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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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一歩ずつ前へ

いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!

執筆終了致しました。

お楽しみ頂ければ幸いです。

「・・・こ、これが高みか!」


坊ちゃんが感極まった声を上げる。

先程の事を、目に焼き付けたであろうその英雄の戦いを。


「目指し甲斐があるっ!」


坊ちゃん、喜んでいる所悪いんですが、そいつも化け物なんですよ。

手本にはなりませんからねー。


「お、タケゾウ。無事じゃったか。」


「剣聖様、貴方の戦いも見たかったです!体が二つあったらなと思わずにはいられません!」


「えらく饒舌じゃのお。まあ、目指す物は大きい方がええ。」


「そうですね、目指し甲斐があります!」


坊ちゃん、そいつも化け物なんですからねー。

同じく手本にはなりませんからねー。


「それで、坊主は?」


「えっと、敵を掃討して来ると言って飛んで行ってしまいました。」


「そうじゃの、地上で嫁さんが戦っておるからのう、っと、それで何か用かな?」


「剣聖様ですね、初めましてになります。パンティラス騎士団・団長「ネーア・リガス」と申します。」


「パンティラスと言うともう一人の方の騎士団長は・・・。」


「落下した際に馬の下敷きになり、無念な最期を・・・。」


「そうか、無念な事よな。」


「はい、今は副官の一人を臨時で団長にしております。」


「ふむ、それでわしに何か用かの?」


「ははっ、剣聖様におかれましてはこの度の助力、誠に感謝を。それで、帝国軍としてはマザーの討伐だけでも致したく思い・・・。」


「わしは構わんよ。手柄の為に戦った訳ではないのでな。」


「ありがたく、婿殿にも快諾を頂けましたのでここに集合の後、マザーを攻めようと思います。」


「うむ、速いところ片付けた方がええぞ。坊主が言っておった、繁殖力が半端ないとな。」


「ははっ、集まり次第に攻勢をかけます。このままでは帝国軍としての威信が保てません。せめてマザーだけでも我らの手で・・・。」


「うむ、体面もあるからの・・・大変じゃのう、軍隊と言うヤツは。」


「ふふっ、それも生きていればこそですよ。」


「テラサンの討伐は終わったようじゃのぅ。」


「ここからだと微かにですが勝鬨が聞こえますね。」


その声を、勝鬨を上げている声を聞くとこちらの地面の下でも勝鬨が上がりだす。


「「「帝国万歳!!!」」」


「この勝利に!」


「「「勝利に!!!」」」


「「「ワアアァァー!!!」」」



「勝ったぞぉー!」


「ヘイム、まだ早いわよ!」


「でもな、シルビィよ!今ぐらい喜んでもいいだろう?」


「ふ、ふん。好きにすればいいじゃない!」


「うおおおー!勝ったぞぉー!」


「まだまだガキなんだから・・・。」



「ミハエルよう。」


「なんすか、ベイトさん?」


「ここまで無傷だなんて信じられるか?」


「信じられないっすね・・・。」


「ミハエルよう。」


「なんすか、ベイトさん。」


「引っぱたいて良いか?」


「何故っすか!」


「夢じゃねえよな?」


「夢じゃねえっすよ!まだ、最終決戦があるんすからね!」


「そうだな、ミハエル。ディアナさんの分まで俺達が・・・。」


「そうっす、やるんすよ!」



「ねえ、アンリ。」


「なあに、ルウ?」


「私達、活躍出来たわよね?」


「そうね、七等級ぐらいにはなれそうね。」


「そうよね!・・・そうだと良いなっ!」


「ふふっ、でも最後があるわよ。気を引き締めましょう。」


「ええ!」



うわぁ、皆は最後までやる気だよ。

任務じゃなければとっとと逃げ出したいねぇ・・・。

人数の集まり次第では討伐は可能だろうけれど、アーサーさんの言っていた繁殖力のすごい新種のマザーっていうのが気になる。


そしてそれは坊ちゃん達と私達の更なる試練になるのであった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


