結婚式前日
いつも読んで頂き、誠にありがとうございます。
執筆が終わりました。
お楽しみ頂ければ、幸いでございます。
いよいよ明日か・・・。
長かったなぁ。
ルイスとの出会いを思い出す。
ふふ、最初のルイスも可愛かったな。
凄いツンツンしてたけどね。
今のデレているのも可愛い。
そうか、そう言えば、ツンデレだったのか。
そんな事を思っていると隣で寝ているルイスが起き上がる。
「ねえ、明日なのね・・・。」
【うん、明日だね。準備は出来ているから安心してね。】
「・・・私ね、結婚出来るとは思っていなかったの。」
【巨乳だから?】
「それもあるけれど、こんなに立派な結婚を迎えられるとは思っていなかったの。」
【怖くなっちゃった?】
「そんな事は無いのよ?でもね、貴方が私を見初めてくれなければ今頃は・・・。」
【ルイスと俺の出会いは、『アリステリア様』に導かれた結果だからね。】
「ふふっ、貴方はいつもそう。私に希望をくれるの。」
【ルイスは俺に温もりをくれるからね。】
「【・・・。】」
「【あははっ!】」
何だか分からないけど笑いたくなってしまった。
明日、俺はこの子と結婚をする。
その為に、この娘と出会ったんだ。
ルイス・・・俺の大切で大好きな子。
俺なんかがとはもう思わない。
そう、明日。
俺はこの女性の旦那になる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝御飯を食べると皆で式場を見に行く。
準備は出来ていた。
「綺麗・・・。」
「綺麗ですねー。」
「綺麗です。」
「綺麗だな。」
「綺麗やねぇ。」
「綺麗ですね。」
皆もそれしか言えないのだろう。
神殿造りを頑張った成果がこの言葉なのだろう。
素直な感想だね。
頑張った甲斐がある。
「おお、あんちゃん。」
【おはよう、爺さん。不安なのが司祭さんなんだけど、手配は大丈夫なんだろうな?】
「おう、プリンのおかげでな。喜んでくれたぞ、こんな大役をやらせて頂けるとはなってな。」
【それならいいんだ。で、そろそろなんだが、その司祭さんが誰か教えてもらえないのかね?】
「当日まで秘密にするのが彼女の条件じゃ、明日まで待っておれ。」
「坊ちゃん、中を見て来ても良いかい?」
【構わないよ、気を付けてね。】
「皆、行くでぇ~。」
「はい!」
「うむ、行くぞ、クレア。」
「言って来る、主君。」
手を振って皆を見送る。
「ルイス姉、いよいよ明日ね!」
「楽しみ・・・ルイス姉・・・頑張って・・・。」
「ヘファさん、ルイス姉・・・おめでとうです!」
「美味しい御飯は明日なのです?」
「アリスちゃん、お兄ちゃんとお姉ちゃんにおめでとうって言わないと。」
クーデリカを除くと、もうそろそろ一年の付き合いになるんだね。
思えば、色々な事があった。
皆の手伝いが無ければ今の俺は無いだろう。
本当にありがたい。
大事な事だから今言っておかないとね。
【リズ、いや、リズベット。君には感謝をしている。いつも、俺達を支えてくれてありがとう。】
「お兄さん・・・そ、そうね。何時でも助けるからこれからも、よろしくね!それと・・・ヘファイストスさん、ルイス、おめでとう!」
「リズ・・・。ありがとう、一番頼りにしているわ、大切な妹。」
ルイスがリズを抱きしめる。
リズがそれに応える。
血は繋がってはいないが、確かにそこには姉妹の絆があった。
次はベスに向かう。
【ベアトリクス、君も今までよくルイスを支えてくれた・・・感謝を。】
「ヘファさん・・・御褒美をお待ちしています・・・。」
【終わったら握るよ、ベス。】
「ベス・・・貴女には何と言ったらいいのか・・・。」
「ヘファイストス様、ルイス姉・・・おめでとう。」
「ありがとう、大切な妹。」
【マオ、君とリズはルイスを支え続けてくれた。ここまでこれたのも、君達のおかげだ、ありがとう。】
「ヘファさんとルイス姉が幸せならば良いのです。」
【うん、君達のおかげで、これからとても幸せになるんだよ。ありがとう。】
「マオ、ありがとう。貴女が妹で良かった。」
「ヘファさんと必ず幸せになるのですよ、ルイス姉。」
「ええ、私の可愛い妹。これからも支えてね。」
【クーデリカ、君と出会えたのも『アリステリア様』の導きがあったからだ。】
