アリステリア様の神殿を作るぞ!
何時も読んで下さっている皆様方、お待たせ致しました。
物語としての読ませ方など、本当に難しく・・・。
苦戦をしましたが、読める物になったと思います。
よろしくお願い致します。
リズと宿屋へと戻り、皆で朝御飯を食べる。
その後、部屋に戻り、日課をする。
【『アリステリア様』、今日も加護をお願い致します。】
日課を終え、散歩がてら神殿建設予定地を見に行く事にした。
その場所に着くとレガイアさんが言っていた通りだった。
石畳を敷き詰めて柱が何本か建っているだけだったのだ。
この世界の神殿を見ておけば良かったな。
まあ、建設の時は俺の知っている方法で、石材を組んで行けばいいだろう。
下見が終わったので一度いつもの宿屋へ帰る。
一息ついているとディアナを先頭にセリスとクレアは冒険者ギルドへ。
エティンとアース・エレメンタルを三人で狩りに行くと言っていた。
念の為にポーションを持たせておく。
ルイスとナナリー達は宿のお仕事だ。
レヴィアさんは今日も付き添いのような事をしている。
今日のターゲットはリズとマオだった。
飽きないのかな?
サーラとフェイは商業ギルドへと向かった。
フェイがエクスィ・スィデラスなのでギルド登録してなくても鍛冶場が借りられる為だ。
まずは結婚式に使う神殿の建築から行こうかね。
俺の手で神殿を生まれ変わらせてしまうか・・・。
これは神殿建設地を見た時の俺の感想だ。
アレだ、前世の知識で一から神殿を作り直そう。
そう思うとまずは図面を引く。
石の切り出しはその後だね。
集まってくれた、馴染みの親方達に説明をしながら図面を引く。
図面を引きながら、代表として石工専門の親方達に説明をする。
それでも、理解を得られたのはなんとなくと言った感じだった。
だが、協力を得られたのでここはオッケーとしておこう。
後を任せると何人かで、石の切り出し場がある山へと向かった。
俺のイメージではローマの『パンテオン神殿』を参考にするつもりだ。
頭の中の図面を元に石工スキルで採石場から石を切り出して行く。
切り出した石を手伝ってくれている人達にお願いして研磨してもらう。
こう言う分かりやすい作業だと、皆が喜んで手伝ってくれる。
防塵マスクのような物を作って皆さんに付けて作業してもらっている。
粉塵で皆が病気になったら嫌だしね。
磨きあがった物からチェックをして行く。
チェックが終わると、バックパックへ入れる。
かなり大き目な部位になるので心配だったがバックパック様は大丈夫のようだ。
『アリステリア様』、ありがとうございます!
そのおかげで夕方になる辺りで大体の切り出しが終わった。
俺の我が儘で手伝ってもらっているので申し訳なく思い、皆さんにいつもの宿屋で晩御飯を御馳走する。
今日のメニューは鶏肉のから揚げと各種味醂干しと冷えた清酒達だ。
良く食べ、良く飲んでくれる。
明日からの事をお願いする。
「「「任せとけー!!!」」」
大声でそう返された。
うん、頼もしいね。
明日からの石組みはアセディアに手伝ってもらえるとありがたいので説得に行く。
そう、あの触手のような物で石を積み上げたり色々と手伝ってもらおうと思っている。
食事の片付けが終わると、貸し切ってあった一階の料金を女将さんに支払いアセディアの元へと向かう。
【お兄ちゃんの為ならー・・・手伝ってもー・・・いいよー・・・?】
【ありがとう、アセディア。現場まではおぶって行くから、今日は早めに休んでくれるかな?】
【分かったよー・・・お兄ちゃんー・・・。】
これで明日の予定も大丈夫だろう。
風呂に入り明日の事を考えていると何人かの宿泊客達が入って来た。
俺を見つけると声を掛けて来た。
「お、聞いたぜ、兄ちゃん。神殿作りなんだろう?」
【そうなんですよ、お手伝い募集中なので、皆さんにも手伝って頂けるとありがたいのですが。】
「任せろ、何時からだ?」
【十時からの予定です。】
「あんちゃんよ、給金は出るのか?」
