朝の日課と女の子
楽しみにして下さっている皆様おはようございます。
次話、執筆終了です。
ヘファイストスの冒険?をお楽しみください。
そうして次の日。
【『アリステリア様』、本日も御加護を・・・。】
『アリステリア様』に祈りを捧げると日課となった朝の散歩に向かう。
南通りに向かい食材を仕入れるつもりだ。
南通りの先には港があって採れたての魚が売っていた。
おー、活気があるね。
売れ筋だと言うポーションの露店より活気があるね。
冷やかしながら歩いて行くと港が見えて来た。
おー、こっちも活気があるね。
威勢のいい声を聞きながら港へ向かう。
カラン、カラン、カラン・・・
人が集まっている方向から鐘の音がする。
ちょっと見て行こうかな。
そちらに足を向ける。
人込みで前の方が見えない。
「銀貨四枚だ!」
「五枚!」
「七枚!」
丁度、競りをやっているみたいだ。
いつかは参加してみたいものだね。
側によってみると威勢のいい声が聞こえて来た。
何を競りしているんだろう?
気になってしまったのでちょっとずつ前の方に出てしまった。
前世だとTV番組とかで鮪の競りをよく見かけたな。
へー、指で合図するんだ。
指を立てるのか?
なんとなく人差し指を立ててみた。
「おっと、こちらの若旦那から銀貨二十枚出たよっ!他にはいないかー、いないかー!?」
・・・やべえ!
なんか値段がついちまった!?
と言うか何の魚に値段がついたんだ?
・・・見た事の無い魚だ。
「っち、何処の金持ちだよ?」
「銀貨二十一枚!」
「さぁーさぁー、いないか!?いないかぁっ!?」
下手に手を動かすのは止めよう。
成り行きをじっと見つめている。
「銀貨二十三枚で、ファレナさんとこだー!」
パチパチパチパチ!
うへー、やべえ値上げしたから睨まれちゃったよ。
ここは退散しておこう。
その場を後にする。
後ろからだったから何の魚だか分からなかったからなぁ。
高くしちゃって、ごめんなさい。
さてと、気を取り直して漁港に行こうか。
「またこいつらだぜ。」
「足が速くなけりゃ売れるかもな。」
「馬鹿言うなよ、輸送しようにも氷なんて高級品でも使わなきゃ隣り街の『ナフティス』に着く前に腐っちまうぞ?」
「これだからシビなんてよぉ。」
あれ?
ちょっと待って、シビって・・・!?
慌てて駆け寄るとシビと呼ばれる魚が売っていたがどう見ても鮪だ。
【ねえ、この魚は売り物じゃないの?】
「おいおい、若旦那。シビを知らねえのか?」
「足が速くて売り物にならねぇんだよ。」
「ハハハ、買うんだったら安くしておくぜ?」
【幾ら位になるのかな?】
「若旦那、まさか買う気か!?」
【うん、何本上がってるのかな?】
「正気か!?あ、いや、買ってくれるなら良いけどよ。」
何と格安で鮪が一本買えるようだった。
日本人としては是非にほしいよね!
「大きさは五本ともあんまり変わらねえから、一本銀貨十枚で良いぜ?」
【捨てるんだよね?】
「なら八枚でどうだ?」
【捨てるのならもう一声ほしいね。】
「じゃあ、銀貨六枚でどうだ?」
【貴方がたとは、今後とも良い付き合いをしたいですね。】
「分かったよ、一本で銀貨五枚だ!」
【うんうん、次も上がったら買うからね、それでいいよね?】
「そんなに買ってどうするんだよ、若旦那。」
【そうそう、ついでに捌いてくれると、有難いんだけど良いかな?】
「かなわねーな、ちょっと待ってろよ。」
「アンちゃん、こんな魚どうするんだ?しかも五本も買っちまって。」
とか言っている。
漁師さんなら食べた事は無いのだろうか?
と、不思議に思ったがまあ良い。
人気が無いなら手に入れやすいだろう。
捌いてもらう事も出来るなら万々歳じゃないかな?
もちろん頬肉やカマ等も頼んで解体してもらう。
残った骨等も出汁を取る為に引き取る。
良い物が手に入った。
バックパックにしまう。
するとバックパックに入らない物がある。
何だろうと思って見ていると切り身に寄生虫がいた。
アニサキスだったっけ?
これがいるので入らないのだろう。
バックパックには生き物は入らないからね。
寄生虫を取り除いてもらい改めてバックパックへ入れる。
極少の寄生虫にまで反応するのか。
バックパックの利便性を改めて思い知るのだった。
漁師さん達にまた来るねと言って市場の方へ戻る。
しかし刺身だと醤油は絶対に欲しいよね。
そう思って漁港から市場へ行くと嗅いだ事のある匂いがする。
香ばしいな。
・・・醤油っぽいぞ?
