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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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ファムの正体

いつも読んで頂き、誠にありがとうございます!

執筆終わりました。

楽しんで頂けたなら幸いです。


朝が来る。


希望の朝が。

ラジオ体操だったっけ?


ムニムニとルイスの双丘に悪戯をしていると後ろからムニュっとしたものが押し付けられる。

今日はフェイかな?

一部が元気になってしまった。

バレない様にしよう。


朝は何事も無く済んでくれたようだ。

昨日も風呂の後、頑張っちゃったからね。

さあ、皆を起こして日課だ。


日課の祈りを終わらせると昨日の疲れからだろうか三人は眠りに。

・・・眠るのを邪魔しちゃったかな?

セリスと部屋を出る。


いつもの日課だ。


済ませるとセリスは軍務へ行った。

俺は、ディアナと軽く手合わせだ。


【ディアナさん、気を使いますが構わず打ち込んで下さいね。】


「それって、硬気功だよな?」


【そうです、どうしますか?出来なければ怪我をしますよ?】


「良い挑発だぜ、兄貴。やってやる!」


ゴッゴッ!


「いてぇ~、やっぱ無理かよおー!」


【功夫が足らんわっ!】


「くんふー?」


【鍛錬が足りないと言う事ですよ。】


「じゃあさ、その鍛錬を見ててくれよ!」


【見ましょうか。】


「集中・・・。」


【えっと、ディアナさん、それは違いますね・・・。】


「違うのかい?」


【ディアナさんは朝、走っている時に昼御飯の事を考えているのですか?】


「なんでバレたんだ!?」


【良いですか?無心です。まずはそこからです。それで本日はスペシャルゲストをお呼びしました。】


「すぺしゃるげすと?」


「ふぉふぉ・・・良い格好じゃな。坊主の趣味か?」


【剣聖様をお呼び致しました・・・趣味です。】


「それで、集中力じゃな?」


【はい、徹底的にやるコースで。】


「鈴々ちゃんが二回分じゃぞ?」


【師匠、王国の色街は興味ありませんか?】


「何と!王国とな!?」


【ええ、いかがですか?】


「よし、一回分で手を打とう。」


「・・・男ってやつはよぉ。」


こうしてディアナは集中力の鍛錬を行う。


うん、これでディアナは大丈夫だろう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


昼御飯、ディアナが煙をふいていたが気にしない。


日課を済ませると心配そうにセリスだが軍務へ行った。

引き続きディアナは集中力の鍛錬だ。


「ほれほれ、ディアナの嬢ちゃん。この程度で揺らぐなっ!」


「無理っすよ!何スカその紙束は!パコパコ痛いっすよ!?」


「ほれ集中出来ておらんぞ!」


スパーン!


「痛いっすよ!」


「これでよくあの戦いを生き抜けたのぉ!」


「っく、やる、やれるんだ、アタイは!」


スパーン!


「いてえ!」


「集中力を欠いておるぞ!」


「わーったよ、やりゃーいいんでしょう!」


ディアナは・・・頑張っている。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


師匠にディアナを見てもらっている間にやっておく事を済ませる。


「4th リターン!」


王国の噴水広場に戻って来た。

うん、平和そうだ。

貴族屋敷に向かう。

門衛さんと話し、ステファンさんに案内されてやって来ました執務室。

今日は爺さんが視察に出ているとの事でレガイアさんがいる。

アレックスさんは爺さんの護衛らしい。


「坊ちゃま、ヘファイストス殿をお連れ致しました。」


「ステファン、もう国王なのだぞ?坊ちゃんはやめてくれ。」


「ふふ、私にとっては貴方様はいつまでも坊ちゃまなのですよ。」


「部下達に示しがつかんでは無いか!」


【おーっす、レガイアさん。】


「よく来てくれた、ヘファイストス殿。父上はいないが、今日は何用なのだ?」


【手伝いに来れる時間が増えたんでね。】


「それは心強い、そうだな・・・即時に思いつくのは、国を新生させるとの事で名を変えようと思うのだ。そこでな、中々良い考えが浮かばん。ヘファイストス殿には何かあるまいか?」


【俺が付けちゃうかもしれないけれどそこは良いんですか?】


「なに、今までとは違うぞ!との決意が分かる名ならば問題ない。」


【じゃあ、ありますよ?】


「ほう、聞こうか。」


【国の名前は『ブリタニア王国』、首都は『ブリテイン』です。】


これはゲームでもそうだったのだが原案もあり由緒正しい名前である。


「・・・。」


【レガイアさん、何か?】


何か、不味かったかな?


