神と七大悪魔の関係
いつも読んで頂き、誠にありがとうございます。
執筆終わりました。
お楽しみ頂ければ幸いです。
【こりゃでっかいわ・・・。】
グレイさんに案内されて馬車でノモスの家に着いた所だ。
オーカムの爺さんの家の何倍あるのだろうか?
「アーサー殿、ボケっとしてないで入るぞ?」
【は、はい、グレイさん。】
開かれた扉を潜る。
「「「いらっしゃいませ、アーサー様!」」」
入った所のホールで使用人さん達の大歓迎を受けた。
「アーサー、良く来たな!」
【やあ、ノモス。大歓迎、ありがとう。】
「アーサー様、御久しぶりです。」
【ファリスさん、お久しぶりですね。情報ありがとうございました、助かりましたよ。】
「ふふっ、それならばよろしかったですわ。」
がっしりと握手する。
「案内は省くぞ?早速だが話を聞いてくれるか?」
【ああ、しかしでっかいわー・・・。】
「何を驚いているんだ、王宮よりは小さいだろう?」
【いやいや、十分に驚いてるよ、さすがは大商会の会頭で侯爵閣下。】
「その侯爵位はアーサーのおかげだけどな。」
そんな事を話しながら部屋に通される。
すんごい豪華ですな!
ライオンの頭だけの剥製とかあるぞ。
金持ちあるあるじゃないか。
「遠慮なんかするな、さて、まずは報告から聞こうか。ファリス、詳細を。」
「はい、ノモス様。まずは七大悪魔と神に関する記述です。」
【例の黒いプレートの?】
「それとは別です。文献に記載された内容が神々と七大悪魔に関係する物を発見致しました。」
【それで、なんて書いてあったんですか?】
「詳細は精査中ですが・・・文献の内容はこうです。」
『そこは楽園、神々と使徒の住まう場所。
そこにはすべての物があった。
ある時、神々はその地に人族を御作りになった。
神々の寵愛を受ける人族はなんの不自由なくその楽園で暮らす。
だが創造神は人族を作る際に、その心に欲望を作ってしまわれた。
人族は神々の更なる寵愛を受けようと群となって争いを始める。
これが戦争の始まり。
それ程に欲望と言う物は力が強かった。
神々は人族の欲望を奪おうと奮闘する。
だが、それにも限界が訪れる。
限界を迎えた創造神は六柱の神々を連れ大地を去ってしまった。
それぞれの従者である七名の使徒を連れて。
残された人族の争いは留まる所を知らなかった。
人族は空にいらっしゃる新たなる神の楽園を求めて追いかける。
ある者は高い塔を建てようとして同じ人族を使役するようになった。
またある者は魔法を使って空を飛ぶ研究を始めた。
またある者は神の後を追いかけようと科学の力を追い求める。
だが、高い建物には神の雷が降り注ぐ。
また、魔法の研究には十段階の制限が掛けられた。
そして、科学の力は禁忌として失われてしまった。
それでも人族の欲望は止まらなかった。
新たなる楽園を求めて戦争をするようになった。
創造神は欲望に忠実になってしまった人族に涙する。
それが神々の従者である使徒七名の欲望をも開放させてしまったのだ。
第一の使徒は神々の寵愛を受ける人族の寛容さに対して更に強欲になった。
第二の使徒は神々の寵愛を受ける人族の謙虚さに対し傲慢になった。
第三の使徒は神々の人族に対する忍耐強さに怒り憤怒となった。
第四の使徒は神々の寵愛を受ける人族の勤勉さに対して怠惰になった。
第五の使徒は神々の節制する美味を独占したくなり暴食となった。
第六の使徒は神々の寵愛を受ける人族の純潔を一身に受けたくなり色欲となった。
第七の使徒は神々の寵愛を受ける人族の慈愛を羨み嫉妬となった。
七名の使徒は堕落した後、天空の楽園より追放される。
使徒達は七大悪魔と名付けられる。
これが七大悪魔の始まり。
その中でも嫉妬となった使徒の弟は人族ながら姉を追いかけて自らも堕落させられた。
そして神々と八名の大悪魔との諍いは激しさを増す。
七大悪魔ともう一人の欠落した大悪魔は人族を巧みに利用し神々に対抗した。
その人族の行いは神々を激怒させた。
人族はその行いを後悔する。
神の寵愛の戻る事は無かったのだ。
