルイス殿。あのようなドレスを着れるのだ、それだけで旦那様の気持ちは分かっているのであろう?」
「ルイスが一番目、ナナリーちゃんが二番目、さて三番目は誰かねぇ。」
「フェイ殿、順番通りにはいかないと思っているのか?」
「それは坊ちゃんの心次第やねぇ、ウチの言える事ではないさね。」
「「「旦那様の心次第・・・。」」」
【こらフェイ、皆を煽るな。順番通りにするよ、ここで皆と約束しておく、順番なんかは関係ない。皆は俺の物だからね。】
「ヘファイストス様、ありがとうございます!」
「旦那様、期待してよろしいのですね!」
「坊ちゃん、嬉しいで、永久に愛したってぇな。」
「主君、私は主君の物だ。それは結婚しようが変わらない、ここに誓おう。」
【って、そう言えばリズ達は?】
「先に行ってドレスに着替えているはずよ。ノモスさんのお手伝いさん達が手伝ってくれているはずね。」
【成程ね、通りで静かだと思ったよ。】
「後は本日のヴェールガールである、クーちゃんとアリスちゃんに説明をしているはずですねー。」
「ヴェールガールなんか聞いた事ないですよね?」
「そやなぁ、ウチらの地域では婚姻は女神像の前で結婚する事を誓うだけやからなぁ・・・結婚式って言うのがどんなのか楽しみやなぁ。」
「セリスさんなら知っているのではありませんか?ほら、皇族だし、御兄様とか御姉様とかの時はどうだったんですか?」
「そうだな・・・旦那様の言う『式』と言う物に出席するのは私は初めてだな。王族の婚姻の祭典は堅苦しくていかん。苦行のようだぞ?」
「主君の言う通りにするのだ、そんな事は考えておるまいよ。ただ、式と言う物には興味があるね。」
【・・・。】
なんかいまいち会話が絡んでいないと思ったら・・・。
そうなの!?
今、初めて知った。
結婚式は異世界初なのか!?
それで皆が緊張していないのかな?
だから皆の反応がこんなにたんぱくなのかが分かった。
うーん、大袈裟にやっちゃうけれど、大丈夫なのだろうか?
ちょっと心配になって来た。
それに庶民では結婚式はやらないのか・・・。
いいじゃん、この世界で、一番最初になってやる。
これがスタンダードだって皆に見せるいい機会だね。
そう思うと逆にやる気が出て来たぞ!
ルイスの為にも良い式にしてやろうじゃないか。
【じゃあ皆も着替えて席へ行ってくれ、ルイス、行こうか。】
「はい、貴方。」
「ルイス、しっかりやで。」
「行って来ます、皆様。」
ルイスがそう言うと二人で腕を組み控室に進む。
そして、俺の構想でソーサリア初の結婚式が始まる。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。
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それでは 次話 初の結婚式(仮 で、お会い致しましょう!
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