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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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家族旅行、実行編

いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!

執筆が終わりました。

お楽しみ頂ければ幸いです。

次の日の朝。


ルイス・・・プニプニが違う、この質量感はサーラだ。


ふふふ、双丘マイスターの俺が間違うはずはないだろう?

双丘マイスターとはだな・・・。

煩い、今はこの巨大な質量を味わうのに忙しいのだ。

うへへ、やわらけえ。


あれ?

視線を感じる。

目だけで上を見る。


「【・・・。】」


サーラと目が合う。

ジーっと見ている。

いけない事をしているような気になって来た。

凄く興奮する。

ふんすっ!


「ヘファイストス様、甘えてていいんですよ?」


【サーラ!】


ガバッ!


「あーん。」


朝から、その柔らかい物を十分に堪能した。

支度をし、日課をする。


「「【『アリステリア様』本日も加護を与えたまえ。】」」


「商業の神エンボーリオ様、本日も良い物が作れますように。」


「戦神ポレモスよ!我に加護を与えたまえ!」


今日はジャスティン達を王国に送る日だ。

ジャスティン達は夜に出発するそうだ。

こちらも送ってあげないとね。


日課のトレーニングと食事を済ませるとディアナを師匠に預けノモスの家へ来た。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ほう、タラサにな。確かに貴族様方の避暑地になっているな。」


【そこに人数分の宿泊先を頼みたい。】


「人数分だと?」


【まずは俺だろう?それにルイスとルイスの妹分四人、ナナリー、サーラ、セリス、フェイ、師匠にディアナの十二人分だ。】


「ほう、まあ良い。黒幕のオフディアン退治の礼としては良い所だろう。旅費も含み持ってやるから楽しんで来い。」


【ノモス、感謝するよ。】


「出発は・・・そうか、六人会議の予定がまだだったな。」


【そうなんだよ、それが分からないと動きようがない。】


「アーサー、先に行くのも良いと思うぞ?今までの経緯から言うと、急に今日だ明日だのって事は無いと思う。」


【タラサの方はすぐに予約はとれるのかい?】


「何を言っているんだ、貴族様方の避暑地と言っただろう?」


【言ったが・・・?】


「察しが悪いな、俺の別荘だよ。」


【ああ、そう言う事か。】


「いつでも行ける、管理人もいるからな。」


【女性か?】


「男性だ。良い年齢のな。メイドも何人かいるが・・・嫁がいるんだから心配ないな。」


【そうだ、安心しろ!じゃあ予定は気にしないで行けるな。】


「うむ、行って来るが良い。」


【一足先にタラサに行って来るよ。】


「ん?そうか、魔法だな?」


【そうそう、ルーンを焼いて来るよ。】


「連絡は付けておく、『アンドレイ』と言う名の老人が管理人だ、気を付けてな。」


【ああ、行ってくる。】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【ふう、暑いね。】


目標のタラサにまでは馬で四時間らしいので向かっている。

ディアナと師匠、セリスの筋肉飯は作り置いて来たから大丈夫だろう。

さて、もうひと頑張りしますかね。

地図で確認しながら向かう。


【ノモスも街道って言ってたけれど、砂で埋まっちゃってるじゃないか。】


このまま南西だな。


パッカパッカ・・・


馬は進む。

何度目かの水分補給をしていると海が見えて来た。

うん、やはり広いな。

この海の更に南方に獣人族の住んでいる大陸がある。

彼らはもっと過酷な環境に住んでいるはずなのだから感心する。


お、あれがタラサか?


見えて来た町に向かって馬を進める。

しばらく進むと町の入り口に着いた。

さすがに町の中は砂っぽくはない様だ。

えー、ノモスの別荘はっと。


「お待ちしておりました、ヘファイストス様ですね?」


声がかかって来る。


【そうですが、貴方は?】


「ノモス様の別荘を管理しております、「アンドレイ」と申します。」


【ああ、貴方が、ノモスからは聞いております。よろしくお願い致します。】


「それで、場所はこちらになります。」


アンドレイさんを馬に乗せると案内してもらう。

町に入ってから歩いて十五分程の距離かな?

