セリスと俺の関係
いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!
執筆終わりました。
お楽しみ頂ければ幸いです。
気合の入った掛け声が練兵場にこだまする。
「フッ!」
「ハアッ!」
「ヤッ!」
「セイッ!」
「ありがとうございました!」
礼・・・
【ディアナさん、集中してましたね。】
「形は良い鍛錬になるよ、兄貴。」
【集中のスキルを組み合わせてやると効率が良いかもしれませんね。】
「そうかい?なら、試してみるぜ!」
【これでやっと、身体作りが本格的に行えますね。】
「ああ、形もそうだけど、発勁を、勁を鍛える為にも練功に進まないとね。」
【その意気です。では今日は体を冷やさないようにして眠って下さい。】
「分かってるよ、ストレッチしたら風呂に入って眠るぜ!」
【はい、では解散です。】
「ありがとうございました!」
さて、そろそろセリスを迎えに行かないとですね。
リターンを唱え帝国へと向かう。
【セリスー、セリスさん。迎えに来ましたよー?】
「旦那様の幻影が見える。このまま私は父上と義母上の情事の声を聞かなければならぬのか・・・。」
体育座りで隅の方で黒いオーラを纏っていた。
【セリス、しっかりしなさい。迎えにきましたよ?】
「本物なのか、いや私の煩悩だ。」
【そんな事言ってると凄い事をしちゃうぞ?】
「・・・旦那様で間違いはないのですね!」
どんな認識の仕方なんだろうね!
【うん、迎えに来たよ。】
「旦那様、これは酷い罰だぞ!」
抱き着いて来た。
どうやら泣いているようだ。
真面目なセリスには堪えた事だろう。
【今日は一度王国の宿に行って、落ち着いたら明日、改めて伺いましょう。って言うかそんなに凄いの?】
「下着の効果は、旦那様が思っている以上に素晴らしいのです!」
【済みませんでした、セリス。では、戻りましょうか。】
「旦那様、今日は甘えたい気分だぞ?」
【今日は師匠はいません、問題はアリスですが、セリスが声を抑えれば大丈夫でしょう。】
「頑張らせて頂こう。と言う事は本来は別部屋なのだな?」
【部屋の分け方はこうです。】
セリスに部屋割りを教える。
「ふむ、皆に悪いか・・・。」
【セリスは嫌ですか?】
「そ、そんな事は無いぞ?」
【では帰って支度を整えましょう。】
「旦那様、私は準備が整っているぞ?」
【お風呂に入りましょう。その後なら可愛がってあげますよ、セリス。】
「分かった、早く王国へ行きたい。」
【では、後宮を抜け出しましょう。】
「はい、旦那様。」
出て行こうと立ち上がる。
立ち上がりましょうよ・・・セリスさん?
【・・・行かないのかな?】
「旦那様は意地が悪いのです!」
【おねだりとは、困った皇女殿下ですね、白き薔薇。】
「だ、抱き上げてほしい。」
【俺もやりすぎたと反省しております。構いませんよ。】
セリスを抱き上げるとその足で王国へと向かう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おや、嬢ちゃん。よく来たね。」
【女将さん、厨房をちょっと借りるよ。】
「ああ、何か食わせておやり。」
「旦那様、希望があるのだが、良いだろうか?」
【何か食べたい物があるの?】
「前に作って頂いた「ちゅうかがゆ」をな・・・食べたいのだ。」
【かしこまりました、少々お待ち下さい。姫殿下。】
「・・・旦那様は意地悪です。」
【では、愛しい君の為に作るよ。】
「お、お願い致します、旦那様。」
コトコト・・・
「良い匂いだ。」
【もうすぐですよ。】
「うむ。」
食堂が良い雰囲気だ。
この時間なら酔客もいるだろうに。
酔客か・・・。
セリスの為にカクテルを作ってみた。
ライムを絞った物とシェーリー酒、ラム酒をブレンドしシェイクする。
シャカシャカッ!
