危機
いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!
執筆が終わりました。
楽しんで頂ければ幸いです。
穴の淵から斥候スキルを持った三人が中を確認している所だ。
その直径が約五十m。
下の方では帝国軍だろう兵士がテラサンと戦っている所らしい。
暗視の魔法と望遠スキルは優秀だね。
だが問題がある。
穴の高さだ。
こちらは三十mはある高さだ。
落ちた騎士団の人達は土がクッションとなったのか魔法使いの魔法の4th 『フォーリング・コントロール』で危機を回避したのか。
動いている人は三千人程いるらしい。
負傷兵はどのぐらいいるのだろうか?
「まあ、降りれば詳しく分かるだろう。」
ダンの言った言葉に皆で肯く。
「それでは、皆様。よろしいですわね?・・・「フォーリング・コントロール」。」
フォーリング・コントロールは高台の上から落ちる時などに重力を操り落下速度を調節する魔法だ。
ラフィアの魔法でまずは師匠とラヴィーネが、その後にオーガの牙が穴の淵から飛び降りる。
「へ、ヘイム。さっさと行きなさいよ!」
「お前こそ行け!」
「二人とも、さっさと行って。」
「行きましょうね、シルビィ。」
ヘイム君はタケゾウ君に背中を押され、シルビィさんはファムさんに蹴りを入れられ穴の中に落ちる。
「タケゾウ!てめえっ!」
「ファム!小遣いを減らしますわよ!」
「行きましょうか、ファムさん。」
「はいはーい。」
二人は何事もなく落ちて行く。
この二人が別格なんだよなぁ。
「皆、行くわよ!」
「はい!」
「「はいっす!」」
うん、新人さんは皆降りたね。
さあ、俺も降りようか。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ネーア団長、またあいつらです!」
「っく、またか!?」
そう、黒い十m程のテラサンが数体がまた来たのである。
矢も効かなければ鋼の槍すらも通じない。
その悪夢が味方の兵の死体を十人ずつ捕まえると穴の奥に戻って行く。
これを何度目だろうかを繰り返されている。
味方の死体を持ち帰っているのだ。
そのおかげで、我が軍の士気はボロボロだ。
想像通りの事をされているとしてこれ以上部下達を犠牲にはしたくない。
だが、強すぎるのだ。
圧倒的なのだ。
誰かが餌場と呼んでいるこの地に落ちてから、一方的な戦いばかりで時間の感覚が無い。
今ので何度目だろうか?
神よ、いるのならば我らを見捨てる事の無いように・・・。
祈っても無駄か・・・。
もはや諦めかけている所であったのだが今回は違ったのである。
空から我らを助ける光明が見えたのである。
幻覚か?
それでも良い。
我らを助けてくれ!
「・・・アイシクル・ウィザー!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「「「ギャシャー!」」」
「ほう、まだ動けるのか!貴様達、強者だな!」
「見た事のないやつじゃ!油断するでないぞ!」
「フハハハ!やっと会えた強者だぞ!これを喜ばずにどうする!」
「ふむ、そう言われれば雑魚ばかり・・・せっかくの無明が泣いておるわ。」
「そうだろう、剣聖!戦うのはこの時の為ぞ!」
「しかり!」
「御二人とも、高さは平気なのですわね?」
「構わぬ!」
「やってくれ、ラフィアの嬢ちゃん!」
「・・・フォーリング・コントロール・・・解除!」
二人が穴の底に速度を上げて落ちて行く。
「ハハハハ!先に行っておるぞ!」
「坊主にも言っておいてくれー!」
お茶目な方々です事。
落ちて行く二人の無事を『アリステリア様』に祈る。
残りは十五m程。
我々は落下地点を目指す。
その底にいるであろう者達の希望となる為に。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
カキュンッ!
「っち、硬いな。」
予備の鋼のロングソードでは傷すらつかない。
これは誤算だった。
武器が無ければ魔法でしか楽しめんではないか!
「・・・アイス・ランス!」
ドガン!