どうやら付いたようだ。

このでっかい家がそうらしい。


【ありゃー、でっかいわー。】


「「「お帰りなさいませ、御客様。」」」


メイドさん達の御迎えだった。

相変わらずの巨乳だ。


【出迎え、ありがとう。中を見させて頂いても?】


「構いませんよ。」


メイドさんのうちの一人が馬を馬房に連れて行ってくれた。

中に入るとアンドレイさんが説明してくれる。


「まずは部屋でございますが、二階に二人部屋が四部屋、四人部屋が四部屋。三階には六人部屋が二部屋でございます。」


【厨房はどうなっておりますか?】


「料理をなさると言う事で氷冷庫を入れさせました。それと十四人分の食卓に大きめの蒸風呂がございます。」


【良いですね。市場とかはあるのかな・・・それに、外は?】


「港にですが、市場もございます。外には水貯めの浴場があり、正面は少し歩けば海でございます。敷地内は関係者以外は入れないようになっております。」


水貯めの浴場?

見てみるとプールの事だった。

それに所謂、プライベート・ビーチってか?

さっすがお金持ち!


【大体は分かりました。これを皆さんで管理しているんですか?】


「ええ、私を含め、今は休暇中ですが庭師のヨーゼフ、そしてメイドが六名です。」


【分かりました。少々失礼しますね。】


ルーンにマーカーで焼き込む。


【それでは急で申し訳ありませんが、明日から三日間よろしくお願い致します。】


「かしこまりました。」


【では、よろしくお願い致します。今日はこれで失礼致しますね。】


「はい、お気をつけて。」


タイミングを見計らったように、メイドさんが馬を持って来てくれた。


【・・・7th ゲート・トラベル。】


ゲートを出しノモスの家に帰る。


馬を返さないとね。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【と、言う訳で、明日からお出かけします。】


「お出かけってまた急ね、お兄さん今度は何処に行くの?」


【帝国なんだけれど海が綺麗な所だよ。ちなみに泳げます。】


「泳げるの・・・かしら・・・?」


【泳げない人は海に足を付けるだけども楽しめるはず。】


「美味しい物はありますか!?」


【多分市場があるから、美味しい物はあると思うよ。】


「海なのです?」


【そう、砂浜から海が見えてとても綺麗だったよ。】


「行きたいのですー!」


「ヘファ君、アセディアさんは休眠するって言ってますので大丈夫ではないかとー。」


休眠ってなんだ?

いつもと違うのか?