そして神々と八人の大悪魔と人族との決別が激化する。
そう、これがすべての始まり。
勇者と魔王と言う抑止力の始まりである。』
「解読できた文献はここまででございます。ただ、神都の文献なので信憑性は高いと思われます。」
【これは・・・凄い事が書いてありますね、よくこんな文献を見つけられましたね。】
「ファリスは優秀だからな。それでアーサー、読んでみてどう思う?」
【神々の寵愛欲しさに色々とやらかしている人族ってどうなんでしょうね・・・。】
「そうだ、これは愚かな人族の歴史でもあると思われる。」
「アーサー様、神の代弁者を自称するラプロ教の協議にこんな文言がございます。」
【それはどんな文言なんですか?】
「汝、神の後を追う事無かれ、教義に忠実であれ。その行いは一歩、楽園へと近づくであろう。です。」
【教会か、ややこしいのが出て来たね。】
「神を語る上では欠かせない勢力ですね。ちなみにアーサー様も教義にのっとった行動をしているのですよ?」
「え!?俺が?」
「はい、簡単に言いますが「多くの子孫を残せ」です。アーサー様の嫁は何人になるか楽しみでございますね。」
【ファリスさん、俺は『アリステリア様』の信徒であって教会の信徒ではないからね?】
「それは良く存じております。ただ、アーサー様、屋敷に入った時からの視線にも注意して下さいね?」
【ど、どういう事かな?】
「知らないとは言わせませんよ?侍女達への視線です。この屋敷にはノモス様の恩恵を受けて巨乳の人達がたくさん働いていらっしゃいますからね。」
【・・・本当に申し訳ない。】
素直に頭を下げる。
そうです、犯人はコイツです。
「分かって下さればよろしいです。それでは話を戻しますね。我々の言う七大悪魔とは神々に最も近かった使徒だと言う事が判明致しました。」
「そうだ、それであの力。納得が行くだろう?しかもまだ力は隠されていると思うぞ?」
【そうなんだよね、ティアも領域内で本気を出せばどんな事になるのかは分からないと思うし、アセディアだって面倒くさがりでなければ王国にどんな被害が出ていたか・・・。】
「あの光の魔法の事か?」
【そう、10thの魔法の詠唱破棄だぞ?人間には無理だ。】
「・・・アーサー、よく無事だったな。」
【『アリステリア様』に祈りが届いたのかもね。】
「報告書では読んでおりますが・・・10thの詠唱破棄でございますか!?」
【そう、無詠唱だった。ただ気になる点があるんだよね。】
「どのような点ですか?」
【ベヘモドは領域内と思われるアビシャル・シャフト内で10thの呪文を使ったんだが詠唱していたんだよ。】
「どう言う事だ、アーサー!?」
【この文献に書いてある通り使徒が堕落したものと人間が堕落したものの差じゃないかなーと思う。】
「それ程の差があると?」
【そう、だから俺達は運が良いと思うよ?ティアとアセディアと本気で戦っていたら絶対に勝てなかったはずだ。】
「「・・・。」」
【で、文献の情報で最も気になるのは最後の文言、『勇者と魔王と言う抑止力の始まり』って所かな。】
「俺も気になる所なんだがな、それがな・・・。」
「勇者と魔王の文献と言う物が全くと言っても良い程に見当たらないのです。」
「ファリスが神都で探しても無いと言う事は、本当に無いのだろう。」
「もしかしたらですが・・・協会が隠蔽、禁書指定をしているのかもです。」
【禁書指定?】
「はい、禁書という枠にいれ、閲覧制限をしているのかもしれません。」
【ファリスさん、無理はしないで下さいね。教会勢力と争っても良い事なんかないと思いますよ?】
「分かりました・・・申し訳ございません、アーサー様。」
「いや、俺もそう思うぞ、アーサー。部下を危険に突っ込んだりはしたくない。」
【それとここの嫉妬の弟の表記だがベヘモドの事で間違いないだろうね。魔物のベヘモドを倒した後に20~30代の男性になったんだよ。】
「本当か、アーサー!?」
【ああ、最後に姉に済まないと伝えてくれと言われたんだ。それは人としての意識を持っているようだった。ただ、残念な事にその後は黒い靄になって消えてしまった。】