その魔法でも痛撃を与えたようには見えない。
「ギシャアアアアァァァァー!」
「っち!」
突き進んでくるその突進をかわす。
これを誘導して周りの雑魚を潰しているのだがこちらの黒い敵に通用する武器が無い。
だが、この逆境も久しぶりの事だ。
楽しもうではないか!
【何をしているんですか、ラヴィーネさん!?】
「む、紅蓮か。悪戯に戦場を拡大させている訳ではないぞ?」
【何か考えが?】
「・・・無い。」
【え!?】
「楽しみを邪魔するでない!」
【分かりましたがもう一体は貰いますよ?】
「構わん、好きにせよ。」
【では後程!】
お節介な紅蓮はもう一匹の敵に当たりに行った。
「仕方があるまい・・・レア・スキル・・・アイシクル・ブレイド!」
シュウウウゥゥゥ・・・ッキンッ!!!
一時的に氷の刃を武器として使う。
問題はある。
長時間使えば、こちらにも凍傷としてダメージが入る。
「では、行くぞ!」
この武器で傷つかないなら地味に魔法で倒すしかない。
ふむ、新人や兵の見ている前で格好がつかんな。
せめて華麗に倒して見せようではないか。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「四の太刀・崩月!」
ザンッ!
「グオオオォォォッ!」
一匹を真っ二つにしたところじゃ。
歓声が上がる。
どうやらこやつらに苦しめられていたようじゃの。
残っている兵士が三千前後と言ったところか?
坊主どもには悪いがもう一匹頂くとするかのぉ。
ザシュッ!
「グオアアアアァァァー!」
ふむ、まだまだ行けるのぅ。
この無明との出会いは生涯で一度あるかないかじゃろう。
坊主には感謝じゃな。
「双牙!」
ザッザシュ!
「ギャオオオォォン!」
その断末魔には何かの意思が乗っていたような気がする。
そう思うと奥から新たに四体の銀色に輝くテラサンがやって来た。
こいつらは・・・。
「オーガの牙、新人どもを下がらせよ!格が違うぞ!」
「ラフィア、アンナ、新人とともに後退して下さい。我々で受け持ちます!」
「やっと強敵出現ってか?」
「腕が鳴るっすよ!」
「・・・ブレッシング・オール!気を付けて下さいましね!」
「援護は任せるんさ~、皆、下がるよ~!」
「雑魚は任せて下さい!」
「任せて下さいよー、なるべくですがー」
「「任されました!」」
「これ以上兵士さん達の方へ行かせるなよ!」
「無論、ここで止めます!」
「「了解っすよ!」」
小童どもは下がったか。
こやつらの威圧感。
今までの敵と違う。
坊主と軍帝の嬢ちゃんは黒いのにかかっておる。
オーガの牙。
これで真の実力がみられるという物じゃ。
さあ、こちらも行こうか。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ギィン!
ギャリッ!
ガギン!
「成程、僕の腕と互角ですか。」
「キシュアアアァァァー!」
左手の盾を前に体を隠しながら動くその姿。
「『テラサン・パラディン』とでも呼べばいいですかね?」
「キシャアアアアァァァ!」
そのつぶやきに応えるように雄たけびを上げる。
む、これは!?
「『コンフィデンス・ハート』!」
心が平常心を取り戻す。
厄介ですね。
雄叫びに恐慌の効果が乗っていますね。
「オーラ・ブレイド!」
ザグッ!
「キシャアアアァァァー!」
ほう、これで斬れますか。
ならば、攻めるのみ!
ザシュッ!
ザン!
「ギシャアアァァァー!」
「それではその邪魔な右足を頂きます!」
「ゴボアアァァァ!」
足を犠牲に毒を浴びせようというのか!?
だが、踏み込んでしまった。
仕方がない。
甘んじて受けましょう!
オレンジの花弁を口の中に放り込む。
「ハアアァァッ!」
ザン!
四本ある右足三本の切断に成功!
よし!
毒は!?
「ゴボアアァァー!」
バシャアッ!
