色々と前進したよ!
いつも読んで下さり、誠にありがとうございます。
執筆終わりました。
お楽しみ頂ければ幸いでございます。
そんなこんなで、本日はネルソン男爵との約束の日。
十時になったので皆と男爵邸に向かう。
セリス達は冒険者ギルドへ向かっている。
北通りを北上してやって来ました御店の予定地。
出迎えてくれたネルソン男爵に挨拶を済ませると、皆で屋敷に入る。
・・・話していた三日間で家具とかが無くなっちゃってるよ。
やっぱり急がせたんじゃないかな。
【ネルソン様、急がせてしまったのではありませんか?】
「いえいえ、そのような事はありません。それと、妻は昨日ですが、新居へとまいりました。」
【御挨拶が出来ればよかったのですが・・・。】
「お心遣いありがとうございます。」
【では、遠慮なく屋敷を使わせて頂きますと、奥様にお伝え下さい。】
「かしこまりました、では私も出発させて頂きます。」
【ありがとうございました、ネルソン男爵!】
「「「ありがとうございました!」」」
皆で通りに出て、手を振っている。
さて、今日は設計図を書いて来たんだよね。
時間はかかるだろうけど何処から手を付けようかな。
・・・寮が出来なければ従業員にする人達の住む所が無くなってしまうから、寮からにするか。
【うーん、後は屋敷内の事だよねぇ。】
「ねえ、貴方。人を雇うと言っていたけれど住まわせる所が無いわよ?」
「そうですね、ヘファ君。人材はどんどんと流れてしまいますから先に「寮」とやらを作られた方がよろしいのではー?」
「ヘファイストス様、ルイスさん達の意見に賛成です。」
「坊ちゃん、住めないと何も出来ないと思うなぁ?」
【皆の意見に賛成だ。よし、北の土地に土台を作ろうかね。】
「坊ちゃん、後は任せても良いかい?」
【構わないよ。】
「サーラ、ギルドに行くでぇ、今日こそはハイクオリティーを作らせたるわ!」
「お願いします、フェイさん!」
「じゃあ、私とナナリーさんは宿の仕事に戻るわね。」
「ヘファ君、戻りますねー。」
【皆も頑張ってね。】
「「「はーい!」」」
そう言うと皆は戻って行った。
北の焼け跡に向かう。
前回見ていたのだがやはり広いね。
一人住まいの寮が二棟ぐらい作れそうだ。
さてと、やりますかね!
「あ!こんな所にいたのね!」
【ありゃま、ミカ様ではありませんか!】
「何か引っかかる言い方ね?」
【いやいや、そんな事はございませんぞ?】
「で、何やってるのよ。こんな焼け跡で・・・?」
【いや、そこの屋敷を買い取ったんだよ。それを店にするんだ。で、ここは従業員の住む場所を作るんだよ。】
「ふーん、じゃあ大工さん達が必要じゃないの?」
【うーん、気付いたんだけどさ、俺にはアテがないんだよ。】
「そんな事なら私を頼れば良いじゃない、ほらほら、頼んでみなさいよ、カーネリアン様。」
【悔しいから頼まれても嫌だね!】
「ちょっと、嘘よ嘘。それで五十人ぐらいいればいいのかしら?」
【それだけいれば助かるけどさ、頼んじゃっても良いのかい?】
「構わないわよ。」
【じゃあ、お願い致します、ミカ様!】
「張っ倒すわよ!」
【そう言えば、ミカは何でこの街に?】
「そりゃあ、復興させてる親方達の纏め役だもの、いるのは当たり前じゃない?」
【もしかしてなんだけどさ、復興で雇ってる大工さん達の給金てミカが出してるの?】
「当り前じゃないの、エクスィ・スィデラスに頂ける各国の年間費用から出してるのよ?」
【それって、どのぐらい貰えるんだ?】
「アンタ・・・聞いていなかったのね?」
【説明されていないぞ?】
「・・・。」
ジリジリと鈍く光るハンマーを持って近づいて来るミカ。
【ミカ、いや、ミカ様!?そんなので殴られたら僕死んじゃう!】
「ったく!いい?年間に頂けるエクスィ・スィデラスの援助金は白金貨百枚よ。」
【白金貨百枚!?】
「そう、だから私達は特別なのよ。こういう災害指定の時にはそのお金を自由に使えるのよ、分かったかしら?」
【いや、知らなかったわー、流石エクスィ・スィデラス様だわなー・・・。】
「そのトップがコレだなんて・・・。」
【コレとは何だ!うっせいぞ、ミカ!】
「で、呼んでもいいのかしら?」
【お願い致します、ミカ様。】
はは~、っと、土下座。
「しばらく待ってなさい。」
そう言われたけれど、ただ待っているのは申し訳が無いので、寮を建てる場所の瓦礫とかをバックパック様に突っ込んで行く。
集めた瓦礫ってどうすればいいんだろうか?
