表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
234/315

継承の儀

いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!

執筆終わりました。

楽しんで頂ければ幸いです!

ノール工房に戻って来た。


しつこい研究者が追いかけて来るのではないかと、7thの魔法マス・ディスペルでゲートを消す念の入れようだった。


早速、戻って来たノール工房で儀式を行う。

ノール親方やそのお弟子さん達まで集まって来て、鍛冶場はかなりの人数がいた。

この儀式はフェイは聞いた事があるだけ。

サーラは存在自体知らなかった。


儀式を始める準備を行う。

準備と言っても通常の金床にまず先程作ったミスリルの冷気剣を置いて、その上に媒体の剣を置く。

そして『祝詞のりと』と呼ばれる言葉を言祝ことほぐのである。


皆が注目する中、その儀式は始まった。


【その遠き日々より付き従いし、大いなる友、その魂を、今、新たなる剣身へと生まれ変わらせたまへ・・・継承!】


ハンマーを振り下ろす!


カーン!


するとハンマーを打ち込んだ媒体となるゲフォーレナ・ボーデンは光の粒子となりその下に置いてある新たなる冷気剣に吸い込まれて行く。

そして姿形がゲフォーレナ・ボーデンになると刀身から冷気をほとばしらせる。

うん、成功だね。

そう言えばゲフォーレナ・ボーデンって鑑定してなかったような?

念の為鑑定しておこうかな。


そう、それは単なるそんな考えだった。


【鑑定・・・ブフォッ!?こ、これは!?】


「どうしたんや、坊ちゃん?」


「どうしたんですか、ヘファイストス様?」


【・・・二人とも、鑑定してみなさい。良い勉強になりますよ?】


「「鑑定!」」


「っく、鑑定!鑑定!かんてーい!・・・ヘファ師匠、鑑定出来ません!」


「こ、こりゃー、なんちゅうもんを・・・。」


【サーラ、説明して差し上げましょう。ゲフォーレナ・ボーデンは伝説級レジェンダリーの剣だったのです。今新たに生まれ変わった剣はまさに伝説級です。】


「ヘファイストス殿、伝説級ですと?」


「馬鹿な!その存在は聖剣や魔剣でしか確認されていないと言う?」


「あの伝説級ですか!?」


【そうです、皆さん。軍帝様の武器ですから、どんなものかと思えば・・・。】


危なかった。


継承の儀式は先程も言ったように「元の触媒となる剣との差が無ければ無い程に成功率が上がる」のである。

クオリティーが違って成功したのは運だろうか?

それとも、スキル様のおかげだろうか?

とにかく無事に出来た事を『アリステリア様』に感謝する。


かなり焦ったけれども依頼の剣は作れた。


確認をちゃんとしようね、過去の俺。

そして明日使う秘密兵器を作り上げる。

話をしたらディアナは喜んでくれるだろうか?


どうやら、先程の事で二人に火を付けてしまったらしい。

二人とも、程々にね。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ヘルシャーの駐屯地は西の大演習場らしい。

サーラとフェイは定時間までお世話になるらしいのでルイスとともにヘルシャーの駐屯している天幕へ向かおうとした。

だが、お昼御飯が迫っていたので演習場へ行くのは午後にする。


セリスとディアナの鍛錬と食事である。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


練兵場で待っていると着替えた二人がやって来た。


皆のブルマ姿がまぶしい!

うっへっへっへ・・・。

ルイス様も気合十分です。

同じように着替えて皆がそろっている。

こうしてストレッチが始まった。


俺はメニューを考えている。


今回はアレにしよう。

玄米を炊いておく。

アボガドを一口大になるように多めに切っておく。

鶏ささみ肉を一口大にそぎ落としたら片栗粉の代わりに小麦粉をかけておく。

フライパンにマヨネーズを入れ先程のささみ肉を入れ加熱する。

そのままアボガドを入れ醤油を振りかけて加熱する。


器に炊き上がった玄米を150gいれて炒めた物をかけて完成!


