アセディアの変化とエナと言う少女
いつも読んで下さり、誠にありがとうございます!
執筆終わりました。
お楽しみ頂ければ幸いです。
ミカの必死の説得が功を奏したのか、アセディアが面倒になったのか採寸はミカが行う事になった。
せっかくのチャンスを・・・。
ちぇー。
そして採寸を終えたミカが部屋から出てきた。
寸法表を見る。
【ミカ、言いにくいんだけどこれから指示する所も採寸してくれるかな?】
「何処の事?」
【乳首のからの体周りの寸法と乳首と乳首の間の寸法、それと乳房の下になる所の寸法と股下の寸法だ。】
「何でそんなに詳しく図る必要があるのかしら?」
【下着と言う物を作るのに必要なんだ。】
「下着?」
【そうだ、胸の巻き布と下に履いている腰布の代わりになる画期的な物だ。】
「アンタが知りたいだけじゃないのね?」
【そこまで必死じゃないよ、出来た物を見れば納得するはずだ。】
「分かったわ、少し待っていなさい。」
しばらく待っていると採寸を終えたミカが部屋から出てきた。
「ほら、これで良いのかしら?」
【・・・うん、大丈夫だ。これをもとにまずは下着を作る。】
「どんな物かは見させてもらうわよ?」
【構わない、まあ、見て驚け。】
部屋の中に入るとローブを着ているアセディアがソファーで寝っ転がってこちらを見ている。
その目は疲れたと言っているようだった。
だが疲れるのはこれからだからね?
さあ、作って行きますか!
まずは下着から作って行く。
今度はトップやバスト間ポイント、アンダーの位置も図っているので問題は無い。
それをもとに作って行く。
「むう、何を作っているかは分からないけれど、さすがに早いわね・・・。」
【ミカ、出来たらアセディアに履かせて上げてくれるかな?】
「良いけれど、どういう物が出来上がるのかを見てからよ?」
【ああ、それで良い。】
そして作り上げていく。
ルイス達と同じようにフルカップブラだ。
アセディアのバストサイズが9・・・おほんおほん。
あれ?
と、言う事はティアも同じなのかな?
レースで飾りをして仕上げる。
出来上がった物をミカに見せる。
【これが『下着』だ!】
「これが胸布や腰布の代わりになるのね?」
【そうだ、今回のブラジャー、胸に付ける物な、フルカップブラジャーと言って巨乳の人に向けて作ってある物だ。】
「ふむ・・・。」
【それに、このパンティーだ!腰布の代わりになる物だ。】
「まずは着けてもらってからでしょう?」
【そう言う訳で頼むよ、ミカ。】
「着け方が分からないわよ!」
【仕方がないな、それでは実践を・・・。】
スパーン!
【おおおぉぉぉ・・・。】
「こんのすけべ大王が!アンタは教えるだけで良いわ!」
【ぐぬぬぬ・・・。】
「なにが『ぐぬぬぬ・・・。』よ!」
【分かったよ、ミカを実験台にするからな!】
「着け方が分かるならそれで良いわよ!」
【覚悟しろよ、ミカ!】
「何よその手は!?」
【あれー?ミカさんの覚悟はその程度の物なんですかねー?】
「っく、ほ、ほら、着けて見せなさいよ!」
【おう!まずはここの肩紐にだな・・・。】
そうしてミカに着け方を教えていると視線を感じる。
アセディアが微笑んでこちらを見ていた。
微笑んでいた!?
おお、感情が表に出ていますな、アセディアさん。
着け方を教えるとミカに言われる。
「アンタは着け終わるまで外に出ていなさい!」
首根っこを掴まれてポイっと外に出されてしまった。
くそう、ミカがいなければ今頃は・・・。
ぐっへっへっへ
おっと、仕事モードに戻ろう。
しばらくするとミカから部屋に入って来いと言われたので入ると予想以上の破壊力が!
【綺麗だ・・・。】
おもわず呟いてしまった。
蒼の髪の毛に金色の瞳の下着だけを付けた巨乳美女!