「うん、ヘファ兄ちゃん、ルイス姉様。女神様には感謝をしないと・・・。」
【あの、市場での事も、鮮明に思い出せる。】
「ヘファ兄ちゃんに助けられなかったら、今の私はいないの。」
「クー、良く私達の元へ来たわ。今では本当の妹の様に思っているの。」
「ルイス姉様、本当の妹の様にして頂いてありがとうございます!」
「クー、ありがとうね。私の妹、これからも一緒よ?」
「はい、ルイス姉様!」
【アリス、君との出会いが無ければ、俺はルイスとは出会う事はなかった。君と『アリステリア様』の導きに感謝を。】
「ヘファさん、アリスはねー、とっても幸せなのです!」
【そっかー、嬉しいね。】
そう言うとアリスの頭をグリグリと撫でる。
「嬉しいのです、ヘファさん!」
「アリス、貴女との付き合いも長くなったわね、私なんかに良くついて来てくれたわね。
「ルイスちゃん、ギュってしてほしいのです!」
「もちろんよ、アリス・・・ありがとう。」
そう言うとルイスはアリスを抱きしめる。
「ヘファさん、ルイスちゃん。おめでとうなのですー!」
改まって挨拶をするとやっぱり照れるね。
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皆に明日の式について神殿を見ながら説明する。
「しかし、坊ちゃん。ごっついの造ったなぁ。」
【『アリステリア様』の像も良い出来なんですよー?】
「石工スキルまで・・・凄いですね、ヘファ師匠。」
「あんちゃんのやる事には慣れたつもりじゃったが・・・これは凄いのぉ。ソフォスの教会勢力が黙っておらんぞ?」
「それはこの人だからとしか、言えませんね。」
「でっかくて綺麗ね・・・。」
「リズ姉、首が痛いですよ。」
「・・・私達も、ここで式を挙げるのでしょうかー?」
「ナナリー殿、ルイス殿には悪いがこういった経験が無いので勉強させてもらおう。」
「そうだね、セリス・・・しかし、何と言う荘厳さか・・・。」
「凄く綺麗ね・・・い、今から緊張して来たわ。」
「リズ姉、明日の予習をするですよ。」
「クーデリカ、アリス・・・明日は頑張りなさい・・・。」
「わ、分かったの!」
「クーちゃん、何をすればいいのですか?」
「坊ちゃん・・・大丈夫なんやろうな?」
【フェイ、不安になるような事を言わないでくれないかな?】
「大丈夫よ、私の妹達ですからね。」
「なんやて、ルイス!この子らはウチら皆の妹やで?独り占めは許さんでー!」
フェイはそう言うとベスをその豊満な胸に押し当てる。
「フェ、フェイ姉様・・・大きなものが・・・苦しいです・・・。」
「おっと、済まないね。」
「そうだぞ、フェイ殿の言う通りだ、ルイス殿。」
そう言うセリスはアリスを抱きかかえる。
「セリスちゃん、気持ち良いのですー!」
「そうか、そうかーではもっとギュっとしてやろうではないかー。」
「そう言えば、オーガの牙の皆さんはどうされたのですか?」
【彼らは今日も鍛錬だよ。明日に響かないようにしてくれているはずだ。】
「御飯の方はどうなってるのですかー?」
「女将さん達に頼んであるんです。そちらは大丈夫だと思います。」
「女将さんなら、大丈夫ですね。」
【ルイス、ちょっと不安な材料があるから買いに行こう、いや・・・皆で行こうか。】
「何が足りないのかしら?」
【肉と白菜だ。女将さんに頼んである、すき焼きのたれ、割り下のレシピは大丈夫だからね。】
「味見をしてたものね。」
【その通り、俺の作る物と遜色ない味になったからね。肉だけでもあれば良いんだけど、お店の氷冷庫を明日持って来る事になっているから。】
「白菜も美味しいものね。でも、そんなに用意して大丈夫なの?」
【大工さん達に聞いたんだけど、明日イベントがあるって事を伝えると、昼御飯はここに食べに来ましょうって返事をもらっているらしいからね。】
「材料は残っても大丈夫ですものね?」
そう言ってルイスは俺のバックパックを見つめる。
余ればいいけどなぁ。
予測の付かないイベントとかだと、どうやって回すのかねぇ。
結婚式で炊き出しらしき事をする。
大工さん達はそう言っているみたいだから、集まるのは当たり前なんだけど・・・。
俺の計算で千人分の肉と野菜、米は集めてあるんだけど・・・心配しすぎかな?
