誓い
いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!
執筆が終了いたしました。
楽しんで頂ければ幸いです。
晩御飯後、風呂に入ると、女将さんに言って二人部屋を借りる。
部屋に入るとルイスを抱き寄せキスをする。
恥ずかしそうなルイスに言う。
【ルイス、今日は我慢しなくても良いよね?】
「ええ、貴方の好きなように私を染めて頂戴。」
そしてお互いを確かめ合う様に交わった。
夢中で交わっていたら明け方になってしまった。
朝日が昇って来る。
ベッドでルイスの胸を堪能していると聞いてくる。
「ねえ、貴方。帰って来たら正式に結婚して妻にして頂戴ね。」
【ルイスが嫌になっていなければ、第一夫人になって頂けますか?】
「予定が立て込むのは嫌よ?」
【第二夫人の事?】
「それ以外よ、立て続けに結婚相手を作らないで頂戴ね?」
【今の所、作る予定はナナリーしか無い。】
「そんな事を言って、帝国から帰ってきたら五人ぐらい増えてたりしないわよね?」
【今の俺の両手は、ルイスとナナリーでふさがっているんだよ。】
「・・・信じます、ヘファイストス。私の愛しい人。」
【誓います、ルイス。俺の愛しい人。】
どちらからともなく立ち上がり、昇ってくる朝日に向かって二人で並ぶ。
お互いシーツを体に巻いているだけだ。
俺が手を差し出すとルイスが手を重ねてくれる。
「「『創造神アリステリア様』、『愛の女神、アガピ様』、ここに私達は夫婦となる事を誓います。」」
「ヘファイストス様。」
【ルイス。】
誓うようにキスをする。
これで、仮にだがルイスと結婚をした。
依頼が終わったら盛大に式を行おう。
そして本当に結婚をするんだ。
前世では出来なかった結婚。
今世では出来た結婚。
一体どんな生活が待っているのだろうか?
そう言えばドリュカス様が仲人をしてくれるって言っていたな。
後で改めて二人で挨拶に行こう。
帰ってきたら式を挙げるのでよろしくお願いしますと。
そう、帰ってきたら・・・。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ルイスを連れて貴族屋敷へと向かう。
正式にお願いをするので、俺はスーツを、ルイスは白のカジュアルドレスを着て来た。
改めてお願いすると言う事なのだが見知った顔の爺さんでも、ものすごく緊張する。
門にたどり着き門衛さんに話をする。
その間ルイスはとても幸せそうだった。
門を通されて入口まで進むとステファンさんが対応をしてくれた。
緊張している俺達を見て察したのだろうか、簡単な受け応えがあっただけだった。
そして、爺さんのいる執務室に着いた。
いや、着いてしまった。
覚悟を決めて来たのだがものすごく緊張する。
するとルイスが腕を組んできた。
「旦那様、格好良い所を見せて頂戴ね。」
【お、おう。任せておけ!】
そして二人で執務室に入る。
「おお、あんちゃんとルイスの嬢ちゃん、良く来たな。嬢ちゃんはあの時以来かのう。」
「御無沙汰しております、ドリュカス様。その節は御世話になりました。」
「なに、話を聞いただけじゃよ。大した事は出来んかったんじゃ、礼など言わんでおくれ。それで二人で来るのは珍しいのう、何かあったのかの?」
【じい・・・ドリュカス様。依頼が済んで戻って来たらだけど、俺はルイスと結婚する事にしたんだ!】
「なんと!それはめでたい事じゃな!」
【それで約束通り、ドリュカス様に仲人を頼みに来たんだ!】
「ふふふ、約束を忘れたおらんかったのじゃな。」
【ああ、是非お願いしたい。】
「お願い致します。」
二人で頭を下げる。
「構わん、二人とも頭を上げてくれ、めでたい事じゃ。そなた達の行く先に『アリステリア様』の御加護のあらん事を。」
「ありがとう、ドリュカス様。」
「ありがとうございます、ドリュカス様。」
「ふぉっふぉっふぉ、レガイア達も呼ぶでな、しばらく待つとええ。」
ベルを鳴らしステファンさんに指示を出すとレガイアさんとマリーナさんを呼んでくれた。
