嫁と弟子と嫉妬
皆様、こんにちはー!
執筆が終了致しました。
お待たせして申し訳ありません!
お楽しみ頂ければ幸いです。
厨房での仕事が終わると女将さんに挨拶をして俺も風呂に入る。
これで、七大悪魔の三人が仲間になる。
だが、これでいいのか?
ティアやアセディアよりも知りたい事を知っているかもしれない。
それに友好的なのも好感触だ。
リズに憑依をしていたのは許せんが・・・。
カラカラカラ・・・
おや?
誰か入りに来たのかな?
いきなり誰かの気配がした。
気にせず頭を洗っていると間抜けな事をしてしまった。
【いでっ!?目に石鹸の泡が!】
【それは大変よね、桶にお湯を汲んできて上げるわ。】
【ああ、済まないね・・・って、レヴィアさん!?】
【どうしたの、そんなに慌てちゃって・・・。】
【いや、ここは男湯だから!】
ザバッー!
泡だらけの頭にお湯をかけられた。
ぐお、余計に目に泡がっ!?
沁みるっ!
【ねえ、正直に答えなさい。アレは貴方がやらせたのかしら?】
【何の事よ!?】
【む、胸を!揉むのをよ!】
ザバッー!
【ぷはっ、違う!俺じゃない!あの二人は巨乳になりたいらしくてな!】
【ふーん、獣人族はあれで成長限界だけれども、人族ならまだ成長期のはずよね?】
【そうだけど、その気持ちは二人じゃないと分からない事だ!】
バシャッー!
お、泡が取れたぞ!
目を開けてお湯の飛んで来た方を見る。
【だから俺には分から・・・やっぱり裸!?】
【お風呂は裸で入る物なのでしょう?裸の付き合いは良い物なんでしょう?】
なんか目がマジだぞ!?
【だからここは男湯だって!】
【そんなに叫ぶ物ではないわ、邪魔者を呼び寄せたいのなら別にいいけれど?】
とりあえず放り出す?
いやこの人はまた入って来るだろう。
大悪魔だけれど・・・。
声のボリュームを心なしか抑える。
【とりあえず湯船に行こう。】
歩き出すと、元気になったマイサンが掴まれる!
あふん!
【いいけれど、先にその大きくなっている物を収めた方が良いのではなくて?】
マイサンに手を這わせて来る。
ええい!
堪え性の無いヤツめ!
美人の裸に反応しやがって!
【大丈夫だから!少しすれば落ち着くから!】
【ふ~ん、情報通りだとすると一度果てれば落ち着くのが男らしいわね?】
何処からの情報だ!?
そう言えば、ティアが言っていたような気がする。
嫉妬である「インヴィディア」は物知りだとか・・・。
何処までの事を知っているんだよ!?
【ま、まずは落ち着こう!】
【貴方が落ち着いた方が良いのではなくって?】
【そ、そうだな。とりあえず気持ち良いからその手を放してくれ!】
【嫌よ?】
【そんなに擦らないで!?】
【嫌よ?】
【どうしてこんな事を?】
【私を守ると言う対価としては、これだけでは足らないわよね?】
近付いて来る。
蛇の前の蛙になったように体が動かない。
マイサンに吐息が当たる距離まで接近された。
【そんな物を対価にしないでくれないかな?】
【ふふっ、ここはもっとしてほしいって期待しているわよ?】
っく!?
我慢の出来ないマイサンめ!
更に元気になっちゃったよ!?
【まずは話を、あふっ!?】
ま、まさか!?
お湯を浴びても分かるその温かい感触は!
マイサンが二つの大きな柔らかい物に包まれてしまった!
擦り上げられる。
うああ!?
