選考の時
いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!
執筆が終わりましたので上げさせて頂きます。
お楽しみ頂ければ幸いです。
朝、目を覚ます。
隣にはルイスとフェイの温もりがあった。
幸せのサンドイッチ状態。
もちろん堪能する。
「ふふっ、相変わらず甘えん坊さんね。」
「ルイス、もっと体を寄せておくれ。」
「分かったわ、フェイ姉。」
ふにょん。
うん、柔らかい。
「坊ちゃん、ウチはノール工房に行って来るなぁ。」
【分かりました、選考会がいつ終わるか分かりませんので気にしていて下さい。まあ当分終わらないかと思いますが・・・。】
「うん、ほら逃げやしないから可愛がっておくれよ。」
フェイの温もりを堪能する。
柔らけぇ・・・。
「フェイ姉ばかりなのね、寂しいわ。」
【そんな事は無いさ、ルイス。】
ルイスの物も堪能する。
すると皆が起きたのか声がかかる。
「ヘファイトス様、こちらにもありますよー?」
「そうです旦那様!公平にして頂かないと!」
「そうだね、主君。こちらも可愛がっておくれ。」
【あふん!一部分だけ元気になっちゃう!】
「「「・・・。」」」
【み、皆さん・・・その目は何でしょうか?】
「工房へ行くのは遅れそうやなぁ。なあ、サーラ。」
「そうですね、フェイさん。」
「ふふ、朝から何て久しぶりね。」
「そうだぞ、旦那様。こ、公平にだな・・・。」
「主君、ついに私も可愛がって下さるか?」
【いや、鍛錬に行かないとね?】
「「「・・・。」」」
「鍛錬には負けられんなぁ。なあ、皆!」
逆効果だった!
【アーッ!】
こうして朝から頑張った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ほう、それで遅れたと?」
【すんません!】
絶賛土下座モードでディアナに謝っている。
「まあ、御飯が豪勢になれば許してやっても良いぜ?なあ、兄貴。」
【検討させて頂きます!】
「うん、じゃあ鍛錬をしようか。」
【はい、では、形からお願いしますね。】
「分かったぜ、兄貴。」
【っほ・・・。】
「礼!ッセイ!、ハアッ!」
くう、嫁さんから求められるのは旦那としては嬉しい事なのだが、こ、腰がっ!?
でも満足してくれてよかった。
だが、しばらくはこの調子が続くと思うとゾッとする。
でも、嬉しい事なんだよね。
期待には応えて見せましょう。
今回、セリスとクレアは睡眠中だ。
えへへ、頑張ったからね!
っと、そうだそうだ、ディアナの朝御飯だ。
お言葉通り豪勢にしましょうか。
そう言えば照り焼きは作った事が無かったな。
照り焼きバーガーを作ってみるか。
早速厨房へ向かう。
さて、作りますか!
形を整え、バンズを四個作る。
その間にチキンハンバーグも四個作る。
トマトを輪切りにしてレタスとともにバンズに乗せる。
酒、砂糖、みりん、醤油で照り焼きのたれを作る。
照り焼きソースにはマヨネーズを混ぜる。
うん、良い味だ。
パテのハンバーグが焼きあがったら特製の照り焼きのたれをたっぷりつける。
うん、良いんじゃないかな?
出来上がった物を冷えた果実水とともに持って行く。
持って行くと、丁度、ディアナが汗を拭いている所だった。
【新作のハンバーガーを作って来たよ。】
「はんばーがー?」
【まずは食べてみてよ。】
「おう!兄貴の飯にハズレはねえ!楽しみだ!」
【では!】
テーブルと椅子を取り出しハンバーガーを並べる。
「ん~、美味そうだ。」
【では食べましょうか。】
「うっす。」
「【いただきます!】」
バグッ!
もぐもぐ・・・
「う、うめえ!」
ハグッ、モグッ!
「くはー!これいいね!はんばーがー、気に入った!」
【うんうん、ゆっくり食べてねって、もうないじゃないですか!】
「兄貴、もちろんこんな美味い物二つじゃないよな?」
【っぐ、さ、最後の一個ですからね?】
「話が分かる~!」
そう言うとディアナは俺の皿からハンバーガーを取り食べ始めた。
「ハグ・・・モグ・・・うめぇ!」
うん、鍛錬は順調だと思っておこう。
「ふぅ、美味かったぜ、兄貴!」
【それは良かった。では、始めますよ?】
「お、応!」
【三分組手を三回です。】
「待ってました!」
テーブルと椅子をバックパックにしまい広さを確保する。
【さあ、やりますか!】
「ウッス!」
ッザ!
