サーラと言う女の子
いつも読んで下さっていらっしゃる方々、誠にありがとうございます!
執筆が終わりました。
楽しんで頂ければ幸いです。
朝市に来た俺達は、早速乾物屋で味醂干しを食べている。
「サーラさん、このマヨネーズと七味を付けるともっと美味しくなるわよ。」
「そうなんですよ、癖になる味なんですよー。」
「あ、はい。いただきます。」
そう言うとサーラさんは調味料を付けた味醂干しにかぶりつく。
「お、美味しいです!何ですかこれ!」
「うふふ、反応が私達と同じですね。」
「そうですね、ルイスさんー。」
三人が楽しそうに味醂干しを食べている。
ルイス程ではないが・・・大きいね。
そんな馬鹿な事を考えているとルイスとナナリーさんに言われる。
「良い、サーラさん、あの顔をしている時はいやらしい事を考えている時なのよ。」
「そうです、だから近寄っちゃ駄目ですよー?」
【あのねぇ、二人とも、一応、俺は師匠なんだからね?】
「だってねぇ・・・。」
「そうですよー。」
【・・・悪い事を教える女共にはお仕置きだぁ!】
「「きゃー!」」
後ろから二人の重量感のあるおっぱいを揉む。
それを見てサーラさんが言う。
「師匠達は仲が良いんですね。」
【もちろんだ!】
「「もちろんよ!」」
「そ、そうですか・・・。」
ん?
なんか元気が無くなったぞ?
「御二人は、いい旦那様に恵まれて良かったですね・・・。」
「「「え!?まさか結婚しているの?」」」
「け、結婚はしていないですよ!」
「でもしたい、いえ、したかった相手がいたのね?」
「そうなんですかー?」
「ええ、幼馴染でした。私の胸が膨らんでいくと『気持ちが悪い!』と、言って離れて行ったんです・・・。」
「「それは、その男に見る目が無かったのね。」」
【そうだ、そうだー!】
「彼は良い人なんです!私が悪いんです・・・。」
「「そんな事はないわね。」」
【そうだ、そうだー!】
「でも、巨乳になったりしなければ・・・。」
【サーラさんや、巨乳の何が悪いんだい?】
「それは醜いから・・・。」
【俺はそんな事は気にもならないよ?いや気にはなるか・・・そう言えば、ルイスやナナリーさんもそんな事で悩んでた時期があったね。】
「そうね、懐かしいわ。あの時は胸がこれ以上大きくならないでーとか思ったりしてね。」
ルイスさんや、初耳なんですがね?
「私の場合は、お見合いをことごとく断られましたしね、自由恋愛なんかなかったですよー。」
ナナリーさん、俺とは自由恋愛じゃなかったの?
「「でも、今は幸せなんです!」」
「どうしてですか!教えて下さい!」
「「だって、こんなに立派な旦那様がいるんですから!」」
「・・・信じられません。」
「ま、まあ、ちょっと変な所はあるわよ?」
「でもそれを補って余りある旦那様なんですー。」
「私達は幸せよね、ナナリーさん。」
「そうですね、ルイスさんー。」
【二人ともその辺りで・・・さすがに恥ずかしいです・・・。】
「そう、その顔が見たかったのよ!」
「いつもは見れませんからねー。」
【くそう、た、食べ終わったら港に行くよ!】
「「はーい!」」
食べ終わり、港に移動すると早速声が掛かる。
「お!シビ旦那じゃねえか、今日もあるぜ!買っていくかい?」
【他には何があるんだい?】
「鯛と鯖があるよ!買っていくかい?」
【もちろん、いつものようにしてくれるかな?】
「へへ、まいどっ!あれ?そっちの人は初めてだけれど・・・もしかして三人目なんですかい?」
【残念ながら、まだ違うんだ。】
「ちょっと師匠!まだって、会ってからまだ二日目ですよ!」
「なんだ、本当に違うのかい?」
【今はこの二人で十分なんだ。】
そう言って二人を抱き寄せる。