レヴィアさんの攻撃は、俺が三回果てるまで続いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺は脱衣所の床で倒れている。
【ぐすん、三回も奪われてしまった。】
【何よ、嫁が六人もいるらしいじゃない。たった三回ぐらいで、その嫁達を満足させる事が出来るの?】
【それを言われると痛い。今回のは犬にでも嚙まれたと思っておこう。そうだ、これを飲んでみなよ。】
バックパックから瓶に入った冷えた牛乳を二本取り出す。
一本をレヴィアさんに渡す。
【これは何かしら?】
【まあ、飲んでみたまえ。】
【飲めばいいのね?】
【うむ。】
【ぐびっ・・・ぐっ・・・はぁ~・・・美味しいわね!それで、この白いのは何かしら?】
【冷えた牛の乳だ。美味しいでしょう?】
【ええ、風呂上がりの火照った体には特に美味しいわね・・・貴方はもっと美味しそうだけれど?】
【言わないでくれ、ぐっ・・・ぐびっ・・・っぷはー!生き返る!】
【こんな些細な事が嬉しいのよね。やめられないわ、人族は。】
【うん、いいよね人間ってさー。】
【・・・貴方は何も聞かないのね?】
【だってこの後にルイス達とも話をするでしょう?】
【するけれど、二人きりになる機会を作ったのよ?】
【気を使ってくれて悪いけれど、嫁達には出来るだけ秘密を作りたくないんだ。】
【情報を修正するわ、勇者を消して御人好しを付けておいてあげる。】
【御人好しかー・・・そんで、レヴィアさんはそれが素なの?】
【そうね、この話し方が向いているかもしれないわね。】
【そっか、出来るだけ素を出してくれると良いと思うよ、皆も喜ぶしね。】
【・・・本当に怒っていないようね。】
【まだ疑ってたのか、怒ってないよ。それと、こんな事は二度としない事!】
【嫌よ。】
【お風呂ぐらい心静かに入らせてくれないかな?】
【お風呂以外なら良いのね?】
【そう言う意味じゃない!】
【あら?じゃあどう言う意味なのかしら?】
【自分で言っていただろう?俺には、嫁が六人いるんだよ!】
【その嫁で満足できていないから元気になるのではなくって?】
【そんな事は無い!】
【じゃあ、どうして私の裸には反応してくれたのかしらね?】
【っぐ・・・き、綺麗だったからだよ。】
【それなら色々な意味で満足させてあげないとね?】
【と、とにかく今後はこのような事はやめて頂きたい!】
【嫌よ。】
【何故だ!?】
【貴方が気に入ったから。あの後、私を押し倒して四回目も、それ以上も出来たはずよね?】
【そりゃあ、まあ・・・。】
【でも、貴方はしなかった。それは優しさなのかしら?貴方は自分で欲望を抑えられたのよ?】
【レヴィアさんとは会ったばかりだし、初めての女の子だったらこんな所では可哀そうだと思っただけだ。】
【そう、それなのよ!】
【どれでしょうか?】
【理性があって抑えがきき、そして優しい。そう言う考えの出来る貴方なら信頼出来る!】
【襲い掛かってたらどうするつもりだったのさ?】
【その時は念でアセディアを呼んだわ。】
アセディアを呼ぶって・・・。
下手な誤解を生まなくてよかった。
【でもね・・・それでも私は人としての営みに興味を持っているのよ。】
【だからって俺で実験する事は無いだろう?】
【言ったでしょう、貴方は信頼出来ると。】
【そんなもんなのかね?】
【そんな物よ、貴方に対しての緊張は解けたわ。これからもよろしくね?】
【なんか納得できないが、レヴィアさんがそれでいいなら・・・正し、実験はもうやめてくれ。】
【そう、言ってなかったけれどこれは実験ではないわ?】
【じゃあ、何なのさ?】
【リズとマオの行動への報復よ?】
【・・・それなら、甘んじて受けよう。】
【良い心がけね、では、これからもよろしくね。】
手を差し出してくる。
【ああ、よろしくね。】
手を握り返す。
レヴィアさんの顔は笑顔だった。
ティアやアセディアと顔はそっくりなので美人さんだな、と思って顔を見ていると言われる。
【やはりそっちは、まだ満足してないようね?】
見るとマイサンが反応して直立していた。
【い、いや、大丈夫だから!】
【本当かしら?】
【それよりさ、いい加減に服を着てくれないかな?】
【あら、やあねぇ。これはサービスなのよ?】
何のサービスなんだろうか?
でも、美しい。
ティアやアセディアもこんなに綺麗なのだろうか?
