表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第一幕 第一章:そして始まる異世界生活
24/341

爺さんからの依頼

読んで下さっている方々お待たせいたしました。

執筆完了しました。

徹夜で仕上げてしまいました。

感想、評価、イイネ、ブックマーク等ありがとうございます。

この歳で徹夜は辛い。

ですが喜んで読んで下さっている皆さんの為に頑張りました。

どうぞお楽しみください。

晩餐会の後は歓談と称して男女に別れての話し合いだった。


ルイスが心細そうに俺を見つめてきたがマリーナ様だけとの話合いなので頑張ってもらおう。

最初に通された部屋に案内される。

冒険者Aく、もといマグヌス君も付いて来ているのを確認する。

駄目だ。

俺の中で彼の呼び方が『冒険者A君』で固定されてしまっている。


俺には気付いていないようだし、ボロを出さないようにしないとな。


もうアレックスさんが部屋にいて、ソファーでエールをあおっていた。


「来たか!お?伯爵様も一緒か!」


「ふぉっふぉっふぉ、アレックスよ久しいの。息災か?」


「ええ、健康なだけが俺の取り柄なのでね!」


アレックスさんはアレックスさんだった。

伯爵様にタメ口だよ。


そして四人がそれぞれ席に着くと早速メイドさん達が空のグラスをテーブルへと置いて行く。

別のメイドさんがそれぞれにワインを注ぐ。

皆がグラスを手に取り。


「この良き出会いに乾杯!」


「「「乾杯!」」」


と、言うドリュカス様の挨拶で歓談会が始まった。


早速、爺さんから聞かれる。


「あんちゃん、鍛冶師なんじゃろ?」


【左様でございます。】


「それならちっと領主の頼み事を聞いてくれんかの?」


【私に出来る事ならば。】


「ふぉっふぉっふぉ、たのもしいのぉ。そう思わんかレガイア。」


「左様でございますな。」


どんな頼みなのだろうか?

少し不安だ。


「実はの家宝のミスリルの剣が折れてしまってな、それを直してほしいんじゃよ。」


【ほう、ミスリルですか?】


おお、出たな!

ファンタジー鉱石の名前!


「そうじゃ、国王様から下賜された大切な剣なので困っておるんじゃよ。」


【それならば黒玉の鍛冶師様がこの街におられるので、その方のほうが、皆様は安心出来るのではございませんか?】


「あんちゃん、わしの目は誤魔化せんぞ?ミスリルのインゴットがあれば剣を打てるのじゃろう?」


「父上、ヘファイストス殿は遠慮なさっておいでなのですよ。」


いやいや、ミスリルなんていうファンタジーな物は触った事が無いだけですよ!

そして遠慮もしてないです、レガイア様。


レガイア様が事のあらましを言って来る。


「先日お会いしたのだが、残念ながら、黒玉の鍛冶師殿には断られてしまったのですよ。」


と、残念そうに言う。


お会いしたって言う事は鉱山の一件の時の事かな?

そうか、ミカは断ったのか。

ん?

待てよ?

俺に押し付けたんじゃないよな?

あんにゃろめ、今度詳しく聞いてやろうじゃないか。


「それでどうじゃろうか、やってもらえないかの?」


【条件がございます。】


「・・・言ってくれ。出来る事ならやるのでの。」


【まず、剣を見せて下さい。その後で決めさせて頂きます。】


「ふむ・・・ステファン持って来てくれるかの?」


「かしこまりました、大旦那様。」


と、言ってステファンさんが部屋から出て行く。

そういえばマグヌス君が静かだな。

そう思って視線を送ると青い顔をして俯いている。


・・・ははぁ、君が壊したのか。

大方、大人の冒険者ごっこに持って行っちゃったのだろうな。

しかし、折れたとなると耐久力が無い剣だったのだろうか?

まあ、後は見てみないと分からないかな。


とか考えていると、ステファンさんが一本の剣を持ってきた。


「大旦那様、こちらでございます。」


テーブルに置く。


【拝見させて頂いてもよろしいですか?】


「ああ、構いませんよ。」


レガイア様から返答があったので、鞘から抜いてみた。


・・・ポッキリと途中で折れている。


鞘の中を覗いても折れている先の部分が見つからない。

先端部分はどうしたのだろうか?


「先端部分はモンスターに刺さったままなのだそうだ。」


爺さんがイライラとして言って来る。


【鑑定を掛けさせて頂いても?】


「構わない。」


そうレガイア様が言ってくる。


【鑑定。】


すると原因が分かった。

最大耐久値が九なのだ。

これでは三~四度モンスター相手に振れば折れてしまうだろう。

ちなみに現在の耐久値は0だ。


【折れた時の状況を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?】


「それは・・・この子から聞いてもらえるかな?」


そう言ってマグヌス君の方を見る。


「かしこまりました、父上!」


椅子から元気良く立ち上がると、ぼうけ、もといマグヌス君が説明してくれる。


「あれは、アース・エレメンタル狩をしていた時です。家宝の宝剣を預かったので丁寧に扱っていたのですが、思ったよりアース・エレメンタルが固く、三度振っただけで折れてしまったのです。」


まあ、そんな事だと思った。

・・・あのままだと狩られていたのは君達だったじゃないか。


「そうですね、最大耐久値が九になっているので三度程振れば折れてしまうでしょう。最悪は砕ける事もありますので折れただけならば運が良いかと思われます。」


俺がそう言うと、マグヌス君は得意げに自分のせいで折れたのではないと言う顔をしてレガイア様にアピールしている。


いや、君が折ったのには変わりないからね?