「例の巨大なコアか?」
【そう、でもその巨大な物もティア達と比べるともしかしたら小さいかもしれない。】
「先程の話からの推測だな?」
【そうだ、運の良い事に本物だと思われる七大悪魔とまだ戦っていない事になるんだよ。】
「だが、まだそんな奴らが後五体もいるのか・・・。」
【そうだよ、ノモス。ちなみにオーガの牙がいても勝てるかどうか・・・。】
「それ程の予想か?」
【うん、それぐらいの予想をしていないと・・・いざ戦う時に後れを取りそうだ。】
「ですが、アーサー様、『話し合う事』が出来るのですよね?」
【そこなんだよね。強欲のティアは意見が一致した事で話し合う事が出来た。アセディアは面倒くさがりだった事もあって話し合う・・・料理で意思疎通が出来た、と思う。】
「ふふっ、報告書で読んだ時には驚きましたが。本当のようですわね?」
【そうなんですよ、本当に運が良かったですよ。】
「それで、アーサー。この文献によると『神の寵愛は戻る事は無かった。』となっている。だが俺達が寵愛を無くしたのならば何故『アリステリア様』はあの場に現れた?」
「憶測ではありますが、少なくとも見捨てられていないと言った所ではないかと。」
【ファリスさん、その憶測の根拠は?】
「それは俺から話そう。アーサー、ここで俺が思った疑問を聞いてくれるか?」
【どんな疑問だい?】
「我々が見捨てられたものだとするとおかしな点がある。」
【それは?】
「アーサーなら気付いているだろう?」
【スキルの事?スキルは神々の恩恵だよね?】
「そうだ、それと魔法もだ。」
【ああ、そうか!魔力の根源であるマナは神々の力だったよね?】
「そうだ、文節の『神々と八人の大悪魔と人族との決別が激化する。』だが、それならば何故我々はそれらを使える?」
【敵対するような者達にわざわざ力を与える事の不自然な所か・・・。】
「我々は悪魔族のように元々魔法を使う力を持っている訳では無い。これらの力はすべて神々の恩恵による物だ。」
【そうだね、俺達の解釈のほうが間違えている可能性もあるのかな?】
「その考えにも一理ある。だが、これで少しだが前進した。」
【そうだね、敵対しているようにも取れる文章だけど続報が気になる所だね。】
「そうだ、根拠は無いがそれらが使えると言う事は見捨てられていないのではないのか?と言う事だ。」
【うーん、謎は深まるばかりか・・・。】
「それと、なに不自由なく暮らしていたはずの楽園を手放すという文言、これは現在の我々の事では無いのか?」
【俺達の事?】
「真摯に上を目指す者もいれば、相手を蹴落としてでも上を目指す者もいる。それが我々人族だろう?」
【そうだね、今回の件もそうだった。】
「この文献だけだとまだ分からんが、神々と敵対した事で楽園を追い出された可能性もある。」
【うーん・・・この文面だけだとまだ判断は出来ないかな?】
「もしその考えが合っていたら?その我々が本当に神々に見捨てられないように祈ろうじゃないか。」
【そうだね・・・。】
「さて、それでだ、アーサー。」
【まだ何かあるの?】
「『アリステリア様』が降臨される程の事を君がやったのはこの大陸の皆の知る所となった。」
【目立ちたくはないんだよね。俺の夢は片田舎でルイス達と鍛冶をして暮らす事なんだから。】
「そうも言っていられまい。六人会議が開かれるのならばエクスィ・スィデラスが全員集まるんだぞ?」
【そうみたいだね。やっぱり俺は行かないと駄目なのかな?】
「おいおい、今回の目玉が行かないなんて選択肢は無いと陛下にも言われただろう?」
【俺は静かに皆と過ごしたいだけだよ。】
「っふ、嫁さんを四人も作った奴の言い草とは思えないぞ?」
【それを言われると弱い。っていうかノモスは嫁さんを作らないのか?】
「俺は二人いるぞ?娘もいる。・・・未成年だからな?」
【分かった、分かっているよノモス!それはそうと挨拶に・・・。】
「アーサー様、今は奥方様方にお会いしない方がよろしいかと。」
