イリーナとしての顔
いつも読んで下さっている方々、誠にありがとうございます!
次話、執筆終了です。
お楽しみ頂ければ幸いでございます!
パレード自体は明るいうちに行われたのでそこまで大変と言う事は無かった。
エクスィ・スィデラスの六人が勢ぞろい。
あちこちから祝福の声が聞こえる。
エクスィ・スィデラスってこんなに歓迎されるのか。
それとも勇者人気のおかげで凄いのだろうか?
「御子、ヘファイストスよ!そなたの第一席を歓迎するものなり!」
「「「創造神の御子!!!」」」
「「「神託を授かった御子!!!」」」
いやいや、そんな御大層な物は授かってないしね?
そんな人達にも負けないとばかりに民衆に手を振る。
とにかく笑顔で手を振る。
ミカが苦笑いしているぞ?
後で覚えておけよ?
パレードが終わり城へと戻る。
ふう、無事に帰って来れたぞ。
すると謁見の間に案内される。
各国の王が見守る中エクスィ・スィデラスの認識票が手渡される。
最後の確認として血を一滴、認識票に垂らす。
そうするとギルドカードと同じように魔道具にかけられる。
白黒写真の様に姿絵が浮かび上がった。
これで偽造の心配は無いだったかな?
受け取ると謁見の間にいる各王様達から拍手が起こる。
恐縮しながら頭を下げると各王からお言葉を頂いた。
「おめでとう、ヘファイストス殿。我が国から紅玉がでるとは、なんという栄誉。父上も見たかったであろう。」
【レガイア王、ドリュカス公には先に報告をお願い致します。また、改めて家族で報告に伺いますので。】
「楽しみに待っているぞ。」
【はい!】
「「ヘファイストス様、この度の紅玉就任、誠におめでとうございます!」」
【ありがとうございます、アーゼ女王陛下、リーゼ王妹殿下。】
「「・・・。」」
二人にジーっと見つめられる。
【あ、あのぉ、何か?】
戸惑っていると囁いて来た。
『近いうちに必ずや我が国にも訪問をお願い致しますわね。』
『必ず来て頂戴ね!』
【も、もちろんでございます。】
「「楽しみにしておりますわ!」」
「ヘファイストス殿、この度の御就任、誠におめでとうございます。」
「おめでとう、ヘファイストス殿。」
【ジン長老、イン殿、ありがとうございます。】
「それで、バイジンには来て頂けるのかな?」
【もちろん、伺わせて頂きます、イン殿。】
「その時は五名がそろった状態でお迎えさせて頂く。」
【それは、光栄な。会議以外で御集りになるなど。】
「なあに、ヘファイストス殿。そなたにはその価値がある。」
【有難きお言葉、なるべく早くお伺い出来るように致します。】
「おう、楽しみにしておる。」
【それでは、失礼致します。】
「「「失礼致す。」」」
五人を見送る。
そうだ、こんなに期待されているじゃないか。
俺も、早く伺えるように頑張ろう。
「ヘファイトス様、是非とも我らが国ソフォスにも御来訪を!」
なんか両手で肩を掴み、ゆする法王猊下の目が怖いんですが?
【は、はい。是非に。】
『猊下、悪い癖が出ておりますぞ?』
「っは!こほんっ!・・・是非に御来訪下さいませ。」
「「「是非、真の聖剣を我らの手に!」」」
【必ず伺いますね。】
神都には是非に行ってみたい。
『アリステリア様』にもお会いしたいしね。
「「「そなたに『アリステリア様』の加護を!」」」
【ありがとうございます!】
「ヘファイストス、我が息子よ。各地の訪問が終わったのならばまた来るが良い。帝国もそなたの帰って来る国だ。」
【はい、義父上。必ずや!】
「うむ、セリスと仲良くな。」
【はっ!】
「ババ様が言っている!」
「キゴニスにも真なる聖剣をと!」
【是非、伺わせて頂きます。】
「「その時は歓迎致します。」」
「よろしくお願い致します、ヘファイストス殿。」
「紅蓮・・・。」
【ラヴィーネ様。】
「必ず来い。」
右拳を突き出して来た。
「はい、必ずや!」
応えて同じように右拳を突き付けあう。
「ふふっ、貴様はそれぐらいでちょうど良い・・・必ずだぞ?」
【必ずや、ラヴィーネ様。】
各国の王達は皆にも祝福の言葉をかける。
ソフォスのイリーナ法王猊下から物凄く熱っぽいお言葉を頂いた。
でも何故か胸へ視線を送る事が出来なかった。
っく、せっかくの癒しタイムが!
