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ミスリルの真価と訓練の成果

いつも読んで下さっていらっしゃる皆様方、こんばんは。

執筆が終わりました。

お楽しみ頂けると幸いです。

そして今日も俺達は訓練を行っている。


本日は三日目のダンジョン籠り。


「モルテン・アース・エレメンタルですわね!火傷と麻痺攻撃に注意ですわ!」


「「「応!」」」


大分落ち着いて見ていられるようになって来た。


「コンセクレイト・ウェポン!」


ズバッ!


「グゴゴゴォォォ・・・。」


「狂乱したぞ!ディアナ、距離をとれ!」


「ハイっす!」


「アンナ!」


「りょ~!」


ドスッ!


「グゴゴゴゴゴゴ・・・。」


「今っ!」


「「応!」」


ジャスティンの合図と共にダンとディアナが突っ込んで行く。

うん、狂乱の時間の見切りも完璧だね。


しばらくすると、その敵も土くれになる。


「ふう、警戒態勢を維持!ダン、戦利品の回収をお願いします。」


「応よ!何が入っているかねーっと・・・。」


・・・次はウィンド・エレメンタルが近づいてきてるね。


「ジャスティン、敵が近づいてきているんさ~。多分だけどウィンド・エレメンタルかな~?」


「ダン、戦利品の確保を手早くお願いします。その後、戦闘態勢です。」


「今度の敵は魔法を使ってきますわ!注意ですわよ!」


「「「応!」」」


【準備は出来ましたか?・・・では、連れて来ますよ?】


「お願い致しますわ、アーサー様!」


こんな感じでこの三日、装備の慣熟と実戦の経験を積んでいる。

この階層も、大分慣れてきたようだ。

皆は、それだけの濃密な経験を積んでいる。


【来ますよ、皆さん!】


「「「応!」」」


そう言ってハイディングすると、ジャスティンが間髪を入れずに挑発スキルを使う。


「「「こちらです!!!」」」


ジャスティンの挑発スキルから、ウィンド・エレメンタルとの戦闘が始まる。


「アンナ、矢はしばらく効きませんので待機を、後方を警戒して下さい!」


「了解なんさ~!」


「ダン、ディアナは左右からお願いします。僕は正面から行きます!」


「「応!」」


「・・・ブレッシング・オール!」


「ありがとう、ラフィア。では、行きますよ!」


「「「応!」」」


ジャスティンも耐性スキルを上げているのだろう。

ウィンド・エレメンタルのライトニングを受けてもたじろぎもしない。


皆はまだ、ミスリルの特性には気づいていないようだね。

教えたい所だけれど、自力で気づかせるのがこの人達には良いんだよね。

と、見ているとジャスティンが後方、ラフィアの方へ下がる。


おや?

違和感に気付いたかな?


「ラフィア、この防具、いや武器も、何か変です。」


「変って、どういう風にですの?」


「魔法を受け流せるというか・・・ううん、伝えるのが難しいですね。」


「それは、ミスリルの特性が関係あるかもしれませんわね。」


「ミスリルの特性?」


「簡単に言うとミスリルと言う金属は、魔力を貯めておけるのですわ。」


「魔力を貯めれる?」


「ええ、例えば、先程のライトニングの魔法を貯めて攻撃に上乗せして敵にぶつける、と言ったような事が出来ますわ。」


「興味深いですね。」


「今のうちに、試しておくのも良いかもしれませんわね。」


「では、やってみましょうか!」


ラフィアと相談したジャスティンが戦線へ戻っていく。


「「「こちらです!!!」」」


挑発を受けたウィンド・エレメンタルが、ジャスティンに向かってエクス・プロージョンの魔法を唱える。


ズドムッ!


「っくっ!?」


ほう、気付いたかな?

どうも、わざと魔法を食らっているような印象を受ける。


「ジャスティンの兄貴?」


ディアナは違和感に気付いたようだ。


「何でもありませんよ、ディアナ!そのまま攻撃を!」


「ハイっす!」


「そろそろ行くんさ~!」


アンナが弓を放とうとするとラフィアから待ったが掛かる。


「アンナ、もう少し待って頂けませんこと?」


「ん?良いけど、長引くだけなんさ~?」


「もう少し、実践してみたいのですわ。」


「実践?なんさ~?」


「ええ・・・何かに、気付かせてくれようとしていらっしゃるのですわね、アーサー様。」


「ゴオオオォォォ!」


今度はライトニングが降ってきたのだが、ジャスティンが剣を避雷針のように高く掲げると、ライトニングの魔法が剣に吸い込まれていく。


「こ、この感覚ですか!」


「それですわ、ジャスティン!」


「「「おおっ!」」」


他の三人も驚いているようだ。

ジャスティンが、そのライトニングをまとった剣で攻撃を仕掛ける。


「うおおおぉぉぉ!」


ザン!

ピシャーン!


攻撃が当たると同時にライトニングの魔法がウィンド・エレメンタルの核を直撃する。

おお、出来たみたいだね。

その名も『魔法剣』。

これを自由に使いこなせれば、防御と同時に攻撃力がアップするよ。

よく、使いこなしたね。

すると、ちょうど止めだったのか、ウィン・ドエレメンタルが死骸を残して蒸発した所だった。


「こ、これが・・・ミスリルの真価!」


「おい、相棒!今のはどうやったんだよ!」


「ジャスティン、どうなってるんさ~?」


「ジャスティンの兄貴、凄えな!どうなっているんだい?」


ジャスティンの代わりにラフィアが答える。


「ミスリルと言う金属は、早く言ってしまえば、魔力、つまり魔法を貯められる金属なのですわ。」


「「ほうほう?」」


「ジャスティン、剣を貸して下さる?」


「どうぞ。」


ラフィアが魔力を流し始めるとミスリルの輝きが増していく。


「「おおっ!」」


「このように、魔力を貯めて斬れ味を上げる事も出来ますの。」


「「・・・ほうほう。」」


「・・・貴方達、分かっていらっしゃいますの?」


「な、なんとなく?」


「なんとなくっす?」


「ハアッ、ダンとディアナは実際にやってみないと分からないようですわね。」


「「ぐぬぬぬ。」」


「あーっしもやってみるよ~。」


「ええ、チャンスがあればものにして頂戴。攻撃力が跳ね上がりますわよ。」


「りょ~。」


「ディアナ、アンナより先に習得するぞ!」


「応っす!ダンの兄貴!」


天才肌のアンナと、感覚派の二人だからどちらが先に覚えるかが楽しみだね。


おや、探知に何か・・・お?