レガイア様もそれ以上は追及しないようだ。

甘いなぁ。


しかも先端が無いのか・・・。

打ち直すにはインゴットが必要になるな。


【先程の条件としてミスリルインゴットを所望します。後は繋ぎ合わせるのは難しいので打ち直しになりますがよろしいでしょうか?】


そう言うとドリュカス様が凄い勢いで食いついて来た。


「やはり出来るのか!あんちゃんの言う通りにしよう。で、ミスリルインゴットは何個必要なんじゃ?」


【同じく、ロングソードを打ち直すので十二個程あれば十分でございます。】


「おお、それならば倉庫の在庫で足りるのお。ステファン、倉庫から持って来てくれるか?」


「かしこまりました、大旦那様。」


ステファンさんが他の執事達を連れて部屋から出て行く。


【あの、少々疑問があるのですがよろしいでしょうか?】


「ああ、構わんよ。あんちゃん、何が聞きたいんじゃ?」


【この剣ですが、鞘や持ち手の装飾や耐久力から察するに装飾品にするような剣だと思うのですが、何故、アース・エレメンタル狩に持って行ったのですか?】


爺さんとレガイア様が困った顔をしている。

するとマグヌス君が胸を張って威勢よく言って来た。


「我が家の宝剣なのです!飾ってあるよりは剣として使用し本来の輝きを取り戻そうとしました。」


・・・うーん、頭が足りないのかね?

この子は。


【屋敷内に鑑定の出来る人物はいますか?】


「レガイアが出来るのぉ。」


「はい、ですが持ち出す時には掛けておりません。」


【何故掛けなかったのですか?】


「・・・実は、この子が屋敷の宝物庫から勝手に持ち出したのです。」


え!?

マジかよ、そりゃあ窃盗じゃねえか?

そう思ったが、この世界のセキュリティーだとそうなるのかもしれない。

宝物庫を守っている衛兵も権力で来られたら断れないかもしれないしなぁ。


「父上!勝手にとはあまりにも失礼ではござ」

                   「マグヌス!お前は黙っていなさい!」


途中でレガイア様にそう言われて沈黙する。

あー、思っていたけれど壊滅的にやんちゃだわこの子。


扉が開いてステファンさんがインゴットを持って来たようだが・・・様子がおかしい。


「大旦那様、帳簿も確認したのですが、十五個あったはずのインゴットが五個しかありません。いかがなさいましょうか?」


「何じゃと!?誰ぞ、持って行きおったのは?もしや盗まれた訳ではあるまいな!?」


温厚そうに見えた爺さんが怒っている。

うーん、これは・・・。

俺はマグヌス君の方に視線を移すとジーっと見てみた。

顔が青くなっている。


ああ、犯人はこの子だな。

大方、ミスリルインゴットを売って金を揃えて自分の鎧などを買ったのだろう。

この子は交渉なんてしなさそうだから言い値で売ったのだろうな。

しかも勝手に持って行っているしね。


この子が未来の領主様?