レガイアさんとはよく会っているが、マリーナさんとは本当に久しぶりだ。
「父上、おっしゃる通りマリーナと参りましたが、いかが・・・ほう、これは。」
レガイアさんは俺達を見て察してくれたのだろう。
マリーナさんはルイスに話しかけたくてウズウズしているようだった。
「レガイア、マリーナ。この若き二人に祝福を、ようやく結婚するらしい。」
「それは・・・ヘファイストス殿、おめでとう!」
「ルイスちゃん、おめでとう!」
「【レガイアさん、マリーナさん、ありがとうございます。】」
部屋を移し、話に花を咲かせる。
「ヘファイストス君はやっと覚悟を決めてくれたのね?」
【ええ、覚悟は決まりました。後は受けている依頼を終わらせたら式を挙げます。】
「良かったわね、ルイスちゃん!」
「ええ、この人が帰って来たら式を行いますので、皆さんに御参加頂きたくって。」
「もちろん構わないわよね?義父様、貴方。」
「もちろんじゃ、こんなめでたい事に参加せねば一生後悔するわい。」
「左様ですな、父上、ヘファイストス殿、ルイス嬢、是非参加させて頂きますぞ。」
「【皆さん、ありがとうございます!】」
「それで、あんちゃん、依頼とは何じゃ?」
【あれ?言っていませんでしたっけ?】
「聞いておらんぞ、なあ、レガイア。」
「左様ですな、父上。」
【じゃあ、改めて。今回の依頼はクヴァール帝国の皇帝陛下からなんだ。】
「皇帝陛下じゃと!?」
「ヘファイストス殿、機密事項ではないのか?」
【機密事項とは言われていないんですよ。ただ、聖剣を作りに行く事になりまして。】
「と、言う事は、ミスリルか?」
【そうです、依頼の内容は詳しくは言えませんがその為に友人が俺を押してくれたんです。】
「それは名誉な事じゃ、受けておくのは正解じゃな。」
「そうですな、ですが、今後、忙しくなるのではありませんか?」
【そこは大丈夫だと思います、俺は無名なので・・・ただそれは先方も御存じのはずです。】
「そうか、それなら安心じゃ。それで期間は?」
【約ですが、一の月になります。】
「一の月も嫁さんを待たせるのか?」
【残念ながらそうなってしまいます。】
「・・・あんちゃん、悪い事は言わん。その依頼に嬢ちゃんを連れて行け。」
「左様ですぞ、ヘファイストス殿。せっかくの機会ですのでその依頼を婚前旅行としたらいかがな物か?」
「ドリュカス様、レガイア様、彼の、夫の仕事を邪魔したくないのです。」
ルイスはそう言うが顔が陰っているのが分かる。
せっかく夫婦になったんだから、レガイアさんの言う通り婚前旅行も兼ねて連れて行くのも良いかな。
【・・・では、そう致します。】
「貴方!?」
【そうだよ!婚前旅行にはちょうど良いじゃないか。】
「旅行だなんて、それに準備なんかしていないわよ?」
【それは何とかしよう。ありがとうな、爺さん、レガイアさん。おかげで吹っ切れたよ。】
爺さんとレガイアさんにはかなわねえや。
俺の迷いを察して後ろから押してくれたのだ。
二人共、ありがとう。
「うむ、あんちゃん、嬢ちゃん、気を付けて行ってくるんじゃぞ?」
「そうですな、ヘファイストス殿、ルイス嬢。土産話を期待しております。」
「ルイスちゃん、気を付けてね。帝国は気候が違うはずだから病気には気を付けるのよ?」
「ありがとうございます、マリーナさん。」
【それじゃあ、準備をしないとね。】
「ええ、貴方。」
挨拶をして部屋を出ると三人共門まで見送りに来てくれた。
「気を付けて行ってくるんじゃぞ!」
「二人とも、お気をつけて!」
「ヘファイストス君、ルイスちゃんを頼むわよ!」
【任せて下さい!何があっても必ず守って見せます!】
「皆さん、行ってきます!」
そう言って俺達は腕を組みながら、晴れた空の下を歩いて行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
準備の為に買い物をしておく。
主にルイスに着せる物の買い物だ。
上質なシルク布やレースを買い込む。
金を惜しまずに使い買いそろえる。
その間ルイスと腕を組んでいる。
