表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第四幕 第一章:帝国での思い出
270/315

討伐隊出港

いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!

執筆が、何とか終わりました。

お楽しみ下されば幸いです。

帝国に帰り皆に報告すると喜んでくれた。


これで皆が少しでも楽になってくれたらいいね。

と、思っていたらセリスから声がかかる。


「旦那様、皇帝陛下が呼んでいる。自室に来るように言われておるぞ?」


「特に呼ばれるような事はしてないつもりなんだけどね、何だろう。」


「解らん、今回は私も席をはずせと言われておるのでな。」


「なんだろう?とにかく行って来るよ。」


「「「行ってらっしゃい。」」」


さて、何だろうかね。

部屋を出て皇帝陛下の自室へ向かう。

入り口にいる護衛の兵士に目通りに来た事を伝える。


「すぐに来るようにとの事です。」


「じゃあ、失礼致します。」


部屋に入るとすでにノモスと酒を飲んでいる所だった。


「皇帝陛下、御呼びと聞きましたが?」


「うむ、よく来てくれた。」


「尊爵様、こっちだ!」


「ノモス、酔っているの?」


「いやー、めでたいな。親友がエクスィ・スィデラスの紅玉だぞ?」


「本人はまだ実感できていないんだよ。」


「ヘファイストスよ、遠慮なく座れ。」


「はい、皇帝陛下。」


「酒を持って来てくれ。」


女給さんはスッとカーテンの向こうに消えて行った。


「それでだな、ヘファイストス。そなたを呼んだのは他でもない。頼み事があるのだ。」


「陛下からの頼みです、前向きに検討致しましょう。」


「それでその内容なのだが、薔薇騎士団の主力騎士四名を鍛え上げてくれぬか?」


「俺がですか?」


「そうだ、鍛えている間は王国に行く事になるであろう?レガイア王はヘファイストスが良ければとの言葉も貰った。」


「その間のその騎士達の部下はどうするのでしょうか?」


「近衛としての500人は一時的に第一騎士団での合同訓練となる。それにもちろん依頼料も払うしかかる経費も帝国が保証しよう。心配は無用じゃ。」


「陛下、王国には俺や師匠の訓練を願う者もおります。その人達と合同で良ければ引き受けましょう。」


「それで構わぬ。期間は六の月を目安とさせてもらう。」


「かしこまりました。お引き受け致しましょう。」


「それと、もう一点。」


「何でございましょうか?」


「侯爵。」


「はっ!」


ノモスが立ち上がると説明を始める。


「王国への物資搬送なのだが、知っての通り海路を使っているんだが問題が発生した。」


「問題?」


「そうだ、アーサー。餌を求めて化け物が出るようになってしまった。」


「化け物?」


「そうだ、巨大な「テンタクルス」らしいんだ。困った事に大砲が効かないらしい。」


あー、ゲームでは一応ボスキャラだったからね。


「そいつをどうにかするのが俺の仕事かな?」


「頼めるか?排除がすまないと海路が使えない、つまり・・・。」


「支援物資が届けられないと言う事だね。」


「そうだ、危険だが頼むぞ、アーサー。」


「もしかしてヘルシャーの物資も影響を受けているの?」


「そうだ、どの船の便も出港してから一日後に襲われるようだ。縄張りでも作られたのかもしれん。」


ヘルシャーの物資も影響が出ているのか・・・。

ラヴィーネ、シュタイアさん。

これはすぐに討伐しないとね。


「それならば一刻の猶予も無い、すぐに片付けましょう。」


「ヘファイストス、済まぬが頼んだぞ。」


「お任せを、必ずや近いうちに吉報を持ち帰ります。」


「陛下、私は見届ける為に同乗致します。」


「ノモスよ、見届けるが良い。」


「ははっ!」


「吉報を待っているぞ!」


「お任せ下さい!」


っと、丁度良いタイミングで先程の女給さんがお酒を持って来てくれた。


「ありがとう。」


グイッ

飲みやすいが、ちょっと強めのカクテルだった。

何のカクテルだったのか気になった。


「アーサー、時間を決めよう。朝の便に遭遇する事が多いらしいので、明日の朝六時前に大桟橋に集合しよう。」


「分かった、準備をしておくよ。」


「主艦一、護衛艦四で出発する。よろしく頼むぞ?」


「王国の為にも、帝国の為にも、皆の為にも負ける事は無い、安心してくれ。」


そう言うと礼をして部屋を出る。


「ふふ・・・頼もしいな。」


「左様ですね、陛下。」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「「「明日、魔物退治に出かける?」」」