鶏ささみとアボガドの照り焼き丼である。


ルイス様は二人が帰って来るのを待っている。

二人が帰って来るとタオルを渡す。

俺は飲み物を渡す。


そして御飯。


「あら、色合いが良いですわね。」


「匂いが美味そうだぜ!」


「本当、美味しそうね。」


【では、いただきます!】


「「「いただきます!!!」」」


「あふ、これも美味しいわ!」


「アボガドがたれと合いますね。」


「肉だぜ!そして相変わらず美味え!」


【ディアナさん、急で申し訳ないのですが、ジャスティンさんやヘイム君達に声をかけて下さい。明日の夜ですが、プルスィオス商会の港でバーベキューを行うと。】


「ばーべきゅー?」


【ディアナさんがお待ちかねのお肉を焼いて食べるんですよ。】


「兄貴、本当かい!」


【良く頑張っていますからね、御褒美です。】


「ジャスティンの兄貴達にも伝えればいいんだな?」


【新人さんにも伝えて下さいね。】


「分かったぜ!うおおおぉぉー!肉だぜ!」


「ディアナ、嬉しいのは分かったので、御飯をお食べなさい。」


「おっと、そうだった!くぅ~、気合が入るねぇ!」


その後にクールダウンのストレッチ。

ルイス様も参戦だ!

それが終わると二人とも去って行く。

セリスは軍務へ、ディアナは集中の鍛錬へと。


片付けと着替えを終わらせるとルイスと二人、ヘルシャーの駐屯地へと赴く。


あれ?

昼時なのに水煙が上がっていない。

御飯はどうしたんだろう?


「ねえ、貴方。ここの陣地には御飯は無いのかしら?」


【そうだね、俺も気になっていたんだよ。】


「セリスさんなら御飯を支給しないなんて事はしないと思うの。」


【皇帝陛下だって怒りそうなんだけどな?】


「陛下、あちらです!」


「おお、本当に紅蓮だ!」


あら、見つかっちゃったね!

って、え!?

なんか抱き着かれたんですけれど!?


「むっ!」


ギュッー!


【イダダッ!】


「どうしたのだ、紅蓮?」


【ラヴィーネ様、嫁の前なので控えて頂けると・・・。】


俺の尻が酷い事になるんです。


「そうか、だが我は諦めんからな!」


【それは何度も御断りを・・・。】


「で、何用だ、紅蓮よ?」


【ラヴィーネ様の御依頼の物が出来上がりまして、早速ですがお持ち致しました。】


「本当か、紅蓮よ!」


唇が迫って!?