そしてとても綺麗な俺の嫁さんの笑顔に目を奪われる。
「どうしたの?買い物をするのでしょう?」
【あ、ああ、ルイスが綺麗だったんで見とれていたんだよ。】
「・・・貴方がもっと綺麗にして下さるのよね?」
【もちろんだよ、ルイス!】
「ふふ、今ね。すごく幸せよ!」
【俺はもっと幸せだよ。】
買い物を済ませるとそのまま南通りを進んで行く。
「ねえ、貴方。何処に行くの?」
【ああ、オーガの牙の人達にも報告をね。】
「そうね、御世話になっているのだからしっかりとね!」
【ああ、頑張るよ。】
ジャスティン達の泊まっている宿屋に着いた。
この時間ならここに居るだろう。
二人で扉を潜る。
早速声がかかった。
「アーサーじゃないですか。着飾ってどうされたのですか?」
「よう、アーサー。そっちの美人さんは誰だよ?」
「アーサー君とルイスさんなんさ~。」
「ようこそ、御二人とも・・・決められたのですわね、アーサー様。」
「アーサーの兄貴と彼女さんじゃないっすか!どうしたんすか?」
【ああ、皆、聞いてくれるかな?おっほん、ここに居るルイスと結婚する事にしたんだ。】
「「「おおー!」」」
「それは、おめでとうございます!」
「け、結婚!?」
「おめでとうなんさ~、アーサー君、ルイスさん。」
「御二人に創造神の祝福があらん事を・・・おめでとうございます、御二人とも。」
「おめでとうっす!アーサーの兄貴が結婚かー、嫁さんを幸せにするんすよ!」
【皆、ありがとう!】
「皆さん、ありがとうございます!」
「皆、祝いを!」
「「「この二人に祝福をっ!!!」」」
宿に居る人達から祝福を告げられる。
中には酒を持って来る人達もいた。
「で、アーサー。式はいつなのですか?」
【そうなんだ、しばらく帝国に行く事になってね。帰って来たら正式に式を挙げるつもりなんだ。】
「帝国にですか?」
【祭事で聖剣を作る事になったんですよ。】
「それは名誉な・・・おめでとうございます。」
【ありがとうございます。】
「それでよ、アーサー。もちろん嫁さんも連れて行くんだろう?」
【ええ、婚前旅行には良いかなと。】
「寂しくなるんさ~。」
【一の月ですからすぐに戻って来ますよ。】
「戻ってくるまでには街を復興させておかねば、でございますね。」
「ルイスの姉さんの花嫁姿・・・どんなのだろうなぁ?もちろん、アーサーの兄貴が衣装を作るんだろう?」
【もちろんですよ。なので皆さん。旅行の間、この街の事を頼みますね。】
「「「もちろんだ!」」」
「こんなにめでたい事はありませんね、今日は我々の奢りです!皆さん御一緒にどうぞ!」
「「「オーガの牙!アーサーとその嫁に祝福を!!!」」」
宿の中はお祭り騒ぎだ。
【ああ、ジャスティンさん。悪いんだけれど、まだ挨拶する人達がいるんだよ。】
「そうですか、では一杯だけでも、二人の行く先に祝福を!」
「「「祝福を!」」」
【ありがとう、皆さん!】
「ありがとうございます、皆さん。」
「ラフィアー、今日ぐらいは酒を飲んでも良いんさ~?」
「そうですわね、私もお付き合い致しますわ!」
「「「えっ!?」」」
「ラフィアの姉さんが酒を!?」
「ラフィア、程々にね。」
「分かっておりますわよ!」
「それじゃあ、皆、またね!」
「お疲れさまでした、アーサー、それとルイスさん。式には呼んで下さいね。」
【もちろんだよ、ジャスティンさん!】
「ありがとうございます、皆さん。」
そう言って宿屋を出ると皆が見送ってくれた。
「・・・気持ちの良い人達だったわね。」
【ああ、良い人達ばかりなんだよ。】
「貴方が大切な人達なんだって言っていた理由が分かった気がするわ。」
今度は商業ギルドへと向かう。
扉を二人で潜り中に入る。
カウンターを見るとアリシアさんは休みのようだった。
来てくれるかは分からないが御世話になっているので声だけはかけておきたかった。
職員さんに話をするとマスターのポリティスさんに面会出来るとの事だったので申し込む。
しばらくすると待合室に通された。
「この部屋は初めて入るわ。」
【ここで商談とかの話をするんだよ。】
