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強欲と言う女の子

いつも読んで下さっている方々、こんばんは!

執筆終わりました。

お楽しみ頂ければ幸いです。

時間は早いが俺達は暗闇の中、封印の地である北の山へと向かっている。


そう言えば強欲さんはどうするんだろうね?

合流する事を考えていなかった。

今更仕方がない。

そんな事を考えていた。


「さて、ここからは問題の山です。お出迎えがあるかもしれません、気を引き締めて行きましょう!」


「「「応!」」」


ジャスティンの号令の元、皆で山を登って行く。

封印地にあると言う遺跡までの地図は何度も確認した。

この道で間違いはないはずだ。

御出迎えがあると考えているので皆はフル装備だ。

・・・ジャスティンとダンは山登りは大変だろうな。


山道があるだけましか。


山の天候は変わりやすいと良く言われるが、山道を進んでいると霧が出てきて温度が下がって来たのが分かった。


「霧が出てきました、視界が確保出来るまで、一旦、ここで小休止に致しましょう。」


「「「応!」」」


簡単に一時的な拠点を作る。

忙しく準備をしていたので、皆、晩御飯を食べていなかったようだ。

ここは、俺の出番だね。

ジャスティンとダンが竈を作ってくれたので、俺は食事の支度をする。


【今回は、少し肌寒いので『ミネストローネ』と言う具だくさんのスープを作りました。後は巻きパンです。】


「巻きパンですか、最初に出会った時を思い出しますね。」


「そうだな、だが、相変わらず美味えな。」


「寒かったんでちょうど良いんさ~。」


「温まりますわ・・・。」


「美味え、兄貴、お代わりだ!」


【ディアナさん、よく噛んで食べて下さいね?】


そんな楽しい時間を過ごし、御飯を食べていると声が掛かる。


【ねえ、ダーリン、もちろん、私の物もあるのよね?】


その声に威圧が乗っている。

皆が警戒態勢をとる。

さすが、皆。

威圧に耐えたね。


【皆さん、強欲さんです、警戒を解いて良いですよ。】


ジャリッ・・・ジャリッ・・・


すると、霧に霞む登りの山道からその女性は現れた。


「アーサー、この方が強欲さんですか?」


「へえ、聞いてはいたけど美人さんだな。」


「それで強欲さんも食事をとるんさ~?」


「悪魔族でも上級ともなれば食べられないと言う事は無いのですわ。」


「アーサーの兄貴の手作りだ、美味えから食べると良いぜ!」


【強欲さんの口に合えば良いのですが・・・。】


そう言ってミネストローネの入った器を差し出す。


【食事は久しぶりね、あら?・・・生の物ではないのね?】


スープの入った容器を不思議そうに眺めながら呟いている。


【生?ええ、調理してあります。スプーンですくって食べてみて下さい。】


【ふーん、そうなのね、まあ食べてみるわ。】


【どうぞ、召し上がれ。】


悪魔族でも食事をするのか。

ラフィアに言われなければ知らなかったよ。

っと、口に合わないとか言って暴れださないよね?


【んっ・・・。】


「「【え?】」」


何か艶っぽい声が聞こえた。


【・・・これを何と表現すればいいのかしら?もっと欲しいわ!】


どうやら気に入ってくれたようだ。


「強欲さんよ、それは多分『美味い』って言うんだぜ?」


ディアナは馴れ馴れしいが大丈夫なのか?

相手は七大悪魔だって事を忘れてないよね?


【ダーリン、モットヨコシナサイ。】


【ん?】


【あっと、もっとよこしなさいよ、ダーリン。】


【ああ、お代わりって言う事かな?】


【さっさとよこせばいいのよ!】


【はいはい、それはお代わりって言うんだよ、強欲さん。】


【なら、お代わりよ、ダーリン。】


「っへ、強欲さんよ、負けねえぜ?」


「な、無くなる前に僕達も食べようか。」


「そうだな!」


「そうなんさ~。」


「左様ですわね。」


やれやれ、大食い大会じゃないんだぞ?