いやいや、彼女達は七大悪魔なんだぞ?
わきまえろ!
【そうだ、話が済んだら明日は下着と服を作りに行こう。】
強引に話を変えてみた。
【したぎ?】
【そう、服の下に付ける物だよ。サーラに採寸してもらってって・・・あれ?】
【何かしら?】
【レヴィアさんの身体の寸法って、ティアやアセディアと変わらないんだっけ?】
【そうよ?】
【なら、ディアナとクーデリカ、それとサーラも連れて行くかな。】
【出かけるのは良いけれど、銀行の仕事があるから付き合えないわよ?】
【ああ、そうか!じゃあ、先にノモスに言っておかなきゃね。】
【さっきからノモスって言っているけれど、プルスィオス商会のノモス様で間違いはないのかしら?】
【そうそう、俺の親友で知恵袋なんだ。】
【ねえ、分かっているのでしょうね?】
【何を?】
【もう!そのノモス様に私の捜索はやめてって絶対に言ってよね!】
【ああ、分かってるよ。】
【ならよろしい!】
レヴィアさんは着替えると安心したように脱衣所を出て行こうとする。
入り口で振り返ると言って来る。
【今日の事は内緒にしてあげるから、貴方もさっさと着替えなさいよ?】
【あ、わ、分かった!】
急いで着替える。
脱衣所の外で待っていたレヴィアさんと合流すると皆が待っている部屋へと向かう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【皆、お待たせー。】
ナナリーが割り当てられた部屋に入ると成年組はそろっていた。
ルイス、ナナリー、サーラ、セリス、フェイ、クレア、ディアナ、アセディア。
改めてみると美女ばかりで・・・。
ここが天国か!?
【ほら、入り口で立ち止まらない。】
【あ。ごめんごめん。】
レヴィアさんを部屋に通す。
後ろ手にドアを閉める。
さて、話し合いの始まりだ。
【皆そろっているかな?急に呼び出してごめんね。大切な話があるんだよ・・・そろっているようだね、じゃあ始めようか。】
少し緊張した空気が流れる。
【皆、驚かないでね。レヴィアさん自己紹介をお願い。】
【ええ、私の名前は「レヴィアタン」。そう、七大悪魔と呼ばれる者のうちの一人なのよ。】
「「「え!?」」」
「姉さん達、アタイの後ろに!」
ディアナが皆を庇う。
【あー、友好的なので大丈夫だ、ディアナ。】
「マジっすか?まあ、兄貴が言うんだからそうなんだろうな。」
ディアナが構えを解くと皆がそれぞれの場所へと戻って行く。
【友好を求めて来たんだ、ティアやアセディアと一緒に仲良くしてくれるかな?】
「レヴィアさんが、七大悪魔・・・なの?」
【そうなんだ、ルイス。】
「ヘファ君、レヴィアさんと言う方は私達への害意は無いのですねー?」
【そうです、ナナリー。仲良くしてあげて下さい。】
【じゃあ、こうなった経緯から話をするわね。質問は後で受け付けるからまずは話を聞いて頂戴。】
「「「・・・。」」」
【少し前の話になるわ、この中にも知っている人はいるでしょう。「ベヘモド」の事を。】
「宿に来た大悪魔ですね?確か貴方が倒したのよね?」
【そうだ、ルイス・・・続きを聞こうか。】
【私はベヘモドの「姉」にあたるのよ、そしてそのベヘモドから逃げていたの。
私が目覚めたのはちょうど一年前の「キゴニス国家群」の遺跡よ。
そして時を同じくしてベヘモドも目覚めたわらしいわ。
目覚めた次の日にベヘモドが私の遺跡に現れたの。
そのベヘモドが優しかった弟では無くなってしまっているのをそこで知ったの。
悪魔族を使って魔王復活の為の先鋒をしていたの。
