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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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アヴェンジャー種

いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!

続きになります。

お楽しみ頂ければ幸いです。

ゴゴゴゴゴゴ・・・


ドグォン!


「「「ギシャアアアァァァーーー!!!」」」


「何だアレは!」


五mはあるだろう、地面から出て来たその巨体を見つめる。


「セリス様、集積場に敵襲です!目視で四十体以上!」


「あれが旦那様の言っていた・・・。」


「セリス様、御指示を!」


「前衛、ファランクス!後衛、弓隊構え!」


「セリス様!集積場に人がおります!」


「何だと!?弓、やめい!」


これでは弓が使えぬ。


「先んじて誰がいるのか分かるか!?」


「オーガの牙です!」


「なれば、下手に介入すれば足手まといになるだろう。私が行く!」


「セリス様!?」


「この為の装備なのだ!」


「ならば、私達をお連れ下さい。」


「良かろう・・・セシル!隊の指揮は任せる!」


「はい、団長。御武運を!」


「レイチェル、アミィ。ついてこい!」


「「っはっ!数名続け!」」


ッザ!


「ハハッ!」


「行くぞ!」


「「「お任せをっ!」」」


少人数でアヴェンジャーだろう個体へ突っ込んで行く。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「アーサーが言っていたのは、こいつらの事ですか!」


「実物は初めて見ましたが、アヴェンジャーですわね・・・ブレッシング・オール!・・・アーク・シールド!」


「姉さん、このままだと中央の新人がヤバイ!」


中央に敵が集中しているようだ。


「アヴェンジャーが群れで行動するだなんて!ジャスティン、ディアナ!ここの十数体は受け持ちますわよ!」


「分かりました!」


「任せな、姉さん!」


剣聖様、耐えて下さいましね。


「さっさと倒して中央へ援護に行きますわよ!」


「「応!」」


「「「キシャアアアァァァー!」」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「アーサーの言っていたヤツだな?」


「ダン、べドラムよりは楽そうなんさー!」


「比べる相手の格が違うぞ!」


「でも楽になったっしょー?」


「っち、時間がねえってのに!」


「こっちはこっちの事をやるんさ!隣は剣聖様に任せるんさー!」


「そうだな、じゃねえとヤベエかもなっ!」


「動きを止めたら打ち込むんさー!」


「止めは任せたぜ、アンナ!」


「「「キシャアアアァァァー!」」」


十二匹か、何とかして新人の所に援護に行かねえとな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「双牙!」


ズババッ!


「キシャアアアァァァー!」


一匹の足を一息で八本斬り飛ばす。

その敵はバランスを失い転がる。

さすが坊主の作った傑作よのう。

鋼の強度を誇る敵の足がまるでパンのように切れるぞ。

こやつらも頼もしい相方、無明の敵ではない。


小童どもが心配な強敵じゃがのう・・・。


「密集して守っておれ!なあに、大丈夫じゃ。左右にはオーガの牙がおる。すぐに駆け付けてくれるじゃろう。」


「剣聖様、援護します。」


「あ~ぁ、本気を出さないと生き残れそうにないわねー。」


「タケゾウ、ファム?さがっちょれ!」


「でも、ここは生き残らないと。」


「そうですよ、せっかく装備を作ってもらったんですからねぇ。」


「ふん、ならば正面は任せよ!なるべく楽にしてやるでな。」


オレンジの花弁を口に放り込む。


「期待しますよ。」


「お願いしまーっす!」


小童達に期待しておるとはな、わしも老いた訳じゃな。

さあ、負けられんぞ!


その怪物の腕を斬り飛ばす!


