勘違いからの騒動
いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!
執筆が終わりました。
お楽しみ頂けると幸いです。
次の日の昼飯時。
そう、何故か俺は厨房に立っている。
皇帝陛下と皇子、十六名、皇女、七名の昼食を作る為だった。
皇子って十七名じゃなかったっけ?
まあいい。
今日は欧州風にしてみた。
皆様のテーブルマナーを拝見致しましょうか。
そう思って作ったのだが・・・。
「ヘファイストス殿、このさーもんのたるたると言う物、量が少ないぞ。この美味い物をもっと持ってまいれ!」
「兄上、神匠様にそのような言い方はあり得ませんよ。」
「このとりゅふなるものをもっとかけて頂きたい!」
「これが肉なのか!?柔らかい!もっと持ってまいれ!」
「このてーりぬという物が美味い!お代わりだ!」
「ヘファイストス様。このみるくれーぷというデザートをもう一皿良いかしら?」
「姉上!それは私も狙っていたのです!ヘファイストス様、私にもよろしくて?」
・・・皆様方、テーブルマナーは何処へ?
皇帝陛下が頭を抱えていらっしゃいますよ?
セリスは落ち着いて食べているようだ。
・・・いや違う。
あれはお代わりが欲しい時のソワソワだ!
食事が落ち着くと皇帝陛下の話が始まる。
「第二王子、テタルトスを廃嫡し、その罪許しがたき事であり処刑した。お前達も気を引き締めるが良い。兄弟喧嘩ならば良いが、それ以上にして父を悲しませるなよ。」
「「「はい!皇帝陛下!」」」
ああ、例の件での処罰か・・・。
早速手を打っていたのか。
だが、処刑とは穏やかではないね。
証拠はあったのかね?
「それと、エクスィ・スィデラス、第二席、藍玉殿から正式にエクスィ・スィデラスよりの除名を請願する請願書を受け取った。」
「陛下、それでは、事実上の崩壊ではありませんか?」
「そうだ、これでエクスィ・スィデラスは第一、第二、第三席がいなくなる事になる。それで我はヘファイストス殿を第一席として迎える事を各国の王に進言するつもりだ。」
ちょ!?
まさかの人事!?
「おお、まさに、まさに!創造神様から神匠の位を受け取った人物にこそ相応しい!」
「左様ですな、陛下。で、残りの空席はどうされるおつもりなのですか?」
「当人同士で話し合いをしてもらう、六人会議を招集しようと思う。」
「何年振りでしょうな?」
「陛下も御出席になられるのですか?」
「もちろんだ、その間は第一王子であり、宰相のトゥリトスにこの国を任せる。励むが良い。」
「ははっ、必ずや父上の、国の力になって見せましょう!」
「・・・トゥリトス、決断は慎重にするのだ。良いな?」
「っは、肝に銘じておきましょう。」
「して、ヘファイストス殿よ、それで良いな?」
皆の視線が俺に集まる。
その目は期待に満ちていた。
そうなんだよね、あれから皆の俺を見る目つきが変わったのだ。
『アリステリア様』、効果覿面ですよ・・・。
【陛下、有難いお話なれど、辞退致したく。】
「ならぬ、ヘファイストス殿はあの件で他の者の模範となる事を義務付けられたのだぞ。それを受けないという選択肢は無い。」
【ですが!】
「今回ばかりはならぬ、各国の王もそう言うであろう。それに『アリステリア様』の期待は裏切れまい?」
その名前を出すのは卑怯ですよ。
どうやら辞退は難しい様だ。
逃げ出したいが、皆がいるから無理だろうな・・・。
それに、『アリステリア様』の願いかもしれないしね。
【分かりました、陛下。ですがいくつか条件がございます。】
「ヘファイストス殿、条件を出せる立場だと思っておるのか?」
【これを飲んで頂けなければ、私は辞退をし隠居致します。】
「馬鹿な!そなたまで・・・いや、で、その条件とは?」
【それでは一つ目、俺の作った武具等を人族同士の戦争目的で使わない事。】
「うむ、各国の王もその条件は飲むであろう。」