このままバックパックで保存でも良いけど、瓦礫だしなぁ・・・。
何とか整理をしないと『アリステリア様』に申し訳ないな。
敷地は十分な大きさがある。
まずは整地かな。
シャベルでサックサックと掘っていく。
うん、まあ、こんなもんだろうか?
整地された地面に木の棒で大きさを書いて行く。
下水から引くだろう、それで土台を・・・。
そうだ、いつもの宿が近いから温泉出ないかな?
後はミカが連れて来た大工さん達にお願いして土台から作れば良いかな。
五十人ぐらいが来てくれるみたいだから、どれだけの給金を払えばいいんだろうか?
神殿を作った時と同じで良いかな?
まあ、取り合えず下水から掘っていくかな。
サックサック・・・。
サックサック・・・。
温泉は出ないようだ。
もっと深く掘れば出ないかな。
まあ、出なければいつもの宿屋へ行けばいいんだけどね。
元、日本人としては湯船に入りたいからね。
出来る事はやっておくべし!
石を積み上げる時に接着剤としてセメントがいるからね。
石灰と砂で出来たっけかな?
とりあえずチャレンジ。
石灰は死蔵されていた物がある。
良く砕いて粉になるまですりつぶす。
うん、良い粉になった。
砂と水を合わせてコンクリートを作る。
「やあ、精が出るね。ミカ様に頼まれたんだがここで合っているかい?」
【ここで合ってます、大歓迎ですよ!】
と、一人、二人と集まって来た。
「ほう、良いコンクリだ。土台は俺達に任せてくれ!」
「やるぞ!野郎共!」
「「「おう!」」」
二十人ぐらい集まって来た。
土台も大丈夫なようだ。
さてと・・・。
図面を見せてこういう建物を作ると説明する。
「成程な、専属の宿屋って感じか。」
【管理人を置こうと思っているんですよ。一階の一号室を管理人部屋にして、後は倉庫も作れたらいいですね。】
「ほー、なら部屋の大きさはこのぐらいが良いぞ?」
「人族ならそれぐらいはいるな。」
図面を見ながら、皆が意見を出してくれる。
もちろん、修正しながらだ。
良い建物が出来そうだ。
【では、それでお願いします。】
「おうよ、こっちは任せておきな。」
【はい、お願いしますね。】
「屋敷の方にも何人か行ってるから、指示を出してやってくれ。」
【分かりました!】
こうして着々と準備は整って行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夕刻、ヘルシャーの件が気になっていたので爺さんの所へ御邪魔した。
「で、あんちゃん。ヘルシャーはオーガの牙と数名の援軍は認めてくれたぞ。」
【数名って・・・ちゃんと考えているんですよね、ラヴィーネ様とシュタイア様は。】
「うむ、後は各国から同じように冒険者が援軍として出る。」
【冒険者ですか?】
「おう、バイジンは固定戦力は持っておらんでな、あそこは傭兵団を各街で囲っておるのよ。それを軍事力としておる。」
【ほほー、その傭兵団は強いんですか?】
「うむ、悔しいがウチの騎士団なんぞより全然強い。各傭兵団がドラゴンを倒すほどの腕前じゃよ。」
【ほー、ドラゴンをねぇ・・・興味がありますね。】
「あんちゃん、悪い事は言わん。ドラゴンには挑むなよ?成龍なんぞと会っても挑むなよ?」
【分かったよ、皆に心配かけちゃうからね。でも、ドラゴンでしょう?グレーターでもないのにそんなに強いの?】
「・・・グレーターなんぞの目撃証言が出たら・・・軍が動くぞ?」
【そんな大げさな・・・。】
「大げさでも何でもないぞ?グレーター・ドラゴンなんぞが現れたら国を挙げて戦わんとな。」
こう言う所がゲームと違うんだよね。
ちょっと成長したキャラクターだったらドラゴンぐらいなら余裕だったし、特効武器を持っていればドラゴンなんぞ敵ではなかったからね。