魔王なんかが復活すれば今の私は吸収されて消滅してしまうから、話を合わせてすきを見て逃げたの。
逃げられたのは運が良かったから、ただ、それだけ。
そして私は人族に扮し「レヴィア」として生きて行く事にしたの。
キゴニスから一番遠いここ、今はブリタニア王国よね?この地で隠れて過ごす事にしたの。】
レヴィアさんは一呼吸おいて話を続ける。
【人間は色々と大変よね、入街料などの税金があったりして、とけ込むのに苦労したわ。
蓄えなんかも部屋を借りるのに使ってしまい明日からどう生きて行こうと思ったわ。
でも、運が良かったみたいなのよね。
幸運が重なってこの街の銀行員になれたのだから。
それで私は「銀行員のレヴィア」をして人族の生活を楽しんだの。
あの日までは・・・。】
レヴィアさんは俺の方を見てから続けた。
【ある日、銀行に「勇者」と思わしき人族が現れたのよ、それがこの人ね。】
そう言って俺の方を指さしてくる。
【私は悟った。
この人に殺されるんだと・・・。
そこで、私は考えたのよ。
殺されないようにするにはどうしたらよいかってね。
その人には大切な人がいた。
丁度よく知り合った人だったから、その人を使って何とか友好的になれないかと思い行動をしたの。
結果は失敗。
その時も運が良かったのね、逃げられたの。】
ふぅ、と溜息をついてレヴィアさんは続ける。
【二度目は貴方達がガーゴイル族の街に出かけた時ね。
後を追って接触を試みた。
でも、これも失敗。
ただ、この人に七大悪魔を倒してはいけないとの刷り込みには成功したようだったの。】
皆は固唾を飲んで話を聞いている。
【公国が解放された事にも一役買って見せた。
それにヴォイドの悪魔の討伐の件を聞いた私はこの人が『勇者』で間違いないと確信したの。
ちなみに、ヴォイドの悪魔とは「鎧の魔王」である「パノプリア」の残滓だから、普通の人間では絶対に消滅させる事は出来ない。
それどころか、この人は殲滅して無事に帰って来た、しかも無傷で!】
「ねえ、貴方?」
【・・・な、何でしょうか、ルイス御嬢様?】
「あの時は危険な事は無いって言ってたわよね?」
【言った記憶がある。】
「後でお話があるわ。」
笑顔のルイス様はお冠のようだ。
【御愁傷様、では続けるわね?
二度の失敗は私を慎重にさせたのよ。
でもここ最近、銀行に査察が入ったりしているの。
そして査察役が私を疑いだした。
多分だけど、本国であるクヴァール帝国に連絡をしていたのだろうと思う。
私は「嫉妬」の名の通り、あらゆる物に羨ましがったり嫉妬してしまう。
でもね、銀行員を、人族をやっていると嫉妬は出て来なかったの。
人族の仕事は私の抑制力になっていた。
仕事を通して言葉交す人族への興味、大変だけれどその仕事を成し遂げた時の達成感!
何と素晴らしい事なのかしらとね。】
「話の途中だが失礼、旦那様、早速ですがノモス侯爵へ連絡をしなければならないのでは?」
【この話が終わったらノモスに会って来るよ、ありがとうね、セリス。】
【ありがとう、私はその生活が無くなるのを恐れた。それで、貴方に、ヘファイストス様に至急接触しなければと思い、あの子を、リズちゃんの身体を借りたの。】
【成程、話は大体分かった。それでリズとの約束って何だい?】
【そ、それは女の子との契約だから貴方に話す訳にはいかないの!】
「女の子って言うぐらいだから、ウチらには話せるんじゃないかいねぇ?」
【俺がいると話せないのかな?】
【はい・・・ごめんなさい。】
【まあ、それは後で皆が聞いてくれるかな?】
「「「任せて!」」」
【お、応?】
【私の話は以上よ。では、質問を受け付けるわ。】
