セリスの悩み
いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!
日にち変わる前に執筆終わりました!
お楽しみ頂ければ幸いです!
晩御飯をセリスお勧めの店で食べている。
そのお勧めの店というのが・・・
「さあ、どんどん食べてくれ!今話題の『らーめん』という食べ物だ。」
「ねえ、貴方。」
【何かね?ルイスさん。】
「もしかしてセリスさんって知らないのかしら?」
【・・・知らなくてもセリスのおススメなんだぞ?食べない訳にはいかないじゃないか。】
「美味しいのですが、何かが足りない感じがしますね?」
【お、サーラも気付いたか?】
「はい、味に何かが足りないというか?」
【これは醤油の熟成が甘いのかもね。】
「じゅくせい?ですか?」
【まあ、美味しいから良いじゃないか。食べよう。】
「ええ、貴方。」
「はい、ヘファ師匠!」
「この『ぎょうざ』と言う物も美味しくてな!なんでもこれも小麦を使っている料理で・・・。」
この日のセリスは何か儚い感じだった。
食べ終わると支払いを、と思うとセリスが言ってくる。
「今日は私が払います、いつも御馳走になっていては接待役として申し訳が無い。」
【・・・じゃあ、お言葉に甘えるよ。】
「御馳走様です、セリスさん。」
「ありがとうございます!」
「この程度、大丈夫です!」
何故かその背中が寂しそうに見えた。
宮殿に戻っても何故かその笑顔に陰りがある。
昼間の試合の事で、何か引っかかっているのかな?
そう思っていた。
蒸し風呂に入り体をすっきりさせると部屋に戻る。
ん?
部屋の入り口にセリスが立っていた。
風呂あがりなのだろう、その頬は上気していた。
「あ、ヘファイストス様、少しお話をよろしいか?」
【ああ、構わないよ。部屋に行こうか?】
「いえ、あそこで話しましょう。」
セリスに誘われて宮殿のバルコニーに来た。
「ヘファイストス様、貴方のおかげで吹っ切れた。」
【・・・セリス、何かあったの?】
「私は・・・騎士団を辞めます。そして正式に貴方の物となろう。」
【ねえ、セリス。無理をしてない?】
「無理などしていない、家庭に入るのだ。これは当然の事なのです。」
【セリス、君の笑顔を曇らせているのは何だい?】
「旦那様・・・そこまで知られてしまったのか、それならば話そう。今まで訓練ばかりで作法などの勉強をしておらぬ。それでは旦那様の役に立てる訳が無い。」
【そんな事は無いだろう?】
「あるのだ!私から騎士と言う物が無くなれば・・・・これまでの私は何をしていたのだろうか?」
【・・・セリスはどうしたいんだい?】
「私は・・・死ぬまで騎士であり続けたい!だが、それでは旦那様の役には立てないのだ!」
セリスの頬を涙が伝う。
【どうしてそう思うの?】
「旦那様は強い。どのような鍛錬を積んできたのかは私には分からない・・・それは誇るべき事だと思う。」
『アリステリア様』のおかげですとは言えないからなあ。
年長者らしく、全部聞いてスッキリさせてあげよう。
「騎士として隣にいる事が私の思いだった。だがそれも出来なくなれば私はどうしたら良いのだ?」
【そんなに大切にしている思いなのに無くしちゃうの?】
「そうだ、そうやって大切な物を無くし、家庭に入る。嫁とはそういう物だと教師役から習った。」
【うーん、その教師役の人は間違っていると思うよ?】
「・・・旦那様は何故そう思うのだ?」
【俺は、好きな事を、やりたい事を辞めて自分を殺してまでも嫁になってほしいとは思わない。】
「ではどうすれば良いのか?このままでは旦那様の役には立てない・・・。」
【そんな事は無いさ、それに俺は騎士を辞める必要は無いと思うよ?】