「あ、いや。そなたに頼むと嘘のように良い名が出てくるのだな。何か謂れはあるのかな?」


【俺の国で歴史のある国がありました。その偉大な国と偉大な王がいた街の名ですね。】


「ブリタニア王国、ブリテイン。成程な、良い、実に良い名だ。父上と相談はするがその名を頂こう。」


【それは結構ですが、王都の復興状況はどうなのですか?】


「瓦礫は始末が終わったらしい。今はただの平野になっている。民も各地へ移民して今は作業人が五万、一般市民が二十万いるはずだ。まずは王城からの建設をしようとしておるのだがこれもうまくいかん。」


【それならば、こうしてみては?机の上の白紙の紙を頂いても?】


「構わんよ。」


【難しく考える事は無いのです。王都の場合は山の頂に王城、その周りに政務、軍務等を行う省庁、貯蔵庫などを設置致します。】


「ふむ、王城で決定させた事をすぐに各省庁に伝達出来るようにだな?」


【そうです。そしてこの施設を塀と堀で囲み高さを出します。これは出来るだけ円形が望ましいです。そして東西南北に門を設置致します。】


「そうだな・・・。」


レガイア様は何かを頭の中に描き始めた。


【そして外壁の周りに貴族屋敷を配置します。これは・・・。】


「信任の厚い部下達の屋敷をもうけ、有事に備えるのだな?」


【そうです、そして、そこも塀と堀で囲みます。】


「うむ、して民はいかがするのか?」


【貴族街を囲んだら、次は上級民の区画です。民を分けるのは特別性を民に持たせその働く意欲をかき立てる事が出来ます。】


「特別性とは?」


【頑張れば良い生活が出来るんだぞ、それだけでも良いんです。そしてここの地域には大病院や学校を設けます。】


「病院は良いが、学校とは?」


【子供達が無償で学ぶ事の出来る、所謂、学び舎を国で管理する物ですね。】


「そこで学べば国等への勤務も可能になると言う事か?」


【そうです、その程度の教育をして頂きます。貴族との軋轢は多少あるでしょうが学校や病院ではその特権階級を一切無視します。】


「ふむ、貴族と平民の扱いは難しいのではないのか?」


【そこは今までの国と違う事が宣伝出来るでしょう?】


「そうか、そうか、軋轢は生むかもしれんがそこは法で縛れば・・・。」


【縛りすぎには注意を、後は貴族では無くとも活躍出来るのだという場所を与えればどうなりますか?】


「将来でも現在でも有能な人材が国に入って来るな!」


【そうです、そこが狙い目です。有能な人材を他国へわざわざやるのはどうかと思いますよ?】


「その為の学び舎、学校か!」


【そうです、ただ、学校、これにも提案がありますが、これは次回ですね。】


「うむ、ヘファイストス殿。貴殿との話は心躍るぞ!」


【ただし、これは選別をするものではないと言う事です。人材は貧民と呼ばれる人々の中にもいますからね?】


「そうだな、そこは考える価値が大いにある!」


【そして上級民の後は中級、下級民とします。これも区画で分けます。そして課題ですが。下級民、中級民の住む場所はオーカムと同じように職業によって分けます。】


「オーカムの優位性である街の発展を王都でも行うのだな?」


【そうです、俺が見た限りでは、この街以上に利便性の分かれている街はありません。これは帝国の帝都でもありません。】


「最初から拡張する事を考えておけばいいのだな?」


【そうです、今は平地なので、下水道から好き放題出来ます。いかがですか?】


「うむ、父上が帰ってきたらその構想を聞かせる。これは忙しくなるぞ?」


【その為の必要な手伝いはしますので。】


「ああ、是非頼む!」


握手された。

大風呂敷を広げちゃったかな?