【はい!】
【どうぞ。】
【ティアやアセディアは世界の結界があるから他の国に行けないと言っていたがレヴィアさんは無理してないの?リズの身体でそんな事してたら許さないよ?】
ニコニコと笑って見せた。
【そ、それは大丈夫よ!私の能力で体を借りていたのだから!そ、それと結界だけれど、私は戦闘力が無い代わりに特殊な能力があるの。】
「「「特殊な能力?」」」
【そう、世界を渡る力。自分なりに確かめてみたの。私は何処にでも条件や憑依無しで移動出来るのよ。】
【おお、便利な能力だね。】
【それと人族に限りだけれど、憑依しても影響が出ないの。】
【その二つの能力の事は黙っておく事を勧めるよ。】
【そうね、他にはないかしら?】
「あのー、正直に言いますね、突然すぎて皆さんが黙っていると思うのですが、一つだけよろしいでしょうかー?」
【ナナリーさんだったかしら?どうぞ?】
「ヘファ君や私達、それ以外の人族にも友好的と考えてもよろしいですかー?」
【ええ、そのつもりよ?】
「分かりました、それなら、これからよろしくお願い致しますね、レヴィアさんー。」
「レヴィアさんとか言うとったなぁ?」
【はい、質問ですね?確かフェイさんでしたよね?】
「そうやぁ、そんでなぁ、他の七大悪魔さんの事を知っているだけ教えてくれないかねぇ?」
【名前と封印地の事しか言えないけれど、よろしいかしら?】
「かまへん、かまへん。少しでも坊ちゃんの役に立つならなぁ。」
【まずは、皆さんが御存じの強欲のマノン。アバリティアの事ね。御存じの通り、クヴァール帝国に遺跡がありそこにいるわ。もう封印は解かれている。これは貴方がたの方が良く知っているわよね?】
そう言えばティアは大丈夫だろうか?
昨日の事なのでちょっと心配。
【次は傲慢のルシフェル、この子はスパビア。魔導国家ソフォスの遺跡にいるわ。封印の結界は157日で解けるわ。】
「ちょっと待って下さい、157日で結界が解けちゃうんですか!?」
「かの国なら結界を修復できる魔術師がいるのではないかな、サーラ殿?」
「それならよ、慌てる事は無いんじゃねえかい?」
【ディアナ、結界を修復出来る魔法使いがいたらの話だからね?】
「ソフォスに、結界を修復出来る魔法使いがいるのならええなぁ。」
【そんで、次は?】
【憤怒のサターニャ、この子はイラ。軍事国家ヘルシャーにいるわね。封印の結界は四十一日で解けるわ。】
「「「なんですと!?」」」
「兄貴よ、ヤバいんじゃねえか?」
【不味いな・・・ヘルシャーには確認に行かないと。】
ラヴィーネ、シュタイアさん・・・。
【次は、怠惰のベルフゴール、御存じのようにアセディアの事よ、説明は不要よね?】
アセディアがフフンと胸を張る。
【次は暴食のベルゼバブ、この子はグラ。オルタンシア公国にいるわね。封印の結界は六十七日で解けるわ。】
「兄貴よ、公国もヤバいんだな。」
【この封印の状況は、あの戦争で下手に生贄をあげたせいでもあるのよ?】
【そうなんだ、あの戦争はその為の、儀式の生贄として始まったんだ。】
「ヘファイストス様、貴方が責任を負うような顔は止めて下さい!」
「サーラ殿の言う通りだぞ?旦那様。して、報告は聞いているがそんなにも早く復活するのか?」
【もう一度だけ言っておくわね、公国の封印の日にちが早くなったのはあの戦争のせいよ。ヘファイストス、貴方は勇者でも何でもないのなら、自責はお止めなさい。】
あの戦争でかなりの犠牲と言う生贄を出してしまったからだろう。
アーゼ様、リーゼ様の事だ。
この事も気付いているんだよね?
