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アビリティー

いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!

執筆終わりました。

お楽しみ頂ければ幸いです。

「そうじゃ!スキルが無い時の自分を考えてみよ!」


【応!もう一本!】


「足運びを考えるな!それでは前になぞ進めぬぞ!」


【応!】


「ヘファ師匠・・・ボッコボコですね・・・。」


「旦那様・・・。」


「坊ちゃん・・・足がふらふらしてますなぁ・・・ルイスさん、何かご存じで?」


「・・・ごめんなさい。」


「ルイスさん、何があったんですか?」


「ルイス殿、何があったのだ?」


「ううっ、ごめんなさい。」


「激しかったんやろうなぁ・・・羨ましいわぁ。」


「「まさか、ルイスさん!?」」


「ごめんなさい!」


っく、これではルイス達に良い所を見せるどころではないな。


「基本が出来ていてこそのスキルの力だと知れ!」


【応!】


「おお!ルイスの嬢ちゃんが肌着になったぞ!」


【何だって!?】


スパーン!


【いてえっ!】


「ちょ!?ジュウベイ様!私はそんな痴女じゃありません!」


「坊主!集中力を乱すでない!」


【っく、卑怯だぞ!】


「ふん、悔しかったらやり遂げて見せよ!」


【っち、目隠しだから想像という妄想が膨らむんだよ!】


「この馬鹿弟子がっ!そんな事だからたんこぶが減らんのじゃ!」


【うるせー!】


「もう一本いくぞ!」


【応!こいやっ!】


とは言ったものの、目隠しの状態では気配で察知するしかない。

だが、そこはさすがの剣聖様。

ちゃんと導いてくれている。

のだが、昨日のルイスとの闘いが激しかったので足腰に来ている。

まったく、女の子一人満足させるのがやっととは情けない。

それでも泣き叫んで喜んでくれたんだけれどね。


「余計な事を考えるな!」


パコーン!


【いてえな!】


「坊主、お主真面目にやっておるのか!」


【煩いぞ、剣聖様!決してルイスのせいではない!】


「ならば証明して見せよ!」


そう、導いてくれているのだ。

それを頼りに・・・。


カンッ!


コンッ!


木剣で受け止める。

よし、良い感じだ。


「ほう、ちゃんと道筋が見えてきたようじゃの。」


【おかげさまでね!】


「もう少し厳しく行くぞ?」


【応!】


スパコーン!


その稽古は御昼まで続いた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ほう、これがらーめんか!美味し!坊主は料理人でもやっていけるな!」


「ジュウベイ様。あの人は鍛冶師なんですよ。」


「そうですよ、剣聖様。ヘファ師匠は鍛冶師なんです!」


「鍛冶師にしてあの武・・・旦那様とは言え素晴らしすぎます!」


「・・・まぁ、坊ちゃんが好きでやってる事なら文句は言わないさぁ。」


「じゃが、実力はまだまだじゃ。多少動きは良くなっておるようじゃがのぅ。」


「・・・剣聖様、その刀。坊ちゃんに打ち直してもらったらどうですか?」


「あ、わ、私も武具を・・・。」


「ふむ、思い入れのある武器じゃが、そろそろ限界じゃのう。この際頼んでみるか。」


「ええ、あの人の鍛冶師としての腕前も見てあげて下さい。ジュウベイ様。」


「サポートは私めが!」


「ミスリルを使うなら私がする事になりそうやなぁ。」


「いいえ、ここはともに祭事を乗り越えた私が!」


「どちらが選ばれても不思議ではないからなぁ。」


「ぐぬぬぬ・・・。」


「それで坊主の予定はどうなんじゃ?」


「んんっ、後十日程ですが帝国での六人会議に出席して頂く事になります。それまでは帝国の色々な所を見て頂こうと思っております。」


「嬢ちゃん、その予定の中にわしの武器を作る事を入れられるかのう?」


「旦那様が良いと言えば可能です。」


「ふむ、なら後で頼んでみるかのぅ。」


「その際は私も武具を作って頂きたいので一緒にお願いをしてみましょう。」


「うむ、頼んでみよう。」


「それで、ジュウベイ様。あの人が力を制御出来るようになるまでどのぐらいかかるのですか?」


「うむ、最短で三の月の時間は必要じゃろうな。」


「そんなにかかるのですか?」


「元々、武器を持った事が無いようなのでな・・・基礎を固めるのにその時間は必要じゃよ。ただ・・・。」


「「「ただ?」」」


「常人ならば五の年は必要じゃろう。坊主は武具に愛されておるからのう・・・羨ましい限りじゃ。」


「武具に愛されている?」


「鍛冶師には誉め言葉ですなぁ。」


「ふむふむ・・・。」


「剣聖様も認める旦那様の技量。私は運が良い。」


「嬢ちゃん達には悪いがあ奴の為じゃと思って我慢してくれよ?」


「「「分かりました。」」」


「・・・ところでお代わりはまだかの?」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【ん?剣聖様とセリスの武具?構わないよ?】