【はい、一日銀貨一枚を後払いですが、昼御飯も付きます。】
「昼御飯もか!下手な仕事より儲かるじゃねえか!」
「そうだな、俺は兄ちゃんとこに行くぜ!」
「そうだ!稼がせてもらうべな!」
【皆さん、ありがとうございます!】
その日は盛り上がってしまい、参加者の皆にエールを御馳走した。
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次の日の朝、日課を済ませる。
【『アリステリア様』、本日も加護を与えたまえ。】
祈り終えると師匠から声がかかった。
ディアナとセリス、クレアの修行を付けてくれるらしいのでジャスティン達も参加させるようにとの事だった。
連絡はディアナにしてもらおう。
朝御飯の後にディアナに頼むと喜んでいた。
そう言えば帝国から四人騎士が来るはずなのだが。
近いうちに来るであろう。
俺は神殿造りだ。
アセディアをおぶって現地へと向かう。
予定地に着くと眠っているアセディアを起こし声を掛ける。
【アセディア、着いたよ。悪いけど、頑張って手伝ってね。】
【んー・・・はーいー・・・。】
アセディアが立ち上がると、バックパックから石工スキルで切り出した石を並べる。
時間が来たので始める事にした。
集まってくれたのは五十人程。
【皆さん、よろしくお願いします!】
「「「おー!」」」
周りに石の柱を立てる。
これはアセディアの独壇場だった。
指示をした所へ柱を建ててくれる。
周りのお兄さん達がびっくりしていた。
木で足場を作り、更に石をドーム状に並べる。
ここでもアセディアの力が大活躍だ。
アセディアに指示した通りに四角い柱を円柱にしてもらう。
コツを掴んだのかは分からないが結構な速度で円柱になって行く柱。
俺は信仰対象になる様に、ドームに飾る用の『アリステリア様』の巨大な石像を彫り込み作っている。
折角だから王都や聖都の物にも負けないような物を作ってやる!
実物を見た事は無いけれど・・・。
これも石工スキルが大活躍。
三日後には、本人には勝てないが、それなりの物が出来上がった。
五日が建つ頃には神殿がその全貌を完成させていた。
アセディアさんが重機のような働きをしてくれた。
普段のなまけっぷりはどこへやら・・・。
そして七日が暮れる頃には完成した。
後は内装や色々な細かい所だ。
【・・・完成だ!】
「やったな、あんちゃん!」
「お嬢ちゃんが凄かったからな、楽をさせてもらったぜ。」
「お嬢ちゃん、ありがとうよ!」
アセディアさんは褒められるのには慣れていないようだ。
俺の後ろに隠れて顔を真っ赤にしている。
でも嬉しそうだ。
彼女達の為にも皆とこう言う関係を築いてあげないとね。
仕上げは人の手に頼れない。
細かい所は、伝えるのが難しかったので自分で行おう。
まずは外面の柱の装飾からだ。
ハンマー、タガネで細部を彫刻し、そして鑢で仕上げる。
スキルのおかげで次々と仕上がって行く。
かなりの手間をかけたおかげで外柄は良い出来の物が仕上がった。
イメージとはちょっと違うが・・・まあ、良いだろう。
そして司祭部屋に家具を設置する。
大分、形になったぞ。
そして内装を整え、苦労はしたが出来上がった。
神殿を見る。
ゲームでのハウジングは楽だったが、流石にリアルだと大変だった。
アセディアの力と手伝ってくれた皆の力が大きい。
だが、荘厳な神殿が出来上がった。
ちょっと時間はかかったがこれで結婚式を挙げられるぞ!
さて、やる事をやっちゃわないとね。
明日はルイスを誘ってドレスなどを揃えよう。
後はプラチナのリングにカットしたダイヤモンドを付けて・・・。
ダイヤモンドのカットは細工屋で道具を借りて、いやいっそカッターを作るか?
忘れ物は無いだろうか?
親族の代表の挨拶を爺さんに頼んで・・・。
あー、考えがまとまらない。
結婚式自体が初めてだからな。
でも、楽しみで仕方がない。
『アリステリア様』、異世界ですが結婚なんかさせてもらえて、ありがとうございます!