【と、言う訳で準備をしておいて下さい。予定は明日からそこに二回泊って一度宿に帰って来ます。一日宿に泊まって次の日から三日間ですが帝都見物です。】


「二日間泊まって帰って来て一日泊まって三日帝都ね!」


【そうです、リズさん。忘れ物の無いようにね!お迎えは明日の九時半です!】


「「「はーい!」」」


一階に降りると女将さんに旅行の行程を話す。


「まあ、良いさね。小僧、楽しませてやりな!」


【はい!】


移動が忙しいな。


今度は帝都だ!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


薔薇騎士団詰所。


コンコン


【セリス閣下いらっしゃいますか!】


「入れ、ん?」


【やあ、セリス。】


「だ、旦那様!?」


「やだ、昼間からなのねぇ~!」


「あら、旦那様。」


「何用ですか・・・まさか!?」


【皆さん、少しの間セリスを借りて行っても良いかな?】


「旦那様!?」


「旦那様、この後はお仕事なのでぇ~、足腰は立てるように加減してあげて下さいねぇ~?」


「ひ、昼間から求められるのか・・・。」


「団長、頑張って下さい!」


「おっほん!そんな事ある訳ないではないか!し、仕事をしておれっ!」


「「「はーい!」」」


執務室からプライベートの部屋に通される。


【だ、旦那様。仕事中に求められるのは困る・・・け、決して応えない訳では無いぞ?だがな、部下の目があるしだな・・・。】


【何を言っているんですか、セリス。明日から旅行の予定です。休暇を取って下さいね?】


「・・・それだけなのか?」


【そ、それだけでございますが・・・。】


「旦那様は、ふぐっ!?」


怒られそうだったので、口をふさぎソファーに押し倒す。


「だ、旦那様!?」


【そこまで言うのなら貴女が誰の物かを、もう一度教え込む必要があるようですね。】


「ああ、旦那様、激しくされると声が・・・。」


【聞かせてあげれば良いではありませんか?】


「だ、だがな、団長としての面目がな?」


【セリス・・・今日は言い訳が多いですね?】


「そ、そんな事は無いぞ!?」


【では・・・。】


立ち上がりドアの方へ向かう。


ガチャ


ドサドサドサッ!


「ぎゃん!」


「むぐっ!」


「あんっ!?」


その倒れた三人の前に進み出て仁王立ちするセリス。


「・・・アミィ、レイチェル、セシル。何をしておるのだ?」


三人は青い顔をしているが俺からはセリスの表情は見えない。

さて、逃げるか。

隠蔽、隠密!


「こ、これはですね。」


「団長、アミィが気になると言う事を聞かず!」


「レイチェルだって気になるって!」


「二人とも、逃げるぞ!」


「「は、はい!」」


「お主ら、少しはわきまえよ!」


「「「申し訳ありません!!!」」」


パタン


「で、旦那様。続きをするのか?わ、私も求められたのなら応える覚悟が・・・旦那様?」


答えは無い。


・・・ゴゴゴゴゴゴ


「後で・・・後で、覚悟するが良いぞ、旦那様!」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


次はサーラとフェイかな。


カーンカーン!


カーンカーン!


うん、良い音が響いてますね。


【こんにちはー。】


「これはヘファイストス殿。」


【御世話になってますね、西瓜です。冷やして召し上がって下さい。】


「ありがとうございます。・・・ですが、流石ですな。」


【どうしました?】


「サーラ殿です。神匠様の指導のたまものでしょうか、鉄のハイクオリティーを作りつつありますよ。」


ほほー、早いな、サーラ。


「そのせいででしょうな、フェイ殿が気にしておられて鋼のハイクオリティーを作っても武器ダメージが四十にしかならんようですよ。」


【ほう・・・。】


話すなら今かな。


【フェイ、サーラ手を止めて下さい。】


「ぼ、坊ちゃん!?」


「ヘファイストス様!」


【二人ともお疲れ様です、話があります。先日企画した旅行を明日からに致しました、準備をお願いしますね。】


「わ、分かったわ、坊ちゃん。」


「かしこまりました!」


【・・・フェイ。悩みが見えますね。貴女らしくない、どうしました?】


「坊ちゃん、今日は鋼のノリが悪いだけだよ。」


【そうですか・・・?ずい分とサーラに気を取られているように見えましたが?】


「そ、そんな事は、無い・・・さ。」


【サーラはもう少し頑張りましょう。頑張り次第では鉄製品を任せても良いかもしれません。】


「・・・本当ですか!ヘファイストス様!?」


【頑張り次第ではですよ?】


「頑張ります!頑張ります!」


【お店を出した時ですからね?】


「お店の鉄製品が・・・私の・・・ううぅ~!」


物凄く喜んでくれているようだ。


【フェイ、何かあれば言う事。良いですね?一人で貯め込んでは駄目です。】


「分かったよ、坊ちゃん。」


【それでは、よろしくお願いしますね。】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ほほう、家族旅行でございますか?」