白のレースの下着が似合う女の子がそこにはいた。
「アンタの言った通り着替えさせたけれど・・・この下着と言う物、凄いわね。」
ほう、ミカにもこの良さが分かるか。
「ねえ、これって普通の胸の人の分も作れないのかしら?」
【作れるが?】
「これが世に出れば革命が起こせるわよ!?」
【待て待て、ミカ。今作る事の出来る人物は俺だけだ。これがどういう事かは分かるよね?】
「そ、そうね、この下着と言う物の作成条件はどうなのかしら?」
【裁縫と細工スキルがそれなりにあれば作れるはずだぞ?】
「アンタの言うそれなりって言うのが怖いのよね・・・。」
【作成工程が分かっていれば、ミカになら作れると思うが?】
「っく、アンタに教えを乞うのが屈辱だわ!」
【まあ、教わる気になったのならば言いたまえ!】
「っく、こんな屈辱・・・。」
【はっはっは!】
【でー・・・これでー・・・動き回っても良いのー・・・?】
【もうちょっと待ってくれるかな、これは服の下に履く物なんだよ。】
【面倒くさいー・・・。】
【もうちょっと待てば、気分が良くなると思うよ?】
【それならー・・・待つー・・・。】
アセディアの機嫌を損ねる前に急いで作り上げる。
外行きを四着、通常の物を四着、パジャマを二着、部屋着を二着作った。
「相変わらず、デザインが斬新ね。」
【良いだろう?これだけあれば毎日の服の変化が楽しめるぞ。女の子ならもっと必要だろうが・・・。】
「じゃあ、着てもらおうかしらね。」
【ああ、着せるのも俺達の仕事だぞ、ミカ!】
「っく、そうなのね?これは大変だわ!」
【出来たのー・・・?】
【うん、これから二人で着せて行くからもうちょっと我慢してね。】
【分かったー・・・。】
【で、どれを着せるかなんだが・・・。】
俺とミカは、外行きの四着の服を見てみる。
【おれはこの美尻カットの奴だな!】
【アタシはこの落ち着いたデザインのやつね。】
ほう、TシャツにVネックジャンスカだな。
「アセディアさんはどちらが良いのかしら?」
【どっちでも良いー・・・面倒くさいー・・・。】
「ミカ、ここは公平に行こう。」
「ええ、良いわよ?」
「【じゃーんけーん!・・・】」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【くう、なんでチョキを出さなかったんだ!】
「っふ、勝ったアタシが正義と言う事よ!」
俺達はアセディアを外に連れ出していた。
【ねえー・・・歩かないといけないのー・・・?】
【ええ、魅力的ですよ、アセディア。】
「そのままでも良いわね。」
そうすると周りの男達の声が聞こえる。
「最近はこの街にも美人が多くなったな・・・。」
「違う子だけれどこの間もいたんだぜ?」
「綺麗な子だな・・・。」
「よせよせ、また玉砕するぞ?」
そう、この間のサーラの時もそうだったのだが、アセディアも身長の高い美人なので映えるのだ。
良いね。
ただ着替えるのはルイス達にお願いしそうだ。
【お兄ちゃんー・・・これー・・・気分が良いねー・・・。】
【でしょう?アセディアは魅力的なんですよ!】
「悔しいけれど魅力的ね。」
【そうだろう、そうだろう。】
「別にアンタを褒めている訳じゃないわよ?」
【ふふふ、負け惜しみを。】
「何ですって!」
【何でもありません!】
「よろしい、それで何処かに行くの?」
【皆にも見せて来るよ、行こう、アセディア!】
「今日の晩御飯は何かしらね?」
【晩御飯だと?大体ミカは自分の宿の・・・。】
そんな事を言い合っている俺達を見て、アセディアは微笑んでいた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ゴホゴホ・・・。」
「待って頂戴ね、今拭き布を・・・。」
布を口元に当てて驚いてしまった。
「エナさん、貴女、血を・・・!?」
「私は長くないかもしれないから、ダーリンに言伝をお願いしても良いかな・・・?」
「そんな事を言わないで頂戴!きっと大丈夫よ!」
「自分の体ですから、分かるんです・・・。」
「エナさん、諦めては駄目ですー!」
「気付いていたんです、いつの間にか行った事の無い場所にいたり、変な記憶があったりして・・・。」
「「・・・。」」
「それでも、ダーリンと一緒にいたかったの。もう一人の私も同じ気持ちなんです。」
「「貴女、気付いていたのね!?」」
「諦めないで頂戴!処置方法はもう見つかっているのだから!」
「そうです、ヘファ君が見つけてくれているんですー!」
「それまで・・・もちますかね・・・私の体・・・。」
「「・・・。」」
「その沈黙が答えなんです。なので言伝を・・・。」
「駄目よ!諦めちゃ駄目!あの人は必ず貴女を助けるわ!」
「そうです、必ず助けてくれますー!」
「淡い期待を持たせるのは・・・残酷ですよ・・・?」
そう言うとエナと言う少女はまた眠りについた。
眠る間隔が段々と狭まっている。
貴方、この子を助けてあげて!