各団長がそろった地下の軍議の場、セリスが整然と指示を出して行く。


「パトリオティス将軍、そなたが先鋒として務めを果たせ。」


「かしこまりました、姫様。必ずや御期待に応えて見せましょう!」


「うむ、頼んだぞ!その後はパンティラス、アロゴと続け、私が殿を務める。アグリオガタは奴らを南進させぬように、それと念の為カミラ騎士団はそのまま物資を守れ!」


「「「かしこまりました!」」」


「新種のマザーとやらが相手だ。今までのように戦いが進むとは思うなよ?皆は油断なきように進め!」


「リョダリ、出陣します!」


「パンティラス、出ます!」


「アロゴ、行きます!」


「姫様、御安心を南進はさせません!」


「カミラ、物資を守ります!」


「皆、頼んだぞ!戦神の加護のあらん事を!」


「「「あらん事を!!!」」」


皆がそれぞれ戦支度をして出陣して行く。

俺は師匠とオーガの牙の面々と新人さん達と行動を共にする。

マナ不足のラヴィーネは自分の軍に戻り休息中だ。

ヘルシャー軍はシュタイアさんの命令のもと、穴の東側に陣を作っているはずだ。

今回俺達は、もちろんセリスのいる薔薇騎士団と一緒だ。


「旦那様と一緒に戦えるとは光栄の至り。」


すり寄って来る。

薔薇騎士団の団員達の視線が痛い。


【セリス、皆の視線が痛いからそれぐらいで・・・。】


「そう言えばアーサーさんて御姫様と婚約したって・・・。」


「本当なんすか?」


「号外が出てたわよ?」


「『噂の英雄、帝国の第三皇女と婚約。これであの御転婆王女の姿も見納めか?』ってやつっすね。」


「ベイトさん、良く知ってましたね。」


「だって暗い知らせしかなかったっすから、ソレだけは覚えてるんすよねー。」


「セリス皇女様だって十七歳だろう?」


「そうね、皇族なら結婚を焦る年頃よね。」


「何で婚約出来なかったんすか?」


「ミハエル、それは女性に聞く事じゃないわよ!」


「あー、それはほら、アレですよ。鎧の上からでも分かる凄い物のせいですよー。」


「ファム!それは・・・。」


「「「あー・・・。」」」


皆の視線がセリスの胸に集まる。


「旦那様、後進の教育がなっていないようですわね。」


セリスさん、俺の腕をつねってもダメだと思いますよ?


「前の方で戦っているようじゃのう。」


師匠が戦気を感じ取ったのだろう。


「探知!」


流石のアンナ、行動が早い。


「敵の反応なんさー、でも、200いるかいないかなんさ~。」


「アンナ、相手は分かりますか?」


「ちょっとおかしいんさー、全部、アヴェンジャーらしき反応なんさ~。」


「・・・アヴェンジャーで防壁を作る。時間稼ぎ?何の為?卵の孵化の可能性も?・・・新たなる敵の可能性?」


【ラフィアさん、考える前に今は行動しましょう。オーガの牙を前面に押し出します!】


「旦那様、それは構いませんが我々も行きます!」


【軍が動くと隊列を崩してしまいます。下手には動かないように!】


「少数で付いて行きます。セシル、ここは任せる!」


「かしこまりました、団長!」


「レイチェル、アミィ、付いて来い!」


「「っは!十名ずつ加わり続け!」」


「「「かしこまりました!」」」


ザッ!


ッザ!


「「先発隊、二十名そろいました!」」


「御苦労、我々は先発隊として先鋒のリョダリ騎士団と合流する!」


「「「かしこまりました!」」」


統率凄いね。


「アーサー君、ちょっと待つんさ~。」


【どうしました、アンナさん?】


「ウォーリアーとドローンの反応が無いのは地面からの奇襲があると思った方がいいんさ~。」


【そうですね、セリス。各部隊に今の事の伝令をお願いします!】


「分かりました、旦那様。伝令!二人で行け!」


「「お任せを!」」


三度目の奇襲はやらせない。


「坊主、行けそうかの?」


【ジャスティンさんの方は?】


「新人さん達を含めて大丈夫ですよ。」


【では、行きましょう!】


「「「応!!!」」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


現地に着くと騎士団が戦っている。


押されている?

アンナの言う通り、アヴェンジャーに襲われているようだ。


「パトリオティス将軍、手こずっているようだな?」


「これは、姫様。お見苦しいところを・・・。」


「構わん、戦線を下げ地下からの奇襲に備えよ!前は私と旦那様、剣聖様とオーガの牙が引き受ける!」


「かしこまりました!」


「パトリオティスはマザーを探せ!もしかしたらだが何か仕掛けて来るやもしれん!」


「誰か探知の出来る者にマザーを探させろ!前線を下げよ!それと、地下からの奇襲に備えよ!」


「「「っは!」」」



「アヴェンジャーか、相手にとって不足なし!」


「タケゾウ君、一人で突っ込んでは駄目よ!」


「・・・アイシクル・ウィザー!」


ピシパキ!


ピキ!


キーン!


「アーサーさん!」


【目標を追いかけるのは良いですが慎重になって下さいね。それは臆病とは言いません。】


「分かりました!」


「さあ!もう一踏ん張りですよ!陣形を維持しましょう!」


ジャスティンの号令のもと陣形を組む。


「探知も忘れんなさ~!」


「「「了解!!!」」」



凍った仲間を乗り越えてアヴェンジャー達がやって来る。


「ハアッ!」


ザシュッ!


「キシャアァァア!」


「相棒よ、どっちが多く仕留めるか競争しねえか?」


「久しぶりにやりますか?」


「負けた方が皆に酒を奢るってのはどうだ?」


「泣いても知りませんよ?」


「言ってろ!」


ズバッ!