と、間にルイスの手が入る。


「むう、紅蓮よ。ずい分と嫁が狭量ではないか?」


【口付けは好きな者同士で行う大切な事でございますので。】


後が怖い。


「紅蓮は我の事は嫌いか?」


【好きか嫌いで問われるのならば好きでございますね。】


「ならば良いではないか?」


「ラヴィーネ様!」


「シュ、シュタイア!?」


「あれだけ言いましたよね?兵達の前です。お控え下さいと!」


「う、うむ。だがこれはだな、紅蓮との絆の深さを確かめようとだな。」


「ほう、それで口付けを?」


ゴゴゴゴゴゴ・・・


シュタイアさんは怒らせない様にしよう。

もちろんルイスもね。


「悪かった、どうしてもな・・・。」


「分かって下されば良いのです。それで、ヘファイストス様と、そちらの女性は何用で我らが陣に来られたのか?」


【失礼しました、シュタイアさん。こちらは嫁の、ルイスです。】


「ルイスと申します。」


「ほう、これは御丁寧に、私はヘルシャー軍国元帥兼宰相のシュタイア・フォン・アイゼンクロイツであります!」


踵をカツンとならせ格好良く敬礼する。

その姿はまごう事なき軍人だった。


【それで、剣が仕上がったのでお持ち致しました。】


「おお、ありがたく。では天幕へ来られたし。」


「かしこまりました。」


シュタイアさん、ラヴィーネ、俺、ルイスの順で付いて行く。

天幕に来ると入り口の護衛の二人が敬礼をして来る。

それに応えるシュタイアさんとラヴィーネ。

ルイスさん、無理に敬礼しなくて良いよ。

可愛いから。


中央に置かれている長テーブルにくるとラヴィーネが早速言って来る。


「では、紅蓮よ。生まれ変わった愛刀を見せてくれ。」


【はい、では出しますね。】


バックパックから取り出し、机の上に置く。

それは、鞘に入っているのに空気を凍てつかせるような剣だった。


「おぉ・・・素晴らしい・・・手に取ってみても?」


【貴女様の愛刀です。お好きなようになさってあげて下さい。】


「では・・・。」


シュラアァァァァン


「・・・見事だ、ゲフォーレナ・ボーデンの息吹を確かに感じる。」


「ラヴィーネ様、よろしいのですね?」


「これまで以上に素晴らしくなったのだ。見事と言うほかあるまい。」


「ヘファイストス殿、インゴットはいくつ使われたのかな?」


【十二個ですね。】


「では十五個をそなたに届けよう。これは後日の六人会議で渡す事を約束をするものなり。」


【それで構いません。】


「紅蓮、感謝するぞ!」


【その顔が見れただけで充分ですよ。】


いつもの冷たい氷が解けて春の匂いを感じさせる。

そんな笑顔だった。


「紅蓮よ、もう一度言う。我が物となれ。」


強く見つめられる。

これは今までのような軽い気持ちではない。

本気の気持ちを感じた。

だが・・・。


「軍帝陛下、ヘファイストスの妻は私だけです。お間違えなき様にお願い致したく。」


ルイスが言ってくれた。

でも、私だけなんて言っちゃって良かったの?

・・・頼もしい嫁さんだ。


「・・・そうか、だがこの気持ちは諦められぬ。覚悟するが良いぞ、紅蓮。」


ターゲットされた!


【そうだ、ラヴィーネ様、もしかしてなのですが食料が届いていないなどありましたか?】


「何故だ、紅蓮?」


【いえ、昼時なのにいっこうに炊煙の上がらない陣地。帝国軍がこのような事をするはずがないと思いまして。】


「シュタイア、答えて差し上げろ!」


「ッハ!ヘファイストス殿。我が国の事情は先日伝えた通りです。軍を密かにですが、徐々に撤収させているのです。その時に昼御飯に当たる分を国に持って帰っております。」


【そこまでされておるのですか・・・。】


「左様です。現状残っている兵は三百名。それも明日の支援物資を頂ければ国に持ち戻ります。そこまでの事をしなければ軍国は立ち行かないのですよ・・・誠に恥ずかしながら。」


「シュタイア、言うでない。やりくりが出来ているのはそなたのおかげだ。」


「いえ、何かを考えなければ駄目なのです。我が国には特産品も無く・・・。ヘファイストス殿、今のところは忘れて頂きたい。」


【何かおっしゃいましたか?ルイスは聞いた?】


「いえ、何も。」


「感謝する。」


そっか、ヘルシャーってそんなに大変なのか・・・。

何か俺に出来る事はあるかな?

アレはどうだろうか?

でもぬか喜びさせる訳にはいかないな。

あのやり方が確定したらシュタイアさんに相談しよう。


【そう言えば現状の兵士は三百名と言っていましたよね?】


「ええ、総員で三百名です。」


【ルイス、手伝ってくれる?】


「良いの?」


「もちろん、配膳の方ね。」


「うー!」


ポカポカと殴られる。


外に出るとシュタイアさんに言って大き目な竈を何個か作ってもらう。

さあ、俺達の出番だ。

大きな鍋に豚汁を作り、米を炊く。


「ヘファイストス殿、これは?」


【『アリステリア様』の慈悲です。ここにいる人だけでも腹いっぱいになって下さいね!】


「皆さん!並んで下さい!お昼御飯ですよー!」


米は炊け、豚汁は出来た、が、集まってくる気配がない。


「総員、中央天幕まで駆け足っ!」


シュタイアさん?


