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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第三幕 第四章:蜘蛛人族の脅威
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テラサンの脅威

いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!

執筆が終わりました。

お楽しみ頂ければ幸いです。

出陣して休憩しながら四時間程だろうか隊列を作り歩く。


今は小休止。

帝国の夏の熱波が俺達の体力をジリジリと奪っていく。

目的のアラフニ平野とやらはまだだろうか?

このままでは新人達の体力が持たないぞ?

と、言う訳でラフィアにスタミナポーションを渡し配ってもらう事にした。

新人のパーティーの魔法使いの二人には最上級の解毒ポーションを四本渡してあるだけだった。

念の為の解毒ポーションだが備えをしておくのは当然だからね。

各人がスタミナポーションを飲み疲れを癒したところで再び進軍。


そして進む事一時間程、目的地であるアラフニ平野へとたどり着いたようだ。


斥候の人が走り回って何かをしている。

あれは探知かな?

それが済むと、良い時刻なので野営の準備が始まっている。

天幕が出来ると一休みする。

そんな中、セリスが陣中見舞いに来てくれた。

水分の多いデザートを持って。

今回の戦では補給が潤沢なのだそうだ。

補給物資はカミラ騎士団が一任されているとの事だ。

これまでに補給部隊がテラサンに襲われた事は無いらしい。


・・・フラグを建ててしまっただろうか?


そして夜になると奇襲を警戒して各騎士団で見回りをする。

俺達も受け持ちの地点を見回る事にした。

アンナと、ベイト君。

俺と、ルウさん。

二時間おきに二組に分かれ偵察を行う。


そうなのである。

目標であるアラフニ平野に来たのにテラサンを今だ確認出来ていないのである。

各騎士団が夜襲の可能性大なりと警戒を強める中、それらは周到な準備を整えて俺達を待ち構えていた。

それは俺とルウさんの見回りの番の時だった。


「アーサー様、私の探知、おかしいんです!?」


【どうしたの、ルウさん?】


「あの、笑わないで聞いて下さいね。あ、足元からの反応が真っ赤なんです!」


【ちょっと待ってね、「探知」。】


赤い点がたくさん!?


「おかしいんです!こんな事は一度もなかったんです!」


【まずは落ち着こうか、ルウさん。君は皆を起こして敵襲を告げてくれるかな?俺は司令部に向かうよ!】


「分かりました、お気をつけて!」


そう、敵がいなかったのを不思議に思ってはいた。

その敵が何処にいるのかを正確に把握できなかったのだ。

あれだけ騎士団の斥候が念入りに調べていたのに?

何かが引っかかる。

騎士団の司令部、兵士が止めるのを聞かずに大天幕に押し入る。


【セリス、大変だ!】


「何事かっ!?」


「見張りは何をしているのかっ!」


「む!?貴方様はセリス様の・・・?」


「だ、旦那様!?そんなに慌ててどうしたのだ?」


【俺達は敵の真っただ中に野営している!】


「何を馬鹿な!?」


「あれだけ入念に探知を行ったではないか!」


「もしや、あれだけの斥候の探知スキルに引っかからなかったのですか?」


「姫様、敵影は確認されておりませんぞ?」


【多分だけれど隠蔽スキルを使っていたんです。今日やっていたのがいつもの事なら、今回に限って頭脳に当たるヤツがいますよ?厄介ですね。】


「皆を叩き起こせ!夜襲どころではない!それならばすぐに来るぞ!」


「騎士団に戻らねば!」


「指揮を!」


【もう遅いかもしれない。】


その俺のつぶやきが正しかったようだ。

大声を上げて兵士が飛び込んできた。


「緊急です!地面、直下より敵の奇襲でございます!」


その言葉を合図にテラサンの夜襲が始まった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「「「ギシャー!」」」


