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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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帰還と凱旋式

いつも読んで頂き、誠にありがとうございます!

執筆終わりました。

お楽しみ頂けると幸いです。

朝、目が覚める。


ここは戦場だ。

当然ルイスの温もりは無い。

が、変わりに・・・うん、セリスの温もりだ。

それを感じながら目を覚ます。


「ん?旦那様。もう朝なのか?」


【セリス・・・もう少しこのままで。】


「はい、旦那様。」


抱きしめてくれる。

うん、元気に・・・なった、特に一部が。

我慢だ。

着替えて日課をする。


【『アリステリア様』本日も加護を与えたまえ。】


「戦神ポレモスよ、我に加護を与えたまえ!」


【出発は本日の十時ですね?】


「左様です、旦那様。準備・・・は大丈夫ですわね。」


【それまではのんびりさせて頂きましょうか。】


「私は軍の指揮がありますので、失礼致しますわ。」


【セリス、忘れものですよ?】


「んっ、旦那様・・・。」


キスをすると肩に手を回して応えてくれる。


「名残惜しいですが、行ってまいりますわ。」


【うん、行っておいで、セリス。】


「それでは、後程。」


そう言ってセリスは去って行った。

さて、時間はあまりない。


行動開始だね。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「で、アーサーよ。朝早くから会いに来てくれたのは嬉しい。」


まだ寝間着なのだろうガウンを羽織っているだけの格好だ。


【ノモスならそう言ってくれると思ってたよ。】


「だがな、待ってくれ。」


【何かな?】


「鶏のささみ肉2kg。」


【うん。】


「新鮮なアボガド、1ケース。」


【うん。】


「新鮮なブロッコリー、10個。」


【うむ。】


「砂抜きアサリ、バケツ1杯。」


【うん、そう。】


「・・・子供のお使いじゃないか!」


【そうなんだけれど、帝国の店を知らない。】


「あのな、アーサー、仮にも大店の責任者に向かって」


その言葉を遮り残念そうに言う。


【分かった、ならルイス達に頼んでおく。】


「お、おい、まさかとは思うがルイス嬢達に街を探させる気か?」


【それしか方法が無くなった。】


「はぁ、良いかアーサー、お前には確かに凄く、物凄ぉ~く世話になっている。」


【そう言ってもらえるとありがたいな。】


「・・・借りは一つ返すからな?」


【ありがたい、そんなノモスだから話をしたくなるんだよ。】


「やはり本命があるのだな?」


【うん、真剣な話がある。】


「・・・先程の商品はお前が使う厨房で良いな?」


【構わない、頼む。】


「先に話とやらを聞かせてもらおうか。」


【それは、今回の戦いについてだ。】


師匠と話し合った事を正確にノモスに伝えて行く。

するとノモスの顔色が変わって来た。


「ちょっと待ってくれ、アーサーの言が正しいとすれば・・・この戦いは、援軍は一体何だったのだ!?」


【そう、それを調べてほしい。幸いにして砦の持ち主は帝国軍と一緒に、しばらくは帝都に滞在するらしいからな。】


「警備状況は?」


【そこはザルだと思ってくれて構わない。もしかしたらだが、魔法の「警報アラーム」ぐらいは仕掛けられているかもしれんが。】


「分かった、今夜グレイを動かそう。」


【徹底的にやってくれ・・・。】


「分かっている、アーサー。」


【それと、陛下には言っておいてくれ。】


「良いのか?」


【ただし、確証が取れて、ナーブに伝える時には、その場に立ち会わせほしい。】


「それぐらいなら、構わないだろう。」


【じゃあ、頼んだよ、ノモス。】


「夕方には帰って来るのだろう?」


【何もなければ、いるはずだ。】


「この件が済んだら、祝杯を上げよう。」


【ああ、是非に。】


ノモスに後を頼むとリターンで拠点の天幕へ戻る。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


天幕に戻って来た。


【さてと、集合場所は何処だっけかな?】


天幕を出て集合場所の東の門に向かう。

うん、今日は一番乗りだ。

もちろんオーガの牙の面々での話だ。

すでに軍列らしきものを組んで・・・ヘルシャーじゃないか?

ヤバイ、隠れよう!


「紅蓮ではないか!」


遅かった。


【戦いませんからね?】


「そうむげにするでない。声をかけたのは愛刀の件だ。」


【ああ、継承の儀の事ですか?】


「そうだ、我々は本日を入れて四日後に国へ帰還する。それまでに間に合わせてほしいのだ。」


【予定を組んでおきますね。】


「本当か?ありがたい!」


フレンドリーに抱き着いて来た。

こんな子だったっけ?