女将さんは五十人の女給さんに声を掛けてくれたと昨日言っていたから、料理や配膳の方は大丈夫じゃないかな?
問題は卵だったがこちらはノモスに任せてある。
俺の言った通りの卵を集めてくれるだろう。
サルモネラ菌の事は口を酸っぱくして何度も伝えてある。
これで念の為に買い物をして追加を持っておけば一安心なはずだ。
そう言う訳で皆で港へ向かう。
十時になってしまったが店がやっている所もある。
何件かあるお肉屋に向かった。
【おはよう、今日は遅くまでやってるんだね。】
「何言ってるんだよ、若旦那。アンタを待っていたんだ。」
【俺を?】
「そうだ、仕入れた物を買ってもらわないとね。」
【済まない、助かるよ。じゃあ、もらおうか。】
「霜降りとか言う部分が十kgと良い所が100kgだよ。」
【お、心配してたところなんだ。全部買おう。】
「そうこなくっちゃな!」
【と、言う事は野菜売りの方も待たせちゃってるのかな?】
「待ってるはずですぜ!」
【うわ、買いに行かないとね!】
「はいよ、これで良いんだよね、若旦那?」
【うん、さしがいいね、こっちは油も少ない。切ってくれているんだから文句の言いようもないね。】
「そうだ、良い所を仕入れてある。上手く料理してやってくれ。」
【任されましょう!】
「ははは!じゃあ、早く行ってやんな!」
いつものように会計を済ませようとするとお金を受け取ってくれない。
「世話になっている若旦那の吉事で、金をもらう訳にはいかねえよ。」
【でも、無理をしてこんな・・・。】
「幸せになってくれよな、後はこいつらの旨さを広めてくれよ!」
【すま・・・いや、ありがとう。】
「俺達も行くからよ、下手な物を出すんじゃねえぞ?あっはっは!」
【緊張して来たよ、でも、明日を楽しみにしててくれ。】
「おうよ!、朝飯は食わないでおくぜ?」
【あはは、それじゃあ頼んだよ!】
頂いた肉をバックパックへ入れる。
今のを見ていたルイス達が頭を下げている。
うん、大切に使わせて頂こう。
次の御店に向かう。
野菜売りの農家さんの所でも同じようにお金を受け取ってもらえない。
出来上がった料理を食べるのが楽しみらしい。
有難いね。
そして上手く料理するよと言うと市場を後にする。
ナナリー達と合流していつもの宿屋に戻る。
明日は久々にこのお店が女将さん不在となる。
なんと店主をトマス君にやらせるようだ。
大抜擢である。
頑張ってくれ、トマス君。
「小僧、夜に最後の味見をしてもらう。後は無いだろうね?」
【午後は皆の服を作りに行って来ます。これで一段落です。】
「そうかい、終わったら夕御飯まで、少し休みな。旦那になるヤツは落ち着いていないとね。」
【ありがとうございます、女将さん。】
「・・・あの時の小僧が、嫁を貰うとはね。」
【何か言いましたか、女将さん?】
「明日の料理の事だ、小僧が心配する事じゃない。」
【じゃあ、トマス君の料理を味わいましょうか。】
「トマース!出来るね?」
「任せてくれ、女将さん!」
【では、昼御飯にしましょうか。今日のお勧めは何でしょうか、女将さん。】
「豚肉の生姜焼き定食だ。任せたよ、トマース!」
「お、俺だって、修行の成果を・・・お任せあれ!」
今日の御昼は大盛況の中、完売した。
本当に美味しかったよ、トマス君。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
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いつもありがとうございます!
皆様に感謝を!
次話なんですが、ドレスの描写などで困っておりまして少しお時間を頂くかもしれません。
申し訳ありませんが、少しだけ、咀嚼するお時間を頂きます。
楽しみにして頂いている皆様方には、申し訳ありません。
それでは、次話 それぞれのドレス(仮 で、お会い致しましょう!
御疲れ様でした!