ナナリーさんよりも大きな質量だろうと言う事しか解らなかった。
残念、無念。
そして晩餐会の料理を俺が作る事になった。
ミカの野郎。
美味い物を食べさせろだと?
各国の王達もいるので断れなかったんだい!
仕方がない、めでたい席なのでな。
美味い物を作ってやろう。
会場には八十人程のゲストがいるらしい。
ここは無理をせずに御寿司で行こうかな。
皆の為に心を込めて握る。
皇帝陛下も寿司ならアレルギーは出ないだろう。
もうすぐ王国に帰るから、今のうちに親孝行をしておこう・・・。
握り終わった物からお出ししてもらう。
出汁巻き卵も作りテーブルに並べてもらう。
汁物にはアラ汁をお出しした。
後はデザートだが冷えたプリンをチョイス。
食事に出された寿司はどんどんと皆様の口の中に消えて行った。
足りなくなりそうなので握っていると、ベクターさんとヘイ=シンさんがやって来た。
「本当に君が作っているのだな。」
「冗談だと思っていたんだが・・・。」
【ミカから言われて良く作っているんですよ。】
「それにしてもこの海鮮寿司とは美味い物なのだな。」
「初めて食べたが素晴らしいね。最初は生魚だと言う事で見た目で遠慮していたが・・・。」
【ええ、色々と種類があるので食べてみて下さい。美味しいですよ?お勧めは中トロと呼ばれる部位です。】
「君のお勧めに従おう。では、後程会場でな!」
「またな、ヘファイストス殿!」
会場にいないから、様子を見に来てくれたのかな。
ルイス達も食べてくれているだろうか?
セリスがいるから大丈夫だとは思うんだけどね。
見に行けないと余計に心配になるじゃないか。
ある程度の追加を作り終わると会場へと足を向けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
さてと、ルイス達は何処かな?
会場を見渡す。
何処だろうな・・・。
「ヘファイストス殿ではないか。」
おっと、呼ばれてしまった。
【これは、ブリタニア王。】
声のする方へ跪く。
「ヘファイストス殿、そんな事はしなくとも良い。いつも通り話そうではないか。」
【それでは、失礼して。】
立ち上がるとレガイアさんが握手を求めて来る。
その手を握り返す。
「改めておめでとう、君は王国の誇りだ!」
【いえ、そのような事は・・・。】
「何を言っている、君が紅玉、フェイ嬢が藍玉になった事で疲弊した王国民にどれだけの希望を与えられる事か。」
【そう言って頂けるのはとても嬉しいです。】
「そうだぜ、ヘファ殿。お前さんはそれほどの事をやったんだ。」
【アレックスさん・・・ありがとうございます。】
「ヘファイストス殿、初めまして!王国騎士団、第一部隊隊長を務めさせて頂いております、ネストと申します!」
【初めまして、ネストさん。これからも良きお付き合いを。】
握手する。
「帝国へ来てからの料理の美味い事!陛下の護衛を忘れそうなぐらい美味いですね!」
【ネストさん、レガイアさんこそ王国の希望なんですから、任務は忘れないようにお願いしますよ?】
「はいっ!命に代えましても!」
「そうだ、ヘファイストス殿。王国に戻ったら、なるべく早く父上に会ってくれぬか?」
【構いませんよ?さっき言った通り、俺も皆を連れて報告に行きたいなと思っておりましたので。」
「うむ、楽しみにしておる。」
【レガイアさん、その、じ・・・爺さんも喜んでくれるかな?】
「父上が喜ばぬ訳がないではないか!」
【それなら第一席になった甲斐がありますね。】
「そうだ、そなたは王国に住む民達の希望なのだ・・・ふふ、父上の言では無いが大きくなったな。」
【身長はそのままですよ?】
「ハハハ!大きくなったのは身長では無いぞ?」
【何が大きくなったのですか?】
「人には定められた『格』という物がある。どうもそなたはその格が他の者より大きい様だ。」
【「格」ですか?】
「そうだ、格だ。」
そういえば、ラフィアが大きくなりましたねとか言っていたのもこの格という物なのだろうか?