「「「ウワアアァァァー!」」」


周り中大混乱の中、混乱していないのは僕達オーガの牙達のみ。


「ど、どうすれば!?」


「皆さん、まずは落ち着きましょう、拠点を確保致します。アンナ!どうですか?」


「探知!」


その結果を皆で待つ。


「中央は駄目、敵だらけなんさ~。補給物資のある北東の辺りが敵の反応が少ないから、そっちに陣取った方がいいかもしれないんさ~。」


「ラフィアの考えは?」


「混乱に乗じて補給物資をという考えも否定出来ません。目的の無い私達は後方の補給物資を守る事に致しましょう!」


「ふむ、小童こわっぱども!恐れずにわしらについてこい!」


「「「はい!」」」


「魔法使いは各パーティーに暗視の魔法を!」


「「了解です!」」


「「「・・・ナイト・サイト!」」」


まるで計算されたような夜襲。

アンナにも探知出来なかった完璧な機会を作った?

まさかとは思うが作戦を立てられる程の個体がいる?

とすると、やはり補給物資が危ないでしょうね。


暗視がかかっているので昼間のように見えるのだが、アンナの言うように敵の数が多い。

その敵を切り裂きながら地図で確認した物資集積場に向かう。

だが、これでは守りが薄すぎるのと敵の数が多すぎる。

帝国兵も懸命に戦っているが・・・陣中は大混乱だ。


そして僕達は集積場にたどり着くと陣形を維持する。

準備の整ったところでアンナが探知を使う。


「探知!」


「どうですか、アンナ!」


「ジャスティン、敵が、数がヤバイんさ~!」


「ラフィア、この地にいたというオフディアンがどうなったかの可能性は?」


「この数の敵です。確証はありませんが隠れているか、逃げたか・・・。」


「とにかく周り中敵なんだ。倒せばいいんだろう?」


「っふ、それでよろしいでしょう!ラフィア、力を!」


「・・・ブレッシング・オール!」


さて、どうなりますか。

新人さん達にはとんでもない初陣になってしまいましたね。


「ジャスティン、来るんさ~!」


「各人足元からの奇襲に注意しなさい!」


中央に新人と剣聖様を入れ、左にダンとアンナ、右に僕とラフィアとディアナ。

後方は物資が山のように積んである。

今のところは安全でしょう。


こうして長い戦いが始まった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「帝国軍が夜襲を受けているだと?」


「はい、いかが致しましょうか?」


「ふん、報酬の分は働いてやるさ。ラヴィーネ様を起こせ!」


「かしこまりました。」


「ふん、楽な戦い等は無いと言う事だな・・・。」


「シュタイア様、我らが軍はどう致しますか?」


「ラヴィーネ様が起きるまでは軍備を整えて待機だ。」


「かしこまりました。」


「確か、オーガの牙も参戦しているはずだな?」


「はい、その予定でございます。」


「そいつらは必ず重要な物資集積場を守るはずだ。先に、第一、第二部隊4000に弓を装備させ送る準備をせよ。」


「「ははっ!」」


「第三から第五は狩りの準備だ。包囲陣を敷き南から北に進み、敵を反包囲し各個撃破せよ。」


「「「ははっ!」」」


「シュタイア!寝たばかりで起こされたぞ!?」


「お起きになられましたね、可愛いラヴィーネ。戦です。」


「先にそれを言え。分かった、出陣でるぞ!」


「ラヴィーネ様御出陣!続け!」


「「「おおっ!!!」」」


天幕を出るとラヴィーネは匂いを嗅いでいる。

私には分からないが、この子にだけ嗅ぎ取れるものがあるのだろう。


「あっちだな。濃い戦の匂いがする。戦気は中央が濃いな・・・。」


ラヴィーネが満足げに微笑むとその方向を指さす。

それを見て号令する!


「一、二部隊進め!三から五部隊は包囲陣を敷け!害虫を包囲するぞ!」


「・・・一人、二人、三人、四人、少し遠いが五人目、剣気の強い者がいるな。」


「進軍!蹂躙しろ!」


「五人もいるのか、帝国、ふふっ、楽しめそうだな?」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ズバッ!