「そうなのね、ここに入れるように私も頑張らないと!」
しばらくするとポリティスさんが入室して来た。
「ヘファイストス様、今日は何の御用でしょうか?おや・・・?」
【こんにちは、ポリティスさん。俺は、こちらの女性と結婚する事になりまして、その挨拶に伺いました。】
「それはそれは、おめでとうございます。それで。お嫁さんのお名前は?」
「はい、ルイスと申します、マスター・ポリティス。」
「ふふ、ポリティスで結構ですよ。」
「それでは、ポリティス様、ヘファイストスの妻となりました。彼共々、これからもよろしくお願い致します。」
「貴女は幸運ですね、このような素晴らしい殿方に嫁げるのですから。」
「はい、『アリステリア様』のおかげで幸運に恵まれました。」
「ヘファイストス様、この女性を、ルイスさんを幸せにしてあげて下さいね。」
【はい、全力で幸せに致します!】
「ふふ、今からそんなに力を入れていたら・・・まだまだ先は長いんですよ?」
【はい、それでよろしければ俺達の結婚式に是非参加して頂きたく。】
「ええ、構いませんよ。日取りが決まりましたら御連絡下さいね。」
【少し日が空いてしまうのですが、よろしくお願い致します!】
「ああ、例の依頼でございますね?」
【そうです、それが済んだら式を挙げます。】
「良い顔をなさいますね、ヘファイストス様。楽しみにお待ちしておりますよ。」
【はい!その際は必ず連絡致します!】
「御二人に創造神様の御加護があらん事を・・・。」
「【ありがとうございます!】」
【それで一つお願いがありまして・・・。】
挨拶を済ませるとカウンターにより、裁縫部屋に移動する。
そう、お願いとは時間を過ぎても部屋を借りれるように頼んだのだ。
色々と作る物があるからね。
部屋に入ると緊張が解けた。
「ふふ、緊張している貴方なんて久しぶりに見たわ。」
【あの人達の前だと緊張しちゃうんだよ。】
「分かる気がするわ、で、どうするの?」
【まずは採寸からだね、ルイス・・・裸になってくれるかな?】
「ええ、構わないわ。」
ルイスが服を脱ぎ下着も脱ぐ。
一糸纏わぬ姿になったルイスに思わず、ゴクリと喉が鳴る。
【綺麗だ、ルイス・・・。】
そう呟いていた。
「そんなに見ないで・・・さ、さっさと採寸を済ませて頂戴。」
【うん、じゃあして行くね。】
各所の寸法を測り、メモを取って行く。
おお、胸が順調に育っておりますな!
お尻も順調に育っておりますな!
さすが成長期!
「ねえ、貴方。邪な事を考えていないでしょうね?」
【うん、順調に育っているなと・・・っは!?】
「考えているじゃないの!?」
【仕方ないじゃないか!ルイスが魅力的になっているんだから!】
「・・・こ、今回だけですからね?」
【気を付けます。】
採寸が終わると作業を始めて行く。
まずは下着からだ。
裁縫スキルと細工スキルをこれ以上ない程に使い作り上げていく。
レースで飾り着けをしながらフルカップブラを作り上げる。
何着も作っているのでスキルが最適化をしてくれているのだろう。
パンティーにもレースを組み込み綺麗に、そして色っぽく仕上げる。
もちろん上下をそろえて作る。
セットで十組の下着を作った
早速着けてもらう。
「うん・・・気になる所は無いわね。それでどうかしら?」
【綺麗だ・・・。】
こんな人が俺の嫁さんになってくれた事に改めて幸せを感じる。
「それは下着?それともそれを着た私なのかしら?」
【もちろん、ルイスだよ。】
「そ、それなら良いわ。」
出来上がった下着をそれぞれ着けてもらう。
サイズなどは同じだがレースを付けた事で違和感が無いかどうかの確認の為だ。
色も白だけでなく赤などの色の付いたものを作ってある。
まるで下着のファッションショーだった。
【ルイスさん、貴女の寝間着を作りたいのですが・・・。】
「寝間着ぐらい良いけれど、改まってどうしたの?」
【こういう物なんです。】
バサッ
ジャジャーン!
男の願望、その名も『ネグリジェ!』
もちろんベビードール型のセクシーな奴だ。
レースと下着の応用で、ついでに作ってみたのだがどうだろうか?