【ファリスさん?】
「奥様方の情報伝達の速さの事は甘く見ない方がよろしいかと。」
【情報伝達の速さ?】
「貴方様の作ったと言われている『下着』の事ですよ。」
【え!?あれは公表してないはずなんだけれど?】
「ルイス様とサーラ様の事ですよ、会場でのあの体形の良さの秘密を知られてしまったようです。」
【・・・怖いから今は会わないようにするよ。】
「それがよろしいかと。」
「ふう、まあそう言う訳だ・・・疑問だらけになってしまったが他に何かあるか?」
【大丈夫だ、何もなければ約束があるので失礼するよ。】
「ルイス嬢とか?」
【いや、セリスだ。】
「ほう・・・。」
【・・・いいかノモス。何もないからな?絶対にないからな?】
「俺は何も言っていないぞ?」
【っく、いいか何もないからな!】
話は終わりだとばかりに席を立つ。
「アッハッハ、また会おうアーサー!今度は良い知らせを待っているぞ。」
【何にもないからな!本当だぞ!】
ノモスのニヤニヤした笑顔で送り出されてしまった。
「アーサー様、王宮まで御送りになりますか?」
【大丈夫ですよ、魔法で帰ります・・・っとその前に。】
ファリスさんに見送られて玄関に出るとマーカーで場所を記憶しておく。
そしてリターンで王城へと戻る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
うーん、謎だらけになってしまった。
ファリスさんの部下が引き続き調査してくれているらしいけども気になるな。
使徒=キリストの福音を伝える為に遣わされた者、だったかな?
使徒と言えば元の世界では十二人いたとか何かで読んだ記憶があったな。
キリスト教の勧誘の広告だったかな?
だが、この世界では七人。
しかもそれぞれが全て大悪魔になっているようだ。
うーん、気になるから後でティアにでも聞いてみようかな。
考えながら部屋に戻ろうとすると部屋の前に誰かが立っている。
【セリス、どうしたの?まだ二十一時だよ?】
「は、早い方が良いかと思ってだな。そ、それで部屋には入らんのか?」
「失礼致しました、それではお入りください、レディ。」
「う、うむ、入るぞ!」
部屋に入るとセリスが挙動不審だ。
そして視線を俺とベッドに交互に向けて不自然な程にキョロキョロしている。
【セリスさんや、まずは落ち着こうじゃないか。】
「お、落ち着いているぞ!?」
【それなら良いが、まあ、ベッドにでも座ってくれるかな?】
「いきなりするのか!?」
【何をするのさ?】
「ふ、夫婦の営みだ!」
【えー・・・本気だったの?】
「ヘファイストス様は本気では無かったのか!?」
【冗談だと思ってたよ。】
「むう、貴方はそう言う所だぞ!もっとだな・・・。」
【もっと?何かな?】
「っく、その顔は分かって言っておるな!」
立ち上がるとセリスをベッドに押し倒す。
「・・・す、好きにすると良い!」
【セリスは初めてなんでしょう?】
「そ、そうだ!出来れば、優しくして頂きたい・・・。」
【悪い子だね、サーラより早くしてほしいのかい?】
「サーラ殿とははまだなのか?」
【ええ、まだ致しておりませんよ?】
「・・・駄目なのだろうか?」
【駄目ではありませんよ、ふふ、可愛いですね、セリス。】
唇を奪う。
舌で口内を蹂躙する。
ぎこちないが応えてくれる。
「ぷはっ、貴方との口付けは心地良い・・・つ、次は何をしてくれるのだ?」
右の人差し指を唇に当てる。
そのまま顎から首へ。
そのまま下へ。
胸の位置まで来ると指を止める。
【サーラとの約束が先なので今夜はセリスの口と胸を使ってあげましょう。】
「口と・・・胸を?」
【そうです、ほら、触って下さい。】
セリスの左手を掴み俺のマイサンに当てる。
「こ、こんなに硬く大きくなる物なのか!?」
【ええ・・・セリスが魅力的だからです、ほら服を脱がせますよ?】
「か、構わん!」
上下の服を脱がし下着姿にする。
下着姿になったセリスは美しかった。
だけれどそこで俺の我慢が限界!
