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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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儀式の準備

いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!

執筆終了しました。

お楽しみ頂ければ幸いです。

朝、目を覚ます。


広いベッドに一人だった。

当然ルイス達の温もりは無い。

セリスを起こそうとしたのだがムニャムニャ言って起きてくれなかった。


【『アリステリア様』本日も加護を与えたまえ。】


日課を行いディアナの待っているであろう練兵場に行く。


ああ、昨日の事があるので気が重い。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「来やがった・・・何か言う事があるよな?」


【昨日は悪かった、嫁達の危機でどうしても外せなかったんだ。】


「詳しく聞こうか?」


【ああ、訳を話すよ。】



かくかくしかじか・・・。



「ああー、それで昨日、珍しくルイスの姉さんがいたのかー!」


【そうなんだよ、そう言う訳でごめんね。】


「今日は豪華な物にしてくれるんだろうな?」


【す、少しだけだぞ?】


「アタイは昨日食べてねえんだぞ?」


【す、少しだけ・・・。】


「兄貴よぉ?」


っぐ、その目には・・・負けた。


【分かった、分かりました!ではいつものようにして下さい。その間にレシピを考えます。】


「よっし、期待しちゃうぜ、兄貴?」


そう言うとストレッチをしだした。


【ゆっくりと伸ばすんですよ?】


「ウッス!」


さてと、レシピを考えないとね。

・・・よし、アレにしよう。


【ディアナ、調理して来ますので注意して行っていて下さい。】


「分かったよ、兄貴!期待してるぜ!」


厨房に着くと早速調理にかかる。


少し多めのささみ肉を油を使わずに塩、胡椒で焼く。

その間にブロッコリーを一口大に切って茹でる。

ささみ肉に中まで火が通ったらほぐす。

少し多めにね。


そしてチーズを某メーカーのピザ乗せるスライスチーズのように切っておく。

オーブン用の皿にほぐしたささみを多めに、茹で上がったブロッコリーを入れる。

その上にチーズを多めにかける。

塩と胡椒を振り味を調えると、オーブンで焼く。


その間にもう一品。


ほうれん草を茹でる。

ほぐしたささみ肉を多めに皿に盛り付ける。

十分に火の通ったほうれん草の水気を切り、一口サイズに切る。

皿にほうれん草を入れポン酢、ゴマ油、みりん、白ゴマと和える。


これで、完成!


ブロッコリーと鶏ささみのグラタン&ささみとほうれん草のナムル


冷めないようにバックパックに入れて練兵場へ。

ディアナはいない。

多分ランニング中だろう。

しばらくして帰ってきたディアナにタオルとスポドリもどきを渡す。


「っく・・・っく・・・っぷはっ!それで、兄貴よ、飯は?」


テーブルと椅子を出すと先程調理した料理を取り出す。


「おお、美味そうだ!何だいこれは?」


【ささみ肉を使ったブロッコリーのグラタンと同じくささみ肉を使ったほうれん草のナムルです。】


「この匂いが・・・食欲をかき立てる!」


【さあ、食べて下さい。】


「いただきます!」


ガッツガッツ!


「美味え!肉が入ってるぜ!こっちのも!酸っぱいけど美味え!」


【少しですが、増量してあります。】


「うん、美味い!今日のところは満足だ。昼飯も期待しちゃうよ?」


【ははは・・・それでは今後は一工程増やしましょう。】


「何を増やすんだい?」


【次からで結構ですが、長距離走をした後に、ストレッチを増やしましょう。】


「オッス!」


【満足したなら、これで解散です。】


「兄貴よ、聞きたい事があるんだ。」


【何ですか、ディアナさん?】


「練功を試してみたんだけれど上手く行っているように思えないんだ。」


【ふむ、少し早い気もしますが?】


「いや、イメージは出来てるんだけどさ・・・ちょっとやってみるな!」


【ふむ、見て差し上げましょう。】


ディアナは木に手を当てると練功を開始する。


【足から、力を・・・持って来て・・・体を通して終着の掌に・・・っふ!】


ズドン!