「そうなんだ、今回のヤツは交易路を縄張りにしているようなので倒さないといけないんだ。」


「旦那様、それならば、私も連れて行って下さらないだろうか?」


「主君、是非に私も行きたいね。」


「海上の戦闘になるだろうから、遠慮してくれると・・・。」


「私は旦那様の騎士であるのだ、是非に。それに海での実戦は久しぶり、この経験を逃す訳には!」


「そうだぞ、主君。何かの役には立つさ、一緒に行っても構わないだろう?」


「そこまで言うなら良いけど、本当に注意してね?」


「旦那様、ありがたく!」


「さすが主君、分かってくれている。」


「六時に大桟橋集合ですので、今日のところは早めに寝ましょう。」


「・・・ねえ、危険ではないの?」


「海上の戦闘だからね、それに気を付ければ大丈夫だよ。」


「・・・ね、ねえ、今日は隣で寝ても良いかしら?」


「ルイスさえ良ければお願いしたいね。」


「ふふ、良く眠って頂戴ね?」


「反対には、このサーラが寝ますよ!」


「ありがとう、サーラ。」


「坊ちゃん、気を付けてなぁ。」


「ありがとう、フェイ。十分に気を付けるさ。」


「うむ、腕が鳴るぞ!」


「そうだね、この子を全力で振るえるのが楽しみだ。」


「あ、それとセリス。薔薇騎士団の主力騎士四名を預かる事になったから、皆もよろしくね。」


「四名、ですか?」


「うん、後はジャスティン達も訓練に参加するよ。」


「オーガの牙もですか?」


「そう、王国に着いたらになるけれどね。」


「これは負けられぬぞ、クレア!」


「ああ、主君の為に良い所を見せようではないか!」


なんか盛り上がっちゃった。

師匠にも伝えておかないとね。

なんだかんだ言ってあの人の修行が一番上達するしな。


「ちょっと師匠の所へ行ってくるよ。」


「「「いってらっしゃい。」」」


師匠に割り当てられた部屋へと急ぐ。


コンコン


「師匠、いますか?」


「坊主か、入るとええ。」


「失礼します。師匠・・・飲んでますね?」


「うむ、酒はわしの薬みたいな物じゃからな。」


「身体を壊さないで下さいよ?」


「ふぉふぉ、では今夜はこのぐらいにしておこうかの。」


「それで、相談があるのですが・・・。」


訳を話すと海戦はあまり経験が無いので、良い経験になるじゃろうと参加してくれるとの事だった。

人材育成にも快く応じてくれた。

礼を言い、次の部屋に行く。


今度は、ディアナの部屋に向かう。

最近忙しくて自主練ばかりだったから、実戦でその鬱憤を晴らしてもらえると良いなぁ。


コンコン


「ディアナ、いるかい?」


「兄貴かー?どーうーぞー・・・。」


ぐぬぬ、不機嫌な声だ。

仕方がない。

ほとんど放置プレイだったからね・・・。


謝ってから訳を話す。


「実戦かい!?願っても無いよ!」


「海戦だからね、注意してね?」


「分かったよ、兄貴!」


どうやら喜んでくれたようだ。


「準備だ!ハハッ!喜べ、お前達にも久しぶりに出番だ!」


喜んでいるようだ、良かった。


「それじゃあ、明日!」


「楽しみだぜ、兄貴!」


「早く寝るんですよ?」


「応!」


その元気な声を背に部屋を出る。

部屋に戻ると皆は寝る支度をしていた。


「「「お帰りなさい、旦那様。」」」


「ただいま、皆。」


ベッドに入り、ルイスを抱き寄せる。

サーラも抱き着いてくれる。


しばらくするとルイスとサーラの胸の中で眠っていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「「「「アリステリア様」加護を与えたまえ!」」」


「戦神ポレモスよ、我に加護を与えたまえ!」


「皆、気を付けてなぁ。」


フェイが昼御飯に鮭のおむすびを作ってくれていた。

一つだけ大きな包みがあったので聞くとディアナの物らしい。

それぞれの物だと俺に渡してくる。


「ウチらは、ノール工房やけど良い知らせを待ってるで。」


「頑張って下さいね、皆さん!」


「お弁当、ありがとうね、フェイ。」


大切にバックパックに入れる。


「では行くか、旦那様。」


「行くかい、主君?」


「行って来るね、皆。ルイス、元気の出るお呪いが欲しいな。」


「良いわよ。」


ルイスとキスをする。

そのままおでこをくっつけて、ルイスの顔をよく見る。


「まだ甘えたりないの?」


「うん。」


ルイスを抱きしめる。

柔らかい。

サーラとフェイにも同じようにする。

気合が入った!