【最後は色欲のアズモデス、この子はルクスリア。商業国家都市バイジンにいるのだけれど所在不明よ。】
「所在不明・・・復活してると言う事はあるまいな?」
「セリス、復活してたら何か騒ぎがあるはずだよ。そうだよね主君?」
【クレアの言う通りだと思う。】
【封印の結界は112年はもつわね。多分だけれど私の予想では中央都市のジンにいると思うわ。】
「そのはっきりしない原因はなんなのだ?」
【私達姉妹は、『共感反応』とでも言うべきなのかしら?それぞれの位置が大体分かるのよ。】
【それでそのルクスリアって言う子が都市ジンにいるって分かるんだね?】
【そう、ただ何処にいるかまでは分からないわ。強力な結界のような物で邪魔をされていて詳しくは分からないの。】
バイジン、都市ジンか。
怪しいが急を要するのはヘルシャーだね。
近いうちに様子を見に行こう。
【他に質問はあるかしら?】
「レヴィア殿、魔王について何かご存じだろうか?」
「うん、それは是非に聞きたい話だね、主君。」
【魔王ね・・・私達を贄に・・・今、復活しようとしている魔王はパノプリアという名前よ。】
「特殊能力や、この際何でもいいから分からないのですか?」
【そうね、『剣』や『盾』は今回はまだ眠っているようね。】
【スパスィ?アスピダ?】
【貴方達はおかしいとは思わなかったのかしら?魔王が鎧だけな事に。】
【ちょっと待って!魔王って複数いるの!?】
【そうよ、スパスィは剣の魔王、アスピダは盾の魔王よ。】
【勇者がいないんだぞ?そんなのが出て来たら、誰も倒せずに世界が滅ぶじゃないか!?】
【複数と言うか一体と言うか、とにかくパノプリアが強すぎるのよ。それとその三体が協力すると勇者でも・・・勝てないわ。】
【なんてこった・・・。】
「「「・・・。」」」
皆が静まってしまった。
これはノモスと相談した方が良かった。
皆に心配させる事を聞かせてしまった。
後悔する。
「この事を聞いても、ヘファ君は行ってしまうのですねー。」
【もちろんですよ、ナナリー。俺は皆の為ならどんな困難でも必ず乗り越えてみせます。】
「貴方、自分も大切にしてね?」
【大丈夫だよ、ルイス。七大悪魔を殺さなければいいんだよ。そうすれば魔王は復活しない。】
「ヘファイストス様は出来ない事は言わないと信じています!」
【ありがとう、サーラ。】
「旦那様、その時までの鍛錬をお願いしたい。」
「私も、お願いするかな、主君。」
【ああ、近日中に師匠に言って、オーガの牙達や帝国の騎士四人も含み鍛錬をしましょう。】
「頼んだぞ、旦那様!」
「お願いするよ、主君。」
【レヴィアさんの予想で良いんだけれど、七大悪魔族の中で説得の出来なさそうなのは誰かな?】
【可能性が低いのは、そう・・・スパビアかしらね?】
【傲慢のルシフェルだっけ?】
【そう、あの子は説得出来ないかもしれないわ。武力以外に言葉を交わす必要性を感じないと思っているの・・・キレやすいし。】
【ん?最後に何か言った?】
【気のせいよ。】
【説得しやすい子は誰かな?】
【他の姉妹は説得出来るかも知れないわ。特にグラ、貴方の御寿司を食べさせなさい。必ず仲間になってくれるわ。】
【何で寿司なのさ?】
【美味しいからかしらね。あの子は暴食と言われているけれど、暴食ではないのよ。】
【どう言う事?】
【美食家なの。だから貴方の御寿司とか美味しい物を振舞えば仲間になってくれるかもしれないわ。】
【あのー、レヴィアさんや?】
【何かしら?】
【俺は鍛冶師なんだけどね?】
【・・・まだこんな事を言っているけれどどうなの、貴女達?】
「彼は立派な鍛冶師よ!そうよね、サーラさん!」
「そうです!ヘファイストス様に失礼ですよ!」
「ヘファ君は努力家なんですよー?」
「坊ちゃんはエクスィ・スィデラスの紅玉やでぇ?」
「そうだ、旦那様は立派な鍛冶師だ!」
「主君は女神様にも認められた鍛冶師だね。」
「そうだぜ、兄貴は最高の鍛冶師だぜ!」
ううっ、皆、ありがとう!
【ねえ、皆さん・・・今日の料理は美味しかったかしら?】
「ええ、美味しすぎてたくさん食べちゃうのよね。」
「そうです!体系を維持するのが大変なんですよ?」
「ヘファ君の料理は大陸一なんですー。」
「坊ちゃんの寿司は最高に美味いでぇ?」
「旦那様のちゅうかがゆは食べると安心する味なのだ!」
「そうだね、主君の料理はこの大陸一だね。」
「兄貴の料理には外れはねえ、それが答えだ。」
わーお、べた褒めだけれど俺は鍛冶師なんだよ!?
