表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
235/315

論功行賞

いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!

執筆終わりました。

お楽しみ頂ければ幸いです。

朝、目が覚める。


右と左に双丘がある。

こっちがルイスだ。

迷わず触る。

ん?

触ったせいで起きたのか優しく頭を撫でてくれる。

気分が良くなる。

そのまま双丘の柔らかさを、顔全体で堪能していると声がかかる。


「ねえ、悪戯な人はいつまで寝ているのかしら?」


【・・・眠ってます。】


ムニュムニュ


柔らけえ・・・。


「ねえ、起きないと駄目よ?」


【もう少しー・・・。】


甘えてみる。


「このままだと朝の日課が出来ないわよ?ディアナさん、待っているんでしょう?」


【うーん、それを言われると弱い。】


だがルイス以外にも視線を感じる。

それも三人分。


「ヘファイストス様、こちらにもありますよ?」


「旦那様は意地が悪いのです・・・。」


「坊ちゃん、こっちやでぇ?」


しょうがないので皆の双丘を堪能する。

そう、しょうがないんだからね!


皆の双丘を堪能した俺は、支度をして起きる。

皆で、朝の日課だ。


「「【『アリステリア様』本日も加護を!】」」


「エンボーリオ様、良い物を作れますよう、加護をお願い致します。」


「戦神ポレモスよ、我に加護を与えたまえ!」


これをすると体に芯が入ったかのようにシャッキリとする。


【では、セリス。行きますよ!】


「はい、旦那様!」


「「「いってらっしゃい!」」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


練兵場に行くとディアナが体を動かしていた。

堪能した分、遅れてしまったのだろう。

あの誘惑には勝てなかったんだ。

ごめんね、ディアナ。


「お、兄貴達、おはよーっす!」


【おはよう、ディアナさん。今日も天気には恵まれましたね!】


「おはよう、ディアナ。さあ、やりますわよ!」


「おう、セリス!」


そしてペアストレッチから始まる本日の日課。

今日も御飯を作り待つ。

ランニングを終わらせると食べ、クールダウンする。

食器を片付け皆で部屋に帰る。

いつもの事だ。


今日はちょっと違う。

論功行賞があるのだ。


俺はいつもの赤いフードマントの冒険者着に。

ルイスは落ち着いた紺のOL風のスーツに。

サーラはその長い脚の見えるカジュアルなジーンズ姿に。

セリスは左胸に勲章のついている男性用の白い軍服に。

フェイは薄青色の絹の着物に。


夏だけれども、その格好良い嫁さん達を見て心躍る。


さあ、行こうか。

全員で廊下に出る。

式典の会場であるコロッセウムに向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


入り口に来るとルイス、サーラ、フェイと別れる。

彼女達は所謂「家族席」で見てくれるのだろう。

そして本会場に着く。

会場に着くとセリスとも別れる。


会場の中をぐるっと見回す。


北側に皇帝陛下が座るだろう豪華な席が作られており、その両隣にも豪華な席がある。

多分だがラヴィーネと誰かが座るのだろう。

皇帝陛下が座るだろう席の前方、約三m程の所から五段の階段が降りている。

段を降りた所で各人がお言葉と褒賞を受け取るのだろう。


皇帝陛下の座る位置を中央にハの字型に三段の席が用意されていた。

どうやら功の大きい人物はこちらに座るのだろう。

その席は片側に二十席の用意がしてあり、五席ずつを組みとして隙間が空いており移動出来るようになっている。

正面から見て右列は帝国軍の将軍達が座っていた。


左列は誰が座るんだろうか?