「ヘファイストス殿、格は自分では解らん、他人の評価だからな。」
【他人の評価ですか?】
「その通り、父上もそなたに言わぬだけで、そなたを評価する事を楽しみにしている。」
【楽しみに・・・爺さんには長生きしてもらわないと。まだまだ俺の評価を楽しみにしてもらわないと。】
「そうだ、復興が進んで来た。とはいえまだまだからな。だが、この報告で民達に希望を与えられる!」
【それならば頑張った甲斐がありますね。】
「王都の神殿がまだ復興しておらんのでな、建て直したら聖剣の奉納を頼むぞ。」
【お任せ下さい、サンクトゥスにも負けない物をお作り致しますよ。】
「フハハ、その時が楽しみだ!」
レガイアさんは上機嫌のようだ。
珍しく深酒をしているようだった。
その代わりに酒好きのアレックスさんが飲んでいない。
酒を飲んでいるイメージしかなかったからね。
ネストさんのせいか?
しばらくするとレガイアさんは上機嫌で何処かに行ってしまった。
護衛の二人も付いて行った。
離れるとルイス達を探す。
「ヘファイストス様・・・。」
あれ?
この声は・・・。
【これは、イリーナ・グラン・イエレアス・ソフォス猊下。お声をかけて下さるとは光栄の至り。】
失礼の無いように跪く。
「ああっ、お止め下さい、貴方様が跪く事はありません。御立ちを・・・。」
【それでは失礼して。】
「改めまして、この度は紅玉の就任、おめでとうございます。」
【猊下からの祝いの言葉、ありがたく受けさせて頂きます。】
「ヘファイストス様、率直に申し上げます。是非我らが国ソフォスへも御伺い頂きたいのです。」
【猊下、失礼を。ブリタニア王と王国の復興の約束がございまして、それが一段落着くまでは各国にお伺い出来ないのです。】
「それではそれが済むまではお待ち致しますので、どうか・・・。」
頭を下げられてしまった。
【猊下、そのような事はなさらないで下さい。レガイア王と調整をし、なるべく早くお伺いする事を『アリステリア様』に誓います。】
「ああっ!こんなに嬉しい事はありません!必ずでございますよ?ヘファイストス様。」
【出来る限り急ぐように致しましょう。】
「楽しみにしておりますわ、貴方様に『アリステリア様』の御加護を!」
【猊下にも『アリステリア様』の加護のあらん事を!】
「それで、ヘファイストス様。あの聖剣ですが・・・『神力】を使って作り上げておりますわね?」
【「神力」、ですか?】
「その様子だと御存じありませんの?」
【ええ、存じません。】
あれ?
そう言えば、前に会った時に『アリステリア様』がそんな事を言っていた気がするぞ?
でも詳しくは知らないからなぁ。
「神力とはその名の通り神の力です。聖属性を付ける際に無意識で行っておりますわね?」
【それで俺の作った神剣に聖属性が付いているのですか?サンクトゥスを作り上げた時に疑問に思っていたんです。】
「ええ、それで枢機卿達や神殿の者達も神の御子と言っておるのです。」
【何故その神力が俺に使えるのでしょうか?】
「それは不明ですが・・・『アリステリア様』を降臨させた事に関係があるかもしれません。」
【『アリステリア様』ですか・・・。】
「はい、詳しくは分かりませんが、その際に加護を受けておりませんか?」
済みません。
この地に降り立った時から加護を受けております。
何て言えない。
【神匠を授かったのでそれも関係あるかもしれませんね。】
「左様ですわね・・・ますます貴方様に興味が出てきました。」
何故か左手に絡みついて来る。
・・・ぽにょぽにょとした感触が手に当たる。
大きいな!
やっぱり、ナナリーさんよりも大きいぞ!