【あらあら、一体どちらなのかしらね?】
「「「・・・。」」」
「い、いえ、この人は鍛冶師です。」
「そ、そうです、鍛冶師なんですよー。」
「わ、私のパートナーであり、鍛冶の師匠です!」
「だ、旦那様は鍛冶師だ。何せ紅玉様だからな。」
「ぼ、坊ちゃんはウチのパートナーやで?そんで追いかけてる鍛冶師やぇ。」
「しゅ、主君は腕利きの鍛冶師だね。」
「あ、兄貴は鍛冶師だぜ?とびっきりのな!」
皆にも俺は鍛冶師だと言う事をもう一度ベッドでの夜戦で教えるべきだね!
【・・・はぁ、分かったわ。鍛冶師と認めるわよ。嫉妬する程に、貴方達は彼の事が好きなのね。】
「「「違います!」」」
【何が違うのかしら?】
「「「愛しているんです!」」
「「「・・・。」」」
皆の視線がディアナの方へ向かう。
「あ!?」
「「「ディアナさん!?」」」
「いや、これは・・・皆に押されたというか、その・・・。」
一緒になって言ってしまったディアナの顔は真っ赤だった。
ディアナ、俺の事と愛してるって・・・いや、兄貴と言って慕ってくれてる子だ。
流石に愛してるは無いだろう。
本当だったら嬉しいけれどね。
【あら?私だって彼の事は好ましいわよ?】
「「「レヴィアさんまで!?」」」
【ぐはっ!?】
六人の嫁が近づいて来たと思ったら両足を踏まれた。
当然ディアナにも踏まれた。
皆の笑顔が怖い。
「貴方、何故かしらね?」
「ヘファ君、どう言う事なんですかー?」
「あ、相手は大悪魔なんですよ?分別ぐらいはして下さい!」
「旦那様!何をしたのか聞かせてもらうぞ?」
「坊ちゃん、流石にウチも無いと思うわぁ?」
「主君、私もやりすぎだと思うぞ?」
「兄貴よ、流石にやってないよな?そうだよな!?」
【その前に足をどけて!】
「「「・・・。」」」
どけてくれた・・・。
うう、皆酷い。
それぞれの場所へ戻って行く。
踏まれた足が痛い。
【レヴィアさんとは何もない!】
【あら?あんなによがってくれたじゃないの?何だったかしら、胸で挟んであげたのよね?】
【ちょ!?】
【『レヴィアさん、貴女の胸は最高でした!』とか『またお願いしますね!』とか嬉しい事を言ってくれたじゃないの?】
【待ってくれ!そんな事は言っていない!確かに気持ちよかったけれど・・・っは!?】
「「「・・・。」」」
皆の目が汚物を見るような嫌な目つきになってるぞ!?
【でも、そこまでなんです・・・そこまでしかやって、やられてないんです。】
言い訳がましいが言ってみた。
「とりあえず何があったかは分かったわ。」
「ヘファ君、お姉さんもさすがに庇えないですー。」
「ヘファイストス様、今夜は眠れないと思って下さいね?」
「義母上様方からは、旦那様は嫁を満足させるのが仕事だと聞いておりますが?」
「坊ちゃん、今夜は激しいので頼むわぁ。」
「主君、覚悟を決めるが良いぞ?」
「兄貴、アタイも満足させてくれるんだろうね?」
「「「ディアナさん・・・!?」」」
「だ、だって、アタイだけ仲間外れは酷いじゃないか!」
「「「旦那様次第ですね。」」」
【ううっ、信用してたのに、速攻でバラされた!】
【私は悪魔ですからね・・・プッ、くっ、あっはっはっは!これよ!これなのよ!楽しいと言う事!これを独り占めしたいのよ!】
なんか急にハイになったぞ?