「旦那、だったら結婚は早くしないと・・・逃しちまいやすよ?」
【二人とは、お、落ち着いたらするつもりなんだよ!】
「アハハ!そうですかい!じゃあ、捌いてきやすね!」
【ああ、頼むよ!】
「ねえ、今日は御寿司にしてあげましょうよ!」
「そうですね、お姉さんも食べたくなってきましたよー。」
「お、おすし?ですか?」
【そうだよ、美味いんだ。じゃあ、決定だね。】
そして捌かれた魚を買い込むと宿へと戻るのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
入口を潜るとカウンターに座っているノモスとグレイさんを見つけた。
【おはよう、ノモス。今日も良い朝だね。グレイさんも。】
「おはようございます、ノモスさん、グレイさん。」
「おはようございます、ノモスさん、グレイさんー。」
「おはよう、アーサー、ルイス嬢にナナリー嬢。市場に行っていたのか、と言う事は今日は寿司かい?」
【ああ、そうだ、ノモス。改めて紹介しよう、こちらが俺の初弟子のサーラさんだ。】
「サ、サーラと申します、よろしくお願い致します!」
「アーサーの友達をしている。ただの、ノモスだ。お嬢さん、気軽に頼むよ。」
「は、はい!」
「初々しい子じゃないか・・・狙っているな?」
【こら、ノモス。でも、そんな事はあったり、無かったり・・・。】
「ちょっと!師匠!」
「ふふ、二人が御冠になる前に飯を頼むよ。」
「そうだな、ボス。」
【ああ、任せてくれ。サーラさんも席に着いて待っていてくれるかな?】
「は、はい!」
そう返事をすると三人は席に向かって行く。
サーラさんは、早速リズとマオに絡まれているようだ。
うーん、彼女の服も作らないとねぇ。
そんな事を考えていたが、まずは御寿司だ。
さあ、握りますか!
握り終えると皆の所に持って行く。
【お待たせ、皆。今日は朝から御寿司だ。サーラさんの歓迎をしてあげてね!】
「「「はーい!」」」
「な!生魚じゃないですか!」
「ふふ、でも美味しいから食べて頂戴。」
「本当に美味しいんですよー。」
皆が食べているのを見て安心したのかな?
「よく見ると、これは綺麗ですね。どうやって食べるんですか?」
「まずは、このおしぼりでね。」
「手を拭くのですよー。」
ルイスとナナリーさんが後を引き継いでくれたようだ。
二人に任せて、そのまま厨房に戻り、ノモス達にも寿司を振舞う。
「相変わらず美味いな。朝だと言う事を忘れそうだ。」
「そうだな、ボス。酒が欲しいぜ。」
バウマンさんは、ここにはいない。
早速情報収集なのだろう。
「しかし、アーサーにも困ったもんだ。」
【急にどうしたのさ?】
「この宿の寿司とミソスープを食べると、徳之島の物は食えなくなってしまうじゃないか。」
【徳之島にはまだ行った事はないけれど、そんなに違うのかい?】
「違うなんて物じゃないぞ?まったくの別料理だ、なあ、グレイ?」
「そうだな、ボス。」
「で、今日の予定は変わらずかい?」
【ああ、エギエネスシティに行って練成だね。終わり次第ドリュカス様に納めないと、さすがにそろそろ怖い。】
「ハハハ、そうだ、あの御仁を怒らせるんじゃないぞ、アーサー?」
そんな事を話していると皆のテーブルの会話が耳に飛び込んできた。
「美味しいですね!この、『おすし』でしたっけ?」
「そうよ、歓迎会も兼ねているから、どんどんお代わりをして頂戴ね?」
「そうですよ、ヘファ君の手作りですが気にせずに食べて下さいねー。」
「御二人に悪いような気がして・・・。」
「遠慮は無用よ?」
「そうです、無用ですよー?」
「だ、だってお二人の良い方からの手料理なんですよ?」
ふむ、こちらから持って行かないと駄目かな?