その答えはすぐに分かった

左最前列にシュタイアさんが座っていたのだ。

もちろん挨拶をかわす。


【おはようございます、シュタイアさん。】


「おはようございます、ヘファイストス殿。」


【快晴に恵まれました。ただ、熱中症には気を付けなければいけませんね。】


「ですが、帝国は良いですな。神に祈ると快晴が約束されるようだ。」


【そうですね、でも、このままでは水不足になりますよ?】


「ほう、それでは我が国の氷も、もっと売れるかもしれませんな。」


増産体制を整えなければとかブツブツ言いだした。


うーん、ルイスの先生になってくれるのはこの人でも、いや、一国の宰相にそんな事はねぇ。


【それでは、失礼しますね。】


「うむ、それでは、後程な。」


ん?

後程?

何かあるのか?

場所を移す。


おや?

師匠じゃないか?


【おはようございます、師匠。】


「ふむ、おはよう、坊主。」


【師匠はどうでした?後進の育成は?】


「うむ、充実しておったぞ?」


【で、ファムさんの事は分かりましたか?】


『それがな、何処かの忍びではないかと疑っておるのよ。』


【忍びって、クノイチ的な?】


『おう、そうじゃ。有名どころでは『桔梗』、『楓』、『白梅』などの上忍がいるぞ?』


【え・・・桔梗?】


「坊主、まさか心当たりがあるのか?」


【その人、右手を失ったりしてませんか?】


「良く知っておるのう、その通りじゃ。」


【師匠、もしかして「雷禪らいぜん」って人を知ってたりしませんか?】


「おう、豪剣の雷禪じゃな。その強さから陰に潜ってしまった愚か者よ。」


【師匠、今度、その二人の事で詳しく話したい事があります。】


「ええぞ?わしの知っているのは陰に潜る前じゃからな?」


【約束ですよ?】


「おう、坊主。それと、今夜。楽しみにしているぞ?」


【ふふ、お任せを。】



師匠と別れる。

新たに挨拶する人を見つけたからだ。



【ジャスティンさん!】


「おはよう、アーサー。フルプレートでは暑いですね。」


【熱中症には気を付けて下さいね。】


そう言って作っておいたスポドリもどきを渡す。


「ありがとう、これで耐えられそうだよ。」


【ヘルムは脱いでおいた方がよろしいのでしょう?】


「そうだね、顔を見せておいた方が良いだろうね。」


【そうだ、急だったのですが、夜はお願いしますね。】


「ええ、ディアナから絶対にと強く言われておりますのでね。」


【では、お待ちしておりますね。】


「お、アーサーじゃないか!」


【おはようございます、ダンさん。】


「いやー、あっちいな。」


【ダンさんにもこちらを。】


「おう、悪いな。」


【気分が悪くなる前に飲んで下さいね。】


「応、さてと、帝国はどんな評価をくれるかな?」


【評価・・・ですか?】


「そうだ、公国は金貨六十枚だったからな。」


【ああ、そう言う評価ですね。】


「そうなんさ~、アーサー君。冒険者の評価はお金なんさ~。」


【おはようございます、アンナさん。】


「そうですわ、アーサー様。」


【おはようございます、ラフィアさん。】


「私共は爵位を頂けませんでしょう?」


【そうなんですね。】


俺、貰っちゃってるんだけれど?

忘れてて貴族特権使ってないな。


「その代わりに命の対価を金銭で頂くのですわ。」


「そうなんさ~。だからいくらの報酬かは気になるところなんさ~。」


【成程。俺は嫁さんの為に必死でしたからね。】


「アーサー君らしいんさ~。」


「よっす、兄貴!」


【先程ぶりですね、ディアナさん。】


「ははっ、アタイがこんな所に立てる日が来るとはねぇ。」


【ディアナさんの努力のたまものですよ。】


「兄貴よ?夜は期待しているからね?」


【ええ、肉はたっぷりと用意しましたよ。もちろんディアナさん専用の物を!】


「いやー、楽しみでしょうがねえよ。べーばきうだろう?」


【バーベキューですね。】


「細かいのは良いんだよ。肉が待っている~!」


嬉しそうだな。

アレだけだとしたらどんな顔をするだろうか。

ちょっと可哀そうだな。


『それでは、皆様方におかれましては、係の案内のもと、決められた席へ、おかけになって、お待ち下さい。』


魔道具のスピーカーらしきものから案内が入る。

おっと、さて何処に座るのかな?