【ふふっ、貴方達といられれば毎日がこんなに楽しくなるのね!】
【レヴィアさんさー、この後の事も考えてよね?】
【いいじゃない?良い思いが出来るのだから、それぐらい我慢なさいよ。】
【ま、まあ、俺が頑張れば良い事なんだから・・・頑張るさ!】
【そうよ、頑張りなさい。見ててあげるから!】
【俺はそう言うプレイは求めていないぞ!】
【気にする事は無いのよ、ルイスさんの他に六人もいるのだから。見られてると感じる前に貴方が頑張れば良いのよ?】
【気になっちゃうでしょうが!】
【人族の交配に興味があるのよ。私に見せつけてよね。】
【分かった、分かったよ!とにかく頑張るさ!】
【よろしい、で、他には質問はないのかしら?】
「坊ちゃんに目を付けるのは良いとして、アンタの目的を教えてもらいたいなぁ?」
【目的はあくまでも姉妹の復活と私の護衛ね。それと日常を感じさせてくれる事よ。】
「「「日常?」」」
【そう、貴方達の日常を私に見せて頂戴。仕事に影響の出ない範囲でね?】
【日常なんか・・・って昼間は仕事でいないじゃないか?】
【それは休日に見せてくれればいいわよ。】
「それだけなの?」
【ええ、サーラさん。それと・・・これは経験を積んでからお願いするわね。】
「人族としての経験か?」
【そうね、セリスさん。その時は逃げないでね、ヘファイストスさん。】
【逃げないといけないような事なの!?】
【姉妹に関係のある事だからね。これから会う子では現在は消息不明のルクスリアに一番関係があるわね。】
【ルクスリアさんって・・・バイジンは俺だって行った事は無いんだぞ?】
【・・・そのうちに分かるわ。】
【不明な事が増えているんだけれどね?】
【時間が合えば、何時でも答えるわよ?】
【・・・今日のところはこれで良いかな?】
「「「はーい!」」」
【よろしいようね、では、見せて頂戴。】
【ん?レヴィアさん、何を見せるの?】
【貴方達のまぐわいをよ!】
【本気だったの!?】
【本気でなければこんな事は言わないわよ?】
【いや、参加している人に見られているのと、参加しないで見ている人がいるのではさすがに・・・。】
「「「・・・。」」」
「ぼっちゃ」
そのフェイの声を遮ってナナリーが言う。
「ヘファ君!今夜は私を可愛がってくれるのですよねー?」
【あの・・・ナナリー、良いのかい?】
「私なら構いませんよー?」
【ナナリーが良いのなら・・・おいで、可愛がってあげるよ。】
「「「・・・。」」」
【皆はどうするの?】
「も、もちろんその後に可愛がってもらうわよ!」
「その通りです!ナナリーさんだけにはさせませんよ!」
「み、皆と公平にな、旦那様。」
「坊ちゃん、ウチの番まで頑張りぃ。」
「フェイ殿!主君は必ず私の番まで頑張ってくれるぞ?」
「さ、最後で良いので・・・アタイも可愛がってくれよ。」
【今夜中に七名とのまぐわいが見れるのね、羨ましくて嫉妬するわ!】
ナナリーが支度を始めると皆も下着になって行く。
準備が整うと皆が一つベッドを空けてくれる。
そこが今夜の戦場か!
俺も下着になるとナナリーに声をかける。
【おいで、ナナリー。約束通りにいっぱいにそんで激しく可愛がってあげるよ。】
「ヘファ君、可愛がって下さいねー。」
キスをする。
段々と舌を絡めて深くする。
応えてくれた所でブラジャーを取り、二つの大きな双丘を味わう。
先端をくわえてその質量のある胸を堪能する。
「ふあっ!?」
ふふっ、良い反応だ。
もうマイサンの準備は出来た。
そして、手は秘密の泉へと忍び込む。
あれ、これは?
「んぁっ!?」
【・・・ナナリー、反応が良いと思ったら、期待しているんだね?】
「そ、そんな事はー!?」
【胸を触っただけで下が大洪水だよ?】
「い、言わないで下さいー。」
「「「ゴクリッ!」」」
こうして皆の見守る中、俺の夜戦は始まったのだ。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
評価、ブックマーク等々。
大変に励みになります!
皆様に感謝を!
それでは、次話 見る物全てが新鮮(仮 で、お会い致しましょう!
修正も執筆も頑張ります!
御疲れ様でしたー!