ここにはいないあの人に祈るのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
宿屋に帰ると早速皆に、服を着たアセディアを見せつける。
「綺麗ね、朝のローブより全然良いわよね!」
「そうですね・・・着ているのは・・・ヘファさんの新作ですか・・・?」
「格好良いです!」
「綺麗なのです!」
「可愛いですね、ヘファ師匠の新作ですか!」
まんざらでもない顔のアセディアがポーズを取り皆に服を見せている。
ちょっと、感情と言う物が分かったのだろうか?
それなら嬉しいんだけどね。
【で、ルイス達は?】
「ルイス姉は、ナナリー姉と病気の人を見ているわよ。」
【ああ、エナか。ちょっと行ってくるよ、アセディアを見ててね。】
「「「はーい!」」」
「アセディアさんって・・・本当に奇麗なのですね・・・。」
「足が長いです!」
「恰好良いのです!」
【そうかなー・・・でも、今は面倒くさくないよー・・・?】
そんな声を背に急いで階段を上る。
部屋に着くと泣き声が聞こえる。
何かあったのか!?
ドアを開けて部屋に入る。
【ルイス、ナナリーさん・・・どうして泣いているんだい?】
「貴方、お願い!エナさんを助けてあげて!」
「ヘファ君、お願いだから助けてあげて下さいー!」
【ああ、三日後には旅立つ予定だよ。】
「それだと遅いの!見て!」
血の付いたタオルを見せられる。
普通の血じゃない、黒っぽい血の塊だった。
【これは、どうしたの・・・。】
「エナさんが吐いたのよ!」
「もう長くないと言っていました、ヘファ君、助けてあげられませんかー?」
そんな馬鹿な!
昨日はそんな事無かったじゃないか!
症状の進行が速すぎる!
【分かった、まずはエナの負担の無いように俺だけでティアに会って来るよ。】
「分かったわ!」
「待っていますねー。」
部屋を出ると、俺はノモスのいる四階へと駆け上がる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「急ぎなのだな?」
【ああ、一刻を争うんだ。】
「分かった、この地図の場所だ。それでこっちは遺跡内の地図だ、君になら分るのだろう?」
【恩に着る、ノモス!】
「ああ、無事に行ってくるんだぞ!」
【4th リターン!】
「アーサー・・・気を付けろよ?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺は馬を調達するとフェアリー・ゲートにリターンで戻る。
クヴァール帝国へと向かう。
そして馬を走らせると急いで遺跡の場所に向かう。
休みながらで二時間程だろうか?
ようやく遺跡であろう場所にたどり着いた。
観光スポットになっているようだが、今の俺には関係ない。
馬を柱につないでおく。
それと念の為にルーンを焼いておく。
【・・・6th マーカー。】
そしてランタンを持って遺跡へと入る。
もうそろそろ深夜と呼べる時間だった。
地図を頼りに進んで行く。
しばらく進むと遺跡の中心、祭壇と棺のある場所へとたどり着いた。
そこにはティアがいた。
【ダーリン・・・来てしまったのね?】
「ああ、ティア。頼むからエナを開放してくれ。」
【・・・。】
【お願いだ、ティア。】
頭を下げる。
必死の思いを分かってくれたのだろうか?
【良いわ、ただし、私に勝てたらね。】
【冗談を言っている場合じゃないんだ!】
【ダーリン、エナと言う少女を助けたいのならば試練を乗り越えなさい。】
【試練て何だ!ちょっと待て!戦闘態勢をするな!ティアと戦えるわけないだろう!?」
【ダーリン、それでも戦ってもらうわ。】
【何で戦わなければならない!俺達は分かり合えていたはずだ!】
【試練と言ったでしょう、ダーリン。行くわよ?】
すると暗闇が迫ってくる。
俺の中の危機感値能力が危険だと騒ぐ。
【ティア!君とは戦いたくない!】
【私は容赦しないわよ?】
【っく!】
その暗闇をかわす。
【1th ナイト・サイト。】
暗視魔法で視界を確保する。
良く見ると伸びてきたのは暗闇に偽装した影であった。
【ティア!】
【いい加減に覚悟を決めろ、人族!】
いつものティアじゃない。
どうしてだ、ティア!
悪魔特効の刀を取り出し構える。
【そう、それでいいのよ、ダーリン。】
【まだ、ダーリンと言ってくれるんだね。】
【・・・行くわよ、人族の勇者!】
そして戦いが始まる。
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それでは 次話 ただの寂しがり屋の女の子(仮 で、お会い致しましょう!
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