「ラヴィーネ様、兵が見ておりますよ?」


「シュタイアか、いいではないかこれぐらい。」


「兵達に示しがつきませんよ?」


「分かった、分かった。気を付ける。」


「それでは、ヘファイストス殿。軍列へ戻ります。」


【ご苦労様です!】


シュタッ!


シュタッ!


勢いで敬礼をしてしまった。

ラヴィーネがクスクスと笑っている。

うーん、良い子なんだけれどなぁ。


何かが苦手。



時間が近付くと、師匠、ジャスティン達、シルビィさん達、ヘイム君達と順にそろっていった。

平野には軍列を整えたヘルシャー軍が真ん中に・・・ありゃ!?

あの形はマザーとアミーラじゃないか?

その大きな荷台に乗せた馬車なのだろうか?

で、帝都まで引っ張って行くようだ。

直射日光を避ける為だろう、身体の上には布がかけられている。


準備が整ったのだろうか?


パプァーーーーン!


ドオォーン!

ドン!

ドン!


戦笛と戦太鼓の鳴り響く戦場だった場所を背に進んで行く。

・・・これで終わったかな。

いや、俺にはまだやる事がある。


パプァアアアアーーー!


ドン!

ドン!

ドン!


そして俺達の番なのだろうか。

列が進んで行く。



「さあ、行きますよ、皆さん!」


「応、目指せ帝都!ってな!」


「さすがに帰り道は警戒しなくてもよさそうなんさ~?」


「帝国軍が警戒しているから帰りは任せましょう。」


「帰ったら、鍛え直しだ!」



「帰ったらどうなるんだろうな。」


「そう言えばそうですね。」


「何かあるんすか?」


「何かあるんすかね?」


皆の視線がシルビィさんの方へ向く。


「わ、私が分かる訳ないじゃないの!」


「シルビィでも分からないー。」


「くすっ、そうね、ファム。」


「皆、シルビィをいじめては駄目よ?」


「若いやつらは驚くんじゃないかのぉ?」


【そうですね。そう言えば、凱旋式はあるんですかね?】


そんな事を考えながら列は進んで行く。


帝都を目指して。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


パァプアアァァーーー!


ドン!

ドン!

ドン!


大分、大きな音に慣れて来た。

休憩をはさむ事五時間。

帝都の大門が見えて来た。


「「「ワアアアァァァーーー!」」」


「何か叫んでいるのか?」


「・・・異変が?」


「いや、お帰りなさいとか叫んでるみたいっすよ?」


「お帰りなさいっすか?」



「これは何かしら?」


「・・・大丈夫、歓迎されているようだよー?」


「おかえりなさいー!って声が聞こえるわ。」


「ふふ、歓迎の式典でもあるのかしらね?」



「公国の時を思い出しますね。」


「おう、あの時は大歓迎だったからな!」


「帝国のはどんな感じなんだろうね~。」


「これで、帰って来たという感じになるのですわ。」


「・・・駄目だ、浮かれるな。アタイは鍛錬あるのみだ。」


「ディアナの嬢ちゃん、民に応える事も仕事のうちじゃぞ?」


【師匠の言う通りですよ、ディアナさん。まずは心を癒しましょう。それからです。】


「・・・おう、兄貴。」



「ねえ、門てこんなに大きかったかしら?」


「でっかいわー、でっかいわー。」


「行きは気付かなかったわね。」


「オーカムの何倍あるのかしら?」



女性陣が上を見上げながら進んでいる。



「でけえ、こんなにでけえのか?」


「さすが、陥落した事の無い帝都。素晴らしい。」


「でっけえですなー・・・。」


「でっけえ・・・でっけっすよぉ。」



男性陣も見上げながら進む。


そして門を潜り抜けると・・・。

辺り一面の花弁が!