ザッザッザッザ・・・


ザッ


ああ、来てくれたよ。


「ヘファイストス殿からの心よりの配給である!各員食事ー取れ!」


「「「っは!」」」


ルイスと俺が配膳して行く。

少し遅めの昼御飯に舌鼓をうつ兵士達。


三百名分を配っているのだと知ると手伝いを志願してくれる兵達。


その騒ぎは夕方まで続いた。

自己満足でしかないけれど。

少しでもお腹いっぱいになって下さい。


貴方達はこれから大切な家族のもとに帰るのだから。

家族に元気な姿を見せてあげて下さい。


お父さんであり、お母さんである人達に御飯を進めて行く。


「紅蓮、礼を言う。我が兵の幸せそうな顔を見るのは良い物だ。」


「ヘファイストス様、このたびはありがとうございました。」


【少しでも、皆さんの力になれたなら・・・。】


「ルイス殿もありがとう。」


「君達の献身に感謝を!」


「「「感謝をっ!!!」」」


【そうだ、シュタイアさん。これを受け取って下さい。】


「ん?・・・こ、これは小麦を使った料理のレシピ!?」


【少しでもお役に立てればと思いまして。】


「感謝するぞ、ヘファイストス殿!」


この日の事は後日、国元に帰って語られる。


ヘファイストスの寄越したそのレシピが。


新たなる家庭料理の味となる。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ルイスがスキップをしている。


相当嬉しかったに違いない。

もちろん先程の事だろう。


米が無くなって来たのでノモスに頼んでおこうかな。

それと野菜の買い出しもね。


夕刻の練兵場へと付く。

ルイス様が着替えだした。

やる気は十分のようだ。


俺はメニューを考えないとね。


「こんばんは、旦那様、ルイス殿。」


【御疲れ様、セリス。】


「こんばんは、セリスさん。」


セリスも着替え始める。

・・・恥じらいを。

いや、これも計画通り!

ニヤリッ!


馬鹿な事を考えてないでメニューを考えよう。


「オッス、兄貴!ルイスの姉御!」


【こんばんは、ディアナさん。】


「こんばんは、ディアナさん。」


「こんばんは、ディアナ。」


ディアナも着替えだす。

うん、何もないぞー?

ぐへへへ。


そろうと二人はペアストレッチ。

ルイスはストレッチを始める。


今日はアレにしようか。


「ルイス、後は頼みますね。」


「んーぁ、はーい!」


そう言ってタオルと飲み物を置いて行く。


そして厨房へ移る。


鍋に玄米とアサリを入れ、千切りした生姜、醤油、酒、みりん、和風出汁をいれ炊き込む。

その間にブロッコリーを一口大に切り、それを具として味噌汁を作る。

御飯が炊き上がったら両方に刻んだ小ねぎをかける。


バックパックに入れて持って行く。


練兵場でテーブルを出し、椅子を出す。

鍋から御飯と味噌汁を盛り付ける。


その頃には二人とも日課を終えていた。


「今日の御飯は何かしらね?」


「旦那様の料理が楽しみの一つですからね。」


「さあ、今日は何だ?」


【今日はあさりで作った炊き込みごはんとブロッコリーの味噌汁です。】


「今日も美味しそうね。」


「そうですね、この汁の香りがとても良い。」


「良いから食おうぜ、腹が減ったよ!」


【では、いただきます!】


「「「いただきます!」」」


「うん、染みてるわ。アサリが美味しいわね。」


「これは奥深い、味噌汁も良いですね。」


「美味え、美味え!」


「そうです、旦那様、ルイス殿、ディアナ。明日は十時より論功行賞の予定でございます!」


【そうですか、では出席致しませんとね。】


「あの、私も出席を?」


「ルイス殿も出席して旦那様と私の勇姿を見て下さいませ!」


「はい、フェイ姉とサーラさんと見に行きますね。」


「アタイは・・・。」


【ディアナさん、そんな顔をしていないで出席して下さいね。そして、胸を張って下さい。貴女は十二分に戦った。】


「そうです、ディアナ。十分に働きました。誇って下さい!」


「兄貴、セリス。ありがとうな。」


御飯を食べ終わるとクールダウンのストレッチが始まる。


その間に片づけを済ませると明日の予定を反芻する。


まずは論功行賞の予定。

終わったらノモスに確認してナーブの野郎を追い詰める。

その後は慰労会とお別れ会だ。

・・・サプライズ、しちゃおうかな。


連絡を取っておかないとね。


ヘルシャーは論功行賞が終わったら引き上げてしまうだろう。

だが、六人会議の時にまた会うだろうね。

何故か、ラヴィーネの事が気になる。

気のせいだろうか?


今日の予定をすべて終わらせてルイスとセリスと部屋に戻る。


皆で仲良く蒸し風呂に入り。

身体を交わらせ。


ルイスとサーラの間で眠りについた。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

それでは 次話 論功行賞(仮 で、お会い致しましょう!

皆様、御疲れ様です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