「旦那様ならそう言ってくれると思っておったぞ!」


「うむ、なら坊主の出来る時に頼むとするかのぅ。」


「ヘファ師匠、お手伝いは私が!」


「坊ちゃん、どうするんかねぇ?」


【ああ、今回はフェイにお願いするよ。実力も確認したいしね。】


「ぐぬぬぬ・・・。」


「かしこまりました、坊ちゃん。」


【剣聖様よ、今の段階が終わったら作るよ。】


「うむ、『心眼』の修行は身についてきておるようだしのぅ、そんなに時はかかるまいて。」


【ほう、「心眼」と言うのか・・・それを収めたら何があるんだ?】


「坊主の場合、太刀筋の矯正を行わねばならん。唐竹:上から下、袈裟切り:相手の左肩から右脇腹、逆袈裟:相手の右肩から左脇腹、右薙ぎ:右から左の水平の太刀筋、左薙ぎ:左から右水平の太刀筋、左切り上げ:袈裟切りの逆(下から)、右切り上げ:逆袈裟の逆(下から)、逆風:下(股下)から上、刺突:突き(突く位置はいろいろ。喉、水月、腹など)じゃな。」


【ほう、それであの黒いのを抑えられるのなら楽しみだ。】


「そう急くな、それを全て会得すると境地に立つ事が出来る。」


【境地?】


「そうじゃ。わしでもたどり着けなかったその境地、『無刀取り』と『飛燕』と呼ばれる物じゃ。」


【ほほー、って、剣聖様でもたどり着けなかったのかよ!】


「そうじゃ、代々の剣聖ですらたどり着けておらん。開祖の皇和泉こういずみ野武綱のぶつな様しか辿りついた者のいないとされる境地よ。」


【なあ、剣聖様?】


「なんじゃ、坊主?」


【そんな門外不出な事を俺に言っちゃっていいのかよ?】


「現剣聖候補では良い所、わしと同じ所までしか辿りつけまい。わしは坊主に期待しておるのよ。」


【・・・俺は弟子では無いぞ?】


「ふん、ありがたみを知れば自然に師匠と呼ぶわい!」


【そうなると良いな、剣聖様!】


「で、坊ちゃん。」


【何かな、フェイ?】


「ウチは腕を確認したいので、しばらくは鍛冶に集中したいのですが。」


【ああ、構わない。あ、条件があるんだけど?】


「坊ちゃんの頼みなら何でもええよ。」


【サーラに仕事を見せてあげてくれるかい?】


「ふむ、ウチは構いませんえ?」


「の、望むところです!」


【じゃあ、二人は明日からともに行動してくれるかな?】


「「分かりました。」」


【俺の修行はルイスとセリスで見ててくれるかな?】


「「分かったわ。」」


【じゃあ、明日からの予定はこれで。二人の武具は後日作るとしよう。】


「分かったわ、貴方。」


「分かりました!それまでにフェイさんから技能を吸収しておきます!」


「分かった、旦那様。ああ、楽しみだ。」


「分かりました、坊ちゃん。さて、腕が鈍っていなければ良いけれどねぇ。」


【フェイ、ミスリルインゴットは必要ですか?】


「最終日に気を入れる時に頂こうかねぇ。」


【分かりました。その時は声を掛けて下さい。】


「ありがとうなぁ、坊ちゃん。」


【さて、食べ終わったら修行を再開しようか、剣聖様。】


「応、先程と同じじゃ。目隠しをして気配を掴め!」


【っす。】


こうして午後も修行が始まるのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ほい!」


カン!


「ほりゃ!」


コン!


「サーラの嬢ちゃんが服を脱ぎだしたぞ!」


【二度目はない!】


カン!


「サーラの嬢ちゃんでは足りなかったようじゃのぉ。」


「剣聖様、後でお話があります。」


「墓穴を掘ったか!」


【そこか!?】


ブン!


「ひょ!?」


【とらえたと思ったんだがな?】


「坊主、見えて来たか?」


【気配はつかめて来たかな・・・?】


「・・・早い、早いな、坊主。」


【そうなのか?】


「ああ、故郷の高弟でもこれ程の者がおるかどうか・・・。」


【ほう、それなら二日あれば十分かな?】


「大した自信じゃ、やり遂げて見せるが良い!」


そう、心を落ち着かせるとなんとか感じて来るようになったのだ。

これはルイスだ。

そっちはサーラ。

こっちはセリスで。

これがフェイ。


で、気配の薄いのが剣聖様かね・・・。

右手を上げて来た。

ここかな?


カン!


「ほう・・・。」


気配が更に薄くなった。

だが分かる。

分かるぞ!

今までスキル様頼みだったのが嘘のように分かる。


コン!


カッ!


カン!


「ふむ、坊主。見え始めたな?」


【・・・悪いな、今は集中したいんだ。】


「ならば行くぞ!」


気配が消えた!?

いや、空気を読め、意識を集中させろ、確かにそこに居るんだ!


カン!


コン!