相変わらず視線が向けられないのだが・・・。
「恥ずかしながら、貴方様とならば・・・。」
【イリーナ猊下・・・。】
「ヘファイストス様・・・。」
見つめ合う。
本当に太陽のような笑顔から力が頂けるようだ。
身体が勝手にイリーナ様を抱き寄せていた。
ああ、この人を俺だけの物にしたい。
いやいや、相手は国の代表だぞ?
「猊下、このような所に・・・っと、これは御邪魔でしたな。」
「申し訳ありませんな、猊下。」
「ああ、折角の機会を!猊下、申し訳ありません!」
「三人とも!き、気にする事では無いのよ!」
【そ、そう言えば、イリーナ猊下。お食事はお食べになって頂けておりますか?】
「ええ、この料理はとても素晴らしいですわ。」
【海鮮寿司と言う料理でございまして、抵抗があるかもしれませんが生魚を使っております。】
「ええ、とても美しく、口に運ぶと、とろけるようでとても美味しかったのですわ。」
【お勧めは中トロと呼ばれる部位でして、是非ご賞味下さい。】
「ふふっ、部位を言われても何処だか解りませんわ。よろしければどちらなのかご案内頂けますか?」
【もちろんです、早速、行きましょう。】
「はい、ヘファイストス様。」
あら、役得役得・・・。
そう、腕を組んで来たのだ。
えへへ、嬉しいねぇ。
もう少しだけこのぽにょぽにょを堪能させてもらおう。
そう言えば枢機卿達が付いて来ないな。
【良かった、まだありましたね。こちらが中トロです。】
「まあ、色鮮やかな・・・」
【お勧めです、よろしければ食べてみて下さい。】
「は、はい!」
上品な食べ方だ。
マナーは心得ておりますな。
さすがに箸は使い慣れていないようだ。
「ヘ、ヘファイストス様、そんなに見られると、恥ずかしいですわ。」
【美味しそうに食べて頂けて嬉しいのですよ。】
「まさか、このおすしという料理もお作りになられたのですか?」
【はい、なのでたくさん食べて下さいね。】
「が、頑張ります!」
そう言うとお勧めの寿司を食べ始めた。
美味しそうに食べてくれるな。
「あの、ヘファイストス様?」
【何でございましょうか?】
「・・・私には、その・・・魅力はありますでしょうか?」
【猊下はとても魅力的でございます。】
「本当でございますか?」
【ええ、まずはその笑顔。見ているだけで俺も元気になります。】
「ほ、他にはっ!?」
【その柔らかい雰囲気、一緒にいるだけで癒されます。】
「ほ、他にはっ!?」
【一緒にいて分かったのですが、とても可愛らしいしぐさをなさいますね。】
「それは年齢の割に幼いと言う事でしょうか?」
【いえ、御寿司は初めてだとおっしゃっていました、その目に映る物が初めてなのでしょう。実に好奇心に満ちた可愛らしい顔をしてらっしゃいました。】
「お、おほん、それならば許して差し上げますわ・・・他にはございません事?」
【俺の好みを言うと、じょ、女性には失礼かと思いますので、これ以上は控えさせて頂きます。】
「ほ、他にもあるのならば、貴方様の口から伺いたいのです!」
【いえ、失礼に当たりますので、これ以上はお許しください。】
「そこを曲げておっしゃって下さいませんか?」
【猊下・・・仕方ありませんね、正直にお話致します。】
「ごくりっ。」
【私は変わり者らしく、女性の・・・その・・・胸部が。】
「胸部が!?」
【・・・大きい方が好きなのです。】
「大きい方が好きなのですねっ!」
勢いよく食いついたぞ!
【え、ええ。猊下の身体は、俺にとってとても魅力的に映ります。】
「・・・醜くはありませんか?」
【とんでもない、何故か視線がいかないのですが、猊下はとても魅力的です。】
「ヘファイストス様・・・ᚥᚱᚪᛈ ᚪᚱᛟᚢᚾᛞ ᚪᚾᛞ ᚢᚾᛒᛁᚾᛞ...(纏いよ、この者の前だけ解けよ・・・。)」
【っと、これは大変に失礼を。】
「いいえっ!いいえっ!ヘファイストス様には正直に言います。」
【何か?】
「はい、私は巨乳です。貴方様の好みだと言う、巨乳なのです!」
薄々解かってはいたが告白されるとそこに目が行ってしまう。
男の性だよね。
あれ?
