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新生と呼ばれるまで-Epilogue

皆様、お待たせいたしました。

遅くなってすみません。

外伝Ⅱの最終話として上げさせて頂きます。

よろしくお願い致します。

「おお、あの方達が騒動を収めてくれた冒険者様達だ。」


「ありがたや、ありがたや・・・。」


俺達は、その視線を浴びながら歩いて行く。

ディアナの成長も見れたし、事件も解決した。

うん、良かったね。

これで、鉱山の件は収まったと爺さんに報告が出来る。


「町長へ挨拶を致しませんと。」


【ラフィア御嬢様、町長の家はこちらです。】


「何故、アーサー様が知っていらっしゃるのですか?」


【色々あったんです・・・。】


「聞かなかった事に致しますわ、案内をお願い致します。」


【かしこまりました、ラフィア御嬢様。】


そう言って先頭を歩く。

到着するとドアをノックする。


「どちら様でいらっしゃいますか?はて・・・貴方様は、確か。」


【きょ、今日はこちらの方々が用事がありまして、町長様は御在宅でしょうか?】


「少々お待ち下さい。」


町長さん、そう言えば結構御歳を召された方だったな。

そんな事を考えていると入室の許可をもらえた。

案内された部屋に着くと早速声がかかる。


「おお、かの英雄『オーガの牙』の方々が直々に来て下さるとは、ギルドには感謝しかありませんな。」


「はい、それで今回の件はこれで落ち着くと思われます。オーク達は王都の北にあると言うオークの里に送り返しますので御安心を。」


「おお、そこまでも手をおうちとは、流石「オーガの牙」の方々ですな。」


「それでは町長様、証書にサインを頂けますか?」


「かしこまりました。」


そう言って以来の羊皮紙を差し出すと、町長は確認をしてから書面にサインをする。


「これで安全ですな、おや?そちらのフードの方とはお会いした」


【さて、サインも頂けましたし、それでは失礼致しましょうか。】


「え、ええ、町長様、それでは失礼致しますね。」


「ええ、道中お気を付けて、『アリステリア様』の御加護を・・・。」


「町長様と、この街にも御加護のあらん事を・・・。」


ラフィアが代表で挨拶すると皆で家から出て行く。

さて、これでお終いかな。

っと、まだオークの護送が残ってたか。


「それで、アーサー様。オーク達はどうなされるおつもりですか?」


【ああ、オークの里なら知っていますから一時間ばかりお待ちいただけますか?マーカーをしてきますので。】


「マ、マーカーをしてどう致しますの?」


【7thのゲートで送り返します。】


「ゲ、ゲートですの!」


ラフィアが怖い顔をして両肩を揺する。


【は、はい、ゲートです。】


「流石はアーサー様です。ゲートまでお使いになれるとは・・・。」


【ラフィアさんも資質がありますから、そのうちに出来るようになりますよ。】


「だ、大賢者が使用する魔法ですわよ?それを私ごときが・・・?」


【大丈夫です、俺の見立てを信じて下さい。】


「アーサー様、ありがとうございます。」


ラフィアはそう言うと俺の前で跪く。


「貴方様にアリステリア様と魔法の神マギア様の御加護のあらん事を・・・。」


【では、行って・・・。】


ぐ~・・・


「す、済みません!」


ディアナのお腹が鳴った。

流石に赤くなっている。

かなり大きな音だったからね。


【行く前に、食事に致しましょう。】


「流石アーサーだぜ!話が分かる!」


「アーサー、済みませんが甘えさせて頂きます。」


「これが楽しみだったんさ~!」


「兄貴の飯は、あの鍋以来だね、楽しみだ!」


【今日は『クラムチャウダー』と「巻きパン」にしましょう。】


そう言っているとジャスティンとダンが竈を作り出す。

ディアナも参加しだした。

アンナ様とラフィア様は倒木に腰を掛けて御待ちだ。

これは少し緊張感があるな。


竈が出来た所で火を起こしクラムチャウダーと巻パンを作る。


出来た所で皆の分を盛り付け、パン串と一緒に渡す。


【では、いただきましょう!】


「「「いただきます!」」」


「ああ、これは良い。温まりますね・・・。」


「うっめ!うめっ!」