【ディアナさん、それは力ですね。練功をもっとしましょう。圧倒的な練功不足です。勁の道を通すのに考えが行ってしまっているようですね。】


「ふむふむ。」


【良いですか?つま先より大地の息吹を感じ・・・体を通し・・・掌から、放つ。】


グイッ


フォンッ!


メキメキッ・・・ドドーン!


「うーん、こうか?こうかな?」


【ディアナさん、練功不足です。いきなり勁は使えませんよ?】


「ちぇー、早く使いてえぜー。」


【気が急いてますね。まだ二日目ですよ?ちゃんと練功と集中スキルを上げて下さいね。】


「ハイッス!」


【急ぐとたどり着けませんよ?】


「ウッス!」


【では、またお昼にお会い致しましょう!】


「鍛錬、鍛錬!」


うーん、急いでいる気がしますね。


注意しないと。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【ただいまー。あれ?皆出かけ・・・てないな?】


何かあったのか?

とりあえずルイスのベッドへ行く。

うっは、酒臭い!


【ルイス、何かあった・・・の?あー・・・。】


表情を見て察してしまった。


「うう、飲みすぎて記憶がないし・・・二日酔いが酷いわ。」


【皆、同じかな?】


「そうです・・・ウップ。」


「朝の鍛錬は、ウップ・・・済まない・・・旦那様。」


「坊ちゃん・・・解毒ポーションをおくれでないかい?」


【分かりました、では皆に渡しますね。】


近くにいたルイスから渡して行く。


「っほ、治って良かったわ。ありがとう、貴方。」


「治りました!ありがとうございます、ヘファイストス様!」


「うむ、治ったようだ。感謝するぞ、旦那様。」


「治ったで、ありがとうな、坊ちゃん。」


【いえいえ、どう致しまして。】


起き上がった皆が部屋の中央のテーブルに行くと顔を見合わせる。

ニコッと笑い合う。

どうやらわだかまりは解けたようだ。

さすが日本の伝統、飲みにケーション。


「あ、フェイさん、急がないと!」


「ああ、時間やな。」


「私も公務が。」


三人は急いで支度をして部屋を出て行く。


「行ってらっしゃい、皆さん。」


【ルイスは今日、どうする?】


「ねえ、貴方。経済学を教えてる人に知り合いはいないかしら?」


【うーん、バウマンさんが詳しいけれどあの人忙しいからな・・・一応聞いてみるよ。】


「お願いね。」


【分かった、それでどうする?】


「御邪魔でなければ付いて行っても良いかしら?」


【もちろん、邪魔なんかじゃないさ。】


「じゃあ、付いて行くわね。」


【今日も一緒だよ、ルイス。】


「ええ、貴方。」


寄り添い、キスをする。


まずは、ノモスの所かな?


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「来たか、アーサー。ルイス嬢・・・その様子だと迷いは吹っ切れたようだな?」


「ええ、昨日は済みませんでした。」


「台所の西瓜の分は役に立てたようだな?」


バレテーラ。


【ノモス、話を。】


「先程だが一通りの翻訳が終わった。一通り読んでみて抜粋する予定だ。それは俺が行う。」


【今日の予定はどうする?】


「今日中に仕分けるのは難しいかもしれん。陛下には予定を伸ばしてもらうつもりだ。」


「ふむ、では明日の方が良いかな?」


「明日は論功行賞の予定だから、決戦は明日の昼飯の後に予定を・・・そうだな十五時でどうだ?」


【分かった。それなら、他の用事を済ませて来るよ。】


「ああ、頼む。」


【ノモスも無理をしないでね?】


「今しないでいつするんだ?」


【程々にな。】


「ああ、それではな。」


帰りに厨房から食材を頂く事も忘れない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


さて、明日ラヴィーネが帰ってしまうので剣を仕上げないといけないね。


【ルイス、まずはノールさんの所に行こうか。】


「ええ、フェイ姉とサーラさんがいるのよね?」


フェイ姉?