【二つ目、俺の作る武具に対してです。金儲けの道具にはされたくありません。】
「・・・それは当然だな。」
【ただ、これは俺が委託した人に対しては問題ないとさせて下さい。】
「・・・うむ、それは問題はないであろう。偽物など打てるはずがないだろうからな。」
【はい、三つ目として俺の作る物に国が文句を言わない事です。】
「それは、どういった意図があるのかね?」
【例えば聖剣です。作るのは構いませんがそれは将来『勇者』に対して捧げられる物だと言う事を忘れないで頂きたい。】
「ふむ・・・まだ続きがあるのであろう?」
【はい、俺の中で、ですが・・・また神剣が打てるかどうかは試してみないと分からないと言う事が根本にあります。】
「なんと、ヘファイストス殿は次に神剣が打てるか分からないと言うのか?」
【言った通りです、初めての事なので試してみないと、俺には分かりません。】
「ふむ・・・。」
【それに、神剣が出来るたびに『アリステリア様』が降臨あそばれるわけでは無いと思われます。】
「そうじゃのぅ。そのような事はあり得ぬだろうな。」
【はい、おそらく今回のみの降臨ではないかと思われます。】
「我は、いや、我々は運が良かったと言う事じゃな。有難く思うぞ、ヘファイストス殿。何せ、この目で創造神様を見る事が出来たのだからな。」
【はい、今回は運が良かった。と、思うようにするべきです。】
「成程な・・・他にはないか?」
【最後として、専用品は俺が打っても良いと思える人にしか作りたくないと言う事です。】
「それは当たり前の事じゃのう。犯罪にでも使われてはたまった物ではないからな。その目で判断した者にしか打ちたくないのは道理よな。」
【左様です。以上、四つの条件だけは飲んで頂きたい。】
「分かった、各国の王、代表には我から書簡を送ろう。・・・他にはないのだな?」
【今の所、思いつくのはそんな物かと。】
こうして俺は四つの条件を出した。
陛下は苦笑いをしていたが書簡だけではなく口頭で各国の王に伝えると答えて下さった。
これで少しは安心かな・・・?
区切りも良い。
ルイス達の所へ戻るかね。
【それでは、陛下、皆様。失礼致します。】
「陛下、それでは。」
そう言って部屋を出て行ったのだがセリスが後をついてくる。
【セリス、今日は行動を共にする予定はありませんよね?】
「はい、ですが・・・お邪魔でしょうか?」
【いえ、構いません。付いてきなさい。】
「はい!ヘファイストス様!」
ルイス達の所に戻ろうとしたのだが、その通り道である広間に人だかりが凄い。
「おお、神匠様!是非我が城へ。」
「いやいや、私の家に年頃の娘がおりましてね、是非に輿入れを・・・。」
「神匠様、是非にその技をお教え願いたく!」
「神匠様!」
「「「神匠様!」」」
「「「そなた達、やかましいぞ!!!」」」
セリスから雷が落ちた。
「ヘファイストス様への武礼は許さん!」
「皇女殿下は我らが無礼を働いたと!?」
「皇女殿下と言えどもそれはあまりにも・・・。」
「まさか帝国で独り占めする気ではあるまいな!?」
「そんな事は無い!前もって日時を決めてから会いに来るが良い!」
「それでは私めは明日御相談したい事がございまして!」
「抜け駆けか!それは許さんぞ!」
「そうだ!許されんぞ!」
「五月蠅い、これは早い者勝ちと言うのだ!」
うーん、どうしたらいいのかねえ。
・・・うん、逃げよう。
セリスを抱き上げるとその輪から抜け出す。
「神匠様!お待ちを!」
「是非話を!」
「教えを!」
俺は何処かの宗教の教祖様ではない。
構わず逃げる。
練兵場まで逃げると周りに人はいなくなっていた。
いや、正確には兵士しかいなくなっていた。
「お?神匠様じゃねえか?」
「こんな所に来ても鍛冶師としての仕事はねえですぜ?」
「違えねえ!」
「「「ワッハッハッハ!」」」
