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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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詰問

いつも読んで頂き、誠にありがとうございます!

執筆終わりました。

楽しんで頂ければ幸いです。

「陛下に至急の面会だと伝えてくれ。」


「おや、ノモス侯爵ではありませんか、優先しろと伺っておりますが一応規則ですので。」


一人が中に入り伺いを立てるともう一人は武装解除を要請して来る。

俺の腰の物が気になるのだろう。


【陛下には私から伝える。】


「しかし規則ですので。」


仕方がない。

初めてだが権力を使おう。

フードを取ると名乗る。


【ヘファイストスだ、義父上に至急の面会である。これ以上時間を使わせるつもりか?】


「む、婿殿でしたか。しかし確認だけはさせて下さい。」


【構わない、すぐにしてくれ。】


そう言うとフードを被り直す。


『っふ、結構様になっているじゃないか、権力者の顔が。』


『やめてくれ、急ぎでなかったらこんな事はしない。』


戻って来たようだ。


「婿殿ならば良い、との返事を頂けましたので御入室を。」


「済まんな、通るぞ。」


「申し訳ないね。」


【済まない、通させてもらう。】


三人で部屋に入る。


「ノモス、婿殿にバウマンか、と言う事はそろったのだな?」


「はい、証拠はそろいました。それとくだんの人族の件も済みました。憲兵に引き渡してあります。」


「うむ・・・では呼ぶか。誰か!」


「・・・はっ!」


「ナーブ殿だけをこの部屋にお連れせよ。至急話したい事があるとな。」


「かしこまりました。」


【義父上、飲み物を御用意致しとうございます。】


「ほう、婿殿からの物、遠慮せずに頂こう。」


【それでは作ってまいります。】


「頼む。」


一番近くにある厨房に案内してもらうとカクテルを作って行く。

ここは氷が豊富だから一つずつ出してもらおうかな。


三種類を作り終わると、十分おきに運んでもらうようにメイドさんに頼んでおく。


部屋に戻るとナーブが椅子に座っていた。


「ちょうど良い、ナーブ殿。セリスの婿のヘファイストスだ。義理だが息子になる。よろしくしてやってくれ。」


「オオ、メデタイ。コレデ、テイコク、アンタイ。」


【ナーブ殿、まずはこちらを。お口に合うか分かりませんが『アメール・ピコン・ハイボール』と呼ばれる酒です。】


「サケハ、コウブツダ。アリガタク、イタダコウ。」


陛下やノモス達にも配る。


「それでは我らの未来に!」


「ワレラノミライニ!」


「「【我らの未来に!!!】」」


陛下も分かっていてやっているんだから役者だよね。

俺達がグイっとのむ。

それを見た陛下とナーブが飲み込む。


「おお、ヘファイストスよ。これは美味いではないか。」


【はい、義父上、新作です。後程ノモス侯爵にレシピを渡しますので、寝る前などに楽しんでお飲みになって下さい。レシピは知っているだけで約六十種類あります。】


「ヘイカ、ヨキ、ムスコ、オモチダ。」


「ふふ、それでは・・・ノモス。始めよ!」


「っは、陛下。ナーブ殿、貴殿に聞きたい事がありまして、このような場を作らせて頂きました。」


「キキタイコト?」


「はい、テラサンの件です。」


「テラサン、ツヨカッタ。テイコクモ、ヘイ、ナクナッテイル、エングン、カンシャヲ。」


「そこでです、この資料を見て頂けますか?」


「ナニカナ?」


皆が知ってる資料その一。

ノモスがそれを見せた。


「コ、コレハ・・・。」


「あの人族が迷惑をおかけ致しまして誠に申し訳ございません。ついでに言うと特定して捕らえてあります。これで心配事は無くなりましたな、ナーブ殿。」


「ソ、ソウカ、アリガタイ。」


笑いがこぼれそうな程、ナーブが動揺しているぞ?