「ゴッシャアアァァーー!!!」


腕を斬られたアヴェンジャーがその代わりにと毒を吐く。

っく。

じゃが花弁のおかげじゃろうわしに毒は効かなかった。

そのアヴェンジャーのもう一つの腕を斬り裂く。

両腕の脅威がなくなった敵ならタケゾウの実力で問題は無いじゃろう。

ファムの実力はまだ分からん。


「キッシャアアァァー!」


新しい敵のやはり腕を斬り飛ばす。

この調子じゃな。


「裏玄武 双玄槍!」


その双撃は見事敵の腹を貫き通した。

ほう、やはりこのタケゾウと言う坊主、やるもんじゃのぅ。

裏を継いでいるのならば家名を持っているはずじゃがな。

その攻撃は柔らかそうな腹を狙っておる。

そして倒れたアヴェンジャーにファムが突っ込んで行く。


「まだ動きが激しいぞ!」


「好機ってねぇ~!」


ターン、ターン、タッタッタッタタタ・・・

独自のリズムを刻むと倒れている敵に向かって突き進む。

倒れてはいるが足の動きが激しい。

スタッドの鎧とはいえ、あの攻撃を食らえば致命傷じゃろう。

そんな心配をよそにファムは軽やかに近づくとアヴェンジャーの首を切り落とす。


「これで、毒は吐けないでしょー?」


良い判断じゃ。

わしは正面に続いて来るアヴェンジャーの攻撃をいなし手を斬り飛ばす。

このままで行ければ良いがのう。


「剣聖様、足元に反応がっ!」


「周り中っす!」


なんと!

後衛を狙う位置を取りおったか!

このままではいかん。

数で押される。


「四の太刀・崩月!」


「ギシャアァ!?」


目の前のアヴェンジャーを真っ二つに斬り裂く。

そして後方に下がろうとすると声がかかり、白い鎧を着た騎士が間に入る。


「剣聖様!そこはお任せを!」


「皇女殿下か!助かる!」


皇女様はまさに閃光のごとき速さでわしと新人達の間に立つと地面を警戒する。

そして地面を一閃する!


「ギッシャアアァァァー!」


出てこようとした敵を真っ二つにする。


「殿下!左はお任せを!」


「右はお任せを!」


「レイチェル、アミィ、油断するな!」


「「はい!」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ふむ、南からの包囲戦は上手くいっている。


物資集積場には裏から回れないように弓兵を配置してある。

思ったより帝国軍の立て直しが早い。

そしてアヴェンジャーと呼ばれている個体。

出てきたが期待外れであった。

あの程度では余の無聊ぶりょうを慰める相手ではない。


それに集積場の中央、剣聖がいる。

ああ、戦いたい。

だが邪魔者がいる。

中々の使い手の白い鎧のリーフ・ブレイドの女。

良い位置に陣取った。


仕方がないが、今宵は味方を褒めてつかわそう。


さあ、包囲陣に仕上げだ。

帝国軍の南側から兵6000で反包囲して北側の帝国軍と包囲戦を繰り広げている。

こちらは雑魚ばかりなので問題はない。

気がかりなのは敵中央にいる暴風の精霊だろう。

誰が召喚したのだ?

資料を読んだ限りでは「叡智」には無理であろう。

と、言う事は怪しいのは「紅蓮」か?


その紅蓮は何処だ?


戦場に目を通す。

何処だ?

何処にいる紅蓮?


すると見当違いな所で紅蓮を見つけた。

見通しの良い小高い丘にいるのは分かった。

だがそこからどうする?

もうこの戦は詰みで勝利は我々だぞ?


興味が出たのでそちらに向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


戦場から離れた見渡しの良い小高い丘の上に来た。


この戦場に「頭脳」となるヤツがいるはずだ。

おそらく見通しの良い所にいるはず・・・。

今夜の奇襲の代償としてそいつだけは何としても葬っておきたい。

おや、お客さんだ。


【で、貴女は敵ではないのですよね?】


「ほう、この距離で見つかるのは初めてだ。」


姿が現れる。

女の子なのは分かっていた。

もちろん感で!