「ほう・・・坊主、お主見えてきおったな?」


【見える、見えるぞ!これが心眼の世界か!】


「むう、早すぎる・・・これは何とした事だ・・・?」


【今なら力なんかに負けない!】


「その境地にまではまだじゃろう。」


【どの境地だかは分からないけれどな。】


そう、調子が良いのだ。

何故だろう。

四人が俺を見てくれているのが分かる。

心配の視線ではない。

信頼の視線だ。


【信頼には応えないとね・・・。】


「なんぞ言いおったか、坊主?」


【いいや、どんどん来てくれ!】


打ち込みをかわし、捌き、そして打ち込む。

皆が見ている。

信頼してくれている!

それを良く感じる。


カン!


受け止め、受け流す。

そして剣聖様の木剣を巻き上げる


「ふぉ!?」


そう、それはあらかじめそうなっていたように木剣が舞う。


カロ、コロン・・・。


「坊主、会得しおったな。」


【そうなのかな?】


「誇るが良い、坊主でなければこの速さでは体得できまい。」


【・・・ありがとうな、師匠。】


そう、その日。


この世界に来てから初めての技能アビリティーを会得したのだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【ステータス・オープン。】


フォン・・・


ヘファイストス(Hephaistios) 男 15歳 :神格者


称号     :異世界からの訪問者 :伝説の鍛冶師  

       :創造神の加護    :創造神の寵愛を受けし者

       :神匠        :技能の革新者   


アビリティー :###   レベル5 :#### レベル5 

       :竜殺し   レベル5 :悪魔殺し レベル5

       :異種族殺し レベル5 :敵対者  レベル5 

       

       :森羅万象  レベル1 :不撓不屈 レベル1 

       :明鏡止水  レベル1 :泰然自若 レベル1


       :心眼    レベル5 :気配察知 レベル5 

       :気配隠蔽  レベル5 :危機感知 レベル5 

       

       :神剣技   レベル5 :魔剣技  レベル5 

       :神槍技   レベル3 :魔槍技  レベル3

       :神棍技   レベル3 :魔棍技  レベル3 

       :神拳技   レベル4 :魔拳技  レベル4

  

       :剣技    レベル5 :槍技   レベル5 

       :棍技    レベル5 :拳技   レベル5

       :戦技    レベル5 :術技   レベル5 

       :盾技    レベル5 :操体   レベル5

       :的中    レベル5 :いなし  レベル5 

       :片手武器  レベル5 :両手武器 レベル5

       :制御    レベル1 :教導   レベル3 

       :心技    レベル3


ヒットポイント:9999/9999 +1000

スタミナ   :9999/9999 +1000

マナポイント :9999/9999 +1000


STR    :999 +100

DEX    :999 +100

INT    :999 +100

LUK    :999 +100


スキルはゲームと同じく固定で六十四種類なのだろう。


称号に神匠はあるだろうとは思っていた。

技能の革新者って言うのはこのアビリティーの件だろうか?

これは教えを請えば新たなる技能が身に着くと言う事だろうか?

スキルではなくアビリティー。

しかもレベル制か・・・。


師匠の言う事では心の鍛錬を積めばあの黒い力をも制御できるようになると言う事だ。

ここで新たなる力。

しかも神様達から授かったスキルと言う力ではない。

自身で掴んだアビリティーと言う力だ。


ゲームでは無かった力。


それだけで検証してみる必要はあるだろう。

場合によっては更なる力を手に入れる事が出来るかもしれない。

それは、ルイス達に心配を掛けなくても良い程の力かもしれない。

その新しい力を歓迎する。


だが、初めての力だ。

近日中に検証しよう。

幸いな事に師匠の鍛錬はまだ数日ある。

そこで色々と試してみよう。

・・・大体「###」って何だ?


後、気になったのはステータスの+補正だ。

これは例の声が言っていた七つの楔とやらに関係があるのだろうか?

なんにしろ制御出来てしまえば俺の力となるであろう。


皆と晩御飯を食べている間にもその事が楽しみで仕方がなかった。


ああ、早く明日にならないかな?

こんなに楽しみだったのはウルトラ・オンラインで大型アップデートが当たった時以来だろうか?

風呂に入り早めの就寝を取ろうとしたのだが、今日は眠れそうにないな。

戻ってくる途中でセリスと出会った。


【やあ、セリス。】


「旦那様も風呂上りか?」


【うん、そうだよ。】


「ああ!そうです、旦那様!ルイス殿ばかり・・・羨ましいです・・・。」


【何の事?】


「か、可愛がるのがです!」


【ああ、今日は眠れそうにないから付き合ってくれるかい、セリス?】


「よろしいのですか?」


【セリスが嫌でなければ。】


「もちろん、構いません!深く、愛して下さいませ。」


【今日は新しい発見に興奮していてね、眠れそうにないんだ。】


「だ、旦那様、いつものように激しくするのか?」


【そうして欲しいんでしょう?】


「決してそのような事は・・・ないぞ?」


セリスを御姫様抱っこすると部屋へと急ぐ。


そして、その夜は満足するまでセリスを可愛がるのであった。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

本日、関東は大きな台風に見舞われております。

皆様も気を付けてお帰り下さい。

それでは 次話 高め合う事が出来ると言う事(仮 で、お会い致しましょう!

お疲れさまでした!

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