ディアナはガツガツと食べているので減るのが早いのは分かる。

だが、強欲さんは普通にスープを飲んでいるのに無くなるのが早い。

これはどういう事だ!?

ああっ、鍋の中身が無くなりそうだ。


慌てて追加を作る。


「まだまだぁ!お代わり!」


【初めてよ!これが美味しいと言う事なのね!ダーリン、お代わりよ!】


だが先にディアナがギブアップする。

さすがの強欲、負けじとお代わり合戦を制しディアナから勝をもぎ取ったのであった。

二人とも十杯以上は食べたよね?

体形が変わっていないのだが・・・。

・・・女の子の不思議だと思っておこう。


食事を食べて一休みしていると強欲さんが言ってくる。


【・・・怠惰の鼓動が聞こえるわ。】


「そうなのですか?」


「もうすぐ復活するって事か、どんな相手だろうな?」


「新装備を試せるんさ~!」


「皆、気を抜く事の無いようにしませんと。」


「ああ、腹ごなしにちょうど良いぜ!」


ディアナさん、戦う予定は明日だよ?


【それで、強欲さん、時間には早いと思うけれど、どうして出てきたのさ?】


【連れないわね、ダーリン。欲しいからに決まっているじゃない。】


【欲しい?何が欲しかったの。】


【私を差し置いて、その『美味しい』をしているんだもの・・・欲しくなったのよ。】


【美味しそうに見えましたか?】


【ええ、とっても!】


そうしていると普通の女の子みたいで可愛いのになぁ・・・。


【ねえ、ダーリン。今、何か良からぬ事を考えてるわね?】


【そ、そんな事無いさ。山の上だと小川が無いかなと思ってさ。】


【小川なんかが欲しいの?】


【欲しいと言うか、食器を洗うのに必要なんだよ。】


【ふーん、小川と言う事は、水が欲しいのね?】


【まあ、そう言う事になるのかな。】


【なら、こっちよ。】


強欲さんに手を引かれる。


「アーサー?」


【大丈夫ですよ。】


相手が相手なだけに、ジャスティンが心配してくれる。


【小川、綺麗な水があるって事?】


【人族が飲める水って事よね?】


【そう言う事かな?】


【こっちにあるわよ。】


食器を持って後をついて行く、しばらく山道から外れた木立の中を進むと水の流れる音が聞こえて来た。

・・・本当に小川があった。


【ダーリン、これで良いのかしら?】


【ああ、助かるよ、強欲さん。】


【・・・ねえ、ダーリン。】


皿を洗いながら答える。


【何かな、強欲さん?】


【その強欲さんって、何だか嫌だから、ダーリンがそう呼ぶのはやめてほしいの。】


【じゃあ、何て呼べばいいのかな?】


【ダーリンが呼ぶんだから・・・そうね、ダーリンが呼ぶ専用の名前が欲しいわ!】


【うーん、名前は・・・確か『アバリティア』さんだっけ?】


【そうね。】


【うーん、じゃあ、そこからとって『ティア』なんてどうだい?】


さすがに安直すぎたか?


【ティア・・・ティア、良いわね、じゃあ私の事はティアって呼ん頂戴、ダーリン。】


【ああ、よろしくね、ティア。】


【うふふ、欲しかった、名前!特別な名前!ダーリンからの特別な贈り物!】


なんか、ものすごく喜んでいるようだ。

・・・良かったのか?