・・・後ろの方だったりして。

この歳で席のおねだり?


やだ、恥ずかしい。


「紅蓮のアーサー様ですね。こちらの席に御着きになって下さいませ。」


【はい。あれ?】


「なんじゃ、坊主ではないか?」


【師匠、先程ぶりです。シュタイアさんも。】


「うむ、ヘファイストス殿と同列とは光栄ですな。」


「この位置じゃと、腰が落ち着かんのう。」


【そうですね・・・。】


俺の右隣にはジャスティンが座って来た。


【この位置だと、俺はオーガの牙での論功ではなさそうな?】


「まあ、あれだけの活躍ぶりですからね。特別論功なのでしょう。」


【済みませんね、ジャスティンさん。】


「構いませんよ、それで我々の何かが変わる訳ではありませんからね。」


イケメンだなぁ。

性格もイケメンだもんなぁ。

でも女との噂の無い人。

不思議。


『それでは、時間になりました。これより、論功行賞を、始めさせて頂きます。皇帝陛下より、御言葉を頂きます。』


プアァーン!


パーポォー!


戦笛が鳴り響くと皇帝陛下が入場して来る。


『我らが皇帝!オニロ・グラン・イダニコ・エフティニア・クヴァールに栄光あれ!』


「「「栄光あれっ!!!」」」


「「「ワアアアァァァー!!!」」」


『皆の者、拝礼!』


ドォーン!


ザッ!


え?

拝礼って何?

チラッと師匠を見る。

ほうほう、胸の前で両手を組んで礼するのか。

慌ててならう。


『お直り下さい。』


皇帝陛下が座った玉座から立ち上がり拡声魔道具の所へ数歩あるく。


『本日は良き日になった、さぞ、戦神ポレモスも皆の武勇を聞きたがっている事であろう。我はこの雲一つない空に誓おう!貴殿らのおかげで帝国は不滅だ!』


「「「帝国万歳!!!」」」


「「「オ・ニ・ロ!オ・ニ・ロ!オ・ニ・ロ!・・・。」」」


皇帝陛下が右手を上げると歓声が治まって行く。

陛下が椅子に腰を掛けると宰相であるトゥリトスさんが拡声魔道具の所に現れる。


『それではこれより、論功行賞を始める。皆の者、静粛に。』


「「「・・・。」」」


『今回はまず、特に功の厚かった五名を賞する。それでは、第一の功、クヴァール帝国を勝利に導きし者、総大将パトリオティス将軍・・・前へ。』


「はっ!」


カツカツ・・・


ザッ!


ふむふむ、進み出てあそこの国旗の所で拝礼するのね。

国旗は踏まない方が良いんだろうな。


「将軍には栄光ドクサの勲章とエピティヒアの土地、白金貨百枚と宝物十点を与える物とする。」


皇帝陛下がトゥリトスさんから勲章を受け取ると段を降りる。

そしてパトリオティス将軍の胸に勲章を付けると割れるような歓声が!


「パトリオティス将軍!」


「「「パトリオティス将軍!!!」」」


「「「ウワアアアァァァー!」」」


台の脇から褒賞を持って出て来る係の人達とそれを受け取る将軍の供回り。

しばらくそれが続く。


皇帝陛下が玉座に戻ると将軍は一礼して下がって行く。


ほー、論功行賞って言うのはこういう物なのか。

まあ、これは帝国の物だろうけれどね。

公国とは違っていたな。

各国で違うのだろうかね?。


『それでは第二の功、その身、朽ち果てようとも戦場の味方を鼓舞し戦い抜いた。薔薇騎士団、団長。閃光の白き薔薇、セリス・フォン・アストゥラピ・クヴァール。』


「はっ!」


颯爽とセリスが前列に出る。

跪き拝礼をする。


「白薔薇には名誉ティミの勲章と白金貨百枚、宝物八点を与える物とする。」


「白薔薇様!」


「「「白薔薇様!!!」」」


「姫殿下の獅子奮迅の働きに!」


「「「戦の神ポレモスの加護を!!!」」」


「「「セリス皇女殿下!」」」


「「「帝国万歳!!!」」」


「「「ウワアアアァァァー!」」」


セリスは皇女様だから土地は貰えないのかな?