「それで、紅蓮。こんな所で何をしているのだ?」


【この戦の主犯を倒しておきたくて・・・。】


「ふん、見渡したがそんなものはおらんぞ?」


【いえ、見つけました。西の丘の稜線です。護衛もいますね、敵ながら用心深い。】


「何だと!?」


【見たほうが早いでしょう。付いてきますか?】


「確かめさせてもらおう。」


二人でその場所に向かう。

走って向かうのだが女の子は息も乱さずについて来る。

見かけによらず鍛え上げられているね。

大きな岩があったのでそれを正面にして遮蔽物とし、かなりの所まで近づいた。


だが、気付かれた。


気付かれたなら仕方がないので一直線にその敵に向かう。

女の子はまだついて来る。

そしてもう少しと言う所で護衛に阻まれる。

十m程ありそうな巨躯。

そいつが二匹。


【こいつらが『アヴェンジャー・ナイト』ですよ。】


「ほう、種類がいるのだな。」


【ええ、強敵ですよ?】


「ふふふ、期待しておるぞ?」


その間にも目的のテラサンが逃げている。

どこかに巣に通じる穴があるのだろう。

でも親切に待つ事はしない。


【瞬動!】


瞬動で一気に近づく。


【5th パラライズ!】


ビシッ!


「ギシィアアァァ・・・。」


よし、捕獲成功!

後はナイトだけだ。


「「キシュアアアァァーーー!!!」」


「紅蓮、怒っているようだぞ?」


【まあ、守れなかったんですからねぇ、一匹は譲りますよ?】


「二匹でも構わんぞ?」


【ふふ、良い気概です。が、あまり舐めない方が良いですよ?】


「初めてだぞ?この戦場に来て心躍る『敵』は!」


うーん、この世界の女の子はバトル・ジャンキーばかりなのか?


【では、一体お任せ致しますよ?】


「面白い、楽しくなって来たぞ!」


テラサン・アヴェンジャー・ナイトは特殊個体だ。

ナイトの名の通り護衛を主としており通常のアヴェンジャー等とは強さのランクが違う。

ゲームでは女王を守っているのだが、ここにいた仮にマトリアークの変異種としておこうに護衛として付いて来ていたようだ。

・・・女王の所に別個体はいませんよね?

その槍状の右手は五cm程の鋼の板なら一突きで貫通させる。

そして、盾の左手だ。


そんな相手が守っていた個体の方が気になるが、まずはこいつらを何とかしないとね。


その暴威の右手の槍の連続突きをかわし懐に入る。

俺の攻撃を左手の盾で受けようとしたのだろう。

けれど予想通り!


【Бомбардировочный кулак!(爆撃拳)!】


その盾を左手ごと破壊する!


「キシュアアアァァー!」


バックパックからミスリル・カタナを取り出しすかさず右腕に切り込む。


【ᛞᚱᛖᚪᛗ ᛋᚺᚪᛞᛟᚥ(夢影)!】


「キシャアアァァー!」


右腕を根元から斬り飛ばした!

と、腹がぷくっと膨らむ。

あ、毒だ。


プシュー!


その毒撃を何とかかわす。

毒霧じゃなくてよかった。

着地すると毒を吐かれないように首をはねに行く!


ザンッ!


「ゴアアッ!」


首が飛んだ。

だがしばらくはその足で攻撃してくる。

武器で足を斬り飛ばす。

しばらくすると反撃をしなくなった。

昆虫系、鋏角類きょうかくるい系は首を飛ばしてもある程度の時間は生きているので十分に注意しないとね。

さてと、女の子は?


・・・こりゃあ驚いた。


「凍るが良い・・・アイシクル・ウィザー。」


パキッ・・・パキ・・・


キンッ!


そのアヴェンジャー・ナイトの全身が凍った。

圧倒的な魔力だった。

しかも高難度で高威力の霊媒魔法だ。


「ふう、紅蓮。貴様やるではないか、邪魔者はいなくなったな。では、我と戦え!」


【こらこら、お姫様。まずはこいつを皆の所に持っていかないと駄目でしょう?】


そう言って麻痺しているテラサン・マトリアークの変異種を指さす。


「むぅ・・・仕方がない。機会は作ってくれよ?」


何かロック・オンされてしまった。


パラライズの魔法が効いている間に縛り付け、担ぎ上げると陣へと戻るのだった。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

それでは 次話 変異種と依頼(仮 で、お会い致しましょう!

おやすみなさいー!

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