「ギシャアァァー!」


敵を斬り捨てる。


「敵しか見えなくなりましたね!」


「ジャスティン!敵が集まってまいりましたわ!」


「仕方がありません。ディアナ、暴れてください!」


「任されたぜ!ジャスティンの兄貴!」


ディアナが前に飛び出し蜘蛛人間を叩き潰していく。

今だけでも2000ぐらいの数はいるだろう。

まだまだ増えているようだ。

この混乱では帝国の増援は見込めないだろう。

唯一の頼みの『質』で勝負をするしかない。


「来る方向を誘導致します・・・ファイヤー・フィールド!」


「踏ん張りどころですよ!」


「応よ!兄貴!」


「ジャスティン、左の東方向より黒い軍隊が来ますわ!」


「黒い軍隊?」


「旗が・・・軍事国家ヘルシャーですわ!」


「軍国の援軍でしょうか?」


「重要施設に数を入れてきた?それ以外に何か意味が?」


「だが、これで持ち応えられれば我々の勝利が近づきます!」


「そんな事を言う余裕があるのか・・・さすがはオーガの牙だな。その盾は、確かジャスティンと言ったか?」


声のする方を見る。

小さい。

黒い軍服を着た少女と言ってもいいだろう。

その少女が僕の名前を知っている?

誰だ?

記憶を遡るが出会った事は無い・・・はずだ。


「ジャスティンとやら、そのまま動いてくれるなよ?」


「っは!?対空防御!矢が来ます!ラフィア!ディアナ!」


その少女は場所を教えるようにまるで指揮者のタクトを振るように両手を振っている。

っく、間に合って下さい!

ラフィアを抱き寄せ盾を上方へ向ける。


ザアアアァァァ・・・


ドッドッドッドッドッドッ・・・


その間隙を縫って矢がテラサンに突き刺さる。

2000はいたであろうテラサンの群れがあっという間に骸へと変わる。

しかもその正確な射撃。

どうやって我々のいる位置を特定したのか?


「貴女は!?」


「では死合おうか!ヘルシャーが軍帝、ラヴィーネ・・・参る!」


「戦の最中ですよ!?軍帝、何故こんな事を!?」


ラフィアを庇いながらその剣撃を盾で受け止める。


キンッ!


「人同士で争っている場合ではありません!」


「何を言っている?君の出番は今だろう?」


「仲間が襲われているのですよ?」


「ふむ、集中出来ていないようだな・・・残念だ。次に会う時は相手をするが良い。」


「待ちなさい!」


「まだ戦の匂いがする・・・。」


そう言うと少女は闇に溶けて消えた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「キシャー!」


ズバッ!


「ギシャー!」


「うお!危ねえ!」


「ヘイムさん、きりがねえ!」


「弱音を吐くのは早いぞ小童達!個では勝てん、集の力を見せよ!」


「剣聖様の左に着きますわよ!」


「「「はい!」」」


「っち、剣聖様の右に着け!」


「了解。」


「「分かったっす!」」


ザンッ!


「キシャアアァァァー!」


うむ、どうやら左翼と右翼が頑張っているようじゃのう。さすがオーガの牙。噂通りじゃのぅ。

これで正面に集中できるというものじゃ。


「後方は物資の山じゃ、障害物になるので気にせんでええ。正面に集中しろっ!」


「「「はい!」」」


「「「了解!」」」


ザンッ!


「ギシャアアァァー!」


シュパッ!


「キシャアアァァー!」


次々と蜘蛛人間を斬り捨てる。


数を減らさねば小童達が持たなくなるぞ?

どうする?

このままでは消耗戦じゃ。


「・・・。対空防御!矢が来ます!・・・。」


隣のジャスティンと言った若い者からの声が聞こえた。

こんな密集地帯に矢が来るじゃと!?


「小童ども動くでない!」


「「「え!?」」」


「丸まれっ!」


「うおっ!?」


「イヤアアァァッ!」


「頭を下げて!」


「しゃがめ!」


ザアアアァァァ・・・


ドッドッドッドッドッドッ・・・


矢の雨が降り終わったようじゃ。

・・・どうやら怪我も無く生きておるようじゃな。

小童どもは?