今夜はセリスの口と胸を十分に堪能するのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
セリスの体を濡れたタオルで拭っている。
「んっ・・・。」
【気が付きましたか?】
「こ、ここ・・・は・・・?」
【俺の部屋ですよ。】
「からだが・・・いうことを・・・きかないです・・・」
【可愛かったですよ、セリス。】
痴態を思い出したのだろう。
顔が真っ赤になる。
「だんなさまは・・・いじわるですね・・・。」
【セリスが可愛かったからですよ。】
「つかれました・・・。」
【そのまま眠って頂いても結構ですよ。】
「おやすみなさいませ・・・だんなさま・・・。」
「お休みなさい、セリス。」
すぐに寝息が聞こえて来た。
初めての子に無理をさせてしまった。
反省。
でも、興奮したなあ。
・・・初めてを奪った時の声はどんな物であろうか?
想像して興奮する。
おっと、ティアの所良いかないとね。
時間は二十四時になる所だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【ティアー?ティアさんやー?】
見当たらない。
どうしたのだろうか?
【大好物のミルクレープだぞー?】
ふむ、影からも出てこない。
・・・おや?
遺跡の屋上らしき所へ向かう。
階段は見当たらなかったのでテレポートの魔法で向かった。
【おーい、ティアー。来たぞー?】
【・・・。】
恨めしげな顔でこちらを見て来る。
【何かあったの?】
【・・・ダーリン、聞きたい事があるのではなくって?】
【いっぱいあるけれど、ティアって使徒様だったんだね。】
【そうよ、私はあの女神から生み出された・・・第一の使徒よ。】
【あの女神?】
【ダーリンが大好きな、『アリステリア』よ・・・。】
【【アリステリア様』の使徒だったの!?】
【そうよ、これで私があの女神を嫌いなのが分かったでしょう?】
【ティア、何で楽園を追放されてしまったのかは何となくわかったんだけどさ。欲望って怖いよな。】
【そうね・・・でも欲望が無ければ今の私はいないわよ?】
【それは困るな。俺は今のティアの事が好きなんだからね。】
【・・・ダーリン、口付けをして頂戴。激しい方ね。】
【分かった。】
側により隣に座るとティアの唇を奪う。
舌を入れると答えるように舌で迎えてくれた。
しばらくそうしているとティアは満足したのか唇を放す。
【・・・ダーリン、神々も万能では無かったの。】
【うん、欲望を生み出しちゃった人族を作っちゃったからね。】
【そうではないの、欲望は絶対に生まれてくるものだったのよ。】
【絶対に生まれてくる?】
【そう、私だって欲望に侵される前にあの女神のようになりたいと思ってたわ。これは欲望なのでは無いのかしら?】
【そうだね、でもなんで神々は人族から欲望を消せなかったんだろう?】
【それはね、人族の欲望が多くて強すぎたのよ。】
【多くて・・・強すぎた?】
【そう、強すぎた。消しても後から後から湧いてくるので、あの女神も諦めて最終的には楽園であるこの大陸を捨てたのよ。】
【楽園と言うのはこの大陸の事だったのかい?】
【そう、楽園・・・今日はここまでにして頂戴。】
ティアはそう言うと遠い目をして何かを思い出しているような気がした。
【分かったよティア。じゃあミルクレープを食べようか。】
【今日は何個あるのかしら?】
【三個でございます、レディ。】
【切り分けて頂戴。】
【かしこまりました。】
もっと聞きたい事はあるのだが急いでもティアを傷つけてしまうかもしれない。
この子にはそんな事はしたくない。
なあに、急ぐ事は無いさ。
星空の元、ティアと食べたミルクレープはすごく美味しかった。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
大変に励みになります!
皆様に感謝を!
さてさて、話を組み立てているのですがとある表現が上手く文章に出来ません。
エ〇チな事ではありません。
その為、今執筆しているエピソードがうまくまとまらないと言う状態になっております。
2~3エピソードの事なのですが物語に重要な事でありまして煮え切らないのです。
執筆を頑張っておりますが披露するのは少し遅れるかもしれません。
楽しみにして下さっている方々には申し訳ありませんがしばらくお待ちいただけると有難く・・・
それでは 次話 セリスの覚悟(仮 で、お会い致しましょう!
いつも応援下さりありがとうございます。
お疲れ様です!