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ベヘモドと言う存在と強欲

いつも読んで下さっている皆様方、おはようございます。

執筆が終わりました。

お楽しみ頂けると幸いです。


「【ただいま、女将さん!】」


二人で宿の扉を潜る。

サーラの剣は満足のいく物が出来あがらなかった。

心に迷いがあるのだからしょうがない。

今後に期待だ。


「お帰り、小僧、金持ちが部屋で呼んでるよ!急ぎみたいだからさっさと行ってきな!」


【はい、サーラはいつもの所へ、皆によろしく伝えておいてくれるかな?】


「はい、ヘファ師匠!」


部屋で待っていると言う事は、話す内容が多分、悪魔族関連の事なのだろう。

階段を駆け上がる。

ノモスの部屋の前に着くとドアをノックする。

扉が開くと、バウマンさんが待っていた。


「これは、アーサー様、奥で会頭が待っております。」


【ありがとうございます。それと、ピザのレシピです。】


「これはありがたいですな、アーサー様。」


部屋に入るとノモスの座っているテーブルへと急ぐ。

あれ?

控室に気配が?

この気配・・・どこかで?


「思ったより早かったな、アーサー。」


【あ、ああ、それで何か動きがあったのかい?】


「そうだ、怠惰の封印が三日後に解ける。」


ここ最近だと思っていたが、ついにこの日が来た。

いや、来てしまった。


【状況は?悪魔族が出てきたりとかは?】


「今の所無い、ただ封印が解けると、どんな事が起こるか分からない。」


【ドリュカス様への報告は行ってるんだよね?】


「ああ、グレイを使わせている。」


【じゃあ、俺は援軍を頼んでくるよ。】


「例のフェルナー帝国のガーゴイルだな?」


【そうだ、早い方が良いだろう。】


「その前に、お前にお客さんだ。バウマン、御通ししろ。」


「かしこまりました、会頭。」


お客さん?

こんな時に?

あれ?

この気配は先程の?

そうだ・・・知っている気配だ!