「美味しいんさ~。」


「流石、アーサー様ですわ!」


「うめえ!こりゃあ・・・うめえ!」


高評価だねぇ。

まあ、美味しいと言って食べてくれるのは嬉しい事だ。

お代わりなどが落ち着いた所で食器を洗う。

そして煮沸消毒。


それが終わると目的地に行く。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


オークの住処、ゲームではオークダンジョンと呼ばれていた所だ。


馬に乗って小一時間、到着と同時に警備のオーク達に襲われる。

そいつらを蹴散らして洞窟に進むと、洞内に立派な砦が出来ている。

これはゲームと変わらない。

奥にまで繋がっているオークの一大勢力のうちの一つがここなのだ。


中でも盛大にお出迎えを受ける。


「Τι κάνετε! Εσείς, επιτεθείτε! 」

(な、何をやっておるのか!お前達、どんどん掛かれ!)


【Δεν σου έμαθαν να ακούς τις ιστορίες των άλλων;】

(人の話は聞こうって教わらなかったのですか?)


「Ομάδα μάγων, απελευθερώστε τη μαγεία!」

(メイジ隊、魔法を放て!)


「Ας ακούσουμε σοβαρά, εντάξει;」

(いい加減に話を聞きましょうね?)


「ゴルウゥアッ!」


【っふ、脇が甘いですよ?これでは止められませんね?】


「Τι είναι αυτό, τι είναι αυτό!? Ποια είναι αυτή η μικρή φυλή;」

(何だ、何なんだ!?あの小さき人族は、一体?)


【Ας συζητήσουμε αποτελεσματικά!】

(有効的に話し合いを!)


と、しばらく戦っていると、長老らしきオークが護衛を引き連れて出て来た。


「Άνθρωποι, είναι αλήθεια ότι ήρθατε να μιλήσετε;」

(人族よ、話し合いに来たと言うのは本当か?)


【Φυσικά! Έχουμε περίπου 30 από τους συμπατριώτες σας υπό την προστασία μας. Θα θέλαμε να τους παραλάβετε.】

(もちろんです!貴方がたの同胞を約三十人預かっております。その方達を引き取って頂きたい。)


「Που ήταν οι συμπατριώτες;」

(同胞を?何処にいたのだ?)


【Ήμασταν στη ζώνη εξουσίας μας. Θα θέλαμε να παραλάβετε αν δεν σας ενοχλεί.】

(我々の支配地にいました。迷惑でなければ引き取って頂きたいのですが。)


「Δεν πειράζει, ας το πάρουμε πίσω. Δεν είναι καλό να πολεμήσουμε άλλο μαζί ...」

(構わん、引き取ろう。これ以上お主と戦っても良い事は無いからな・・・。)


【Λοιπόν, θα επιστρέψω αργότερα για να σας φέρω.】

(それでは後程、連れてまいりますね。)


「Σας περιμένω. Ανθρωπότητα.」

(御待ちしている。人族よ。)


話は付けたのでマーカーを使いルーンに焼き込むと王国の鉱山に戻る。

さて、さっさと彼らを送り返さないとですね。

リターンの魔法で戻る。


事情を話すとオークの代表が礼を述べてくる。


「Νόμιζα ότι δεν είχα άλλη επιλογή παρά να σκοτωθώ... αλλά το γεγονός ότι ήρθες να με παραδώσεις είναι πραγματικά παράξενο.」

(殺されるしかないと思っていたが・・・わざわざ送り届けてくれるとは、お主は変な人族だな。)


【Τι είναι μια παράξενη ανθρώπινη φυλή; Οι άνθρωποι είναι βασικά μια φυλή που αναζητά μια ειρηνική λύση, σωστά;】

(変な人族とは・・・人間は基本的に平和的解決を模索する種族なんですよ?)