カシュカシュ・・・
トポトポ・・・
「旦那様、これは?」
【御嬢様、『クォーター・デック』でございます。】
「ああ、かくてると言ったか?旦那様は、この酒にどのような思いを託してくれたのだ?」
【『いつも真っ直ぐな貴女』と言う言葉を送らせてもらうよ。】
「いつも真っ直ぐな・・・か・・・うん、美味いが、強い酒だ。その中にライムの爽やかさを感じる。複雑で奥深い味わいだな。」
【セリス、何か心配事ですか?】
「そ、そのような事は・・・。」
【帝国から出るのがそんなに不安なのですか?】
「不安なのではない、父上にお仕え出来なくなるのは良いのだ。ただな、騎士団の面々はどうしたものかとな。」
【他の部隊に組み込めるのでは?貴女の騎士団は有能な人材を良く理解し、戦や内政に手腕を振るっているのでしょう?】
「薔薇騎士団は王家の人間と民を守る為にあるのだ、それをないがしろには出来ん。」
【・・・騎士団の話を聞いても良いかい?】
「ああ、騎士団は、薔薇騎士団は私が我が儘を言って創設したのだ。」
【我が儘?】
「ああ、クレアや部下を多く失ったと言う思いが、あの騎士団の立ち上げの理由だ。」
【セリスは後悔しているの?】
「そのような事は無い。旦那様と出会えたのは『アリステリア様』のおかげだろうからな。」
【・・・出来たよ、食べれるかい?】
「もちろんだ、ありがたく頂こう。」
盛り付けるとセリスの前に置く。
一口・・・二口・・・。
「うん、美味い。それに、ちょうど旦那様と話をしたかったのだ。」
【話?こ、この間の執務室を抜け出した事は怒ってないよね?】
「それについては後程。」
よ、良い笑顔だ・・・怖いけど。
忘れてなかったのか・・・。
【そ、それでどんな話なのかな?】
「・・・我が騎士団の事だ。それと・・・ごにょごにょ・・・。」
【聞いても良いけれど、騎士団の事は聞いた以上には分からないよ?】
「聞いてくれるだけでも良いのだ。」
【ならばお付き合い致しましょう、御嬢様。】
「ありがとう、旦那様。まず、後任はセシルに任せようと思う。彼女ならば広い視野で物を見る事が出来、権力にも屈しないだろう。」
【他の二人の事も考えなければなりませんよ?】
「二人にはそのままでいてくれた方が騎士団の団としての結束が深められるだろう。」
【セリス、もう決まっているじゃないですか。】
「いえ、まだです。青薔薇隊の後任を決めねばな。」
【セリス、それは三人と話し合うべきですよ。】
「そうだな、私は何を逃げていたのだろうか。旦那様と話すと雪が溶けるように疑問が解決する。」
【それに、セシルさんなら、彼女なら団長になったとしても、青薔薇騎士団の後継も決めてくれますよ。】
「良い人材がいると言っていたからな。それは問題無いはずだ。」
【えっと、すると話って言うのは?】
「つ、次は旦那様と私との事だ。」
【騎士団を引退しても、騎士は辞めないって聞いたよね?】
「そうです、ただ正式に王国へ行くので団は辞めねばならぬがな・・・だが、旦那様から騎士を続けても良いとの許可も頂けた。」
許可しちゃったねぇ。
騎士として付いて来ると言う事は、そう言う事なんだろうな。
「そ、それでな、ち、父上がな・・・。」
【陛下、気に入ってくれたようだね。】
「それはもちろんだ!下着に関しては問題はない!」
まだ営んでいるのかな?
「こ、こ、こ、こ・・・。」
セリスさん、鶏ですか?
「騎士団を抜け、王国に行くのだから、こ、こ、婚約をだな、その、正式に結婚してもらえとだな・・・。」
ああ、俺の馬鹿。
セリスが焦っているのは知っていた。
それに気付けない馬鹿なやつなんだよな・・・。
またも嫁さんに、心配かけさせてしまった。
シャカシャカ・・・
「旦那様?」
とぷとぷ・・・
【『キャロル』と言うカクテルです。御賞味下さい、御嬢様。】
「う、うむ、頂こう!」
ゴクッ・・・
「美味い、これはブランデーか?芳醇な香りに、ハーブの香りがしてとても良い。」
【これの言葉は『この想いを君に捧げる』です。セリス・・・ごめん。】
「だ、旦那様!?」
【それは、俺から言わないと駄目なんだ。】
厨房から出るとカウンターへ向かう。
セリスの前で跪き、右手を差し出す。
セリスの目を見てキッパリと言う。
【セリス、この俺、ヘファイストスの妻となって下さいますか?】
「だ、旦那様・・・感謝を。」
左手を添えて大きく肯いてくれた。
【これで、心配事は無くなりましたか?】
「ああ、これで父上にも、天国で見守ってくれているであろう母上にも良い報告が出来るだろう!」
【セリス、一つだけ約束してくれるかな?】
「何でしょうか、旦那様?」
【待たせて済まないけれどルイスとの事が一番だ、それと次はナナリーさん。その後になるけれど、構わないかな?】
「ふふ、旦那様に声をかけて頂けたのだ、そのぐらい待つ。だが、二人ばかりを可愛がるような事は、寂しいのでしないでほしいぞ?」
【それはもちろんです、セリス。】
「ありがとう、旦那様。話が済んだらお腹が減ったぞ。」
【中華がゆだけで足りますか?】
「旦那様、寿司が食べたい、握ってはくれないか?」
【ふふ、分かった、握るよ。少し時間をくれるかな?】
「待つ、いつまででもだ!」
こうしてセリスと結婚をする事を決めた。
美味しそうに食べているセリスを見る。
結婚をすると言う事を決めたので安心したのだろうか?
部屋に戻り、皆に話すと祝福してくれた。
「ヘファイストス様、次こそは私、サーラですよね?」
【う、うん。気を付けるよ。】
やばい、サーラの機嫌が悪い。
「本当に、頑張って下さいよ?」
前向きに検討致します。
ごめんね、サーラ。
もう少し待っていてくれるかな?
この夜セリスと盛り上がったのは言うまでも無い事だろう。
そうだ、朝になったら、師匠を迎えに行かないとね。
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それでは、次話 トレーニングウェア(仮 で、お会い致しましょう!
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