「それで、アーサー、いやヘファイストス師範、とうとうセリス様を輿入れか?」
兵達の視線の先にはセリスを御姫様抱っこしている俺がいる。
「それはめでてえ!野郎ども二人を祝福だ!」
「「「おおっ!」」」
セリスを抱えながら胴上げをされてしまった。
「ヘファイストス殿、私を選んで下さってありがとうございます。」
【セリスさんや、気が早すぎるのではないのかね?】
「もう放しません、旦那様。」
【いや気が早すぎると。皆も人の話は聞こうか!?】
こうして俺とセリスの仲は城中で囁かれる事となった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「で、貴方。どういう事なのかしらね?」
「そうです、まだ私と初夜もしていないんですよ?」
【いや、皆から逃げてたら、いつの間にかこんな事になっちゃってね・・・?】
「旦那様、初めてはラブロの宿屋が良いな。あそこは夜景が美しい。きっと気に入るはずだ。」
「「【・・・。】」」
「婚前旅行は徳之島が良い。そこにある温泉と言う物に夫婦で入るのだ。」
「「【・・・。】」」
「どうしたのだ、旦那様?」
【セリスさんや、旦那様とは誰の事なのかな?】
「もちろん、ヘファイストス様の事ではありませんか!」
【俺は旦那様になった記憶が無いのだがね?】
「そんな、それではあの口付けは嘘だったのですか!?グスッ・・・。」
「貴方、そこの所は詳しく聞きたいわね?」
「そうですね、ヘファイストス様。」
ずずいっと二人が迫って来る。
【ふ、二人とも落ち着こうか、セリスは泣かないでくれないかな?】
ああ、半日前に戻りたい。
くそう、誤解なのに!
「はぁ、それでどう収める気なのかしら?」
「そうですよ、ヘファイストス様。この分だと皇帝陛下の耳にも入っていますよ?」
【誤解なんだよ!】
「酷いです、ヘファイストス様。それでは私の事は遊びだったと言うのですね・・・。」
「「【・・・。】」」
『ルイスさん、だから言ったじゃないですか。気を付けて下さいと。』
『だけどこんな事になるなんて思わないでしょう!?』
『相手は一国の姫様なんですよ?これで誤解なんて分かったらどんなお咎めが・・・。』
『そ、そうね・・・。』
【はあ、良いかい、セリス?俺の一番はそこにいるルイスだ。それは変わらない。】
ルイスが頬を赤く染める。
「私は何番目なのですか?」
「「【・・・。】」」
「ナナリーさんに何て言うのか楽しみね。サーラさんの事も含めて。」
「そうですよー、ちゃんと私が三番目だって説明して下さいよね?」
「では私は四番目なのだな?」
【セリス、まだです。条件があります。】
「どんな条件なのだ?」
【まず、ルイスを説得する事。その後にサーラと一緒に連れて行きますから王国にいるナナリーさんを説得する事。】
「はい、それが試練なのですね?」
【試練じゃなくて条件だ。二人が『うん』と言わなければ嫁には迎えられない。良いかな?・・・サーラもだぞ?】
「ヘファイストス様、私は大丈夫です。仕事としてのパートナーですから!」
【まだ鋼にも触った事が無いだろう・・・。】
「ミ、ミスリルには触りましたよ!」
【あくまで助手としてだ、サーラは力を付けたのは認めるけれど、目標を持ってね?】
「目標は貴方様の隣にいる事です!」
【俺の隣はルイスとナナリーさんだよ。】
「それなら斜め後ろでも良いです。」
【いつになく前向きじゃないか、サーラ。】
「そのぐらいでなければ貴方の側にいられませんからね!」
【なら、精進するといい。それと、説得な?】
「分かっておりますよ、ヘファ師匠!」
【で、セリスの事なんだけれど、ルイスと話し合ってくれるかな?】
「早速ですね、分かりました!」
【と、言う訳でルイス、頼んだ。】
席を立とうとするとルイスに腕を取られる。
「ねえ、責任を取る人の言う事じゃないわよね?」
おおう、そこに気付かれてしまいましたか!?