「くおっ!?」
!ドグン!
!!!ドグンッ!!!
目の前が真っ赤になった。
くおっ!?
何と言う痛み!?
げ、解毒ポーションを!?
!!!!!体中が痛い!!!!!
「くあっ!?」
これは何だ!?
この痛みは!?
「グアアアッ!?」
「相棒!?」
「ジャスティン様!?」
ダンとシルビィさんの心配そうな視線を感じる。
だが、この痛みはっ!?
アーサーの解毒ポーションを飲み込むが痛みが治まらない。
と、言う事は、レベル5の毒か!?
「グアアッ!」
「キシャアアァァー!」
気力を振り絞って耐える。
だが痛みで体が言う事をきかない。
大量の汗が噴き出る!
「っふっ、くおおおぉぉっ!?」
あまりの痛みに地面を転がる。
これは・・・耐えられない!
「ぐあああっ!?」
「・・・アーク・キュア!」
フォオオン!
痛みが消えた!
済まない、ラフィア。
急いで立ち上がる。
「足を奪われたのは失態なのさー!」
ヒュゴオオォォー!
アンナの一撃が足を斬られ、行動の遅くなった銀色のテラサンの右肩に命中する。
すると必殺の矢がその部分をごっそりと抉り取る。
「シャギャアアアァァァー!」
「ジャスティン!」
「ジャスティン様!」
この機を逃さずに剣を振るう!
ザシュッ!
「ギシャアァ・・・。」
肩から腹の辺りまでを真っ二つにした。
「こ、これで、動けない・・・でしょう。グハッ!」
「・・・グレーター・ヒール!」
「ラフィア、か、感謝を!と・・・止めを。」
ザシュ!
オーラ・ブレイドで強化した剣を頭に突き刺す。
「ジャスティン、まだ行けますの!?」
「ど、どうしました?」
「すぐに、ディアナの援護に行ってちょうだい!」
ディアナの戦っているであろう方向に視線を向けると、そこには!?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「っち、背筋のぞくぞくするものを吐くじゃねえか!?」
あの毒は吐いたやつには無効なのかね?
それなら戦い方があるぜ?
まずはだな、その機動力を奪う。
「そりゃっ!」
まずは一本!
そして毒をかわす。
続いて二本目!
さすがに機動力は落ちて来ただろう?
「グアアアッ!?」
ん?
相棒の声!?
どうしたんだ?
視線を移すと地面を転がっている。
「相棒!?」
あの毒はジャスティンが地面を転がる程の物なのか!
厄介な・・・。
だが後ろにはアンナとラフィアがいる。
何とかしてくれるだろう。
それに、こいつから目を放す訳にはいかねえ!
「ダリャアッ!」
ザシュッ!
更に足を二本斬り飛ばす!
「ギャオオオォォォン!」
「これで左足はねえぞ!くらえや、ダブル・アタック!」
ザッザン!
左手の盾を体ごと真っ二つにする。
これで終いだ!
頭に剣を突き立てる!
相棒は?
ディアナは?
「他の奴らはどうだ?」
「ダン、ディアナの援護に行って、速くする!」
「アンナ!?」
焦っているのか?
語尾がお前らしくないぞ?
ディアナに何があった?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「オラオラオラァッ!」
「ギシャアァッ!」
「まずは自慢の盾を使えなくしてやるよ!」
「シャギャアアァァー!」
大きいから鈍いのかい?
そんな攻撃だとアタイにはかすり傷一つ付けられないよ?
伊達にアーサーの兄貴に師事してねえぞ!
「「ディアナさんすげえっす!」」
「応援するのは勝手だが隠れてろよ!ベイト、ミハエル!おらあぁっ!」
ズドムッ!
全力の右フックが腹に突き刺さる。
「ギシャアァァア!」
腹が裂け血が噴き出す。
うへえ、血は紫色かよ!
洗うのが大変だぜ。
速いところ始末しねえとな!
「ッシ!」
ドゴッ!
右の大砲を左手の盾にぶち込む!