だけれど、そうやっていると年相応の女の子に見えるんだよね。

いやいや、相手は悪魔族だ。

年齢だって分からない。

それも七大悪魔と言われる相手だ、油断はしないぞ。


【ねえ、ダーリン。】


【何だい、ティア?】


【・・・ねえ、もう一回呼んで?】


【ティア?】


【うふふ、嬉しいわ・・・。】


【ねえ、どうして名前が欲しかったんだい?】


【・・・昔、かなり昔だけれど、私も名前を呼ばれてた記憶があるのよ。】


【ティアって?】


【ううん、違うわ。本当の名前みたいなの。】


【それは・・・思い出せたの?】


【駄目ね、思い出せないわ、でも良いわ・・・欲しかった物が一つ手に入ったのだから。】


【名前が欲しかったの?】


【そうね、ダーリンから呼んでもらえる、世界でたった一人の私の名前!でも、欲しい物は、まだまだいっぱいあるわよ?】


他にティアって名前の人がいたらどうなるんだろうか・・・。

全国のティアさん、済みません!


【さ、流石、強欲さんだ。】


【・・・。】


【どうしたのさ?】


【名前・・・。】


【ああ、ごめんね、ティア。】


【・・・今回だけは特別に許してあげるわ。】


【今回だけなの?】


【そう、今回だけよ。】


呼ぶ時は気を付けよう。

ティアは、何か寂しそうだった。

いつものティアらしくないな。

俺のイメージでは、もっと高圧的だった感じがある。


【ねえ、ダーリン。】


【なんだい、ティア?】


【貴方、この世界が欲しくはない?】


【突然どうしたのさ?】


【欲しいなら手に入れてあげるわよ?】


【うーん、欲しくはないかなぁ。】


【それはどうして?】


【俺の手には大きすぎるんだよ?】


【そんな事は無いわ!】


【あるんだよ。】


【じゃあ、他には何が欲しいの?】


【俺の欲しい物か、うーん、何だろうね?】


【まさか、無いの?】


【今は満たされているからね。】


【満たされて・・・いる?】


【ティアは満たされていないから、欲しい物がいっぱいあるんだよ。】


【満たされていない・・・?】


【欲しい物がいっぱいあるって言う事はそうなんだよ。】


【そうね、欲しい物がいっぱいよ!】


【例えば?】


【そうね・・・一番はダーリンの魂ね。】


【ぶ、物騒だね。】


【そうかしら?】


【それ以外に欲しい物は?】


【ダーリンの体とか?】


【・・・それも物騒だね。】


【そうなの?】


【欲しい物が俺限定になってるような気がするんですが?】


【一番欲しい物が、ダーリンだからしょうがないじゃない。】


【え?俺が欲しいの?】


【そう、私が欲しているのは、この間のように魂の輝いているダーリンなのよ?】


【それじゃあ、欲しいじゃないけれど、他に楽しいと言う事も覚えると良いよ。】


【楽しい?】


【そう、そうすれば更に、色々な物が欲しくなるよ。】


【ダーリンよりも?】


【うーん、違う意味でかなぁ?】


【人族の感情は難しいわね。】


【でも、さっきの食事は楽しかったんじゃないかな?】


【身の程をわきまえない女に、身の程を教えただけよ?】


【身の程って、うーん、そう言う事じゃなくてさ、一緒に食べてみてどうだった?】


【別に・・・あ、でも、あんな事でも負けないわって初めて思ったかもしれないわ。】


【うーん、もう少しなんだよね。】


【何がもう少しなのかしら?】


【いや、ティアが心から楽しいと思えると良いなってね。】


【私が楽しいと、ダーリンは嬉しいの?】


【そりゃあ、嬉しいさ!】


【じゃあ、仕方がないから、楽しいを勉強してあげるわ。】


【良いね、是非、勉強してくれ。】


【この件が終わったら、早速勉強してあげるわ。】


【おう、それが分かったら、ティアはもっと魅力的になると思うよ?】