と、そんな事を考えていたら続きがあった。
「ねえねえ、サーラさん、どうしたらそんな大きな胸になれるの?」
「そうです!このままだと大きくならないです!」
「お、大きくない方が結婚には有利じゃないかなー?」
「何を言っているのよ!お兄さんの好みになる為なのよ?」
「そうです!巨乳になりたいのです!」
「そ、そんな事を言われましてもー・・・。」
「かくなる上は揉んで御利益を得るのよ!マオ!」
「はい!リズ姉!」
「ちょ、朝からはやめて下さい!」
「リズ、マオ、昨日散々したでしょう?今はやめておきなさい。」
「「はーい!」」
「今はですか!?」
「じー・・・。」
・・・なんかアリスがサーラさんの事をじーっと見ているぞ?
何と後ろからサーラさんのおっぱいを揉みだした。
「ちょ、ア、アリスちゃん!?」
「おっきいのです・・・。」
自分の胸をペタペタと触りだしたぞ?
「ア、アリスちゃんはまだまだ、これからだから!」
「おっきくなりたいのです!」
「気が付いたら大きくなっていたのよ?」
「・・・羨ましいのです!」
「私はアリスちゃんが羨ましいですよ・・・。」
そんな会話が聞こえて来たところで皆のテーブルに御寿司を持って行った。
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朝御飯が終わるとルイスとナナリーさんに今日の予定を説明する。
「エギエネスシティに行くのね?」
「気を付けて下さいねー?」
【街の中だから大丈夫だよ。】
「サーラさんも気を付けて下さいね?」
「はい、ルイスさん、ナナリーさん行ってまいります!」
【その後は爺さんの所に納品して来るから、ちょっと遅くなるかもしれない。】
「分かったわ。気を付けてね?」
唇にキスをされる。
「気を付けて下さいねー。」
同じく、唇にキスをされる。
【じゃあ、行ってくるね!】
「行ってまいります!」
そして宿から出て路地に行くと、人のいないのを確認してゲートを開く。
【さあ、入って下さいね。】
「は、はい!」
サーラさんは恐る恐るゲートに入る。
後を追ってゲートを潜るとそこはエギエネスシティの魂の金床の前だった。
早速、練成に取り掛かる。
昨日作った武器をバックパックから取り出す。
サーラさんはそれを真剣な眼差しで見ている。
手にはメモ帳を持っている。
これは下手な事は出来んな。
心を引き締めると、練成を開始・・・。
そうだ、ここは体験してもらおうかな?
そう思って声を掛ける。
【サーラさん、ちょっとここに座ってくれるかな?】
「は、はい!」
座ると後ろから抱きしめるように俺も座る。
「え!?え!?」
片手ずつ手を合わせると説明する。
【ミカも何事も経験だって言ってたでしょう?練成の感じを経験してみようか。】
「は、はい!」
【ほら、集中して・・・手に魔力を貯めるんだ。】
「は、はい!」
【良いかい?感じてごらん、行くよ?】
「は、はい!」
フォーン・・・
【どう?】
「ま、魔力が霧散しました。」
お?
この子、練成の才能があるんじゃないか?
【何回かやってみようか、集中してみて。】
「は、はい!」
何回かやってみた。
彼女は何かを掴んだらしい。
メモ帳に書き込んでいる。
感覚を忘れなければ、良い練成師にもなれそうだ。
「師匠!魔力を維持する為にはどうしたら良いんですか?」
【それはね・・・。】
丁寧に説明すると分かったらしい。
彼女、呑み込みが早いぞ?
足りないのは経験かな。
そう言えば何歳なんだろうか?
女性に歳を聞くのは失礼だが、知っておかなければいけないだろう。
【サーラさんって何歳なの?】
「今年で十七歳です。」
【ルイスの一個上か、ならまだまだ伸びしろはあるから、頑張ろうね。】
「はい!ヘファ師匠!」
そして午前中で練成を済ませると、ドリュカス様の元へ納品へと向かうのだった。
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