だって、王都に行ったことないんですもの。

でも良いんですよね、『アリステリア様』?


上機嫌なレガイアさんと別れるとリターンで帝国に戻る。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【これは・・・?】


「坊主よ、ディアナの嬢ちゃんは雑念が多すぎるぞ?」


【ディアナさーん、聞こえますかー?】


「あたまがいてえ。しゅうちゅうってなんだ?」


うーん、一番分かりやすいと思ったのだが。

これをクリアしないと「気」どころではないぞ?


【ディアナさん、しばらくこの鍛錬ですからねー?】


「ぎゃー!」


「ディアナの悲鳴が聞こえましたが?」


【セリス、もうそんな時間ですか?】


「ええ、今日はこれで軍務も終わりです。休暇の申請も出しました。通れば良いのですが。」


【貴女は頑張ったのですよ。通りますとも。】


セリスの手を握り元気付けるようにキスをする。


「旦那・・・様。」


「いいぞ、もっとやるが良い。」


「っけ、こっちは大変だってのによぉ。盛りやがって!」


「で、では着替えますわね!」


【そうだね、セリス!】


ストレッチをしている二人を見ていると師匠が聞いて来る。


「それで、坊主。前回の話じゃ。お主、雷禪とやりおうたのか?」


【ええ、野郎、ラフィアさんの左腕を斬り飛ばしやがったんですよ?しかも駄肉、駄肉と煩いったら。】


「それで?」


【返り討ちにしましたが逃げられてしまって。】


「・・・桔梗か?」


【そうです。バックパックに右手が入っていますよ。それで名前が分かったんですけれどね。】


「・・・馬鹿もんが。」


【知り合いなんですよね?】


「そうじゃ、戦いが好きなやつでな。最初は良かったんじゃが人同士の戦で人間を、強者を斬る事を覚えよった。」


【それで強者強者言っていたのか・・・。】


「坊主、気を付けよ。桔梗の右腕が直れば奴はお主を付け狙うぞ?」


【あー、やっぱり、逃がすんじゃなかったですよ。】


「旦那様、長距離走に行って来ますわね!」


「行って来るぜ、兄貴。」


二人はランニングに行った。

話しかけられる条件は作りましたが・・・さて?


「それでは、桔梗様の右腕を返して頂けませんか?」


気配は感じていた。


【ファムさん・・・。】


「やはりお主は・・・。」


「ええ、正解でーす。貴方がたのクノイチと呼んでいるのが私。その中忍であります。」


【ふう、質問をよろしいですか?】


「・・・どうぞ。」


【予想ですがポーションが効かなかったのですね?】


「そうです。原因は分かりませんでしたが・・・貴方が原因だったのですね?」


キッっとした殺気が体を包む。


【殺気は未熟ですね。ただし、返すには条件があります。】


「その条件とは?」


【これ以上、我々にちょっかいを出さない事。】


「無理です。」


即答!?