互いに構えを取る。
どれほどの模擬戦をやったのか。
お互いの戦略は分かり切っているそんな数を戦って来た。
だけれども戦うたびに新しい発見をしている。
それを戦術に組み込み昇華し、挑む。
「【ッフ!】」
踏み込み左の差し合いになる。
パパパンッ!
「っく、左の差し合いでは兄貴には勝てねえか。」
【まだまだ譲りませんよ?】
「だが間合いの管理は良い所まで来ているだろう?」
【成果が出ていますね!】
「応!組手をやっているヤツが強い相手だからね、鍛錬に不自由はしないさ!」
【ッシ!】
パパパッ!
左の牽制を入れつつ懐に潜り込む。
自分の間合いにする為に。
【ッフ!】
「入れさせないぜ!」
【っく!?】
ガガガッ!
【良いディフェンスですね。】
「何度も経験しているからね!」
パターンを変えるしかないか。
ディアナは確実に成長しているからあまり学習させたくないのだが・・・。
足を使う。
ディアナが間合いを調節する。
その引く右足に左足を追尾させる。
「な!?」
そしてそのままレバーブロウ!
ドゴッ!
「っち、まとわりつくのかい!?」
【まとわりつかせて頂きますよ!】
「ならっ!」
ゴオッ!
すかさず、ディアナの左膝が飛んで来た。
これをかわして徹底的にボディーブローを叩き込む!
ん?
誘いか!?
素早く間合いから離れる。
【そう言えば「龍の顎」がありましたね。】
「そうさ!油断すれば食べちまうぜ、兄貴?」
【なら、これはどうでしょうか?】
「来るかっ!?」
ッダ!
懐に深く潜る。
「いつもと変わらないね?」
【そうですか?】
ドスドス!
「ガードの上から叩いても効かないねっ!」
ところがどっこい!
【っふ!】
ズシッ!
「っくぅ!何だその打撃はっ!?」
【超至近距離から放つ『ワンインチパンチ』ですよ!】
「間合いは無いはずなのにっ!」
【ここにありますよ?】
「っくぉ!?」
ズシッ!
【っと、ディアナ、三分です。】
「っく!」
互いに離れると一分の休憩だ。
「兄貴、底が知れねえな・・・だが食らいついて見せる!」
うーん、こっちはそろそろネタ切れなんですがねぇ。
けれど、この鍛錬が済むまでは壁になっていてあげないと。
しばらくディアナとの鍛錬を楽しむ。
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選考所。
本日は三日目。
「三人目はミカ殿か。」
「ミカ殿?」
「姉様、エクスィ・スィデラスの第六席、黒玉の方ですわ。」
「前に提出下さった二名の剣に比べると纏っているオーラが違いますわね・・・。」
「左様ですな、猊下。」
「鑑定士、鑑定して見せよ。」
「っは!それでは失礼致しまして・・・鑑定!」
「「「・・・。」」」
「ハイクオリティー、属性無し、武器ダメージ40%。、以上でございます。」
「ミカ殿は着実に腕を上げておるな。」
「ふむ、我が国にある聖剣と同様の物だな。」
「左様ですな、翁。」
「同じ物か・・・。」
「やはり前の二人は格が違いますわね。」
「そのようだな・・・。」
「ババ様、この剣の精霊も言っております。」
「もうすぐ聖剣になるであろうと!」
「シュタイア・・・今回は豊作かもしれんな。」
「ええ、閣下。」
「残りは三名か・・・だが、まだ時はありますな。」
「その通りだ、ブリタニア王。」
「前回と比べ、作成は格段に速くなっておる。」
「また、ミスリルに触れた事の無い者もいる。この状況の中で参加している者達もいるのだ。」
「時間はかかって当然ですな。たた、時間をかけすぎるのも問題ですかな。」
「左様ですわね、勇者様が降臨なされた時に防具などの作成にも時間がかかってはいけませんものね。」
「その通りですな、猊下。」
「皆様、失礼致します。出来上がりましたのでお納め下さい。」
「四人目か・・・ほう、これは・・・。」
「鑑定士、鑑定を!」
「ハ、ハハッ!」
その剣を受け取ると鑑定する。
「鑑定!」
「「「・・・。」」」
「こ、これは・・・!?」
「いかが致した?」
「ハイクオリティー、属性無し、武器ダメージが40%でございます!」
「な、なんと!?」
「同じだと言うのか?」
「あら、困りましたわね。」
「左様ですわね、姉様。」
「リリア、良き物を作る事が出来たな・・・。」
「その通りです、ババ様。」
「この剣の精霊も、もうすぐ聖剣になると言っております!」
「同じ聖剣を作れる者が、ほぼ同時に現れたと?」
「そうだな、ブリタニア王。だが、少しでも先に作れたミカ殿を推すしかあるまいて。」
「左様ですわね、皇帝陛下。先に仕上げた者を優先する事になるでしょう。」
「「「猊下のおっしゃる通り!」」」
「残りの席は二つ・・・どうなるかな?」
「ラヴィーネ殿、その前に試し斬りをお願いできるか?」
「かまわぬ。」
「ミカ殿、済まぬが少々お待ちを、ではお願いする!」
マネキンが二体運ばれてくる。
それを見たラヴィーネ殿がまずはミカ殿の剣を引き抜く。
シュラッ・・・
「美しいのぉ。」
「左様ですな、翁。」
「ふふっ、この剣の機嫌は良い様だ。では!」
フォッ!
