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アビスと大悪魔ベヘモド

いつも読んで下さっていらっしゃる方々、こんにちは!

本日、第三弾!

執筆終わりました。

お楽しみ頂けると嬉しいです!

ここはアビスへの入口。


ゲームでは最大のダンジョンと言う扱いだったので、同じならここからベヘモドを探すのは困難だろう。

だが、俺の感が囁いてくる。

ベヘモドはそこにいると。

そして入口の階段を降りるとそこは灼熱の地獄のような場所であった。


うほー、ゲームの通りだ。

油断するとゴロゴロと転がって幽霊マラソンをしたなぁ。

懐かしい。

ここは十一のエリアに分かれていてそれぞれにボスがいる。


だが今はあそこだ。

達成と呼ばれるエリア。

そこに行けと感が囁いてくる。

ゲームでも悪魔族のわくエリアだった。

とにかく走ってそこに向かおう。


カサカサ・・・

ん?

何の音だ?

振り返るとファイヤー・アントの群れがそこにいた。

ちょっと待て、まだ心の準備が!


【くっそ、やるしかねえな!騎士魔法 2th コンセクレイト・ウエポン!】


相棒で切りかかると弱点は当然、青の冷気。

しかし数が多すぎる。

アチャチャ、そう言えば蟻だからギ酸を吐くんだった!

畜生め!

さらにファイヤー・アントの名前通り炎のブレスまで吐く。

駄目だ、構っていられん。

逃げる、いや、進むに限る。


【後方に向けて前進!】


狭い道を急いで逃げ、いや進む。

ゲームでもそうだったがここの敵達は縄張りが決まっていてそこから先へは追いかけて来ない。

そしてそれを利用してラヴァ・スネークやラヴァ・リザードもやり過ごす。

いちいち相手にしてたら相棒が持たないからね。

だが、道を塞ぐようにいる敵は倒さなければ進めない。


何度かの遭遇戦をこなし、何とか達成エリアにたどり着いた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【ヒトゾクガヒトリ、ムカッテクル。】


【人族が向かって来ている?一人だと!?】


ふん、大事の前の小事、無視しても構わんだろう。


『アイツは勇者に違いないのよ!』


ふと、そんな事が頭に浮かんだ。

最弱の嫉妬風情に言われたくは無いわ!


その時の俺はそう思っていた。


そんな事より、今は強欲と怠惰だ。

怠惰の能力は未知数だが強欲には注意が必要だ。

アイツは七大悪魔でも最強の権能を持っている。

欲しい物が出来ると力を増すと言う厄介な力の持ち主だ。

何故か力の充実している今は敵対するのは避けたい。

その為の怠惰だ。


仲間に出来れば俺と怠惰で協力して強欲を殺せるはずだ。

その後は嫉妬を殺し暴食を復活させる。

暴食ならば魔王様の為に協力してくるだろう。

後は順に殺していき、最後に怠惰を殺せば500年振りに魔王様の復活だ。

ああ、心が躍る。


【チュウコクデス、ヒトゾクガヒトリキテイマス。】


【それがどうした!】


【チュウコクデス、ヒトゾクガヒトリキテイマス。】


【っち、下等なモングバットごときでは伝令にも使えん。】


【オイ、ボス。】


【今度はインプか、何だ!考え事をしているんだぞ?】


【ヒトゾクガ、ヒトリキタ。】


【だからそれがどうした!】


【ピット・フィーンドサマガデテイル。】


【何だと!?】


ピット・フィーンドと言えばバルロンデーモンには劣るが強い方の悪魔族だ。

それが召喚されているだと!?


【一体、何が起こっている?】


【ワカラネエ、ダガ、ボスノデバンダ。】


【っち、仕方がない、この俺の恐ろしさを思い知らせてやろう。】


その時の俺は完全に嫉妬の言葉を忘れていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【三十四っと・・・。】


雑魚をのモングバットとインプを狩り終えると、続けて出てきた赤い悪魔族を倒していった。

そろそろ、アイツが出て来るかな?