【何故ですか?】


「貴方が、雷禪様を破ったからです。」


【それなら違う条件を出しましょう。】


「今度は何ですか?」


【桔梗さんは俺が直しましょう。連れて来て下さい。】


「・・・何故ですか?」


【ポーションは高かったでしょう?】


「・・・それは我らに対する挑戦ですか?」


【殺気は未熟ですね。】


「・・・。」


【あー、良いですか?片腕を奪われた女性の傷を直せる人物がここにいるんです。ゴチャゴチャ言っていないで連れて来い!】


言うと同時に殺気の塊をぶつける。


「っく・・・っは・・・。」


【これが殺気ですよ。貴女は優しすぎる、向いていない。】


「だ、だがっ!?」


「小娘、タケゾウは良いんじゃな?」


「な、何でそれを!?・・・はっ!?」


「裏玄武、棟梁。ヤスケ・クサナギの命か?」


「・・・。」


「奴とは殺り合った事がある。楽しい死合じゃった。その左腕を奪ったのはわしじゃよ。」


「その事は恨みになど思っておりません。それが若を冒険者で独り立ちさせようとしている・・・御屋形様の考えなのです。」


「そうか・・・裏を抜けさせるか。」


【師匠済みませんね、話を戻しますが、連れて来るのですか?来ないのですか?】


もう一つの気配に聞いてみる。


「その必要はない。」


「き、桔梗様!?」


【やあ、会いたかったよ、桔梗さん。】


「今はファムでしたね、話しすぎです。」


「申し訳ありません。」


【『ヘファサン』とやら、腕を返す条件、関わるなとの事ですがそれは無理です。貴様は雷禪様を傷つけた。】


景色が歪みそうなほどの殺気だった。

男の為か。


【ならこれが最後の条件だ。雷禪とは立ち会おう。ただし、それでどちらが敗れても業は背負わない。それでどうかな?】


「・・・雷禪様には伝える。」


【それと、出来たら前もって日時を指定してくれるとありがたいかな。】


「それも伝えよう。」


【条件を飲んでくれたのなら腕を直そう。】


「とんだ御人好しだな「ヘファサン」。」


【ヘファさんって呼んでくれる子に悪いやつはいないからね。】


そう言うと桔梗さんに近づいて右腕をバックパックから取り出す。


【じゃあ、付けたらこのポーションを飲んでね。】


「桔梗様!?」


「落ち着け、ファム。ここまで来て毒でもあるまい?」


【そこは信用して頂けると嬉しい所ですね。】


右手を治療スキルでくっつけると最高品質の高品質ポーションを飲ませる。


「っく・・・・っくぃ・・・。」


患部が青く光る。

どうやら上手くくっついたようだ。


「・・・礼はいわんぞ?「ヘファサン」。」


右手をぐっぱぐっぱして感触を確かめている。

成程ね。

相手が生きている場合、その切り離された部分をバックパックに入れておくとポーションでも直せないのか。

何かしらの存在フラグでもあるのだろうか?

勉強になった。


【あの、ちなみに俺の名前はヘファイストス。ヘファさんは俺の愛称だ。】


「何だと!?」


【何だとって、何処で調べた情報なのよ!?】


「あの小娘が言っていたではないか!」


【小娘って誰よ?】


「そんな事はどうでもよい!覚えたぞ、ヘファイストス!・・・ヘファイストス?」


【有名らしいですよ?】


「ば、馬鹿な!?貴様が女神を降臨し、戦争で戦果を挙げた冒険者アーサーだと言うのか!?」


「桔梗様、そろそろ・・・。」


二人の気配が分かるまでになって来た。

潮時なのだろう。


「っく、では、その刻が来たら連絡する。」


【忙しくないときにしてね?桔梗ちゃん。】


「っく!?」


「桔梗様、限界かと。」


「ではな、ヘファイストス!」


「それではー、アーサー様。」


二人は暗闇に溶け込むようにいなくなった。


「坊主、良かったのか?」


【良くはないですよ、でも気になっていたんですよね。】


「雷禪は甘くないぞ?」


【でもいつまでも狙われているよりはいいですよ。ルイス達を人質にでも取られたらなす術がないですからね。】


「・・・ふぅ、旦那様?」


「兄貴、誰か来てたのかい?」


【気のせいですよ。】


「気のせいじゃな。」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「桔梗様?」


「っく、不覚だ!」


敵であり、雷禪様を傷つけた者を愛称で呼んでいただと!?

だが、右腕は戻った。

これで、任務に支障はない。


「桔梗様、私はどうすれば・・・。」


「裏との盟約だ、今まで通りタケゾウについていろ。」


「かしこまりました。ではー!」


そう言うとファムは寝床である部屋に戻ったようだ。


「雷禪様、約束は取り付けましたぞ!」


早速本国へ戻るぞ。


・・・しまった。

帝国に様子を窺いに来たので余分な路銀を使ってしまった。

仕方がない、一度隠れ家に戻るか。


その姿は暗闇へと消えた。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク、等々。

大変励みになります!

皆様に感謝を!

それでは 次話 家族旅行、実行編(仮 で、お会い致しましょう!

お休みなさい!

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