そうだよね、俺の嫁になってこの国を出るんだもんね。

・・・こんな娘が俺の嫁だとさ。

俺ってやつは幸せ者だな。


薔薇騎士団には三色の騎士団がある。

アミィさん率いる赤薔薇隊、これは親衛隊なので三十人ぐらいしかいないとの事。

そしてレイチェルさん率いる黄薔薇隊。

最後に副団長のセシルさん率いる青薔薇隊の三隊だ


セリスを白薔薇としてその隊は団として機能しているらしい。


さすがだね、セリス。


『次の第三の功は軍国ヘルシャーより。その圧倒的な軍事力により各地の戦線を維持した、軍事国家ヘルシャー、軍帝、ラヴィーネ=シュレッケン・グラン・シックザール・ヘルシャー陛下。』


ラヴィーネは皇帝陛下の隣。

地位は一緒だからと言う事を示すようにいた。

皇帝陛下と向かい合うと握手する。


『なお、ラヴィーネ陛下には白金貨百枚、穀物の援助を三の年の間、一の年、五十トンの計百五十トンの援助を約束するものである。』


「ありがたくっ!」


「「「軍帝、ラヴィーネ!!!」」」


「「「戦の申し子!!!」」」


「「「クヴァールとヘルシャーに繁栄を!」」」


「「「ウワアアアァァァー!!!」」」


穀物か。

多分小麦だよね?

シュタイアさんにレシピを上げたからこれは嬉しいだろうなぁ。


『そして第四の功、その戦いぶり、まさに武神。戦場に舞う姿は味方を鼓舞させ、敵を畏怖させた。剣聖、ジュウベイ・コウイズミ。』


「っほ、わしかの?」


【おめでとうございます、師匠。】


「・・・行くかのぅ。」


軽やかにステップ。

歳を感じさせない動き!

・・・これ以上はやめておこう。


『なお、ジュウベイ殿には白金貨百枚を、それと帝都各所での炊き出しを三の月行う事を確約致します。』


「「「ジュウベイ様ー!」」」


「じっちゃん!」


「じゅうべいさん!」


「おじいちゃん!」


「「「ありがとうー!!!」」」


「「「剣聖様に感謝を!!!」」」


パチパチパチパチパチ!!!


「「「ウワアアァァァァー!」」」


あー、人として完全に負けた。

さすがにそんな事は思わなかったよ。

師匠と呼ぶにふさわしい人物だな。

あれ?

そう言えば、何でその馬鹿オレがここにいるんだ?


『最後になるが第五の功、その圧倒的な力によりより多くのテラサンを葬り、その存在を軍に示し希望となった。冒険者、オーガの牙より。紅蓮のアーサー。』


あー、負けたと思った所で俺ですか。

中身おっさんなのに人としての完成度が違うんですよ?

そんな奴が・・・。


「貴方ー!」


「ヘファイストス様ー!」


「旦那様ー!」


「坊ちゃーん!」


ああ、そうだ。

この子達の為に・・・。

やる事があるんだった。


進む。


カツカツ・・・。


拝礼する。


バサッ!


まだ未熟なんだ。

ラヴィーネのように民を背負う事も出来ない。

師匠のように出来た人間でもない。


未熟なんだ。


この歳になってようやく分かった。

皆に支えられてここまで来たんだ。

まだ、恩返しすら出来ていないじゃないか。


『アーサー殿には、白金貨百枚と、盟友国として王国への三の年の間、支援を約束するものとする。』


セリスかな?