そう思って匂いの方へ歩いて行くと店があった。
何かこの辺りの店だけ場違い感が・・・。
良く見ると何件か同じようなつくりのお店があった。
そう、和風のお店である。
早速、店員を捕まえて聞いてみると醤油だけではなく味噌やみりん等の調味料がある事が分かった。
もちろん樽で買いバックパックへ入れる。
さらにうろつくと白米も売っていた。
ヒャッハー!
あると思ってました!
『アリステリア様』、最大の感謝を!
1t単位で買うと言うと、500kgしかないとの事であるだけ買う。
もちろん全品値切って買ってある。
だが足りない調味料がある。
そう、『山葵』である。
結構うろついたと思うのだが無いのだ。
うーん、是非欲しいなと思っていると味噌等を買った店の店主が出てきて次回までに用意すると言われた。
良かった、山葵自体はあるんだなと買い物を続ける。
朝市は結構好評で一~二日おきにあると言われたのでまた足を運んでみよう。
肉屋に行き牛肉と豚肉があったのでこれも多めに買う。
挽肉もあったので牛と豚をそれぞれキロ単位で買う。
ふふふ、商人っぽく買い付けをしているぞ。
と、ニヤニヤしていると、声を掛けられた。
「若旦那が大買いしてるって聞きやして、あれを買ってくれないかと思って声を掛けさせて頂きやした。」
と、その商人は言う。
【どんな商品なんだい?】
「店に案内しやすんで付いて来て下さいよ。」
そう言われて付いて行く。
朝市で物騒な事もあるまいと思っていたが一応警戒をしておく。
すると酒屋さんだった。
【ほほー、と言う事は米酒だね?】
「さすが若旦那。分かりやすか?」
【銘柄は分からないけれどね。】
「お勧めのはコイツですぜ。」
その商人はそう言って盃を突き出してくる。
【試飲ですか?】
「ええ、気に入ったら買ってやって下さいよ。」
【分かりました。いただきます。】
おお、ガツーンと来るがスッキリとしていて鮪に合いそうだ。
【気に入った。買うよ。】
「ありがとうございます!」
そう言われて五樽も買ってしまった。
もちろん割引してもらったのでお互いにホクホクだ。
「若旦那には勝てねえっすねぇ。また仕入れておきやすんでよろしくお願いしますわ。」
【また寄らせてもらうよ。】
そう言って商人に手を振る。
「ありがとうやんしたー!」
その声を背に宿屋へと戻る。
結構使ったけれど良い物が手に入ったので満足感があった。
そして宿屋に着くと扉を開けて中に入る。
いつもの席を見ると皆が揃っていた。
時計を見ると七時二十五分だった。
危ないギリギリだった。
けれどルイスと顔を合わせるのが恥ずかしい。
そう思ってテーブルに向かうとあれ?
リズがいない。
【皆、おはよう!】
「「「おはようございます・・・。」」」
と、声を掛けるが皆の元気がない。
直ぐにルイスが近づいてきて言って来る。
「ねえ、清潔な布は無い!?」
と、聞いてくるので綺麗な布を渡す。
「先に御飯を食べていて、私の分はいいから。」
そう言って布を受け取ったルイスがリズの部屋に走って行く。
何かあったのかと思って心配しているとベスが言ってくれた。
「リズ姉に月の物が来たの・・・。」
そう言ってくれた。
ああ!
女の子の日か!
そうか、変な病気じゃなくてよかった。
そうして残りの皆で朝御飯を食べた。
ベスとマオが心配なのでリズを見に行くと言っていると女将さんがやって来て謝って来た。
「小僧、昨日は済まなかったね。」
素直に謝って来たので文句を言いたくなったが我慢した。
ただ、これだけは言っておいた。
【その代わり、リズの事をお願いしますね。】
「その事なら任せておきな!」
良い返事を貰えたので留飲を下げた。
アリス一人だけとなったので誘ってみた。
【アリスは、俺と出かけようか?】
「はいなのですー!ヘファさんと出かけるのですー!」
とても嬉しそうだった。
【今日は地図を買いに冒険者ギルドに行こうと思っているんだよ。】
「そうなのですかー?」
【じゃあ、支度をしておいで。】
「はいなのですー!」
カウンターに行き女将さんにルイスへの言伝を頼んでおく。
そうして出かける準備をするとアリスと冒険者ギルドへ出かける。
此処まで読んで下さってありがとうございます。
中世、知らない事ばかりで毎日が勉強です。
楽しんで執筆しております。
評価、イイネ、ブックマーク等ありがとうございます。
これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします
考えが頭に浮かんでは消えて行きメモのノートが半分埋まりそうです。
それでは次話 冒険者ギルドと再会(仮 でお会いしましょう。
支度して仕事に行って来ます!
それではまた!