・・・いや、打ち解けた証拠だろう。


【そう言えば今日も御邪魔してるんだったよね。二人の成果を見ても良いかもね。】


「ふふ、早く会いたいわ。朝は碌に話せなかったもの。」


【ルイス様のよろしいように。】


「もう!様はやめてよ!様は!」


【あはは、じゃあ行こうか。】


「ええ、楽しみだわ。」


俺達はノール工房に向かった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


工房に近づくとハンマーの良い音が響いて来る。


カーンカーン!


うん、良い音だ。


カォーン!コォーン!


どうした?

変な音だな?


ってこの辺だとノールさんの工房しかないはずだよね?

と言う事は・・・フェイではないな、サーラかな?

何かあったか?


そして俺達はノール工房の前にたどり着いた。


【こんにちはー、ノール親方いますかー?】


「これはこれは、神匠様。お弟子さんの見学ですか?」


【ついでにと言った所です。鍛冶場をお借り出来ればと思いまして。】


「ああ、一つ空きますのでそこで良かったらどうぞ。」


さて、サーラとフェイはどうしてるかな?

ん?

一つ空く?

なんか嫌な予感?


ルイスをおいて鍛冶場に入ると予想した通りの状況が。


【サーラ、どうしました?ハンマーの音が乱れていましたよ?】


「ヘファ師匠・・・その・・・これは。」


カーンカーン


【集中力が足りないのではありませんか?フェイを御覧なさい。】


フェイは、打っている剣から目をそらさない。


「うっ、そ、そうですよね。集中力っ!」


サーラは自分の頬を両手でパンパンと叩くと続きをするようだった。

うん、貴女は修行中なのだ。

それに、諦めない所が貴女の長所ですからね?


そして見守る。


【サーラ、鉄の温度が見極められてないですよ?まだ溶ける温度ではありません!】


「は、はい!済みません!」


【サーラ、鉄は規定量流し込まないと失敗しますよ?】


「は、はい!ヘファ師匠!」


【サーラ、どうしたのですか?さっきから貴女らしくないですよ?】


「そ、それが・・・。」


【その潰れたマメですか?】


「あ・・・。」


【見せて御覧なさい。】


「ヘファイストス様・・・。」


【思ったより深いですね。これでは痛みで集中出来ないでしょう。】


「済みません・・・。」


【何を言っているのですか?これは貴女の努力の証なのです。誇りなさい。】


「ヘファ師匠・・・。」


【ポーションだとマメの後も消えてしまいますので治療スキルを使いますね。】


「ありがとうございます、ヘファ師匠!」


【サーラ、貴女の良い所はその思いっきりの良さです。今回は何故言わなかったのですか?】


「その、フェイさんには負けたくなくって・・・。」


【対抗心をだすのはいいですが、少し早いようですよ?まずは鉄を使えるようになりなさい。】


「はい・・・でも、駄目なんです!またあんな事があったら、今度から弟子のフェイさんに全部持って行かれてしまう!そんなのは私には耐えられません!」


【サーラ、正確にはフェイは俺の弟子ではありませんよ?】


「え!?そ、そうなんですか?」


【正確に言うとです。彼女は独学で鍛冶を極めれる所まで行った。それは彼女自身の努力です。誰の手にも染まっていない。】


「そ、そうなのですね。」


【でも貴女は?あの銅の剣の時からでしょうか、俺の手に染まっているでしょう?自信を持ちなさい。貴女が一番弟子なのです。】


「・・・は、はい!ヘファイストス様!」


その笑顔は何かを得られたという自信に満ちた笑顔だった。


【では治療です。こちらに来なさい。】


「はい!」


【まずは水で綺麗に・・・。】


「ギャー!しーみるぅうっ!」


【しみるのは当然です。心配させた罰だと思いなさい。】


「しみます、しみますよ!ヘファ師匠!」


その声は嬉しそうだった。



サーラの両掌に包帯を巻く。

ボクシング選手のようになってしまった。

・・・過保護すぎたか?