【魅力的?】


【あー、どう言えばいいんだろうか?】


【どんな感情なの?】


【感情って言うより・・・そうだな、魅力的って言う事は内面が輝いていて素晴らしいって事なのかな?】


【輝く?素晴らしい?】


【うん、そう・・・そうだね。ティアは俺の事をどう感じているのかな?】


【ものすごく、欲しいわ!】


【それは、少なくとも、俺に魅力を感じてくれている、と言う事だと思うよ?】


【ダーリンに魅力を感じている・・・。】


【そうそう、多分似た事だと思うよ?】


【輝きと言えば・・・ダーリンの輝きがなくなると思ったから、あのお嬢ちゃんを助けたわ。輝いて素晴らしいってそれの事なの?】


【そう・・・かもしれないね、あ、ルイスや皆を助けてくれてありがとうね、ティア。】


【助けたのはダーリンの輝きがなくなると嫌だと思ったからよ?】


【それでもだ、本当に感謝しているんだ、ありがとう、ティア。】


【ねえ、ダーリン、今、何故か体温が上がったわ・・・。】


【あ、今の気持ちに近い物が『照れ』なのかもしれないね。】


【照れ?そうなの?でも、悪い気はしないわね。】


【今話したその気持ちをもっと経験すると良いよ、きっとティアはもっと魅力的になるよ。】


【魅力的になったら、ダーリンは私の事が欲しいかしら?】


【欲しくなるかもしれない・・・。】


今でも十分に魅力的だからね。


【なら、その魅力的になって見せるわ!】


【楽しみにしているよ、ティア。】


嬉しくて微笑んでしまった。

そんな俺をティアがジーっと見ている。


【・・・また、体温が上がったわ。これは、ダーリンが魅力的と言う事?】


【近い感情だろうね、その調子でもっと人間の感情を勉強してくれ!】


【し、仕方がないから勉強してあげるわ。】


こんな子が伝承にも載っている大悪魔だなんてな。

・・・残酷だな。

そう言えば堕天したって、あのプレートに・・・。

でも、こうしていると、ティアは、素直な普通の女の子じゃないか。

心の中のイメージの変更をしておかないとね。


洗い物を終え、霧の中、ティアの案内で皆の所に戻った。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


霧が晴れないので、ジャスティンの指示で、小休止から大休止に変更した。


交代で見張りを立てる。


その間ティアは、ある一点を見ていた。

その方角は山の頂、つまり怠惰さんのいる遺跡の方角だろう。

俺は、そんなティアの横顔を見ていた。


寝床を作り終わるとジャスティンが指示を出す。


「では、僕とアーサーが一度目。ダンとアンナ。最後はラフィアとディアナ、各自、二時間で見張りをお願い致します。」


「「「応!」」」


そしてジャスティンとの見張りの時間、ティアは俺の隣へ来ていた。


「アーサー、今日のご飯も美味しかったですよ。」


【野菜のと】


【そうね、美味しかったわね。】


「・・・行動を共にするのは久しぶりですね。」


【そうで】


【そうなの、ダーリン?】


そう、ティアがジャスティンと話をさせてくれないのだ。


【・・・ティアさんや、会話に割り込むのはどうかと思うよ?】


【だって、ダーリンは私の物なのよ?私以外と話をするのは嫌だわ。】


「アーサー、僕は気にしないから強欲さんと話すと良いですよ。」


【ほら、ああ言っているのだから、ダーリンは私とだけ話すのよ!】


【分かったよ、ティア。申し訳ありませんね、ジャスティンさん。】


「ああ、構わないよ。」


【で、何を話すんだい?】


【・・・何を話せばいいのかしら?】


【ティアさんや、話したい事があるんじゃなかったのかい?】


【話す事が無いと、ダーリンといてはいけないの?】


ハッとしてティアの顔を見る。

ヤバイ、泣きそうだ!