「だが、嫁になればナナリー殿のように教養を求められるのであろう?」
【うーん、俺はその人にはその人の良い所があると思うんだよ。】
「それでは旦那様が私に求めている物は何なのだ?」
【今まで通りで良いんじゃないかな?】
「今まで通り?」
【そう、今まで通り。俺の嫁になってくれるのは嬉しい、でもそのせいで君の笑顔が曇るのなら俺は君との結婚は諦めるよ?】
「ではどうすればよいのだ!?家庭に入れば今までのような振る舞いは出来ぬではないか!」
【俺はセリスのしたい事をさせてあげたいんだ。】
「私のしたい事?」
【そう、したい事。】
「騎士を辞めなくともよいのか?」
【もちろんだよ。】
「教養を求めなくとも、旦那様の役に立てなくともよいのか?」
【関係ないよ、俺はそんなセリスを好きになったんじゃないからね。】
「旦那様はそれで良いのか?」
【それで良いさ、それにセリスが困っているのなら全力で助ける。それが今の俺の役目だと思うんだ。】
「・・・。」
【何でそんな事を悩んでいるのさ?】
「だ、だが貴族の令嬢とはそのような物だと聞いておるぞ?」
【あー、セリスさんや?王国に戻れば、俺はただの平民で鍛冶師なんだがね?】
「だが、もし父上や他の国の王達に認められれば、エクスィ・スィデラスの第一席になり『尊爵』の地位を賜るのだぞ?」
【あー、興味ないんだよね。】
「ど、どうしてですか!?ものすごく栄誉のある魅力的な話ではありませんか!?」
【セリスには言ってなかったから言うけど、俺の夢は片田舎で皆と鍛冶師をして暮らす事なんだよ。】
「何ですって?」
【君の好きになった男はそのぐらいしか、そのぐらいのささやかな事しか考えていないんだよ。これはルイスには話をしてあるしとナナリーさんも納得している。】
「旦那様はそんな所で埋もれてしまっていいのか!?」
【セリス、才能を持っていても埋もれている人は何人もいるんだよ?】
「それはそうですが・・・だが、旦那様の力や才能は民達の為に使うのが最良ではないのか?」
【セリス、俺の力にも限界はあるんだよ?】
「それはどう言う意味なのですか?」
【・・・俺が側を離れている時にルイスが大悪魔ベヘモドに襲われた。ものすごく危なかったんだ、大切な人の命を危険にさらしてしまった。それに君も知っているだろう?サーラが襲われた事を。】
「ルイス殿の事は初耳だ。だが旦那様が助けたのではないのか?」
【協力者が助けてくれたんだよ。】
「協力者?」
【そうだ、これはセリスだから言うんだぞ?そこの所は分かってくれるかな?】
「旦那様の言葉だ、私の心にだけ留めると誓おう。」
【・・・この国の大悪魔、強欲。俺はその大悪魔と協力関係にあるんだよ。】
「馬鹿な!そのような事が!?」
【そう、そんな事があるんだよ。だからルイスを助けてくれたし、サーラを助ける事も出来た。それに王国には怠惰、アセディアもいるんだよ。】
「王国に行った時には見かけなかったが?」
【アセディアは面倒くさがり屋だからね。普段はベッドから出てこない。考えてみてよ、そんな大悪魔だとか言われてる人でも俺の大切な人達と生活する、意思を疎通する事が出来るんだ。】
「あ、ありえぬ・・・だが旦那様の言だ、信じよう。」
【それで話を戻すけれど、才能の件なんだけど、言った通り限界はあると思っている。】
「だが、旦那様はそんな簡単に埋もれて良い人ではない!それは側で見ている私が保証する!」
【そう言ってくれるのはすごく嬉しい。けどね、セリス。俺だって最初からそうだった訳じゃないのは分かってくれるよね?】
「それはそうだ、でも旦那様の努力の結果が今の旦那様なのだろう?」