グレーター・ドラゴンも強いけど成長した特効武器持ちの戦士だったら、そんなに苦労はしないで討伐できたはずだ。
それにその傭兵団がいくら強いと言ってもヘルシャーの軍より強いとは思えない。
あの統率具合はシュタイアさんの頑張りによるところが多いだろうがね。
規律を乱さない軍より怖い物はない。
あの統率力はラヴィーネとシュタイアさんあっての物だろうが敵には回したくないと思える。
それ程の傭兵団がいるとは思えない。
だが、気になるね。
その強いと言うドラゴンを倒すと言う実力・・・。
【で、爺さん。派遣される冒険者の事は何か分かったの?】
「公国は金に任せて『巨人狩り』を出すらしいぞ?」
【ごめん、爺さん。その巨人狩りとやらの事は知らない。】
「あんちゃんが知らないとはな、巨人狩りはサイクロプスを五人で倒した事からその名前を与えられた。たしか三位の冒険者じゃな。」
【成程ね、巨人殺しか、会うのが楽しみだ。】
「それと帝国は『熱波』と『砂塵』を出すようだ。こちらは双方のランクは四位じゃな。」
【強いなら良いですがね。】
「ソフォスからは『聖鈴』が来るらしい。こちらは後方支援専門じゃな。」
【役割が回復みたいな感じですね。】
「そうじゃ、聖女とまではいかんが、かなりの回復魔法を使うらしいぞ?」
【それは心強いですね。】
「バイジンからはガン殿が派遣した『黒布』が来る。冒険者ランクは六位じゃが情報収集に優れておる。」
【情報収集は大事ですから・・・こちらはヘルシャーの土地勘が無いですから有難いですね。】
「問題はキゴニスじゃ。この国の冒険者は狩りを生業にしておるでなランクは高くない。だが、弓の腕は一見の価値ありじゃぞ?」
【成程ね、狩猟民族らしいですね。】
「それとテイマーがおるでな、わしの予想じゃが『黒狼牙』当たりが来るかのう。」
【テイムされている動物や魔物などによっては相当な戦力になりますよ?】
「そうじゃ、黒狼牙はその名の通り『魔狼』を連れているからな、期待が出来よう。」
【魔狼なんですね、『聖狼』かと思ってましたよ。】
「聖狼は最近見なくなったんじゃよ。まあ神聖樹を守っておる森人がいるからのぉ、下手に彼らを刺激する事もあるまいて。」
【そうだね・・・あれ?それじゃあ、森人の村はキゴニスに入り口があるの?】
「そうじゃ、昔の様に奴隷狩りが推奨されていたころに隠れ里として入り口を神樹に隠したそうじゃ。」
【と言う事は、森神である世界樹もその中に?】
「そうらしいが・・・まぁ、わしは見た事が無いからの。」
世界樹の雫と呼ばれる『天上の蜜』は復活のポーションの材料だ。
機会があったら取っておきたい物だね。
10thの『ゴスペル・リザレクション』の十日間の強制睡眠は厳しいし、8thの『リザレクション』は損傷している亡骸ならば良いが、部分欠損していると復活しない。
それに確実ではないが、最高級の品質が出来ればあんな思いをする事も無いだろう。
ここにはいないナナリーの事を思い出す。
もうあんな思いをさせたくはない。
もちろん皆もだ。
闘いが無い事が一番なんだけどね。
早く平和な生活に戻りたい物だ。
「ふう、あんちゃん。腹が減ったのぉ。」
【お、なんか作って来るよ。】
「酒も頼むぞ?」
【爺さんの好きな梅酒で良いかな?】
「もちろんじゃ、飯は期待しておこう。」
【大人しく待ってろよ、すぐに作って来るからな!】
「おうよ!」
厨房に向かう。
さて、何を作ろうかね。
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます。
まずは、いつものから。
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さて、次話 結婚式前日(仮 で、お会い致しましょう。
それでは、お疲れ様でした!