「そこで聞きたいのです、エックス計画とやらを、まさか盟友にも言えないような計画でありましょうか?」


「ソ、ソレハダナ、ヒミツ、ソウ、ヒミツナノダ。」


「秘密、我らの間で、そのような秘密・・・などはありませんよね?」


「コレハ、ワレラ、ブゾクノモンダイ、イウコトハデキナイ。」


ノモスも役者だな。


「あの国とやらは手に入れる事が出来たのですか?よろしければ援軍を出しますよ?今回のように!」


「・・・ド、ドコマデ。」


「ナーブ殿、何かをおっしゃいましたか?」


「ナニモイッテイナイ、キノセイダ。」


そう言うと残りの酒を氷ごと飲み込む。


「ウマイ・・・。」


「それでは続けましょうか。デルマ部族の方々にはお気の毒に、テラサンの研究の為に見捨てられたような物ですからなぁ。」


「ミステルナド、カレラトハ、ユウコウガナカッタ、タダ、ソレダケダ。」


「それは我らとも友好が無かった、と言う事ですかな?」


次の資料を見せる。


「ソ、ソノヨウナコトハナイ!」


コンコン


「入れ。」


「失礼致します。お酒をお持ち致しました。」


「ほう、ヘファイストス、これは?」


【『アラスカ』という酒になります。】


「アラスカ、どれどれ・・・うむ、これも美味い。」


「ウマイナ・・・。」


「それで、ナーブ殿。アミーラの件、知っておったのですね。」


「シッテイタ、ダガ、ケンキュウチュウ、ヘタナコトハイエナカッタ。」


「その存在だけでも我らに言う事は出来なかったのですか?」


「ケンキュウチュウ、ヘタナコト、イエバ、コンランスル、ソノタメ、イエナカッタ。」


「その存在を示して頂ければ、我が軍とヘルシャーの軍は被害を抑えられたはずだとは思われませんか?」


「・・・。」


「では次に行きましょう。我らの援軍はマザーの餌場を作る為の物だった。この認識は・・・あったのですね?」


「ソ、ソレハ・・・。」


「まだしらを切りますか?では、「戦場はマザーがいるであろうアラフニ平野に設定した。これでマザーの餌場に奴らが入れば我らは救われる。」この資料のこの部分です。これはどのように釈明を?」


ナーブは手に持った酒をあおる。


「・・・。」


「だんまりですか?証拠はあがっていますので逃がしませんよ?次で最後です。「予想通りテラサンの群れが奴らに襲い掛かった。」・・・もう言う事はありませんね?」


「キサマラニ・・・。」


「「【・・・。】」」


「キサマラニ、ワカッテタマルカ!ワレラノクノウヲ、ワレラノオモイヲ!」


「苦悩?思い?それで、その言葉を!罠にはめられ散って行った者達の前で言えるのか、ナーブ!」


「الرعد ، تشغيل!・・・」


その瞬間にナーブの口の中に剣を突っ込む。

もちろん寸止めだ。

ノモスとバウマンさんが陛下に覆いかぶさる。


「ヘファイストス、ナーブは、奴は何を!?」


【義父上に向かってライトニングの呪文を唱えました。力のある言葉は発していませんので、呪文の発動する事は無いでしょう。】


その物音で護衛兵が部屋に入って来た。

部屋の惨状を見て驚いている。

が、すぐに冷静さを取り戻すと命令を待っている。


「衛兵!ナーブを拘束せよ!」


「っは!」


ノモスの命令でナーブが拘束される。

手枷と口枷がかまされて行く。


【ナーブ殿、先程お出ししたお酒には意味を込めておいたのですよ。アメール・ピコン・ハイボールには『分かり合えたら』アラスカには『偽りなき心』です。】


「・・・。」


【すれ違いはありました。ですがその心があれば我らは手を取り合う事が出来たはずです。】


「・・・。」


「連れていけ・・・。」


「「っは!」」


ナーブは四人の武装兵に連れていかれた。

多分、牢屋だろうなぁ。

陛下を狙っちゃったら酌量の余地も無いかな。


「助かったぞ、ヘファイストス。」


【いえ、御無事で何よりです。】


「ナーブは陛下の命を狙いました。これは愚かな行為です。法にのっとり死罪を言い渡します。刑は即刻・・・。」


「うむ、それで良い。ナーブの部族に関してだが軍を派遣せよ。抵抗があれば鎮圧・・・抵抗しなかった者は逃がしてやれ。」


「っは。」


「あのフリソスの地は帝国が併合する。件の二部族に使者を出せ。」


「陛下、バウマンを使者に出します。」


「頼むぞ、ノモス、バウマンよ。」


「「ははっ!」」


これで、本当の決着はついたかな?

付いたのなら良いな。


でも・・・これで安心だね。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「アーサー、今夜の報酬だ。受け取ってくれ。」


【ああ、お?お、重くない?」


「初めから全部お前の手柄だ。その他は頂いたからな。」


【ふーん。】


バックパック様に入れる。

内容が金貨五十枚だった。

ふとっぱらだねぇ。


「先程だが、ナーブが処刑された。護衛の二人は抵抗したので討ち取った。」


【仕方がないのかな?】


「どうした、アーサー?」


【結局は人間の欲が発端だろう?』


「そうだな、ある意味ナーブも我々も被害者なのかもしれないな。」


【それでなんとかさん達はどうなったの?】


「ブリャツィコの事か?陛下がことのほか御怒りでな。奴らがいなければこんな事はおこらなかったとな。」


【それで?】


「ナーブと一緒に極刑だよ。」


【そっかー、だが、これで解決かな?】


「そうだな、事後処理があるが解決だ。」


【御疲れ様、ノモス。】


「御疲れ、アーサー。それでだな、あのカクテルと言う奴は良いじゃないか。」


【そうかい?】


「酒に思い、言葉を乗せるなんて、これは売れるぞ?」


【若いカップルにウケそうだね。】


「そうだな、それで、落ち着いてから来た最後のカクテルは何だったんだ?」


【ああ、『ジンリッキー』っていうカクテルだよ。】


「そのカクテルの意味するところは?」


【『素直な心』。それがあれば情状酌量の余地が・・・あったかもしれない。】


「そうか・・・美味かったな。」


【ああ、美味かった。】


こうして援軍の話からなったテラサン、オフディアンの件はこんな感じで幕を閉じた。


【本当の意味では救えなかったんだ・・・。】


「何か言ったか、アーサー?」


【いや、無事に済んで何よりだなってね。】


そう、もうすぐ夕方になりそうな空にそう言うのだった。

ここまで読んで下さって、誠にありがとうございます!

それでは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

さて 次話は 激励会(仮 で、お会い致しましょう!

御疲れ様でしたー!

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