【俺の場合は良い出会いがあったからだよ。それで今の俺があるんだ。】
もちろん『アリステリア様』との出会いの事は言えないが。
「出会いですか?」
【そう、出会い。】
「伺っても良いか?」
【もちろんだよ。それはね、良い知り合いや友達に恵まれたからなんだよ。例えばアリスとかね?】
「アリス殿と言えば王国で旦那様やルイス殿の帰りを待っていると言う・・・。」
【そう、あの子との出会いが無ければ今の俺はいないだろう。】
「・・・。」
【それ程の出会いだったんだよ。アリスに会えたからルイスにも出会えてその後にリズやベス、マオに会ったんだ。その時は、ナナリーさんとはギルドの職員と鍛冶師として会っていただけだよ?】
「その出会いが旦那様を変えて、いや、支えてくれているのだな?」
【そう、もちろんだけど、サーラやセリス。君達との出会いもだ。だから何かあったら何でも良いから今日みたいに俺に話をしてくれないかな?】
「・・・分かった、努力しよう。」
【俺もルイスやナナリーさんに何度助けられた事か・・・。】
「旦那様でもそのような事があるのだな。安心した。」
【それは当然だよ。俺だって普通の人間だからね。】
「ですが・・・た、頼りにしているのです。」
【うん、ただし、俺だけじゃないよ?君とともに歩んでくれる人達にも相談するんだ。】
「共に歩む人・・・ルイス殿やナナリー殿、サーラ殿の事か?」
【そう、皆でそうやって話し合えるようになって俺を支えてくれると嬉しい。】
「分かった。皆を頼ろう。」
【そう、それで良いんだよ。そうやって一歩ずつ進んで行けばいいんだ。これから先長いんだぞ?】
「ふふ、そうですね。」
【それでだ、もしも俺が、エクスィ・スィデラスになったとしても在り方が変わらなければ良いと思っている。】
「在り方?」
【そう、あのイェシンのようにならなければ良いんだ。権力なんて物は・・・いやこれは君の方が良く分かっているんじゃないのか?】
「私の方が分かっている?」
【そうだ、身近で見て来ただろう?君の父上の事だ。】
「!?」
【君の父上である皇帝陛下は良く国を治めているじゃないか?俺の尊敬するドリュカスの爺さんのように!】
「ふふ、ははは!そうだ、そうだったな!私は何を・・・小さな事で。」
【それで、セリス、辞めちゃうの?】
「旦那様が許してくれるのなら私は騎士として貴方の隣を歩もう。」
【良い顔をするようになったじゃないか、それでこそ俺の好きなセリスだ。】
「・・・話を聞いてくれてありがとう、旦那様。」
そのセリスの笑顔は何かを吹っ切れたようなとても爽やかな笑顔だった。
セリスとともにバルコニーを出て部屋に向かう。
「旦那様、お願いがあるのだが・・・。」
【何かな?聞けるお願いなら何でも聞くよ?】
「それでは言う・・・今日は、今日こそは私を貴方様の物にして頂きたい。」
その目から訴えて来る覚悟には応える事しか出来なかった。
【ああ、俺の物にしてあげるよ、セリス。】
「嬉しいぞ、ヘファイストス様。」
セリスを御姫様抱っこしてベッドに連れて行く。
待ちきれなくなったのか首に腕を回しキスをしてくる。
【待ちきれないのかい、セリス?】
「そうなのだ、今日こそは、今夜こそは貴方様の物にしてほしい。」
【分かったよ、覚悟は良いかい?】
「もちろんだ、旦那様。」
【今日は俺が満足するまで眠らせないよ?】
「出来れば、この間のように虐めないでほしい。」
【ふふ、可愛いですね、セリス。】
服を脱がす。
下着姿になった今日のセリスは美しかった。
【悪い子ですね、セリス。期待しているのではありませんか?】
「す、少しだけだ、あまり困らせないでくれぬか・・・。」
ですが俺の我慢が限界!