そう思っていると出てきた。

茶色の大きな悪魔族『ピット・フィーンド』だ。

ただ、バルロンデーモン程の脅威ではない。

何せ普通の武器の攻撃で倒せるからだ。


【さあ、ここからが本番かな?】


そう言うと、新たに作った悪魔特効のミスリル・ロングソードを握りしめる。

このエリアでは、まずは弱い敵がいて、それを倒していくと段々と強い敵が召喚される。

モングバット、インプ、デーモンそしてピット・フィーンド。

現在、第四段階に入った所だ。


【さあ!ベヘモドは何処だ!】


茶色の悪魔、ピット・フィーンドを蹴散らしていく。

ミスリル・ロングソードに魔力を送り込み、更に鋭利な刃物にしていく。

これでピット・フィーントも一撃で倒す事が出来るようになった。

周りは悪魔族の死骸だらけだ。

だがそれも時間が経てば黒い靄になって消える。

最後らしきピット・フィーンドを倒し終えると周りに動く物がいなくなった。


【おいおい、ボスは出てこないのか?】


【調子に乗るなよ、人族の小僧。】


【お、やっと登場か?】


黒いタキシードを着て黒いシルクハットを被ったライオン人間?

うーん、黒幕にしてはお粗末な・・・。

いや、お粗末でも黒幕でボスだ。

気を引き締めよう。


【ん?貴様何処かで・・・?】


【アンタがベヘモドかい?】


【何故俺の名前を知っている?】


【おマヌケな指令書に名前があったのと、強欲さんから聞いた。】


【おマヌケだと!?】


【そう、それでアンタの名前が割れたんだよ!】


【まあ良い・・・だが、っち、強欲め裏切りおったか!】


【裏切ってはいないと思うよ?】


【ふん、人族の小僧が一人でここまで来られる訳があるまい!どこにいる強欲!】


【いないってば、それなら俺と戦ってみればいいよ。ただし・・・手加減はしない。】


悪魔特効のミスリル・ロングソードを構える。

空気がピーンと張りつめて行く。


【脆弱な人族ごときが付け上がりおって!】


【アンタには貸しがいっぱいあるんだ、そろそろ、その命で取り立てても良いんじゃないかな?】


【フハハ!言いよるわ小僧、まずは魔法戦としゃれ込もうか!】


【構わないよ?】


【エネルギー・ボルト!】


【・・・6th エネルギー・ボルト!】


同時に放った魔法は空中でぶつかり爆散する。


【馬鹿な、俺と、七大悪魔と同格の俺と互角だと!?】


【まだ、詠唱速度増加なんかは使用していないですよ、大丈夫ですか?】


【舐めるな小僧!ツイン・ドラゴン・ライトニング!】


【・・・8th ツイン・ドラゴン・ライトニング!】


同時に放った魔法はやはり空中で爆散する。


【詠唱速度が俺より早いだと!?】


【早口言葉は苦手のようですね、練習されてみては?】


【調子に乗るな小僧!ファイヤー・ストライク!】


【5th マジック・リフレクション!】


【なっ!】


ッボ!


呪文を放ったベヘモドの足元から火柱が上がる。

マジック・リフレクションは一回限りだが、相手が使った魔法を反射する事が出来る魔法だ。


【っち、小僧、対魔法戦闘を良く勉強しているな!】


【自慢の鬣が焦げてしまいましたよ、大丈夫ですか?】


【っち、魔法戦では分が悪いか、行くぞ!】


【ええ、駄目駄目ですね。そんな魔法じゃ一人の人族すら倒せませんよ?】


【っく、小僧、言わせておけばあっ!】


ベヘモドがそう言うと爪が伸びる。


【くっはっはっは!俺の爪の硬度は鋼をしのぐ!受けられるか!?】


【ほう、爪の攻撃に切り替えましたか、良い判断です。ですが俺も肉弾戦の方が得意なんですよ!】


カキーン


【ば、馬鹿な!何だその剣の硬度は!?】


【貴方がたの為に作った傑作品です、御堪能下さい!】


カキーン


キーン!


【っち、面倒な!】


【言ったでしょう、アンタにはたくさん貸しがあるんだって、今日こそは取り立てさせて下さいね?】


ギン!


ギリギリッ・・・


鍔迫り合いになったので格闘戦を仕掛けてみた。


【っひゅ・・・・。】


まずは空いた左拳でのジャブ、そしてそのまま右の下段蹴り。

二発ともまともに当たって体制を崩すベヘモド。

そこに切り込んだ。


ヒュン


パラッ


【っち!?】


【自慢の帽子が切れてしまったようですね。格闘戦はそこまで得意ではないようですが、このまま続けても大丈夫ですか?】


【煩い小僧、そろそろ本気を見せてやろう!】


【最初から本気だったのではないのですか?】


【っふ、何を粋がっている小僧、我の真の姿を見て震えるが良い!】


そう言うと体中に風船が膨らんだように膨張する。


【俺のこの姿を見て生きて・・・イタモノハイナイ!】


大きさは五m程、頭には五本の触手が生えている。

体の真ん中に大きな丸い口があり、その周りに十cm程の牙が生えてウネウネと動いている。

両腕は木の根っこのムチのようになっており不気味な怪物になった。

目は何処にあるのかな?