キンッ!
マネキンが斜めに斬れる。
「刃こぼれも無し、うん、この剣も良い剣だ。」
「っほ・・・良い物が出来て良かったわ。」
ミカは安心したようだった。
続けてリリアさんの剣の番だ。
シュラァ・・・
「うむ、この剣も機嫌が良いな。」
ラヴィーネは嬉しそうだ。
「ではっ!」
フォッ!
キンッ!
「うむ、刃こぼれは無し、良い剣だ。」
「では、皆の者。順位はこれで良いかの?」
「ブリタニア王国は異存ない。」
「オルタンシア公国も異論ありませんわ。」
「ソフォスも問題ありませんわね?」
「「「その通りでございます、猊下。」」」
「クヴァールも、問題は無い。」
「キゴニスも問題は無いとババ様が言っております。」
「ですが、まだ出そろっておりませんよ?」
「ふふ、そうだな。使命とは言え少々退屈になってしまった。」
「ラ、ラヴィーネ様!?」
そして三日が経ち持って来たのはエクスィ・スィデラスの元第四席と元第五席。
「鑑定士、鑑定をかけよ!」
「ははっ!」
「「「・・・。」」」
「ハイクオリティー、属性無し、武器ダメージ増加が三十%の剣でございます。」
「エクスィ・スィデラスだと言うので期待致しましたのに・・・。」
「これでは、今ある聖剣を持っていた方が良いではありませぬか?」
「姫様方、ヘファイストス殿と比べるのは酷でございますぞ?」
「エクスィ・スィデラスが小粒になってしまうのぉ。」
「左様ですな、翁。ですがこの剣が選考を通っても国にはヘファイストス殿の聖剣を頼めばよろしいでしょう。」
「本来はそうならない為のエクスィ・スィデラスの仕組みなのですがね。」
「元四席と五席は何をやっていらっしゃったのかしら?」
「その通りだ、研鑽を忘れてしまってはいないだろうな?」
「そのような事は一切ありません、創造神様に誓いを立てます。」
「同じく!」
キンッ!
「おい、剣が歪んだぞ?」
ラヴィーネから容赦ない意見がでる。
「それに刃こぼれだ。元とは言え、エクスィ・スィデラスとなっても上昇志向が見当たらないのでは無いか?」
「私達も眠りながら打っている訳では無いのですよ。今の私に出来うる最高傑作なのです。」
「その通りでございます!」
「クヴァール王よ。」
「何かな、ラヴィーネ殿。」
「五席、六席は慎重にお選び頂きたい。」
「その通りだな。」
「ヘファイストス殿を見習えとは言いたくないが・・・ただ、それはこの両人にも酷なのではないだろうか?」
「ふむ、心得た。」
「猊下、そろそろ昼食の時間でございます。」
「はうっ、も、もうそのような時間なのですね。ヘファイストス様・・・。」
「「「猊下?」」」
「きょ、今日の昼餉は何だろうかと思っただけでしてよ!?」
「くははは!まずは胃袋からか、よろしかったですな、猊下。」
「もう!そんな事では無いのよ・・・そんな事では・・・。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【ヘーックショイ!】
「坊ちゃん、どないした?」
【今日の夜はフェイに甘えたいなぁと思ってね。】
「もちろんさね、歓迎するよ!」
【それで、今日の昼食会にも呼ばれているんだよね。】
「坊ちゃん、手伝いはいるかい?」
【甘えても良いかな?】
「もちろんさね!」
こんな事でも頼られると嬉しい・・・この人が愛おしい。
「坊ちゃん、今日は何にするんだい?」
【照り焼きハンバーガーとフライドチキン、サイドにはポテトフライ、それと果汁ジュースだね。】
「はんばっがー?ふらいどちきん?」
【後でディアナと皆の分も作るからお試しあれ!】
「ふふふっ、ああ、楽しみにしてるよ、坊ちゃん!」
ジャンキーな物は王族様には受けるだろうか?
これも小麦を使う料理だから皇帝陛下には気を付けないとね。
さてと、作りますかね。
フェイと厨房に向かう。
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