帝都の・・・凱旋式だ。


「「「ウワアアアァァァーーー!!!」」」


「戦士達よ!よくぞ無事に帰って来た!」


「「「お帰りなさいーーー!!!」」」


「ここからは援軍だ!」


「冒険者パーティーだな?」


「若いな!それなのによくぞ戦って下さった!」


「新人らしいぞ!」


「「「期待の新人達よ!!!」」」


「皆に戦神の加護を!」


「「「戦神の加護を!!!」」」



「ふ、震えが!?」


「こ、これは・・・。」


「凄い歓迎っす!」


「すっごあえ!?」


「言葉になっていないわよ、ミハエル君。」


「ほら、ヘイム達。手を振ってあげなさい!」


「皆の期待の声なんですね。」


「シルビィ、笑顔が引きつっているわよ?」


「そ、そんな事はありませんわっ!」


「ほら、こうほっぺを伸ばしてー。」


「ファフ!こづはいをへらひまふわよ!」


「「「あっはっはっは!」」」



「あれが最近噂のオーガの牙か!」


「リーダーの鉄壁は何処だ?」


「あれだ、あの青髪の青年が鉄壁だ!」


「「「ジャスティン様ー!こちらをお向きになって!!!」」」


「「「キャアァーーー!!!」」」


相変わらず女性の声援が多いね。

素直に羨ましいな。

くそう。

倒れてる女性達が兵士に運ばれて行く。

さすが女性キラー、ジャスティン。


でも、女との噂の無い男。



「あれが鋼だ!」


「「「ダーン!ダーン!ダーン!・・・」」」


「鋼よ!よくぞ折れずに戻って来た!」


「「「鋼!その姿、まさに戦神の申し子!!!」」」


「俺、鋼みたいになるよっ!」


「鍛錬しろよー?」


そう言って子供を肩に担ぎ上げる。

対照的に男の声援が多いダン。

筋肉量は多め。

・・・戦神ってあの筋肉マッチョか。


似合うな、ダン。



「爆砕姫だ!」


「猫人族の誇り!」


「「「មោទនភាពរបស់ប្រជាជនឆ្មា!(猫人族の誇り!)」」」



「アンナー!ぜひ店に寄ってくれ!」


「「「アンナ様とお言いなさいなっ!」」」


何処かで見た光景!?

アンナは帝都でも男女両方から声がかかっているね。


今回は獣人率多し。



「叡智様だぞ!」


「「「我らが巫女、ラフィア!よくぞ成し遂げられた!」」」


「「「アリステリアの巫女!!!」」」


「勝手に神の巫女にしないで頂きたいですわね、私はアーサー様の巫女なのですから。」


ラフィアに聞いた話なのだが、元々信者の多かった『アリステリア様』を信奉する者達。

今、魔導国家ソフォスでその地位を確立しているとの事だ。

六人会議ではその信徒を代表する統治者、法皇様が帝都に来る予定だ。

ちなみに、『アリステリア様』だからな?

様を付けろ!


けしからん、ゴフンゴフン。



「仲間を守る為!不覚を取ったがその戦姿、まさに「重撃のディアナッ!」」


「「「重撃!!!」」」


「なんでも子供を助けたそうだ!」


「素晴らしいではないか!」


「ディ・ア・ナ!ディ・ア・ナ!ディ・ア・ナ!」


【ほら、ディアナさん。手を振って下さい。】


「お、おう、兄貴!」


【ディアナさん、明日の朝御飯から行います。練兵場に六時です。】


「分かったよ、兄貴。」


その笑顔に曇りはあるが晴らして見せましょう!

腕の見せ所だね。


何の腕だ?



「紅蓮のアーサー!その力、並ぶ者無し!」


「あれが姫様の婿様だ!」


「帝国の繁栄は約束された!」


いや、俺は皇帝になるつもりはないからね?


「「「アーサー様!御顔をお見せになってぇー!」」」


「「「紅蓮のアーサー、アリステリアの御子!」」」


だーかーらー、『アリステリア様』だっちゅーねん!

間違えるな!

ゲフン、ゲフン!



「剣聖、その剣の腕に並ぶ者無し!」


「「「剣聖様!我らにお導きを!!!」」」


「じゅうべいさまー!」


「じゅうべいのじっちゃんー!」


「おじいさまー!」


「「「ありがとー!」」」


「「「剣聖様に感謝を!」」」


ニコニコして子供に手を振っている姿はまさに好々爺。


師匠、子供に人気だな。

普段は何してるのか気になりますな。

酒飲んでるところしか見た事が無いからな!


バシーン!


【あいたっ!?】


「坊主、後で話がある。」


バレてましたかー!

仕方ない、甘んじて受けよう。



列が進んで行く。


帝都の凱旋式はおさわり自由なのか?


俺と師匠は、担ぎ上げられて胴上げされたりですね。

凄く自由だったのだよ。

うむ。


「加護を!」


「我らに加護を!」


と言ってべたべたと触られたりね。


だからジャスティンは羨ましい事になってたり、ダンはマッチョに囲まれたり。

とにかく自由だった。

皆の笑いは絶えない。

こう言うのもありかな?


そんな事で時間が過ぎ、帝都の凱旋式は終わるのだった。

ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!

それでは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります。

皆様に感謝を!

それでブックマークが600を超えました。

ありがとう皆様!

プレミアムなやつをあけました!

これが幸せか!?

では、次話 晩餐会とフェイの意地(仮 で、お会い致しましょう!

それでは、御疲れ様でしたー!

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