ティアとの約束
いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!
次話の執筆が終わりました!
お楽しみ頂ければ、幸いです。
【ん・・・朝か?】
皇帝陛下の私室のソファーで眠ってしまった様だ。
陛下はベッドで、トゥリトス兄上もソファーで、眠っている。
昇って来る朝日を見るに五~六時ぐらいではないだろうか?
その朝日に向かって日課をする。
【『アリステリア様』、本日も御加護を!】
日課の『アリステリア様』への祈りを忘れない。
あれ?
何かを・・・忘れ・・・てたっ!?
ティアの事をすっかり忘れていたぞ!
流石にここには来ないだろうから、急いで行かないと!
急いで台所に行き、ミルクレープを作ると、リターンを唱え、ティアの元へと向かう。
【ティアー、ティアさんやぁ~?】
【・・・。】
あの顔は・・・御冠なティアに向かって歩く。
【ティア、ごめんね。抜けられなくって】
ジャキン!
【さひょぁっ!?】
俺のすぐそばに黒い影がカッターの様に突き上がる!
かろうじて避けたが、今のは避けなければ死んでる攻撃だ!
【ティア!危ないじゃないか!】
【・・・約束を破る人には丁度良いのではなくって?】
【だからこうして朝一番で来たでしょう!】
【ダーリン、私もアレが欲しいわ!】
【何が欲しいんだい?】
【指輪よ!】
【指輪が欲しいの?】
【あのセリスと言う小娘が持っている、ダーリンが作った指輪よ!】
そう言うと思ってた!
ふう、念の為に作っておいてよかったぜ。
【ティア、君だけに作っていないはずがないじゃないか!】
【本当なの、ダーリン!?】
【もちろんだよ、ティア。】
そう言って予備で作った指輪を取り出す。
【ティアが欲しいのはこれでしょう?】
【ダーリンが作った物よね?】
【そうです、君の為に作ったんだよ!】
・・・ヘイ、皆。
予備なのは内緒だよ?
【嬉しいわ、ダーリン!】
【ティアの事を忘れる訳ないじゃないか?】
そう言ってティアに近付き、左手の薬指を伸ばす。
【嬉しいわ、ダーリン・・・口付けをして頂戴、激しい方ね?】
【もちろんですとも、ティア御嬢様。】
キスをすると激しく答えてくれる。
そんなに嬉しかったんだね、ティア。
【ダーリン、指にはめて頂戴。】
【ねえ、ティアはそれでいいの?】
【何が、かしら?】
【これをはめると、君は俺の物だよ?】
【ダーリンに私を独り占めされるのはいいの、嬉しいの。】
【逆の事を聞こうか、俺は指輪をはめた君達の物だ。それでも良いのかい?】
【ダーリンが私達の物になるのね?】
【そう、独占できなくなるけれど、それを認めると言う事で良いのかな?】
【ダーリンが私の事を忘れずに作ってくれたから良いわ!】
っぐ、罪悪感が・・・。
だめだ、こんな純粋な子を騙すなんて出来ないや・・・。
【ティア、実は・・・。】
【こんなに嬉しい事は無いの!】
・・・こんなに喜んでいる、ティアに真実は喋れない。
それこそ、大暴れだろう。
罪悪感にさいなまれながら、秘密にする事にした。
本当にごめんね、ティア。
【ダーリン、早く愛して頂戴!】
【こ、ここで?】
【指輪をはめてくれるのではないのかしら?】
【そ、そうだったね。】
指輪を左手の薬指に通す。
【これで、私はダーリンの物ね?】
【そうだよ、ティア。】
【じゃあ、特別を頂戴。】
【特別?】
【ここ・・・もう凄い事になってるの。】
そう言ってスカートをまくり上げる。
【あらまあ・・・悪い子だね、ティア。】
【そうよ!早くして!】
【わ、分かったよ。】
次があったら絶対に忘れないよ。
ごめんね、ティア。
こうしてティアを満足させるまで俺は頑張った。
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【ねえ、ティアさんや?そんなに喜んでくれるのは嬉しいんだけれど、俺も人との付き合いがあるから、必ず一番に来るのは厳しいかな。】
【恋人の言う事は絶対なのよ?】
【ティア、必ず来るじゃあ駄目なのかな?】
【駄目よ、私が寂しいじゃない!】
【ティアが寂しいのは良く分かるよ、でも、俺の都合も考えてほしいんだ。】
【・・・ダーリンは私の事が嫌いなの?】
【何でそうなるのさ、君の事はとても大切に思っているよ?】