【・・・こんばんは、ダーリン。】


【やあ、今宵は良い月夜ですね、強欲さん。】


【ええ、良い月夜だわ、それで、覚悟は決まったのかしら?】


【ああ、俺の国だったところの言葉で『専守防衛』と言う言葉がある、それに倣おうと思っている。】


【・・・どう言う意味かしら?】


気配が変わった。

いつでも攻撃をするぞと言う気配だ。


【簡単に言おう、まずは話し合う。それが駄目で怠惰さんから攻撃を受けた時に、こちらの防衛力を行使する。】


【話し合いはしてくれるのね、ダーリン?】


【もちろんだ、分かり合えるならそれが一番だからね。】


【・・・それなら良いわ、協力してあげる。】


強欲さんの攻撃をするぞ、と言う気配が収まった。


【それはありがたいけれど、ベヘモドはどうする?必ず来るぞ?】


【ダーリンが倒して頂戴。】


【なら、条件がある・・・ヤツの居場所と能力『支配』の事を詳しく知りたい。】


【能力の事まで知っているのね?さすがはノモス様と言った所かしら。】


「お褒めに預かり光栄ですな、強欲様。」


【ふふっ、良いわ、能力の事は教えてあげる。その名の通り支配よ。自分より魂の格の低い相手を支配する能力よ。】


「魂の格の低い相手ですと?」


【そう、ダーリンと私の魂は同格以上だから効かないわ、安心して頂戴。】


「・・・それは、防ぐ事は出来ないのかね?」


【魂の格が低ければ、まず無理ね。】


【一般人に使われたらどうする?】


【そんな者は虫と同様に・・・やん、そんな怖い顔をしないで頂戴、ダーリン。】


【済まないが、その手の冗談は好きでは無いんだ。】


【支配されれば終わり・・・一つだけ教えてあげるわ、この王国はもう無理ね。国王は完全に支配されているわ。ベヘモドを倒しても無理よ。】


「っく、やはり・・・。」


【ふふっ、さすがはノモス様、お気付きだったのですね?】


「もしかしたら、と言う仮定だったんだがね。」


【話を戻すわ、ダーリン、そう、一つだけ防ぐ方法があるわ。】


「「【それは?】」」


【・・・完全に支配される前にベヘモドを殺す事。】


【分からない時間の中で倒す事は可能なのか?】


【ダーリンなら可能よ?】


【・・・応えてもらっていない事があるが追加で聞く、ベヘモドの本体は一つか?】


【素晴らしいわ!そこに気付くなんて、さすがね、ダーリン。】


【良いから答えてくれ。】


【ベヘモドの本体は一つ、分体の数は皆と同じく十体。居場所は契約で縛られていて私達からは言えないの。これが先程の質問の答え。でも、今回も来るのは分体でしょうね。】


【分体を倒しても支配は継続するんだな?】


【そう、本体を仕留めない限り継続するわ。そして、体の相性が良い者が支配されたらベヘモドは絶対に魂ごと憑依する。】


【魂ごと、と言うのは?】


「例えばダーリンの良い人、お嬢ちゃん。」


【お嬢ちゃん?ルイスの事か?】


「そう、そっちのお嬢ちゃんが標的になったら、そのお嬢ちゃんの魂が消滅してベヘモドの魂になる、体はそのままでね。」


「ば、馬鹿な!?」


「何ですと!?」


【支配されるまでに本体を倒す、殺す事。うふふ、そうなったら守り切れるかしらね、ダーリン?】


【っく・・・本当に本体を殺せば支配は解けるんだな?】


【うふふ、その顔は私が初めて見る顔ね、ゾクゾクするわ!】


【質問に答えてくれ。】


【うふふ、確実に解けるわ。先程も言った通り時間が経てば駄目よ?】


【・・・気持ち良さそうな所、悪いんだけれど、ベヘモドの本体の居場所が分かったよ。】


【なっ!?】


【諸王の墓の奥、そこにあるアビスへの入り口、その地下階層の何処かだ。】


【ダーリン、貴方・・・一体何者?】


【先に言っておく、この世界の事は誰よりも知っている、それがこの俺だ!】


【良いわ、ダーリン、貴方は本当に良いわ、必ず手に入れてあげる。ゾクゾクして濡れちゃったわ・・・こんな事何百年ぶりかしら!】


【強欲さんが俺に膝を屈すると言うなら大歓迎なんだが?】


【そんな所も素敵、必ず私の物にしてあげるわ!】


【と、言う事でノモス。】


「何かな、アーサー?」


【ちょっと気合を入れて暴れて来るよ。俺が戻るまで怠惰さんには手を出さないでくれって、爺さんに言っておいてくれるかな?】


「その役目引き受けよう。」


【ダーリン、前に言った事を覚えてるかしら?】


【どの事かな?】


【ガーゴイル族の役目の事よ。】


【ああ、門番の役目を放棄してるだとかなんとかだっけか?】


【そう、あの女王には気を付けなさい、アイツは魔王復活派よ。】


【それを、信じろと?】


【私の言う事を信じておいた方が良いと思うわよ?】


【分かった、気に留めておこう。】


【では、ダーリンの武運を祈っておくわね。】


【大悪魔様から祈りをもらえるとは思わなかったよ、だから先に言っておくよ、情報を色々とありがとう。】


【そ、そんな事は良いから、早くベヘモドを倒してらっしゃいな!】


【強欲さんも照れると可愛いんだね、その顔は初めて見たよ。】


【さっきの意趣返しのつもり?】


【そんな事はないよ、本当に可愛かったんだ。】


【・・・ダーリン、無事に帰ってくるのよ?私の物が無くなるなんて絶対に許せないわ。】


【その言葉、ありがたく受け取っておくよ・・・では、行って来る。】


そう言うと部屋を出て行く。


危ない事をするのは、ルイスとナナリーさんにだけは上手く言っておかないとね。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ダーリンが部屋を出て行ってしまった・・・ああ、駄目ね、体の火照りが収まらないわ。


「バウマン、伯爵様に使いを頼む。それで、強欲さんはどうするん!?」


「なっ!?」


【ああ、欲しい、ダーリンガホシイ・・・。】


「「い、異形!?」」


【Я очень хочу, нет, я больше никому не отдам, он мой!】

(本気で欲しくなっちゃったわ、いえ、もう、誰にも渡さない、あの人は私の物だ!)