気の利く嫁だ。

俺にはもったいないぐらいに。

そうだ、彼女達と歩むんだ。


こんな事で沈んでいられるか!


ん?

誰か立っている。

皇帝陛下だった。


「婿殿、娘を頼んだぞ。」


【・・・はい、義父上。】


「「「婿殿ー!!!」」」


「「「姫様、お幸せにー!!!」」」


「泣かされたら帰って来て下さいねー!」


「「「ワッハッハッハ!!!」」」


「お前達は緊張感を!」


ああ、今言ったのはアミィだろうな。

後が怖いぞ?


『収拾がつかないではないか!セリス、黙らせよ!』


「兄上まで!?」


「「「アッハッハッハ!」」」


ああ、楽しい。


毎日がこんなのだと良いね。



『落ち着いたな?続いての論功行賞を発表する。』


「「「ワッハッハッハ!!!」」」


トゥリトス宰相の言葉が続く。

セリスが真っ赤だった。

俯いてプルプルしている。

御機嫌取りが大変だ。


『絶望に最後まで立ち向かい味方の士気を下げぬ為に奮闘した、パンティラス騎士団、団長。ネーア・リガス。』


「はっ!」


各軍団長から賞が発表されて行く。

そんな中で考える事があった。

皇帝陛下の左隣にいる奴の事だ。


ナーブ族長。


帝国を裏切った。

どのように裏切ったのかは予想でしかないが、後でノモスの所に行けば分かる事だ。

呑気に笑っていられるのも今のうちだぞ?


そして論功行賞の発表はついにジャスティンにまで回って来たようだ。


『その後ろ姿に心打たれた戦士も多い事だろう。その防御、まさに鉄壁。オーガの牙より、騎士ジャスティン。』


「はっ!」


カツカツ・・・


足音が響き。


バサッ!


マントが翻る。

いやぁ、一番様になっているじゃないか。


『援軍への報酬として約束の金貨三十枚と追加褒賞として白金貨二十枚を与える物とする。』


「ありがたき幸せ。」


「「「オーガの牙!!!」」」


「「「鉄壁のジャスティン!!!」」」


これって良いのか悪いのか?

そう思ってアンナ達の方をチラッと見るとガッツポーズしていた。

どうやら良い結果だったらしい。

良かったね、皆。


『次、その剣に勇気をもらった者、そしてテラサンの闇を切り裂く鋼。我らはその姿を忘れないだろう。オーガの牙より、戦士ダン。』


「ぉ、っは!」


カツカツ・・・


バサッ


『援軍への報酬として約束の金貨三十枚と追加褒賞として白金貨二十枚を与える物とする。』


「ありがたくっ!」


「鋼よ!」


「「「鋼のダン!!!」」」


ダンも同じだった。

オーガの牙は皆、同じかもね。


『次、その破壊力に助けられた場面の多き事、その名、爆砕姫の名は伊達ではなかった。オーガの牙より、弓術士アンナ。』


「はいっ!」


コッコッ・・・


サッ


『援軍への報酬として約束の金貨三十枚と追加褒賞として白金貨二十枚を与える物とする。』


「ありがたく~。」


「爆砕姫!」


「「「アンナッ!!!」」」


獣人族から見ればこの大陸で栄誉をもらえてるだけで凄い事なんだろうな。


『次、たぐいまれなるその魔術。そなたこそまさにアリステリア様が地上に使わせた叡智。オーガの牙より、魔術師ラフィア。』


「っは。」


ツカツカ・・・


ふぁさっ


『援軍への報酬として約束の金貨三十枚と追加褒賞として白金貨二十枚、禁書庫の閲覧する権利を与える物とする。』


「ありがたく・・・。」


「「「アリステリアの巫女。」」」


誰が言ってるんだろうか?

様を付けろよな?


『次、その攻撃力、まさに重撃。だが人を守れる優しさを併せ持つ。その姿こそ、誠の戦士。オーガの牙より、拳術士ディアナ。』


「は、はい!」


ドカドカ・・・


ザッ!