「よし、行こうか!」


「はい、旦那様!」


「行こう、主君!」


「「「行ってらっしゃいませ。」」」


待ち合わせ場所の大桟橋へと向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「いいかー!相手は大砲の効かねえバケモンだ!修理資材を多めに積み込め!」


「「「アイサー!」」」


「グレイさん、おはようございます!」


「おはよう、アーサー殿!」


「「「おはようございやす!」」」


「グレイ、旦那様の他に四名乗る。」


「分かりやした、セリス様!」


「よろしく頼む!」


「よろしくっす!」


「よろしゅうのぉ。」


「てめえら!時間がねえぞ、早く積み込め!」


「「「アイサー!」」」


「アーサー殿達は三と書いてある部屋を使ってくれ!」


「ありがとう、グレイさん!」


「行くかのぉ。」


船を船室の方へ向かって行く。


「三・・・三・・・っとここかね?」


「ところで、旦那様はどのように戦うつもりなのだ?」


「まあ、部屋に入ろうか。」


ドアを開けセリスとクレアを先に通す。

四人が入ると俺も中に入る。

師匠は最後に入って来た。

二段ベッドが二つ付いた部屋だ。

ベッドに腰を掛けるとセリスが問うてきた。


「旦那様はどのように戦うつもりなのだ?」


「戦うと言ってもでかい化け物、それがテンタクルスとしか分かっていないからね。」


「うむ、厄介じゃが近付いて斬るしかあるまい?」


「そうだね、アタイは接近戦しか出来ないからね・・・。」


「海の戦では甲冑が邪魔になってしまうな。」


「主君、参戦させてもらっているのだが、私はまだ甲冑が無い。」


「うん、そこでなんだけれど海中にいる間に10thの「ヴォルテイン・テンペスト」を使おうと思っている。」


「10thですか?」


「そう、広域魔法だけれど、相手が雷属性に弱いテンタクルスならばこれで大ダメージを与えられるはずだ。」


「ならば、旦那様が呪文を唱え終えるまでの護衛、と言った所か。」


「主君が唱え終えるまでだね?」


「腕が鳴るぜ!」


「任せい、それぐらいならばやって見せよう。」


「ただ、問題がある。テンタクルスがいるとなるとクラーケンとディープ・シーサーペントがいると思う。」


「取り巻きですか?」


「そう、そいつらが邪魔になるかもしれない。」


「成程ね、そいつらが主君の邪魔をしないように狩ればいいのかな?」


「そう、ヴォルテイン・テンペストが完成すれば、そいつらは全滅させる事が出来るはずだ。」


「分かった、旦那様。そいつらを近づけないようにしよう。」


「クレアとディアナは俺の側にいてくれるかな?」


「かしこまった、主君。」


「分かったぜ、兄貴!」


「セリスは遊軍として戦ってくれればいいんだけれど海に落ちないでね?」


「分かった、フルプレートでは無茶はしない。」


「師匠も自由に戦って下さい。」


「露払いは任せよ。」


「これでいけるはず・・・と思う。」


「何かあるのですか?」


「テンタクルスが通常の海に縄張りを作っている、この意味は分かるかな?」


「まさか巣作りではあるまいな?」


「それなんだよね、「大きな魔物」って言う事なんだけれど何体見たっていう報告は上がっていないようだからそれが心配。」


「主君、もし巣作りだった場合はどうするのかね?」


「一匹でも逃せばそいつが将来同じ事をすると思うから殲滅させないと・・・五年後、十年後にまた同じ事になりそうだからね。」


「「「・・・。」」」


「俺達の街の為に、ここで全滅させる!」


「「「応!」」」


「後は、魔法の範囲内には入らないでね。俺も気を付けるけれど10thの魔法は敵味方の区別が付けられないからね。」


「分かったぞ、旦那様!」


「ディアナ殿、やるぞ!」


「応ともよ、クレアの姉さん!」


「腕が鳴るのぅ。それで坊主・・・その顔に出ている懸念はなんじゃ?」


「・・・うーん、気になるんですよね。今まではいなかったって言う事。まさか、テンタクルスを追い出す何かがいる?」


「旦那様?」


「主君?」


「兄貴?」


「坊主、頭に入れておこう。」


「いや・・・気のせいですよ・・・きっと。」


コンコン


「入るが良い!」


セリスが答えるとドアが開き船員さんが入って来る。


「失礼しやす!」


「何事か?」


「そろそろ出港致しやす。」


「済まないが、テンタクルスの情報は無いかな?」


「でっけえイカがいたってだけなんすよ、もっとも報告をした船員も亡くなりやしたがね。」


「そうか、ポレモスよ、勇敢な魂を天国へと導きたまへ。」


「グレイさんに伝えてくれるかな?今回の戦い、嫌な予感がすると。」


「分かったっす。」


その船員は部屋を出て行く。

首の付け根がチリチリする。

嫌な予感は一つずつ消して行こう。

まず、想定敵はテンタクルスだ。


そして俺の嫌な予感は結構当たる。

ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

それでは、次話 海の魔物の脅威(仮 で、お会い致しましょう!

本日も、お疲れ様でした!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