「Ούτως ή άλλως, με βοήθησες. Ας συνεχίσω αυτή τη ζωή. Σ' ευχαριστώ, παιδί των ανθρώπων.」

(とにかく助かったのだ。この命を長らえるとしよう。感謝するぞ、人族の子供よ。)


【Αλλά παρόλα αυτά είμαι ενήλικας...】

(これでも成人しているのですがね・・・。)


そしてゲートを出し、彼らを送り届ける。

他の部族だからと言っていじめられないと良いなぁ。


さて、こちらは片付いた。


後は、戻って爺さんに報告をしておかないとな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


オーカムへの帰路へ着く。


何とか無事に終わったようだった。

ディアナにはもう少し経験を積んでもらいたいところだな。

そんな事を皆で話し合いながら街道を進む。


「なあ、アーサーの兄貴。あれで良かったのかい?」


【良かったとは何ですか?】


「いや、だって、オークだろ?魔王の先兵だって御伽噺にもあるじゃないか。」


【御伽噺の全てを信じるのは間違えだと思います。現に語り合えれば分かると言った所ですね。】


「アーサーよ、あれは暴力とは言わないのかよ?」


【ダンさん、拳でも語り合えるのですよ。まあ、今回の所はこれで良しとしておきましょう。】


「それで、アーサー様にジャスティンとダン。帰りましたら御説教ですわよ?」


「「【はーい。】」」


「まあ、三人のおかげで無事に」


「探知に感、おっきなものが近付いてくるんさ~!」


「迎撃態勢!」


「「「応!」」」


「目視!エティン一体!」


「他には?」


「いないんかな~・・・。」


【ディアナ、行けますね?】


「任してくれ、アーサーの兄貴!」


一体ならちょうどいいかな、ディアナにソロで迎撃をしてもらう。

話を持ち掛けると喜んで突っ込んで行った。

うん、この子もバトル・ジャンキー。


「行くぜっ!」


「「ガアオォォォ!」」


「ッフ!」


ドガドゴッ!


「「ギャシャアアアア!」」


「懐に入ればこっちのものだね!」


「「シャギャアアッ!」」


「ッシ!」


この短期間でディアナはなかなかの仕上がりを見せていた。

もう少し上の相手でも良さそうだね。

皆で、そんな戦う彼女を見ていた。


エティンを倒した後は討伐部位の収集。


これをやっておかないと倒した事をギルドに報告が出来ないからだ。

ディアナはまだ慣れない手つきでエティンの耳をそぎ落としている。

グロ注意だ。

何で討伐部位はあんなに偏っている所なのだろうか?


機会があったらゼパムさんにでも聞いてみよう。


こうして帰途の旅路は順調に進み、夕方ごろ、俺達はオーカムの門を潜る。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「充実してたなぁ、でもちょっと物足りないね。」