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ルイスと共に爺さんの屋敷へ挨拶に来ている。
神殿が出来上がった報告と、ルイスとの結婚式を挙げるのを報告する為だ。
晩御飯を興じて爺さん達と相談している。
今日のメニューは大き目の鍋に作ったすき焼きだ。
「ほう、神殿が出来上がったじゃと?」
【それで俺のいた街では、吉日に結婚式を挙げるのでその相談に来たんだ。】
「吉日か、七日後が第十代国王陛下の生誕祭で吉日じゃがその日でどうかの?」
【いいね、そこでやろう、時間は・・・十一時でどうだろうか?】
「・・・。」
「どうしたのかの、ルイスちゃん?」
「いえ、嬉しいのですが、いざとなると緊張してしまって・・・。」
「ルイス嬢、ヘファイストス殿に任せて貴女は心構えをしておくだけでよろしいのですよ。」
「そうよ、ルイスちゃん。旦那様に任せるの。私達女はそれに付いて行くだけよ?」
「母上様、結婚式とはどのような物でしょうか?」
「ふふっ、ザイード。貴方は今回参加する事で勉強させて頂きなさい。」
「はい、母上様!ヘファイストス殿、ルイス様、よろしくお願い致します!」
【ルイス、君の為に頑張るよ!】
「無理はしないでね、貴方。」
「とにかく、めでたい事じゃ。あんちゃん達には悪いが、この際じゃ、住民にも恩恵があると良いな。」
「左様ですな、父上・・・紅玉様の催しでございますので、参加をした者達に食事を振舞うのはいかがですか?」
「じゃが、あんちゃんが忙しくなるだけじゃろう?」
【食事なら伝手があるのでその人に頼んでみようかと思っているんですよ。】
「え!?まさかとは思うけれど、宿の女将さん?」
【そうだね、ルイス。手伝ってもらえれば有難いし、俺が楽になる。】
「ふふっ、帰ったら二人で頼んでみましょう。」
【良い返事をもらえるといいね。】
「ええ、誠意をもって頼めば手伝ってくれるわよ。」
「しかし、この『しきやき』という物は美味いな。」
「そうですわ、お義父様、これが鍋で振舞われるだけでも街人には嬉しい事ですわよ?」
「お爺様、私もそう思います!この料理はとても美味しいです!」
「うむ、伯爵家からも料理人を出そう。せめてそのぐらいはさせてもらわんとな。」
「左様ですな、父上。これを機にプリンなどのレシピを・・・ゲフンゴフン!」
レガイアさんはプリンを御所望のようだ。
「では、プリンを作る極意をマギラスさんへお伝えしておきましょう。」
「本当か!?ヘファイストス殿!そなたに感謝を!」
「もう、貴方。まあ、よろしいでしょう。」
「父上様、私もプリンが楽しみでございます!」
「うむ、良いかザイードよ、あの味はヘファイストス殿しか作り出せんのだ、あのからめると言う黒い部分の焦がし方が・・・。」
なんかレガイアさんが子供の様に目をキラキラさせている。
「ではデザートのプリンは決まりですね。それで一般の皆様には、すき焼きを振舞いましょう。」
「十の季節が近づいているんじゃ、肌寒い季節にはこの料理が丁度良いな。」
「皆さんが喜んで下さるなら私達も嬉しいです。」
【そうだね、ルイス。あ、来賓と言うと・・・ルイス、後でノモスの所に一緒に行ってくれないかな?】
「そうね!ノモスさん達には参加して頂かないと。」
【後は何かないかな?】
「ヘファイストス殿、王達にも書状を送らねばならんだろう。君は紅玉なのだからな。」
【あー、じゃあエクスィ・スィデラスの面々にも送っておいた方が良いですかね?】
「うむ、そうじゃ。送らねばいかんだろうな、ミカ様への書状はわしらに任せておけ・・・他にはないじゃろうな?」
【大丈夫そうだね、じゃあ俺は材料を揃えておくよ、特別料理のもね。】
「うむ、では早急にな。特に公国と神国とバイジンには早く送った方が良いぞ?」
【分かった、爺さん。】
「お義父様、民達の食べる場所はいかがするおつもりですか?」
「神殿の前に広場になっている所がある。雨が降らなければそこで十分じゃろう。」
「では、日時が分かる看板を立てておきましょう。」
【そこまで頭が回っておりませんでした。済みません、爺さん、レガイアさん。】
「何、問題はない。このぐらいしか手伝えないのだからな。」
「いい事、ヘファイストス君、必ず成功させるのよ?」
【はい、必ず成功させます!】
皆も成功させようと色々と考えてくれる。
正直、有難すぎる。
これは意地でも良い式にしなければな。
心が満たされると同時に、プレッシャーがかかるが問題はない。
こんなに心強い仲間がいるのだ。
絶対に成功させて見せる!
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