【何ですか、醜悪になってしまいましたね、ベヘモドさん!】


【ッフ、キサマハコレカラジゴクヲミルノダ!】


【まともに喋る事も出来なくなったようですね?良いですよ・・・掛かって来い!】


【Огненный удар!(ファイヤー ・ストライク!)】


詠唱速度が格段に上がった。

俺の足元から火柱が上がるがその魔法を剣に込めるように魔力を移動させる。


【バカナ!】


【食らってみてよ、自分の魔法をさ!】


ゴオッ!

シャキッ


【ギャアアアァァァ!】


今の斬撃でベヘモドの右腕が吹き飛び燃え上がった。


【ナンダ、ソノコウゲキハ!】


【知らないのかい。魔法剣って言うんだってさ!】


追撃の一撃を放つ。

かろうじて避けたようだ。


【Брэд Орт!(ブラッド・オース!)】


っげ!

物理攻撃反射の呪いか!

制限時間が短いのが救いだったはずだが・・・。


【ドウシタ、ジマンノカクトウコウゲキヲシカケテミセロ!】


仕方がない。

魔法攻撃にチェンジだ。


【・・・8th アース・クエイク!】


【ギャオオオォォォン!】


【その口だと魔法を唱えるのが遅くなってしまったのでは?】


【ウルサイゾ、コゾウ、コンナアシドメテイドデ!】


まだまだぁ!


【・・・9th フレイム・ノヴァ!】


小さな火球が俺の掌に現れるとそれは吸い込まれるようにベヘモドに向かう。

そして当たると範囲を急速に拡大させる!

その五m程の球体の範囲内温度は『3000℃』!

さあ、耐えられるかな?


【バ、バカナ、ヒトゴトキガ9thダト!シカモコノマホウハ、サイセイガオイツカナイ!】


【再生なんかさせないってば、いい加減に舞台から降りなよ?『嫉妬』さんもそれを望んでいるんじゃないかな?】


【マ、マサカ、キサマガシットノイッテイタヒトゾクカ!】


【今の魔法に良く耐えたじゃないか!でもブラッド・オースの効果も切れたね!】


バックパックに使っていたロング・ソードをしまい、悪魔特効のミスリル・カタナを取り出す。


【バカナ!ホントウニ、シットノイッテイタ、ユウシャナノカ!】


真っ黒に焼け焦げ、ブスブスと体から白い煙をあげながらそんな事を言って来た。


【勇者じゃないよ!・・・でも、これで積みですね。】


抜刀の構えを取る。

魔力を限界まで込め・・・。

そして踏み込み、神速の斬撃を放つ。


ッチン


【・・・コゾウ、ナニヲシタ!?】


【攻撃が見えなかったのかな?斬撃を三回、同時に放ったんだよ。】


【ナ、ナンダ、カラダガ、サイセイシナイゾ!?】


【焼け焦げて丸見えの核を斬った・・・言ったでしょう、詰みだって?】


【バカナアッ!】


【俺がいた世界のとある侍が、飛んでいる燕を斬る為に生み出した斬撃だそうだ。その名も・・・『燕返し』。】


【バカナ!バカナ!バカナァッ!ヒトゴトキニ、ユウシャデモナイヒトゴトキニヤブレルトイウノカ!】


【アンタの敗因は、俺の大切な街や人達に手を出したから・・・だ。】


【マオウサマ、モウシワケアリマセン、デスガ・・・マダ・・・。】


そのベヘモドと呼ばれた怪物は黒い靄になって消えた。

後には綺麗に六等分になった黒い核だった物が残っていた。

その核を拾い上げるとバックパックへしまう。


ん?

マダ・・・と言ったな。

それに七大悪魔のツガイを倒したのに上級悪魔と同じ大きさの核だと?

そう言えば強欲さんが言っていたな。

分体がいるって・・・。


と、言う事は今のは分体の可能性があるって事か?


・・・考えろ、思い出せ!

まだアビスで他に悪魔族が潜んでいそうな所。

そう言えば強欲さんは何て言ってたっけ?

動けないから憑依して来た。


そうだ!

そう言っていた!

と、言う事は・・・。

動けないと言う本体は隔離された場所、あそこの祭壇かもしれない。

いや、絶対にあそこだ。


その考えが正しいと思い、俺はその地に向かって足を踏み出した。

ここまで読んで下さって、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

励みになってます!

お力をありがとう!

それでは 次話 アビシャル・シャフトの決戦(仮 で、お会い致しましょう!

お疲れ様です!

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