「貴方も同伴よ、これは決定事項ね!」
【はい・・・。】
「じゃあ、ノモスさんに言ってから行くわよ!」
【行くって何処に?】
「決まっているじゃない、ナナリーさんの所よ!」
【セリスは、まだルイスを説得してないぞ?】
「二人で話を聞けば早くて良いじゃない。」
【ご、ごもっとも・・・。】
「皆も、準備をしなさい。それと貴方はノモスさんに王国に行く事を伝えてくるのよ?」
【分かったよ、ルイス。】
「支度が出来たらこの部屋に集まる事!良いわね?」
「わっかりましたー!」
「分かったぞ、ルイス殿。」
こうしてわずかな時間だが王国に戻る事が決まった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【・・・7th ゲート・トラベル。】
力ある言葉を唱えると、そこに青色のゲートが出現する。
【さあ、セリスさん。入って下さい。】
「うむ、では先にな、ヘファイストス様。」
「行きますね、ヘファ師匠!」
「・・・行くわね。」
そして最後に、俺もゲートを潜る。
二週間ぐらいかな?
久しぶりにいつもの宿屋へと戻って来た。
扉を潜る。
久しぶりだ、さてと皆は?
今は御昼前だ、仕込みが忙しいのだろう。
女将さんが厨房で奮闘していた。
【た、ただいま、女将さん。】
「ん?小僧かい!?一体どうしたんだい?」
【ナナリーさんは今の時間だと洗濯ですか?】
「そうだね、そろそろ終わってる頃さね。で、嬢ちゃん達を連れて来て何の用だい?」
【ははは・・・それが、説得に。】
「そっちの嬢ちゃんは初顔だね?」
「は、はい!セリスと申す。よろしくお願いしたい。」
「小僧、サーラの嬢ちゃんと言い、この子と言いどういう事なんだい?」
【ですから、説得に・・・。】
「・・・はぁ、いつもの部屋は掃除してあるから使うといい、ナナリーちゃんを連れて行きな!」
【ありがとうございます!女将さん。】
中庭の干場に向かうとナナリーさんがいた。
どうやら洗濯は終わっているようだ。
【ナナリーさん、ちょっとだけ良いかな?】
「ヘファ君じゃないですか!?いつ戻って来たのですかー?」
抱き着いて喜んでくれる。
【たった今戻って来たよ。でもまた帝国に行かないといけないんだ。】
「そうなんですか、少し残念ですねー。」
【それで、ちょっと相談事がありまして・・・。】
「後ろの女の子の事ですかー?」
【ええ、後はサーラの事も。】
「サーラさんの事もですかー?」
【ええ、女将さんには言ってありますので部屋に行きましょう。】
「はいー。」
ナナリーさんは久しぶりに会えたのがうれしかったのだろう。
腕を組んでくれた。
そのまま部屋に行くと皆でベッドに腰を掛ける。
「で、相談事とはー?」
【まずはサーラの事からですが、三人目に迎えようと思います。】
「・・・続きをどうぞー。」
【鍛冶のパートナーとして助けられました。隣にいてくれると心強い。そして愛しています。】
「ヘファイストス様、初めて言って下さいましたね・・・。」
サーラの目から涙が零れる。
するとナナリーさんが祝福してくれた。
「おめでとう、サーラちゃん。ヘファ君に認められるぐらいに頑張ったのですねー。」
「ありがとう・・・ございます。ナナリーさん・・・。」
サーラの目から涙が止まらない。
ナナリーさんに認められたのがよほど嬉しかったのだろう。
「それで、ヘファ君。こちらの方はー?」
「ナナリー殿、初めてお目にかかる。クヴァール帝国第三皇女、セリス・フォン・アストゥラピ・クヴァールです。」
「皇女様でしたかー?」
「気を使わないで頂きたい、貴女にもセリスと呼んでもらいたい。」
「それではセリスさん、何の御用でしょうかー?」
「ルイス殿には改めて、ナナリー殿には初めてだが私もヘファイストス殿に輿入れをさせて頂きたい。」
「あらあら、どういう事ですか、ヘファ君ー?」
【それが・・・。】
帝国の出来事の詳細をナナリーさんに伝える。
セリスと口付けをかわした事。
サーラが誘拐されて危なかった事。