【なら一番に来ればいい事じゃない?】
ううん、話が平行線になりそうだ。
何とかならない物だろうか。
決してティアの事が嫌いなのではない。
でも束縛されるとは思わなかった。
【うふふ、ダーリンが私の為に作ってくれたのよ。今まで、こんなに嬉しい事は無かったわ!】
その指輪を見つめるティアの顔は美しかった。
そうか、彼女達には『嬉しい』と言う事が無かったのかもしれない。
そもそも彼女達は、七人の大悪魔。
御伽噺に登場するようなとびっきりの悪魔族だ。
そうだよね、恐怖の対象だもんね。
必死に戦っていたんだよね・・・戦いだけでは嬉しい事が無かったんだろうな。
【ティア、喜んでいる所悪いんだけれど、相談させてくれる?】
【何かしら?】
【出来るだけ早く来る、これで許してもらえないかな?】
【どうしてなのかしら、恋人の元に一番に来る事は・・・ダーリン、困るの?】
【俺は、用事を済ませる為に帝国に来るんだ、もちろん、ティアに会いに来るのも大切な用事だよ?】
【・・・嫌。】
【愛しいティア、俺の事も少しは考えてくれると嬉しいかな?】
【・・・。】
【駄目かな?】
【出来るだけ早くで良いわ・・・。】
【良い子だ、ティア。】
髪の毛を撫でつける。
【その代わり、長くいる事。これぐらいはして頂戴。】
【愛しいティアの為に、そうする事を約束するよ。】
【なら良いわ。だから、いっぱい愛し合いましょうね、ダーリン!】
【今日の所は勘弁してよ、そろそろ帰らないといけないからね。】
【もう、帰るのね?】
【また来るよ、ティア。】
おでこにキスをする。
【大人しく待っているから、必ず早く来るのよ?】
【分かったよ、ティア。】
そう言ってリターンを唱える。
一瞬にしてティアの前から消え城に戻る。
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アア、ダーリンがイッテシマッタ・・・。
ソノ、クウキョニナッタ、クウカンヲ、ミツメル。
ダーリンガ、イナクナッタ。
ソンナコトヲ、カンガエルト、カ、カラダガ・・・。
コンナコトハ、ハジメテダ・・・。
ダガ、コノカンジョウハ、シッテイル。
キット『サビシイ』ダロウ。
【ぐあ、抑えられない!?】
デモ、ダーリンハ、ワタシノコトヲ、アイシテクレル。
ダーリンノスベテヲ、ワタシノモノニシタイ。
ソロソロ、イイダロウカ?
タマシイノ、ジュンドガアガッテイル、イマナラバ、ワタシダケノ、モノニシテモ、イイデショウ?
【駄目、あの姿をダーリンに見せるのは駄目なの!】
ダメ、ダメダ、ワタシハソンナコトヲ、ノゾンデイナイ。
ダーリンノ、カオヲオモイダス。
ソウ、イマガトテモ、キラキラシテイル。
アナタノ、タマシイヲ・・・チョウダイ。
〖〖〖駄目よ!アバリティア!それが奴の誘いなの!!!〗〗〗
【ぐうう、ウルサイゾ、アリステリア!アア、ダーリン!ダーリン!ダーリン!欲しいの!貴方の事が欲しい!絶対ニ・・・ダレニモワタサナイ。】
ダーリンとの蜜月を、オモイダス。
とても気持ちよく、サセテモラエタ。
ソノトキノコトヲカンガエルト、スコシ、落ち着きを取り戻せたようだ。
・・・アリステリア。
【見ているのでしょう!こんな無様な私の事を!】
あの女神のいるだろう方へと叫ぶ!
返事は当然ないだろう。
だが、あの女の言う通りだ。
今回は勇者がいない。
それに、何処かで見ているのね、パノプリア!
だが今回は前回のようにはしない、いえ、ならない!
【ダーリンを甘く見ていると貴女でさえ勝てないわよ、そう、例え完全体でも・・・。】
そう言うとダーリンを思い出す。
私が命に代えてもダーリンと姉妹を守る。
もう貴女の思う通りにはさせない、だって今回はダーリン一人なのよ?
【アッハッハ!アハハハハハハ!!!】
そう、ダーリンには誰も勝てない。
例え貴女でもね、あはっ、あはは!あっはっはっは!
貴女がどんな顔をするのか・・・楽しみね。
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それでは、次話 鍛錬(仮 で、お会い致しましょう!
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