「皆、無事か!?」


「・・・け、剣聖様?」


「敵に矢が・・・。」


「うむ、皆、無事のようじゃな?」


「何が起こったのですか?」


「状況を見る限り援護のようじゃのぉ。」


そう、その矢はテラサン達を貫いていた。


「動いてるのがいなくなったぞ?」


「勝てたのか?」


「今のところ静かになっただけじゃ、周辺を警戒せよ!」


斥候役の二人に命ずる。


「は、はい!」


「お、おっす!」


正確すぎる矢。

しかも東の方向から飛んできたようじゃった。

帝国の増援?

いや、その可能性は少ないじゃろう。


一体どうした事じゃ?


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ダン、矢がそろそろ限界なんさ~!」


「っへ、それでもこんな所でくたばる玉じゃねえだろう?」


「もちろんなんさ~!」


ズバッ!


「キシャアアァァァー!」


ダンが蜘蛛人間を次々と斬り捨てる。


「アンナ、隣は大丈夫か?」


聞き耳を立ててみる。

話声がする。

剣聖様が発破をかけているのだろう。


ザンッ!


「キシャアァァー!」


「大丈夫なんさ~、さすが剣聖なんさ~!」


「なら踏ん張らねえとな!」


それは突然だった。

尻尾がビビッってなった!


「ダン!ヤバイんさ!しゃがんで!」


「何だ!?」


ザアアアァァァ・・・


ドッドッドッドッドッドッ・・・


突然、矢の雨が降ってきた。


ズドッズドッズドッ・・・


「「「ギシャアァァァー!」」」


次々とテラサンが矢の餌食になっていく。


「何だこりゃあ!?」


「分からないんさー!」


「援護か?」


「東から援護が来るのは聞いてないんさ~!」


矢の雨が降り終わると動いている敵がいなくなった。


「まあ・・・動いている敵がいなくなったのは良い事じゃねえか?」


「そうな!?ダン!」


緊急なのを感じ取ったのかダンが身構える。


ダンの側に気配を感じる!


「待って、誰かいるんさ!」


「ほう、気配を察知されたのは久しぶりだ。」


するとダンの右前方に軍服らしきものを着た少女が現れた。


「女の子なんさ~?」


「戦場に女の子が一人・・・それでアンタは何者だ?」


「ヘルシャーの軍帝、ラヴィーネ。ダンと言ったね?ちょうど良いではないか・・・君と戦いに来た。」


「戦うのは嫌いじゃねえが、今は駄目だ。他の戦の最中だろう?」


「ジャスティンと言い、君と言い、何故こんなにも焦らせるのかな?」


「・・・相棒に会ったのか?」


「ああ、女が一人邪魔だったのでこちらに来たんだ。」


ディアナの事じゃない。

少女の言っている女とはラフィアの事だろう。

その言葉でジャスティンが守っているのは分かった。

だがその少女はとんでもない事を言ってきたのだ。


「困った、君も乗り気でないと言うのなら隣に行くしか選択肢が無いぞ?子供どもを守っている剣聖殿ならばきっと、我を楽しませてくれるだろう。」


「ちょっと待て、隣にはいかせねえよ。若いのがいるんでな。」


「ならば、相手をしてくれるのかな?」


「・・・アンナ、警戒しておいてくれ!」


「分かったんさ~!」


「良いね、君は良い!分かりやすくて好みだよ!」


「御姫様には、一回痛い目にあってもらうしかねえな?」


「ダン、気を付けるんさ~!」


「応よ!」


「それでは、参る!」


「ああ!来い!」


それを機にダンとラヴィーネと言う少女の戦いが始まった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【セリス、陣内をまとめて下さい!俺は迎撃に出ます!】


「分かった、旦那様!」


天幕を出ると雲霞の如く押し寄せるテラサンの姿が見える。

奇襲に次ぎ、夜襲だったのであちこちで火が上がっていた。

っく、最近はこんな事ばかりだ。

おかげで先手を取られる戦いには慣れて来たけれど。

褒められたもんじゃないな。


【・・・6th パラライズ・フィールド!】


麻痺の壁を張り巡らせて複数の敵の動きを封じる。

動きを封じた敵は近くの戦闘している兵達が止めを刺して行く。


「混乱した仲間を落ち着かせよ!体勢を立て直せ!地面に気を付けろ、敵が出て来るぞ!」


戦場に良く通る声でセリスが近衛兵だろう十名程と戦場を駆け巡りあちこちに声をかける。

他の将軍達も檄を飛ばして事態を収拾しようとしていた。

その甲斐あってか次第に落ち着きを取り戻してきた兵士達の反撃が始まってきた。

よし、良いぞ!