【ああ、そんな顔をしないで、綺麗な顔が台無しだよ?】


【・・・また、体温が上がった。鼓動も早くなったわ。】


【ん?何か言ったかい?】


【な、何でもないわ!】


【?】


【な、何でもないったら!】


【分かったよ。】


しばらくティアとそんな感じで過ごしていた。

二時間が経つとダンとアンナを起こし交代する。

さて、四時間だけれど眠っておこうかな。


【ダーリンは眠ってしまうの?】


【ああ、戦いの為に休憩を取っておかないとね。】


【人族は不便ね。】


【ああ、だけれど、その不便さも良い物だよ?】


【そういう物なのね。】


【そういう物なんだよ。】


【なら、一緒に休んであげるわ。】


【うん、ティアも休んでおくと良いよ。】


【私に休みは必要ないわよ。】


【一緒に休むって言ったじゃないか?】


【いいから、ほら、布に入りなさいよ。】


【あ、ああ。】


寝床に横たわり、シーツを掛ける。

夜が明けたら決戦になるかもしれない。

休めるうちに休んでおこう。

するとゴソゴソとティアがシーツに入って来た。


【・・・ティアさんや、それだと俺が休めないんだが?】


【気にしないで休むと良いのよ。】


【いやいや、気になって休むどころじゃないぞ?】


【良いから休みなさい、私は、ダーリンの顔を見ているから。】


【気になって眠れないよ?】


【目を瞑っていれば眠れるのでしょう?】


【それは、普段の時だけだよ。】


【普段の時?じゃあ、私がいると眠れないの?】


【そ、そんな事は無いぞ?】


【じゃあ、気にしないで眠りなさい。】


【ああ、じゃあお休み、ティア。】


【・・・どうして反対側を向くのかしら?】


【ティアが見ていると眠れないだろう?】


【私の顔を見ながら眠りなさい。】


【眠れないってば!】


【もう一度だけ言うわ、私の顔を見て眠りなさい。】


【仕方がない、分かったよ。】


ティアの方を見て目を閉じる。

あ、なんか良い匂いがする。

すると疲れもあったのだろうか。


しばらくすると、睡魔が襲ってきて眠りについたのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


この気持ちは何だろうか?


ダーリンの側にいたい。

もっと近くにいたい。

そう思う。

何だろうか、この気持ちは?


楽しい?

違う、ダーリンの言っていたのはこの感情ではない。

素晴らしい?

違う、そもそも意味合いが違うだろう。

なら、この感情は何であろうか?


ダーリンは、私の目の前でスヤスヤと眠っている。

うふふ、可愛い顔をしている。

・・・抱きしめてみよう。

抱きしめると何故か気分が良くなった。


気分が高揚してくる。

心地ちが良い。

心地ちが良いですって?

楽しいでもない。

素晴らしいでもない。

知らない。

この感情は知らない。


でも、気分が良い。

ダーリンの髪の毛を撫でつける。

もっと気分が良い。

敵を倒した時の気分の良さよりも数段上、いや比べ物にならない!

この気分をもっと味わいたい。


もし、アセディアと戦いになったら?

ダーリンに怪我をされたくない。

死んで欲しくない。


もし、いなくなってしまったら?

この今の心地良い気分を無くしたくない。


そんな事は考えたくない。

この気分、感情は知っている。

不安だ。

嫌な感情。


だが、ダーリンは人族。

いつかは死んでしまうだろう。

そう思うと心に暗闇が覆ってくる。

この感覚は嫌だ。

ふと気が付く。


インヴィディアがいればこの気分の事を教えてくれるだろう。

あの子は弱いが察しが良い。

人族に溶け込むのが上手いし、色々な事を知っている。

知識だけならば私達の中では一番かもしれない。


いや、まずはアセディアだ。

朝になったら遺跡へとたどり着くであろう。

そうすれば、話し合いが出来る。

仲間になってくれたら、この感情の事を聞いてみるのも良いかもしれない。

まずは話し合ってからだが。


そんな事を考えていると、ダーリンが顔を寄せてきた。

邪魔な膨らみに顔がうずまる。

これではダーリンの顔が見れないではないか。

何とか顔を見ようと動く。

だが、ダーリンがすり寄って来て余計に顔が見れない。


けれど・・・。

何だろう、この気分は?

気分が、気持ちが良い。

気持ちが良い?

これが気持ちが良いと言う事なのか?


そんなダーリンを抱きしめると気持ちが良いを味わう。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

それでは 次話 怠惰の配下との対決(仮 で、お会い致しましょう!

お疲れ様でしたー!

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