「・・・貴方は私にこれを着ろと言うのね?」
【寝る時に着ける物なんだ!だ、駄目でしょうか・・・。】
怒られるよね。
調子に乗りました済みません。
けど・・・残念だ。
「と、特別よ?でも、貴方の前でだけですからね!?」
【あ、ありがとう、ルイス。で、着け方なんだけれど下着と同じようになっていて・・・。】
許可が出たので何着か作ってしまった。
着てくれるのが今から楽しみだ。
えへへ。
下着が終わると服を作る。
カジュアルな物からフォーマルな物まで十着作る。
それと、念の為にドレスも作った。
作った服をそれぞれ試着してもらう。
「これは落ち着いていて良いわね。」
「うん、このすーつは格好良いわ。」
「これは前に履いた丈の短い奴と似ているわね。」
「ねえ、このドレスはちょっと布の面積が少ないような気がするわ。」
それぞれの感想を言ってくれる。
ちょっと攻めすぎた物もあるが良い感じに作る事が出来た。
更にアクセサリーを作る。
ルイスのイヤリングやネックレスなどを作る。
イヤリングは耳に付ける物にしておいた。
耳に穴を空けるのが駄目なのはおっさんの偏見なのだろう。
後は・・・そう、俺がこだわっていた指輪だ。
結婚はまだなので銀でペアの婚約指輪を作った。
「ふふ、貴方と御揃いなのね?」
【うん、婚約指輪って言うんだ。結婚する時に付ける指輪とは違うんだよ。】
「結婚式の時にも指輪を下さるの?」
【うん、結婚指輪と言って、あー・・・それは楽しみにしておいてね。】
「分かったわ、楽しみにしておくわね。」
作り終わると普段着に着替えてもらい、カウンターの職員さんに声を掛け薄暗くなったギルドを後にする。
まだ肝心な相手がいる。
そう、ナナリーさんである。
宿に戻りナナリーさんに話をする。
晩御飯の後に部屋に戻ったタイミングで声を掛けた。
【ナナリーさん、ちょっと話を聞いてほしいんだ。】
「二人で改まって・・・ふふっ、では、おっしゃって下さいー。」
【やっと覚悟が決まったんだ。今日なんだけれどルイスと婚約しました。】
「おめでとう!ヘファ君、ルイスさんー!」
【ありがとう、ナナリーさん。】
「ありがとうございます、ナナリーさん。」
「良かったですね、ルイスさんー。」
「はい!」
【ナナリーさんには申し訳ないけれど、もうちょっと待っててくれるかな?】
「もちろんです!でも、ルイスさんだけではなく私も可愛がって下さいねー?」
【それは当然です、だって俺はナナリーの事も愛しているから!】
「ありがとう、ヘファ君ー!」
こうしてナナリーさんは喜んで祝福してくれた。
一緒の部屋にいたサーラは複雑な顔をしていたが祝福してくれた。
次にリズ達にも話をする。
リズは悔しがっていたが『三番目は私よ!』と言って祝福してくれた。
ベスはおめでとうと言って祝福してくれた。
マオはもリズと同じように悔しがっていたが祝福してくれた。
アリスはまだ結婚の事は分からないようだったが喜んでくれた。
ノモスにも報告をすると喜んでくれた。
「そうか、めでたいな!それにしても、待たせすぎて愛想をつかされるかと心配していたぞ。」
【心配をかけさせて済まない、それで、ルイスも帝国へ連れて行こうと思うんだよ。】
「ほう、婚前旅行と言う訳か?」
【そうだ、一人増えたぐらいなら大丈夫だろう?それで案内を頼める人がいれば有難いんだけど。】
「何を言っているんだ、目の前にいるじゃないか。」
【ノモスがしてくれるの!?】
「お仕事は大丈夫なんですか?」
【もちろんだ、君達の事を優先するさ。ただ今回は海路だ。ルイス嬢は耐えられるのか?】
「この人と一緒なら何処へでも・・・。」
「・・・良い覚悟だ。それならば何も言うまい、楽しみにしていてくれよ。」
最後に女将さんに報告をする。
「やっとかい、小僧。ルイスちゃん、おめでとう、良かったねえ。」
「ありがとうございます、女将さん。」
ルイスを抱きしめると娘が結婚するように喜んでくれた。
俺には背中バシバシが待っていたが・・・。
挨拶が済むと部屋に戻る。
「これで、挨拶は終わったのかしら?」
【ほとんどは終わったと思うよ。】
「ちょっと疲れたわ。」
【そうだね、ルイス。】
「・・・ねえ、本当に私で良かったの?」
【ルイス以外に俺の嫁さんは考えられないよ。】
「ナナリーさんは?」
【ルイス、意地悪だね。】
「・・・ねえ、口付けしてほしいわ。」
【俺もそう思っていたんだ。】
お互いに唇を寄せてキスをする。
そしてむさぼり合う様に交じり合う。
ナナリーさんとサーラは気を使ってくれたのかその日は部屋に戻ってこなかった。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
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第二幕、次話で最終話となります。
それでは 次話 旅立ち(仮 で、お会い致しましょう!
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