下着をはぎ取るとその美しい体に見とれてしまう。
【綺麗だ、セリス。】
「あ、改めて言うのではない、恥ずかしいではないか。」
そしてその二つの膨らみの柔らかさを両手で味わう。
「んっ!も、もっと激しくしてくれても良いのだぞ?」
【大切にしたいんだ。】
「だ、旦那様・・・。」
【セリス。】
互いに唇を重ねる。
こうして俺はセリスの初めての人となった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝目を覚ます。
昨日は久しぶりに大満足だった。
その相手のセリスの髪の毛を撫でつける。
顔を見ると泣き叫んで喜んでいたので顔が凄い事になっていた。
綺麗に拭いてあげると目を覚ましたようだ。
「・・・。」
【どうしました、セリス?】
「旦那様が意地悪だと言う事が良く分かりました。」
【ふふ、でもすごく素敵でしたよ、セリス。】
「そんな事を言っても騙されません!」
そう言ってプイっと横を向く。
【セリス?】
耳元で囁く。
『もっと激しい方が好みですか?』
「だ、旦那様は本当に意地が悪いです!」
【あはは、ごめんね。でも俺好みで素敵でしたよ?】
「つ、次はありません!」
【あんなに喜んでいたじゃない?】
「意地悪には意地悪で返すと決めました!」
ふふ、可愛いじゃないか。
二つの膨らみを揉んでみる。
「だ、旦那様!?」
【俺の物になった感想を聞いていませんでしたね?】
「・・・。」
【言ってくれないと、次はもっと凄い事をしますよ?】
「い、言わせてもらいますが、次は・・・あんな痴態は晒しません!」
【で、俺の物になった感想は?】
両手で優しくその膨らみを揉む。
「んっ!はい、とても・・・嬉しいです、旦那様。」
そう言ってキスをしてきた。
【ふふ、では次回はもっと可愛がってあげますね。】
「お待ちしております・・・ヘファイストス様。」
【さあ、体を拭いて着替えましょう。朝御飯を作りますからね!】
「旦那様、その前にスタミナポーションを分けて下さらぬか?」
【どうしました?】
「だ、旦那様のせいです!下半身が言う事を聞かないのです・・・。」
【ふふ、分かりました。】
中級のスタミナポーションを取り出し口に含む。
顔を近づけ口移しで飲ませる。
最初は驚いていたセリスだったが、受け入れて飲み込んでくれた。
飲み込むと名残惜しそうに舌を絡めて来る。
そのまま応えてあげる。
しばらくそうしていた。
スタミナポーションを飲んだセリスは何とか歩けるようになった。
支度を整えると朝の日課をする。
【『アリステリア様。』本日も良き日でありますように。】
「戦神ポレモスよ、我に加護を与えたまえ!」
【さて、行こうか。】
「はい、旦那様。」
俺達は腕を組んで部屋を出る。
部屋を出るとちょうどルイスが出てくるところだった。
【お、おはよう・・・ルイス。】
「おはよう、あな・・・た・・・!?」
「おはよう、ルイス殿!」
・・・やっちまった。
これでは言い訳出来ない。
「セ、セリス様。旦那様との距離が近いと思うのですが・・・?」
「ああ、昨夜は夢見心地であった。何度許しを乞うた事か・・・。」
「ほ、ほほう・・・。」
ルイスさん、笑顔が怖いです。
「ちょうど良い、ルイス殿も一緒に行こうではないか!」
「良いですね。で、何処に行かれるのかしら?」
「改めて旦那様の手料理を味わうのだ。行こうではないか。」
「ええ、是非。お話も伺いたいわ。」
「ああ、構わん。昨夜の旦那様はとても逞しく・・・。」
二人で厨房の方へ行ってしまった。
これからの事を思うと気が重い。
そこに止めでサーラがやって来た。
「ヘファ師匠。おはようございます!」
【やあ・・・おはよう、サーラ。】
「何か元気が無いですよ?大丈夫ですか?」
【まあ、朝御飯を食べに行こうか。】
「ええ、今日は何を食べさせて頂けるんですか?」
【うん・・・楽しみにしておいてくれ。】
この後の事が不安だったが、サーラと二人の後を追いかけて行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ええっ!?ヘファ師匠に抱かれた!?」
「サーラ殿、声が大きいではないか。他の者に聞かれたらどうするのだ。」
「私との約束は!?」
「・・・嫁なんですから、仕方が無いと思うしかないかしら?」
「ルイスさん、目が笑ってないですよ?じゃなくって!私の番は!?」
【・・・。】
ぐう、二人の視線が痛い。