『援軍への報酬として約束の金貨三十枚と追加褒賞として白金貨二十枚を与える物とする。養生なされよ。』


「ありがとうございますっ!」


「「「ディアナー!」」」


「「「良くやったぞー!」」」


感無量って感じかな。

初めての大きな褒賞。

そうだよね。

初めて貰ったボーナスの時を思い出したよ。

あの時は感動したなぁ。


よかったね、ディアナ。


論功行賞は続く。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


『最後になるが、特別論功行賞を行う。』


ん?

セリスからは聞いてないぞ?


『遠き王国の地より来訪し、新兵ながらもテラサンの脅威を退けたる新鋭の冒険者達。まずは、戦士ヘイム。』


「は、はひ!」


おお!?

いないと思ったら・・・。

良かったね、皆。


「新人ー、しっかりしろー!」


「頑張れー!」


「緊張してやがるぞ!」


「しょうがねえなっ!」


「「「ワッハッハッハ!!!」」」


ザッ


ヘイム君、頑張れ。

頂いたら「ありがたくっ!」だぞ!

あ!?

・・・さすがですね、義父上。


そう、皇帝陛下が段から降りて来たのだ。


『陛下、よろしいのですね?』


「うむ、戦士ヘイムよ!ここに金貨十枚を褒賞として与える!」


「は、はひ・・・。」


そこで「ありがたくっ!」だ!


「あ・・・。」


皇帝陛下を見上げて動けなくなったようだ。

うーん、厳しかったか?


スッパーン!


「ぐおっ!」


「ヘイム!しっかりなさいな!アンタは元々礼儀なんか知らないんだからさ!」


「う、うるせえぞ、シルビィ!」


「頑張りなさい!」


「っく・・・。」


「戦士ヘイムよ?」


「ありがたくっ!」


「おお!」


「良く頑張ったぞ!」


「「「パチパチパチパチ・・・」」」


陛下から袋をもらったヘイム君が下がって行く。

列に戻るとシルビィさんを睨みつけていた。


「次、戦士タケゾウ!」


「っは!」


「金貨十枚を褒賞として授ける!初心を忘れるな!」


「ありがたき幸せ!」


次々と交代して行く。


「弓術士ベイトよ!」


「はいっ!」


「金貨十枚を褒賞として授けるものである!」


「ありがたくっ!」


「魔術師ミハエル!」


「はい!」


「ここに金貨十枚を褒賞として与える!今後に期待しておる!」


「ありがたくっ!」


次は女性陣だね。

もう見ている気持ちは学芸会の御父さん!


「女子ながらも戦うか、セリスを思い出すぞ、あの頃の娘はな、お父様、お父様と後を付いて来てだな・・・。」


「ち、父上!?」


『皇帝陛下、思い出話は後程。お付き合い致しますので。』


「「「ワッハッハッハ!」」」


「分かった。それでは、戦士シルビィ!」


「はっ!陛下。」


「ここに金貨十枚を褒賞として授ける!冒険者として大成せよ!」


「ありがたく。」


「戦士、ファム!」


「はい。」


「金貨十枚を褒賞として与える!若き者よ、研鑽をつめ!」


「ありがたくー。」


「弓術士ルウ。」


「はい!」


「ここに金貨十枚を褒賞として授ける!若いうちに色々とやるが良い。」


「ありがたく。」


「最後か、魔術師アンリ。」


「はい。」


「ここに金貨十枚を褒賞として与えるものである。」


「ありがたく。」


「若者達に祝福を!」


「戦神ポレモスの加護を!」


「頑張れよ!」


「「「パチパチパチパチ!!!」」」


「「「ありがとうございます!!!」」」


良かったね、皆。

認められて、本当に良かった。


こうして論功行賞は終了したのだった。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

さて、それでは 次話 首謀者(仮 で、お会い致しましょう!

皆様、お休みなさいませ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