【ええ、普段遊びに連れていけていませんので、この機会にと思いましてね。】


「神匠様だと大変ですなぁ。」


【ははは・・・。】


済みません。

そっちの仕事は忙しくないです。

そうなんだよね。

個別に依頼があっても良さそうなんだよね。



【それでは貴方の手を見せて下さい。】


「っは、神匠様。」


【うむ、素晴らしい。貴方には資格があるようだ。】


「それでは!?」


【ええ、一振り打ってみましょう。】


「お願い致します!」


【かしこまりました。】



みたいな展開があるかもと思っていたんだよね。


「神匠様?神匠様?」


【あ、は、はい?】


「そう言えば六人会議がもうすぐとか?」


【そうなんですよね、日付が決まらないんですよ。】


「各国の王と協議致しますからな。特に王国の状況が厳しいのでしょう。」


【成程・・・。】


爺さんの様子も見に行かないとな。

レガイアさんとは会ったけどね。

そろそろ戻っているのだろうか?

それにいい加減に王都にも行かないとね。


さて、行きますか。


【冷たいお茶、御馳走様でした。いつも工場を使わせて頂いて申し訳ありません。】


「いえいえ、サーラ殿やフェイ殿の鍛冶仕事は若い奴らには良い刺激になりますのでな。」


【そう言って頂けるとありがたいです。】


「お気をつけてお帰りを。」


【それでは失礼致します。】


次は師匠とディアナかな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


練兵所に戻る。


お、今日はスパコーン言ってないな。

さって、どうしたのやら?


【・・・あー、師匠、これは「瞑想」では?】


「うむ、心を落ち着かせねば嬢ちゃんには無理じゃった。そこで、瞑想よ。」


【成程、で、師匠。】


「何じゃ?」


【明日から旅行に行くのですが、師匠も御一緒して頂きたい。】


「・・・雷禪の用心か?」


【はい、こんなに早く来るとは思えませんが念の為に。】


「分かった、行こう。」


【お願い致します。】


「嬢ちゃんも連れて行くんじゃな?」


【はい、ディアナは純粋に強化する為に連れて行きます。】


「ふむ、詰め込みすぎも体、いや、精神に悪いぞ?」


【そこで、旅行です。違った環境になれば休息出来るのではないかと。】


「成程のぉ。良いのではないか?」


【・・・ところで本当に瞑想しているのですか?】


「そうじゃのう、確かめるしかないが・・・のう?」


「兄貴、アタイは瞑想しているぜ?」


「【・・・。】」


【してないじゃないですか!】


「うむ、しておらんの。」


「じっとしてるのは性に合わないんだよ!」


【これを達成出来ないと、強くなれませんよ?】


「っぐ、何とかならないかい?」


【師匠でも駄目だとなると・・・。】


「見放さないでおくれよ!兄貴ぃ~!」


【ううむ、組手をして強引に集中させるとか・・・。】


「組手で安定するかのう?」


【そこは、多少強引にでも・・・。】


「頑張るぜ!」


組手と聞いてウキウキしているようだ。


あ、そうだ空手の『形』があるじゃないか!

形が出来れば集中スキルも上げる事が出来るのではないだろうか?

小学校の時の記憶だが何とかならないだろうか?

俺がいつもやっていた普及型Ⅱの形を思い浮かべる。

懸命に思い出す。


駄目だ。

部分的にしか思い出せない。

身体に沁みついていないだろうか?

健康の為と言って六年間通った空手教室の東西先生。

お願いします。


ええっと、礼から。


結び立ち、気を付けの姿勢から手先を体の前で重ねて用意。


【ふううぅぅ~・・・。】


右足をやや右斜め後ろにずらし、体を左に向け自然立ち、上げ受け右足を前に自然立ち、右上段追い突き!


【ハイヤッ!】


右足を後ろに下げ、体は正面(顔はそのまま)、四股立ちで左下段払い。

右を向き、左足を運びながら自然立ち、上げ受け、左足を前に自然立ち、左上段追い突き。


【ハイッ!】


動作を優美に、だが力強く!


左足を後ろに下げ、体は正面(顔はそのまま)、四股立ちで右下段払い。

正面を向き、右足一歩前、前屈立ちで外受け。

今度は左足を一歩前に出し、前屈立ちで外受け、前屈立ちから左前蹴り!