その二つの御立派な物が見れるようになったぞ?
思わず声に出してしまった。
【猊下、そのような魅力的な物を・・・。】
「はい、貴方様には見えるように致しました。」
【俺だけですか?】
「はい、貴方様だけですわ。」
【・・・。】
「や、やはり醜いのでしょうか・・・。」
【イリーナ様と呼ばせて頂いても?】
「構いませんわ。」
【正直に言います。素晴らしい、その大きさでハリと弾力を備えているとは・・・。】
「ですが、隠すのに苦労しておりますのよ?」
【将来会う男の為にでございますか?】
「意地悪ですわね、貴方様に会う為です。」
【嬉しい事をおっしゃって下さいますね。】
「あ、貴方様と出会うのは『アリステリア様』の導きなのです。」
【ふふ、噂だけの人物と出会うのがそんなにも気になるのですか?】
「そ、そうです、ですが実際に貴方様に会うとあの・・・その・・・。」
【貴女は可愛いですね、この手で連れ帰りたいほどに。】
「ああ、ヘファイストス様。私を連れ去ってほしいです。」
【イリーナ様、残念ながらそれは出来ません。】
「左様ですか・・・。」
イリーナ様が、残念そうに俯く。
【貴方様のその笑顔は万人の為にあるのですよ。それを俺一人の為に奪う事は出来ません。】
「私の・・・笑顔・・・。」
【はい、こうやってお会い出来るだけで・・・俺には十分です。だから俺といる時はイリーナ様の笑顔を見せて下さいませ。】
「そ、それだけでよろしいのですか?」
【ええ、それだけで十分でございます。】
「貴方様は難しい事をおっしゃるのね。」
【難しいですか?】
「好いた殿方が目の前にいるのに、万人に向けての笑顔を要求するのですか?」
【イリーナ様、それが貴女の使命であり俺の願いでございます。】
「難しいですが、貴方様の為になるのならばやって見せます。」
【それでこそ、俺の好きなイリーナ様です。】
「うふふ、お上手です事。」
【本心でございます。】
「貴方様になら、私は・・・。」
【何かおっしゃいましたか?】
「いえ、何でもありません。」
そう言うとイリーナ様は俺の右手を抱き寄せる。
【イリーナ様、少々近いようですが?】
「いいえ、近くはありません。それに、これは罰ですの。」
【罰ですか?それならば、甘んじて受けなければなりませんね。】
「ええ、受けて下さいませ。」
そう言うとネタの吟味にかかる。
しばらくそうやって二人で御寿司を食べた。
罰と言うデートのようなものは少しの間だったけれど続いた。
だが、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。
「長い時間付き合わせて申し訳ありません。」
【いえいえ、楽しかったですよ。イリーナ様。】
「ヘファイストス様、またお会い出来る事を楽しみにしておりますわ。」
【イリーナ様、俺も楽しみにしております。】
「・・・それでは、また・・・お会い致しましょう。ソフォスで神都イヨルティでお待ちしております。」
【イリーナ様、必ずや。】
そう言って跪き、左手の手の甲へキスをする。
「ああっ、わ、私は何時でも・・・。」
そう言えば手の甲にキスをするのは何かあったかもしれない、早まったか?
だがやってしまった事は仕方がない。
この行為が何かをルイス達に聞いておこう。
「そ、それでは・・・失礼させて頂きます。」
頬を赤く染めるイリーナ様を見送ると三人の枢機卿が後を付いて行く。
三人の中の女性であるポステリタスさんがお辞儀をして去って行った。
やはりやらかしてしまったのだろうか?
そして寂しそうに去ってしまった、イリーナ様の笑顔が俺の心に残るのであった。
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!
まずは、いつもの!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
本当に感謝しかありません!
総合評価、3574ですと!?
素晴らしい!
今日は朝からプレミアムなやつを飲んでおります!
これからも頑張りますので、よろしくお願い致します!
それでは 次話 未来への展望(仮 で、お会い致しましょう!
お疲れ様です!