バギャッ!
「自慢の盾が、左腕が上がらなくなっただろう?」
「シャギャアアァァー・・・。」
「「ディアナの姉御!もうちょっとっすよ!」」
「ベイト!ミハエル!顔を出すな!」
「ゴシャアアァァー!」
っへ、今更毒かよ。
そんな鈍くさい攻撃が当たる訳・・・。
「ギシャアァ・・・。」
何だ?
こいつ・・・今、目が・・・笑いやがった!?
そいつは頭を上げるとベイトとミハエルの方に毒を吐きやがったんだ!
「「え!?」」
「ばっかやろおおおおっ!」
その方向に体が動いちまった。
ベイトとミハエルを突き飛ばす。
バシャアッ!
もろに浴びちまった!
「ギシャアアアァァー!」
「ぐあああぁああっ!?」
「「ディアナさん!?」」
目の前が赤い!?
痛みで何も考えられない!?
いてえ、いてえ、いてえよっ・・・。
何だこれはっ!?
「ぎゃあぁあぁあっ!!!」
「ばっかやろお!ベイト!ミハエル!何て事を!?」
「下がりなさい!ベイト君、ミハエル君!」
ヘイムとシルビィが怒鳴っているが訳が分からない!?
こんな痛みは今まで・・・!?
「シャギャアァァー!」
「間に合いませんわ!」
「ベイト!ミハエル!」
「うわああああ!」
「お母さん!」
ズドッ!
「「・・・え!?ディアナさん!?」」
間に合ったか・・・。
二人を、何とか庇えた。
けれどその代償に・・・。
腹が、自慢の腹に穴が空いちまったよ。
後ろからの攻撃は、兄貴の鎧でも防げないか・・・。
まいったな・・・。
ポタッ・・・ポタッ・・・
「はやく・・・い・・・け。」
「ディ、ディアナさん!」
「済みませんでした!、俺達!」
「いいか、ら・・・はなれてろ。こいつの・・・あいてはあた・・・いだ。」
ふかくをとっちまった。
いてえ、いてえよ・・・。
すまないっすよ、あにきたち。
ごめん、アーサーのあにき・・・。
「ディアナ!?」
「ラフィア!早く治療!」
「毒で犯されたあの傷はグレーター・ヒールではふさがりませんの!」
「何だっていいのさ!いいからやってよ!」
「毒が入っているのですわ!その状態では・・・!」
「何でもいいから早くやってよ!!!」
「毒が入っている状態だと、回復魔法が効かないのですわ!」
「いいからやってよ!!!」
「アンナ、良い事?あいつが槍を引き抜いたら。まずはディアナにこれを飲ませなさい。」
「これは?」
「アーサー様から頂いた「万能薬」ですわ。まずは解毒します!それと、傷の程度によって吐き出してしまうから必ず飲ませなさい!いいわね!!!」
「わ、分かったんさー!」
「おい、他の奴らはどうだ?」
「ダン!ディアナの援護に行って、速くする!」
「アンナ!?」
「速く行け!」
ダンを蹴り飛ばす!
「お・・・応!」
ズボッ・・・
どさっ・・・
「ディアナ!」
「シャギャアアアァァァー!」
勝ち誇ったように雄叫びを上げる銀色のテラサン。
「っち、足元に・・・人質のつもりか!?」
「矢を撃ち込むんさー!」
「その間にディアナが踏みつぶされるうううううー!ここはにげるしかねえなああああー!」
「キシャアァァ・・・?」
「ダン!?何してんのさ!」
「落ち着きなさい、アンナ。「シールド・スマッシュ」!」
ドグァッ!
「シャギャアァァァァ!?」
後ろから慎重に近づいていたのだろう。
ジャスティンの一撃が決まった。
ダンが突然大声を出したのはこの為だったのか!
あの巨体が揺らぐ。
好機!
「いいぞ、相棒!クロス・スラッシュ!」
敵を十字に切り裂く技だ。
さらに追い打ちをかけてディアナから敵を離す。
ザ、ザンッ!