俺が『アリステリア様』の祝福を受けて神匠になった事。
そして皇帝陛下の推薦でエクスィ・スィデラスの一人になりそうな事。
隠し事なく全てを話した。
「・・・ヘファ君、お姉さんは責任をもって行動するようにいつも言っていますよねー?」
【はい。それについては申し訳なく・・・。】
「それで、ヘファ君はどうしたいのですかー?」
【ナナリーさんが良ければサーラと同じく、セリスを嫁にしたいんだ。】
「貴方、セリスさんの説得の事は私もですよね?」
【そ、そうだねルイス。】
笑顔が怖いです、ルイスさん。
「ルイスさん、サーラさんはパートナーとして迎える事を承知しますよー。」
「私もそれに異論はありません。あの光景を見せられたのですから・・・。」
「私も見たかったですねー。」
【それでルイス、ナナリーさん、セリスの事はどうだろう?】
「私はお互いの事をもっと知るべきだと思うわ。」
「ですがルイスさん、このままではセリスさんに女として一生の恥をかかせる事になりますよー?」
「ナナリーさん、それはどういう事なのですか?」
「良いですか?回り中から祝福されている。この婚約騒動が勘違いだったとしたらルイスさんならどう思いますかー?」
「そ、それは・・・一生言われ続けて生きて行く事になるのね・・・。」
「そうです、しかもそれはすでに手遅れな所に来ているのですよー?」
「「【手遅れですか?】」」
「そうですー、この疲弊しきった王国で吉報として噂が流れているのですよー。」
【ナナリーさん、その噂とは?】
嫌な予感しかしない。
「ヘファ君、この場合アーサー君ですね。帝国の皇女と婚約との号外が張り出されていますー。」
「「【・・・。】」」
「事態はそこまで深刻な事になっているのですよー?」
「貴方、それって・・・。」
【ああ、多分ノモスだ。】
あの野郎。
恩を仇で返しやがった。
「それだと、結婚をしないとセリスさんは一生独り身で過ごす事になるでしょうねー。」
「ナナリー殿、それはどう言う事なのか!?」
「英雄にも見捨てられる御転婆王女様。しかも醜い巨乳、ほら見ろやっぱり捨てられたんだと、この状況で誰が嫁にもらって下さるのですかー?」
「そんな馬鹿な!?」
セリスがガクリと膝をつく。
ガクガクと震えている。
「セリスさん、落ち着いて下さいー。」
「こ、断れると待っているのは絶望しかないのか・・・。」
「大丈夫です、セリスさん。ルイスさんはそんな事はしない人ですからー。」
「ナ、ナナリー殿はどうなのだ!?」
「もちろん私もですよー。」
「そ、それでは!」
「セリスさん、その前に一言だけ言っておきますねー。」
「は、はい!?」
「このような事は二度と起こさないで下さいね、今回は大目に見ますが・・・ヘファ君にとって不都合な事なら貴女を見捨てていましたからねー?」
ナナリーさん、こええ・・・。
絶対に怒らせないようにしよう。
「はい、ヘファイストス様の名において、今後気を付ける事を誓います!」
「それでは、これで解決ですねー?」
【ありがとうございます、ナナリーさん!】
「嬉しいです、認めて下さって、ありがとうございます。」
「ありがとうございます、ナナリー殿!」
「ふふ、良いんですよ、ヘファ君。元気な顔を見れてお姉さんは嬉しいですー。」
「俺もですよ、ナナリーさん。」
「後はリズちゃん達にも報告して下さいねー?」
【これも問題かもね・・・。】
「そうね・・・。」
だがルイスもナナリーさんも何とかだが二人の事を認めてくれた。
これで少し肩の荷が下りた。
ナナリーさん、ありがとう。
いつも頼りにしてます。
話が終わるとリズ達に説明をした。
それも大変だったと記しておこう。
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皆様方に感謝を!
それでは 次話 久しぶりの王国(仮 で、お会い致しましょう!
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