はぁ、先が思いやられるよ。


レガイア様が爺さんをなだめる様に言っている。


「父上、無い物は仕方が無いです。どうするかを考える方が先でございますよ!」


どうも、レガイア様は盗んだのが誰なのか知っているような気がするな。


「落ち着いて下さい、父上。」


とか言っている。

二人共、苦労しているな。

まあ、他人事では無いのでどうするかを決めよう。


【無いのでしたら、ギルドを頼って購入するのはいかがですか?】


「ミスリルは貴重なのでこの街には無いのです。王都に買い付けに行かなければならないのですよ。」


レガイア様が事情を話してくれた。

チラっとマグヌス君を見ると青い顔をして泣きそうだ。

しかしそんな物は見ていないと無視する。

自業自得だよね。


【そうすると打ち直しはインゴットが手に入ってからでしょうか?】


「そうなるね。悪いがしばらく待ってもらえるかな?」


【構いませんよ。宿泊している宿屋の場所を後程お伝え致しますね。】


「助かる。待たせているのでその分も報酬に上乗せしよう。」


【それは・・・ありがとうございます。】


「フェアリー・ゲートが使えるので十日程で連絡をしよう。遅れる場合も連絡する。済まないね、ヘファイストス殿。」


レガイアさんがそう言うと、爺さんも落ち着きを取り戻したのだろう。


「もう何か無いだろうな?」


そう言って椅子に乱暴に腰を掛けた。

好々爺然の面影はない。

顔を見ると、まだ怒っているようだ。


レガイア様が話題を変えようとしている。


「そう言えば、ヘファイストス殿?黒玉の鍛冶師殿も認めている、そなたの事が聞きたいのだが?」


強引に変えてきたな。

と、思っていると落ち着いた爺さんが興味を引かれたのか食いついて来た。


「あんちゃん、わしも気になるぞ?いつの間にかこの街に来てくれていたしの。」


【面白い事など無いのですよ。田舎が嫌で飛び出して来たのです。幸いな事に鍛冶仕事が得意だったのでそれを伸ばして行った。と言う所でございますね。】


「ほう、そうするとさぞ高名な師匠に教わったのだろうな。師匠の名前は何というのかの?」


【いえ、鍛冶と裁縫は見様見真似みようみまねで独学です。師匠はおりません。】


そう言うとレガイア様が「独学なのか!?」と驚いている。


「兄ちゃん、苦労しておるの。同じ年のこやつに見習わせたいぐらいじゃ。」


そう言ってマグヌス君の方を見る。

マグヌス君は俯いている。

うーん、あの話をすると止めを刺してしまうんじゃないだろうか?

困った。


「ルイス嬢のあの煽情的な素晴らしいドレスも貴殿の手作りのようだし、裁縫も独学と言っていたね。」


【左様でございますよ。意匠は頭の中に浮かんで来るのです。】


大嘘だ!

先達の人達よ、ごめんなさい!

心の中で土下座をする。


「父上、マリーナがヘファイストス殿にドレスを作ってもらう事を約束していましたぞ。」


「ほう、それは良い。王都の晩餐会にでも連れて行けばすぐに王都中の噂になるじゃろうな。」


「ええ、父上。私も楽しみで仕方がありませんよ。」


「しかし、あんちゃん。良い嫁を見つけたのぉ。」


爺さんがルイスの事を言って来る。

まだ嫁ではないんです・・・。

前世が決定的にインキャだったのでプ、プロポーズすらしてないんです。

女の子とは付き合った事すらないんです!

ルイスと良い感じになっているとは思うのですが、振られたらと思うと怖くて何も出来ないんです!


ああ、今世でも結婚のチャンスは無いのだろうか?


「あのドレスを着ているからか、元が良かったのか、今宵のルイスの嬢ちゃんは宝石の様に美しかった。儂がもっと若かったら、すぐに妾になるよう申し入れておるぞ?」


「左様ですな父上、私もヘファイストス殿のパートナーで無ければ声を掛けているでしょう。」


【二人共、私のパートナーですよ?御遠慮頂きたく思います。】


「ハハハハッ、冗談じゃよ、あんちゃん!」


「ヘファイストス殿の思い人ですからな!」


【悪い冗談ですよ?】


「ははは、許せ、あんちゃん。」


「ヘファイストス殿、失礼を。」


二人してニヤニやしやがって、後でお灸をすえてやろう。

すると黙っていたマグヌス君がここぞとばかりに言って来る。


「御爺様も父上もそう思いますか!私は是非パートナーにして頂きたく声を掛けさせて頂きましたよ!必ずや口説いて見せましょう!」


胸を張って自慢しているようだ。

ここまで来ると本当に頭の中身が足りないのだろうね。

と、爺さんが真っ赤になって怒鳴る。


「マグヌス、本気で言っておるのか?」


「もちろんでございます!」


「・・・この馬鹿者が!他人様ひとさまのパートナーを口説くとはどういう躾をされたのだ!レガイア、貴様ともあろう者が!」


「も、申し訳ありません父上、後程きつく言い聞かせますので、この場は何卒御容赦を。」


「ふん、よいか!次は無いぞ!」


「ははっ!」


うーん、レガイアさん育て方を間違えたね。

と、思っていると不満なのかマグヌス君が言い返すようだ。


「御爺様!それは私に失礼でしょう!意中の女性がいるのに口説かない男がおりましょうか!」


ああ、もう駄目だこの子。

ルイスにメロメロにやられて周りが見えていない。


「貴様と言うやつは!他人の女子を口説くというか!恥知らずが!」


「恥知らずなどではございませぬ!ルイス様に一目惚れをしてしまったのです!諦める事など出来ません!」


「この大馬鹿者がー!レガイア!貴様なんと言う育て方をしたのか!」


「申し訳ありません、父上。返す言葉もございません。」


イライラしてきたぞ?

そろそろ引導を渡してやろうか?


あれ?

アレックスさんがいない。

危険を察知して逃げたのだろうか?

野生を感じるね!


そして俺はいい加減にしろとばかりに話し始めた。

此処まで読んで頂きありがとうございます。

次話 責任と言う大きな学び(仮 でお会いしましょう。

貴族様の晩餐会も佳境です。

楽しんで下さっている方々の為にも面白いお話を執筆できればと思います。

今後共よろしくお願いいたします。

それではありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