「はい、済みません。」
「それでだな、旦那様は意地が悪いのだ。何度も許しを乞うたのだが聞き入れてもらえず、戦いでもベッドの上でも完敗してしまったぞ。」
「ぐぬぬぬ・・・。」
「どうしたのだ?サーラ殿。」
「ヘファ師匠!先は私って言いましたよね!」
「サーラ殿、済まぬ。だがどうしても抱いてほしかったのだ。」
「セリスさん、何かあったのですか?」
「ああ、ルイス殿。旦那様は人としても男としても素晴らしい人だと思い知らされた。」
「ねえ、貴方。何があったのかしら?」
ルイスさん、笑顔が怖いです。
「ああ、旦那様に悩みを打ち明けているうちにな、そのあとにどうしても抱いてほしくなってしまい・・・。」
「それで、貴女の悩みは解消したのね?」
「そうだ、旦那様のおかげだ。」
「くうぅ、私の悩みも・・・はい、済みません。」
ルイスさん、視線が怖いです。
「それで、貴方。私に何か言う事は無いのかしら?」
【セリスをあのままにはしておけなかったんだ。ごめんね、ルイス。】
「貴方、謝ってほしいのではないの。ただ、私やナナリーさんの事も考えて頂戴ね?」
「もちろんだよ。」
「ルイスさん、第三候補の私の事も!」
「サーラさんは後でお話があります。」
「ひいぃ、済みません!」
「それでだな、旦那様の新たなる一面を知ったという事なんだ。」
「「新たなる一面?」」
「そうだ・・・夫婦の営みの時はとにかく意地が悪いのです。頼んでも頼んでもゴニョゴニョ・・・。」
「あー、分かるわ。あの時だけ意地が悪いのよね?」
「ゴクリ、そ、そうなんですか?」
「ええ、ただ、あの逞しい両腕には逆らえぬ。あんなに細い腕をしていると言うのに・・・。」
「そうね、抱かれてみないと分からないわよね。」
「ふむふむ・・・。」
「サーラさん、メモを取っても駄目よ?」
「ど、どうして私ばっかり!」
「あの人を悩ませた事・・・忘れていないわよ?」
「ルイスさん、笑顔が怖いです。」
「ルイス殿、旦那様とサーラ殿の間に何があったのだ?」
「話せば長くなるのだけれど、この人がサーラさんに自信を付けてあげたのよ。彼女はそれを利用するような事をして・・・。」
「そ、それはその・・・。」
「何か言う事があるのかしら?」
「ありません・・・。」
「ルイス殿、旦那様の事だからサーラ殿には、それはとても魅力的な物に見えたのだろう。許してやってはくれまいか?」
「・・・ナナリーさん次第よ。」
「ならば、私も説得する事に力添えを致そう。それで良いな、サーラ殿?」
「セリス様!ありがとうございます!」
「ふう、私はもういいわ。そろそろ許してあげる。ただし、次は無いわよ?」
「ルイスさん、笑顔が怖いです・・・。」
「さて、それでは旦那様の料理をいただこうではないか!」
【朝だから白菜の中華粥にしてみたよ。】
「「「ちゅうかがゆ?」」」
【えっとね、お米をスープで炊き上げて作る料理の事だよ。】
「へえ、美味しそうな匂いね。」
「そうですね、これは鶏でしょうか?」
「旦那様、小麦粥とは違うのだな?」
【まあ、食べてみてよ。胃に優しいし、しかも美味しいんだよ。】
「では、食べてみましょう。」
「「ええ。」」
「「いただきます。」」
「そう言えば、ルイス殿達は何故「いただきます」と言うのですか?」
「そう言えば・・・どうしてでしょう?」
サーラさんや、知らないでやっていたのかい?
【ああ、これは俺の住んでいた所の風習で『神様、大地の恵みをありがとうございます。有難くいただかせてもらいます。』を簡略にした物なんだよ。】
「そうだったんだ・・・。」
サーラさん、メモなんか取らなくても良いんですよ?
「ふむ、変わった風習なのだな。皆がやるのだ、私だけやらぬ訳にはいかぬな。「いただきます。」」
「ほふ、熱い!けど美味しいわ!」
「はい、美味しいですね。これが胃に優しいと言う事なんですかね?」
「ふむ、これは美味いですね。さすが旦那様です。」
【お代わりもあるからね。】
「「「はい!」」」
こうして皆と楽しく朝御飯を食べた。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
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皆様に感謝を!
拙者も悩みながらですが執筆を進めておる次第でございます。
それでは 次話 剣聖(仮 で、お会い致しましょう!
お休みなさいませー!