幸いにもウォーリアーとドローンしか見えないようだ。

帝国の兵士も質では負けていない。


中央の方も落ち着きを取り戻しつつあるようだ。


【探知!】


西の方は赤い群れしか見えない。

敵の数は分からないぐらいいっぱいだ。

敵だらけならば!


【・・・7th メテオ・スウォーム!】


ヒューーーーゥン・・・・


ゴゴゴゴゴゴ・・・


ドガン!


ドガッ!


「「「キシャアアァァー!」」」


東の空から隕石が降り注ぎ、次々と敵を滅ぼしていく。

それを見ていた近くの兵達の士気が上がる。

正気を取り戻し、隊列を組んだ兵達の攻撃が始まる。

重装歩兵が、左手に大盾をかざし、右手に槍を装備して列を作り行進して行く。

突っ込んできたテラサン達は槍の餌食になる。

その後ろから弓兵が矢を放ち敵の数を減らして行く。


各所の兵達も混乱から立ち直ったようだ。

セリスの部隊は陣形を取り北の方へと向かっている。

おそらく物資集積場の守りに行くのだろう。

500名程の部隊が北上して行く。


もう少し中央にいる敵の戦力を削っておきたいところだね。


【・・・8th エナジー・テンペスト!】


ゴオオオォォォ・・・


「「「キシャアアァァー!」」」


【・・・8th エナジー・テンペスト!】


「「「ギシャアアァァー!」」」


敵の真っただ中に無慈悲な暴風の精霊を二体出現させ戦場を蹂躙させる。

この魔法は敵対している相手にしか効果が無いので、この場は安心して任せよう。

暴風の精霊がテラサンを薙ぎ倒している姿を見ると味方の兵達の士気が更に上がった。

秩序を完全に取り戻しテラサンを撃退している。

うん、冷静さを取り戻せればウォーリアーとドローンならば帝国軍の敵ではないね。


翻るとセリスを追って集積場へと・・・ん?


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ガギッ!


ギィン!


「御姫様よお?時間のある時なら大歓迎なんだがね?」


「アハハ!時間ならあるじゃないか!」


「聞いてくれねえなら終わった後にお尻ペンペンの刑だぜ?」


キンッ!


「アハハ!やって見せるがいい!」


「っち、俺はもっとお姉様が好みなんだよ!」


「ならば、シュタイアを紹介するぞ?」


「好みだったら受けよう!」


ギン!


カキッ!


「君は噂通り、いやそれ以上に強いね。気に入った。相棒があればもっと楽しめただろうに・・・。」


「相棒だと?」


「そうだ、今度、修理したら紹介しよう。とても美しい剣なんだ。」


「人間の相棒も作ってみたらどうだよ!」


「人間は裏切るからな、今はシュタイアだけでよい!」


「その年でどんな人生を歩んできたんだよ!」


「そんな事はどうでもよい!君はもっと私を楽しませるんだ!」


「っち!」


「・・・アイス・ジャベリン!」


パキッ!


パキピキッ!


ヒョウッ!


氷の槍が飛んできたがそれを迎撃する。


ガギッ!


ギイン!


「無粋な・・・邪魔が入ったようだ。今回はここまでだな。」


「何だと!アンナ!?」


「下から来るんさー!」


「下って事は人間じゃねえな?」


「さっきの反応とは違う、大きいんさー!」


「別の敵ってか?補給路を叩きに来たのか!?」


「その可能性が高いんさー!」


「ふむ、本腰を入れてきたってところか!」


「ダン、楽しかったよ。またやろう。私も指揮をとりにいかねばな・・・。」


そう言うとラヴィーネと名乗った女の子は暗闇に消えた。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

さて 次話 アヴェンジャー種(仮 で、お会い致しましょう!

それでは、お休みなさいませー!

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