【ハイッ!】


蹴り終わり足を下ろし、左前屈立ちで肘打ち、そのまま、すかさず左拳を正面に向けながら裏拳突き!


【ハイヤッ!】


技のキレを思い出せ!

ディアナにはこの程度の事では伝わらない。


そのまま拳と腕を回転させながら、前屈を保ち左下段払い。

そのまま、右中段逆突き!


【ハアッ!】


右掌を顔に向け、右足で左膝内側を軽く蹴り上げる動作(波返し)をし、後ろを向きながら、掌を返して、右手刀打ち!


【フッ!】


左足を大きく前に踏み出し、前屈立ち、左外受け、右足を前に出すと同時に、そのまま右前蹴り!


【ハイヤッ!】


六年の記憶が蘇る。

東西先生ありがとう!


蹴り終わり足を下ろし、右前屈立ちで肘打ち、そのまますかさず右の裏拳突き。

そのまま拳と腕を回転させながら、前屈を保ち右下段払い、そのまま右中段逆突き!


【フッ!】


左足を大きく後ろに下げ、腕を図の様に交差するように構え直し、左拳は掌側を下に向け、諸手突きの構えから、力強く諸手突き!


【ハイィッ!】


なるべく頭の高さが変わらぬ様に、左足を前に出して足をそろえて、右足を引きながら、左右の手が上下逆になる様に、反転させながら両脇に引きつけ、諸手突きの構えから、力強く諸手突き!


【ハイヤッ!】


あのまま続けていたら茶帯ぐらいは取れていたのかな?

小学生には厳しい指導だった。

俺の頃はスパルタなんか当然だったからね。

今みたいに虐待とか騒がれだしたのはいつ頃だったっけ?


右拳を鼻下、左は掌開いて右拳を隠すように覆い、結び立ちそのまま、右掌を開き、左掌を上に重ねる。


気を付けをして、礼!


ふううぅぅー・・・。」


「【・・・。】」


「あ、兄貴?」


「ほう、流麗な無手の技よな。だが力強い・・・。」


【『形』という物ですがディアナさんに覚えて頂こうかと思いまして。】


「成程のう、奥に入れば集中出来ると言う事かの?」


【はい、いくつかあるうちの一つでしかありませんが、鍛錬の時にやって頂ければ集中スキルも身に付くでしょう。】


「・・・か、かっけえ。」


「【お?】」


「教えてくれよ、兄貴よ!そのかっけえ、かた?とか言う奴をよ!」


【今ので大分、思い出せましたので教えますよ。】


「ウッス!よろしくっす兄貴!」


【では、礼から。】


「これ必要っすか?」


「嬢ちゃん、武道とは人格形成を目的とするもの、「思いやりや感謝の気持ちを持つ謙虚な心構え」を大切にしておるのよ。」


【そうです。最たる物で『礼に始まり、礼に終わる』と言います。その気持ちを忘れない事です!】


「二人がそう言うならやらない訳にはいかないね!」


「言われたからやるのではなく、自主的に行えるのがええんじゃよ。」


【礼儀作法も座学が必要ですね。】


「勘弁してくれ、兄貴。頭が破裂しちまう!」


「【あっはっはっは。】」


「さあ!形とやらを教えてくれよ!」


【ええ、まずは形を体に叩き込みます。】


「ウッス!」


これで、一歩進めたかな?

・・・いやいや、集中が出来ない子だぞ?

その判断はまだ早い。

一緒に形を行う。


「ッシ!」


【ここの動作では脇を閉めます!】


「ハイッ!」


【ディアナ、軸がずれていますよ!】


「こうっすか?こう?」


【ここでは軸足をこのまま・・・。】


「成程ッス!」


【基本形はもう一つ、『普及型Ⅰ』もありますからね!】


「応!」


【そこ、また軸がずれていますよ!】


「オッス!」


こうして時間まで形を教えるのだった。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク、等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

それでは 次話 冒険者達の帰還(仮 で、お会い致しましょう!

お休みなさいませー!

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