「シャギャアアァァー!」
「奴が離れましたわ!」
「行くんさ!」
あーっしがディアナを背負ったのを見届けるとジャスティンとダンが肯きあう。
「二人には近づけさせませんよ!」
「応よ、相棒!」
ディアナを抱え上げると岩陰に運び、薬を飲ませようと思ったのだが・・・。
『傷の程度によって吐き出してしまうから・・・。』
先程のラフィアの言葉が残っている。
意を決して薬をグイっと口に含む。
そしてディアナに口づけをする。
鼻をつまみ無理やり嚥下させる。
すると苦しがっていたディアナが大人しくなったような気がした。
二人が戦っている間にディアナをラフィアの元に連れて行く。
「ラフィア!何とかして!」
「分かってるわよ!ディアナ、聞こえるわね!意地でも飲み込みなさい!」
するとラフィアがキラキラ光る回復ポーションをディアナに飲み込ませた。
ディアナは声が聞こえたのか吐き出す事は無かった。
するとお腹に空いた傷が青い光とともにふさがって行く!
「ラフィア、それって!」
「アーサー様から頂いていた最高級の高品質ポーションですわ!」
「うへへ、アーサー君に感謝しないとね~。」
「アンナ、泣いていないで探知を、これ以上は厳しいですわよ!」
「うん、ありがと、ラフィアー!」
「礼は良いから仕事をなさい!」
「探知!」
そのとたん尻尾がビビビってなる!
ゾッとした。
スキルなんか使うんじゃなかった。
同じ反応が後、五十近く・・・!?
この絶望が、五十体?
流石にジャスティンもダンもこの数には勝てないだろう。
でも、そこに希望の三人の気配を感じた。
そうなんさ!
こっちにだって強い人達がいるんさー!
「どうでしたか?」
「こいつらと同じ反応が五十近くなんさ~!」
「ちょ、アンナ!?」
「・・・まだ行けますね、ダン!」
「もちろんだ、相棒!」
皆、安心してよ。
後ろに立っている人達がきっと大丈夫だよって言ってくれるのさ~!
「ふむ、五十程度なら何とかなるじゃろう?」
【そうですね。それで、不都合でないなら剣を貸しますよ、ラヴィーネさん?】
「バレていたか・・・流石だな、紅蓮。魔力の方が限界に近い。ありがたく借りよう。」
そう言うとアーサー君はミスリル・ロングソードを取り出して渡していた。
「アーサー様、皆様方・・・。」
ラフィアも泣いているのさ~。
【ジャスティンさん、オーガの牙は一度皆さんと騎士団の方へ。合流してテラサンの数を減らして下さい。】
「分かったよ、アーサー。ここからは任せます。」
【ここから先へはあいつらを行かせないように致しましょう。】
「そんで、アンナの嬢ちゃん。まざーとやらの反応はあったのかのぅ?」
「チョーでっかい反応があったんさー。たぶんお探しのマザーなんさー。」
「ふむ、まざーは早い者勝ちで良いな?」
【御二人はお先にどうぞ、ちょっと怪我人を見てから行きますよ。】
「余裕か?坊主、獲物が無くとも文句を言うでないぞ?」
「ふふっ、紅蓮。我に剣を貸した事を悔やむが良い。」
【今回はお譲りしますよ。こっちの雑魚にも人を割かないといけませんからね。】
「では行くとするかのう、軍帝殿。」
「そうだな、剣聖殿。ああ、この剣は良く斬れそう・・・楽しみだ。」
そう言うと二人は反応のあった方角へと歩いて行った。
アーサー君はディアナを心配して様子を見てくれていた。
ディアナが寝ているのだと分かったらディアナを抱き上げると、皆を連れて騎士団の方に歩いて行ったんさ~。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
大変に励みになります!
今後も頂けるように頑張りますので、よろしくお願い致します!
それでは 次話 敵にしてはいけない(仮 で、お会い致しましょう!
お疲れ様でした!