「キシャアアァァァ!」



「ルウちゃん、ベイト君。大きな腹を狙うんさー!」


「「はい!」」


「動きが鈍れば前衛が倒してくれるんさ~!」


「狙うわよ、ベイト!」


「任してくれよ、ルウさん!」



「あーあー、任務じゃなければなぁ。」


「ぶつくさ言ってないで助けなさいよ、ファム!」


ギリギリ・・・


「だってさー、皆が熱血さんだなんて思わなかったんだよー?」


「熱血でも何でもいいから手伝いなさい!御小遣い減らしますわよ!」


「それは困るので手伝いますよー。」


「何遊んでやがるんだ、シルビィ?」


「こ、これが遊んでいるように見えるならアンタの目は病気ね、ヘイム!」


「ドローンと力比べをしているようにしか見えないぞ?」


「押し込まれてるのよ!いいから助けなさい!」


ドシュッ!


「ギシャアアアァァァー!」


ドサッ


「ふう、助かったわ、ヘイム!って、何してんのよ、アンタ?」


「これが何してるか分からないならお前の目は病気・・・っぐ・・・だな!」


「自慢の力比べをしているわね。」


「そんなこたあいいんだよ、助けろや!」


ドシュッ!


ドサッ


「これで、貸し借りは無しよ!」


「良い度胸だ!」


「そんな事言ってるけど後ろががら空きだよー?」


「ファム!?」


スパッ!


シルビィを狙っていたアヴェンジャーの首を跳ね飛ばす。


「シルビィ、御小遣い上げてね?」


「わ、分かったから働く!」


「はーい!」


「「・・・。」」


「今の、アヴェンジャーよね?」


「っく、俺も鍛錬だ!」


チラッ


「うん、坊ちゃんは楽しそうだね、まあ、頑張りますかぁ。」



「ハアッ!」


ギンッ!


「シャギャアァッ!」


ガギン!


槍と鍵爪が交差する。

ふふ、戦えているじゃないか!


「裏玄武 一文字突き・影!」


ザシュ!


「ゴシャアアァァッ!」


「そんな鈍い毒攻撃など!」


バシャッ


「避けて見せる!」


「シャギャアアァァ!」


「その右手、貰ったぞ!二連疾風突き!」


ザ、ザシュッ!


「シャギャアッ!」


右腕を斬り飛ばした。

これで良い。

慎重にだ。

だが、アレを見た後ではなっ!


「その腕でしのげるか!?」


「ギシャアッ!」


「裏玄武 十抜槍!」


「シャギャッ!」


防御したようだがその腕ごと胸を貫いた。


「止め!」


その頭に槍を突き刺す。


ドスッ!


「シャギャアァァ・・・。」


アヴェンジャーを倒せた。

・・・強く、そう確実に強くなっている!


「ウオオオォォォー!」


「タケゾウ、次はいるか?」


「お願いします!」


そう、強くなっているんだ!


一歩ずつでもあの高みへ!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ザンッ!


「ふん、貴様らごとき、私の敵ではない。」


「ゴッシャアァァー!」


しまった!

毒か!?


ザシュ!


「ギシャアッ!?」


ドサッ


【セリス、油断は禁物ですよ?】


「旦那様!これはだな・・・そのだな・・・あ、ありがとう。」


【ここはお任せしてもよろしいですか、レディ?】


「か、か、構わんぞ!?ど、どうしたのだ、急に!?」


【ふふっ、少々軍の方を見てきますね。】


「どうするのだ、旦那様?」


【なあに、奇襲ばかり受けては不公平なので、たまには奇襲して差し上げようかと思いましてね。】


「ふむ、何か考えがあるのだな?では、任されよう!」


【任せましたよ!】


そう言うと旦那様は後方へ下がって行った。

ありがとう、旦那様。


ザシュ!


「ギシャアァァァ!」


「お姉様、囲まれますわよ!」


「団長、戦闘中にイチャイチャするのはどうかと思われますが?」


「み、見ていたのか!」


「あー、旦那様の前では女の子なのですね、お姉様!」


「そうですよ、団長。あんなにどもってしまって・・・。」


「貴様達と言う奴は!」


「「いや~ん、お嫁様にいじめられますぅ、助けて下さいませ~!」」


「緊張感と言う奴を持て!」


「「「あははは!」」」


「っく、それで、状況は?」


「アヴェンジャーの数は残り三十程。予想よりも少ない数でしたので殲滅は可能かと思われます。」


「報告苦労、レイチェル。」


「ありがたき幸せ。」


「後ろは頼んだぞ・・・旦那様。」


そう言うと旦那様の走って行った方向を見る。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

さて、本当に蹴りが付くのか第三幕!?

ちょっと迷走中です。

それでは 次話 マザーの守護者(仮 で、お会い致しましょう!

お休みなさいませ!

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