これはアイツだ。

今度は苦戦しそうだぞ?


【次、行きますよ?】


「「「応!」」」


そして連れて来ると俺はハイディングする。


「見た事がありませんわね?「鑑定」。」


「調子が良いから何でも来いだぜ!」


「初めて見る敵なんさ~!」


「行くっすよー!」


「『カオス・ボルテックス』、それ以外は分からないですわ!」


「名前だけ・・・初めての敵だ!各自油断せずに行こう!」


「「「応!」」」


「「「こちらです!」」」


そして長い戦いが始まる。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ラフィアを庇う様に、立ち上る陽炎のような人の形をした暴風の前に立ちふさがる。


「ラフィア、まだ行けますね?」


「ええ、この鍛錬で培った経験は伊達ではありませんのよ!」


「どっせい!」


「ハアァァッ!」


「駄目なんさ~、風で弓が効かないんさ~!」


「不味いですね・・・。」


「この召喚される奴らだけでも、何とかならねえか?」


「そっちには、弓が効くんさ~!」


「なら、頼んだぜ!」


「任せるんさ~!」


「ディアナ無理はしないで下さい!」


「こちとら回避なら負けねえっすよ!」


「最後の一匹なんさ~!」


「再召喚される前に、集中してダメージを与えましょう!」


「「「応!」」」


先程からこれを繰り返している。

だが皆は諦めていない。

その目を見れば分かる。

まるで、強敵を前に戦いを楽しんでいるようだ。

そして、ジワジワとダメージを与えている感覚があるからだろう。


「ウォオオォォム!」


「いけない、召喚されます!」


「どっせいっ!」


その均衡を破ったのはディアナだった。


「呪文みたいなのを唱えなくさせればいいんすよ!たたみかけるっす!」


「援護致します!」


「了解だ、相棒!」


「・・・ブレッシング・オール!」


「ダラララァッ!」


「ゴオオオォォォ・・・!」


「まだまだぁっ!」


「ッセイ!」


「どりゃあ!」


「っは!核です、頭らしき所にありますわっ!」


「ダン、ディアナ、狙って下さい!」


「了解だっ!」


「行くっすよ!」


「「「こちらです!!!」」」


「・・・シャープネス!」


ダンに、武器鋭利化の魔法が飛んで行く。


「ゴオオオォォォ・・・」


「何か呪文が来ますわ!」


「召喚魔法でなければ良い!行くぞ、ディアナ!」


「応っす!ダンの兄貴!」


「ゴオオオォォォ・・・」


ディアナの足元から火柱が立ち上る!


「「「ディアナ!」」」


「・・・こ、こう・・・っすかね!?」


するとディアナの両拳が炎に包まれる!

ディアナが覚醒した瞬間だった。


「ドリャア!ッセイ!ッハ!」


ドゴォボカン!


ドガッドガン!


その両拳に殴られた、カオス・ボルテックスは爆発するような両手の一撃一撃を嫌がるようにディアナから離れる。

そこにダンが追撃を掛ける。


「だりゃっ!」


ダンの一撃は核を捕らえた。

だが、まだ決定打ではないようだった。

カオス・ボルテックスの周りの風が収まって来ていた。

そこを見逃すアンナではない。


「本気なんさ~!」


「・・・シャープネス!」


「今度は当たるんさー!」


ギリッ・・・ギリッ・・・


ミスリルの弓での限界突破の攻撃だ。

更にシャープネスの効果が乗る!


「初披露なんさー!」


ヒュゴオオォォォー!


そして、その一撃は正確に核を捕らえる。


ピシ、バギンッ!


見事に命中し核が砕ける。

止めを刺したようだ。


「ギャオオオオォォォ・・・」


すると、カオス・ボルテックスは断末魔を残して消えていった。


「ふう、小休止しましょう。ダン、戦利品の回収を!アンナは周囲の警戒をお願いします。」


「分かったぜ!」


「りょ~!」


「各自、今のうちに水分の補給を、食事はまだです、空腹の方が調子は良いはずです。」


ハイディングを解き側に近づく。


【ディアナさん、見事でしたよ。】


「あ、ああ、アーサーの兄貴、でも無我夢中で・・・。」


【その感覚を忘れないで下さい、必ず力になります。】


「応っす!」


「アーサー、それにしてもここの敵は手ごわいが良い経験になりますね。」


【そうです、ここでの鍛錬は対悪魔族の良い訓練になりますよ。】


「左様ですわね、ギルドにも報告出来る事が沢山出来ましてよ?」


【そうですね、ここはゲームの時は賑わっていた場所なのですよ・・・。】


「え?賑わっていらっしゃったんですか?」


【ああ・・・忘れて下さい。さあ、今日はまだまだ時間がありますのでどんどん行きますよ?】


「「「応!」」」


皆の返事が、元気よくこだましたのだった。

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります。

皆様に感謝を!

それでは 次話 しばしの休息と新人鍛冶師(仮 で、お会い致しましょう。

お疲れさまでした!

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