「えへへ、ヘファ師匠?」


【何ですか、サーラ。】


「一番弟子は誰にも渡しませんからね?」


【ええ、俺の一番弟子は貴女ですよ、サーラ。】


「えへへ・・・。」


「坊ちゃん、和んでる所、悪いんだけど見てくれるかい?」


【ええ、見ましょう、フェイ。】


フェイにはミスリルの刀を作ってもらっている。

鍛造からの奴だ。

汗を流しながらの彼女は美しかった。

その出来たばかりのカタナを受け取る。


【では、鑑定。】


・・・こ、この娘!?


【武器ダメージが五十ですね、素晴らしい。少し口をはさんだだけでこの境地に来ますか。】


そうなのである。

サーラは努力し一つの工程をじっくりと育てていくタイプなのだがフェイは・・・。

自身で培った経験とそれを補う天性の感とでも言うのだろうか?

それが驚く成長を見せているのである。


【フェイ、また一歩近づきましたね。】


「そうか!坊ちゃんに言われると嬉しいねぇ。」


【もしかしたらアーティファクトなら打てるのではないですか?】


「んー、気にした事ないなぁ、でも坊ちゃんが言うなら打つよ?」


【良い気概です。・・・サーラ、負ける事の無いように、ただし、無理はしない事。】


「は、はい!負けません!貴方の一番弟子として!」


【ああ、それでフェイ。良い所で済みませんが、ルイスが来ています。話したいと言っていたので行ってあげてくれませんか?】


「もちろんやがな!ルイス、どこやぁ~?」


うん。

嫁さんの仲は順調のようだ。


治療スキルで怪我を直したサーラも鉄を使い、ハンマーの音を良い物にさせていた。

その音には自負が感じられた。

さっきの事で、少しでも自信を付けたのかな?


さて、自分の事をやらないとね。


ミスリルインゴットからミスリル・ロングソードを作って行く。

作業工程はいつもと変わらず。

ただ、ラヴィーネが使う物なので手を抜く訳にはいかなかった。


カーンカーン!


カーン!


ジュワアアァァァー・・・ゴボゴボゴボッ!


鑢掛けをし、砥石をかけて完成。

気合を入れて作ってしまった。

ラヴィーネが使う物だからか?

それともサーラの頑張りを見たからだろうか?

フェイにはまだ明確に壁として立ちはだかりたかったからだろうか?


鑑定をかけると素晴らしい物が出来ていた。


【武器ダメージ八十、エピッククオリティー。】


さて、これに冷気属性を付与しないとね。

継承の儀では元の触媒となる剣との差が無ければ無い程に成功率が上がるのだ。

現段階で作れる最高の物を作った。

これで、冷気属性を付与すれば継承の儀も大丈夫でしょう。


皆にエギエネスシティに言って来ると言うと付いて来ると言われた。

工房の裏でゲートを開きエギエネスシティに向かう。


「前にも来ましたけど、研究者さんが増えましたね。」


「そうやなぁ、けど、成功している人は見当たらんなぁ。」


「そうなんですか?」


【では、今回のルニック改良はフェイに感じて頂きましょう。】


「はいな、坊ちゃん。」


「ぐぬぬぬ・・・。」


「頑張って、フェイ姉。」


「なにか掴むわぁ、待っとれ、ルイス!」


魂の金床の前に二人で座り込む。

フェイを抱えるように座る・・・良い所が当たります。

するとフェイが囁いて来た。


『ぼっちゃん、夜にベッドでなぁ?』


っく、今は負けない!

夜覚えてろよ?

ミスリル・ルニックハンマーを取り出す。


【では行きますよ?フェイ、よろしいですね?】


「はい、坊ちゃん。」


【ルニック改良・・・。】


頭の中で冷気属性の剣を選ぶ。

そして・・・!


カーン!


澄んだ音が響く。

よし、成功だ。


その後は研究者達に捕まりそうになったので逃げるようにゲートを潜った。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります。

皆様に感謝を!

それでは 次話 継承の儀(仮 で、お会い致しましょう!

御疲れ様でした!

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