【それだけディアナさんが成長したって事じゃないですか。】


「アーサーの兄貴から褒められるとはなぁ・・・あの時じゃあ考えもつかなかったぜ。」


「いえ、ディアナ、過小評価していた事を詫びます。」


そう言ってジャスティンが頭を下げる。


「頭を上げておくれよ、ジャスティンの兄貴。」


「いえ、貴女があそこまでやれるとは思いませんでした。」


「俺もだディアナ。この通りだ。」


続けてダンも頭を下げる。


「ちょ、ちょっと、二人共。こんな往来がある場所で、恥ずかしいっすよ!」


「君とアーサーの事を軽んじていたんだ。これぐらいはさせてもらわないとね。」


「そうだ、相棒の言う通りだ。済まなかった。」


「も、もう!許しますから、二人共、頭を上げて下さい!」


そうディアナが言うと二人は頭を上げる。


「これからも期待致します、ディアナ。」


「これからも、頼むぜ!」


そう言って二人はディアナと握手をする。


「アーサー君の見立ては凄いんさ~。」


「ですわね、流石、アーサー様ですわ。」


【さて、俺は報告してから宿に戻りますよ。】


「僕達も戻ろう、三人は久しぶりの宿です。ゆっくりなさって下さい。」


「飯だ飯だ!戻って食おうぜ!」


「そうっすね、ダンの兄貴!」


「では、アーサー様。こちらで失礼させて頂きますわ。」


「アーサー君、またね~!」


【皆さん、御疲れ様でした。】


それぞれ宿に向かう。

ディアナの成長した姿がこの目で見れたのは良かった。

もうエティンや土エレでは物足りないだろうな。


そう思うと次は何の相手が良いのか考えながら爺さんの所へ向かった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ほう、そんな逸材がおるのか。」


【ええ、エティンではもう緊張感が養えないかもしれません。】


「そうか、そうか。」


「それで、ヘファイストス殿、くだんの傭兵団の事、ある程度調べが着きましたぞ。」


【流石に早いですね、レガイアさん。どんな感じですか?】


「それが・・・バイジンから来たようなのです。」


【へー、バイジン・・・って商業国家の?】


「はい、奴隷にする為に各国をまわっているとの証言を受けました。」


【・・・それって国で対応しないと駄目なんじゃ?】


「はい、近々ですが、父上と王都ジェルムへ上がるつもりです。」


【それだけで対応は出来るのですか?】


「オーカムの騎士団での対応になりそうじゃ、まあ、この領地ではそんな事はさせまいよ。」


「はい、街道の見回りを強化するとともに領民には単独で街から出ないようにとふれを出しました。」


「バイジンか・・・きな臭くなってきおったのぅ。」


【手伝える事があれば言ってくれよな、二人共。】


「その時は頼むぞ、あんちゃん。」


「心強い、感謝する、ヘファイストス殿。」


【今のところは、そんな感じかな。】


「分かった、その冒険者の事も含めて対応しよう。」


【頼んだぜ、二人共。】


「「・・・。」」


【ど、どうしたのさ。】


「あんちゃん、我らは晩飯がまだでな、少々腹を空かせておる。」


「左様ですな、ヘファイストス殿。マリーナやザイードも腹を空かせている、と思いますが?」


【あー、ったく、分かったよ。じゃあハンバーグでいいか?】


「頼んだぞ、あんちゃん。」


「お願い申し上げる、ヘファイストス殿。」


【分かったよ、アレックスさんは?】


「来る予定でな、人数分を頼むぞ。」


【分かったよ。】


「おほん!おっほん!」


【どうしたのさ、レガイアさん。】


「うむ、デザートも頼めるかな?」


【そのぐらいなら良いですよ?】


「そ、それならば、プリンを頼みたい。」


【大丈夫ですよ、コースとかにはしないから適当に食べてくれ。】


「うん、うん、久しぶりに楽しませて頂こう!」


「頼むぞ、あんちゃん。」


【厨房を借りるね。】


そう言うとあんちゃんは厨房へ向かう。


「で、レガイアよ。」


「何でしょうか、父上?」


「オーガの牙の冒険者ランクを引き上げる様に推薦状を出しておくが良い。」


「かしこまりました、父上。」


「新たなる力か・・・ディアナとか言っておったのぉ。」


「はい、アーサー殿を含めると六人パーティーですな。」


「二人が入ってどう変わるのか・・・見てみたいな。」


「左様ですな、父上。新生オーガの牙。彼らの活躍は、どんな物語を綴ってくれるのか。」


「うむ、さて、それで王都へ行く日程じゃが・・・。」


その一の週間後・・・そんな我らに試練が襲い掛かる事は、誰も予期せぬ事だった。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に、感謝を!

外伝として書きたかった事、一段落です。

まだまだネタはいっぱいあるのですが、リアルで忙しくて執筆に至らない事が・・・。

なるべく早く出せるように頑張ります!

さて、とうとう二人は結ばれるのか?

結婚式の経験の無い拙者はどうするのか!?

それでは、次話 結婚式、前夜 (仮 で、お会い致しましょう!

御疲れ様でした!

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