力を抑えきれず、異形になってしまった私を見てノモスとバウマンと言う人族が呆然と見上げている。

これでも必死に力を抑えているのだ。

ダーリンの大切な場所を壊す訳にはいかないから。

ここで力を使ってしまえばダーリンの大切にしているという人族は死滅するだろうから。

そんな事をすれば、ダーリンの力は私に向かうだろう。

あの力が私に向かう・・・?

嫌だ。

そんな事は嫌だ!


力も、肉体も、魂までもが全てが私の物だ!

血の一滴すら他の誰かに取られる訳にはいかない。

そう、全て私の物だ!


こんなにも本気で欲しくなったのはあの勇者以来だろうか?

ダーリンに200年目の渇きを潤してほしい。

そう、あの人の全ては私の物だ!


誰にも渡さない、それがあの忌々しい女神であっても。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


リターンを唱えエギエネスシティに着くと王宮に向かう。


そう、援軍の話をする為だ。

王宮に着くと門兵と話をして女王陛下へと謁見の申し込みをする。

すると、最優先で通された。


「友よ、このような時間にいかが致したのじゃ?」


【陛下、七大悪魔の怠惰が、私共オーカムの時間で三日後に蘇ります。】


「ついに来たか!すぐに援軍を派遣せよ、急ぐのじゃ!」


「「「ははっ!」」」


【つきましては陛下にお願いしたい事があります。】


「なんじゃ、友よ?」


【この国にあるという『諸王の墓』への入室を許可願いたく。】


「な、何じゃと!?」


【そこの奥、アビスにいる大悪魔族を倒して参ります。】


「・・・友ならば良かろう。ならば、そこで試練を受けるが良い。」


【試練でございますか?】


「そうじゃ、アビスへ入るにはそれを受けて認められぬといかんのじゃ、単一の神殿へ赴くがよい。誰か、案内せよ!」


ああ、ゲームでもあったな。

じゃあ、あのクイズかな?

まあ、覚えているから大丈夫だろう。


「では、私が!」


あの人は王子様じゃなかったっけ?


「うむ、見事役目を果たしてくるがよい、カルブよ。」


「っは、母上、それでは案内する、ヘファイストス殿。」


【お願い致します。】


王宮の外に出ると王子様が俺を抱えて飛んでくれた。


「ヘファイストス殿、見事に神の試練を乗り越えて見せよ!」


【神の試練ですか?】


「そうだ、辛い試練だと聞いている、心せよ。」


【大丈夫です、何があろうと乗り越えて見せますよ!】


「その意気や良し!あそこが諸王の墓の入り口だ。」


その全景が見えてきた。


それは墓所と呼ばれるのに相応しい所であった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


地上に降りると早速のお出迎えだった。


アンデット・ガーゴイル。


相棒を抜くと迎撃する。

どうやら、王子も共闘してくれるようだ。


「ヘファイストス殿、道を切り開くぞ!」


【はい!騎士魔法、2th コンセクレイト・ウエポン!】


騎士魔法を唱え突っ込んでいく。


ズバッ


赤、弱点は炎だね。

まあ、アンデットなので当然だろうな。

次々と切り伏せて行く。

数が多い、このままでは、俺はともかく王子が疲弊してしまうだろう。


【騎士魔法、4th エネミー・オブ・ワン!】


一定時間だが、最初に素手を含む各種武器攻撃で攻撃を当てた対象に対してダメージを1.5倍にする事が出来る魔法だ。

ただし、同じ種類の敵にしか効果がない。

ここにいるのは、同種のアンデット・ガーゴイルだけなので使用した。

うん、良い感じで殲滅出来そうだ。


「くおっ!」


【4th グレーター・ヒール!】


「傷が・・・済まない、助かる!」


王子も奮戦している。

しばらく戦っていると全滅させる事が出来た。


「はあ、はあ、こ、ここが入口だ、用心せよ!」


【はい、では行きます!】


こうして神の試練の入り口だと言う神殿にたどり着いた。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります!

皆様に感謝を!

本日は予定が無いので終わり次第上げて行きます。

よろしければお付き合いください。

それでは 次話 神の試練(仮 で、お会い致しましょう!

お疲れ様でした!

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