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統率者

いつも読んで下さって、誠にありがとうございます!

執筆が終わりました。

お楽しみ下さい。

【遅れて申し訳ありません。ヘファイストスです。】


入り口の護衛にそう言うと天幕の中に通される。

警備はこれで大丈夫なんだろうね?

中に入るとモアッレム相談役、いや、此処では師団長様かな?

と、二人の護衛がいる。

護衛の人はガーゴイルの中でも更に屈強そうな体格だった。

するとモアッレム様から声が掛かる。


「何々、気にする事は無いぞ。聞けば兵を癒してくれていたとか、感謝こそすれ、問い詰めるような事はせんよ。」


【そう言って頂けて、ありがとうございます。それで、要件と言うのは?】


「陣内に強大な悪魔の気配がしたのじゃ。もしかしたらとも思ったが・・・勘違いだった様じゃの。」


俺が感じなかったのにね?

家族旅行で警戒を怠っていたかな?

いかんいかん、気を引き締めねば。


【では、早速ですが調査をしてまいります。分かる限りで結構です情報を下さい。】


「机の上の地図をご覧になって頂けるかの?」


【精密な地図ですね。・・・この赤い駒の置いてある所は?】


「敵の統率者のいると予想される所じゃ。」


【ならば俺が行って来ましょう。どんな敵かも気になりますので。】


「頼めるかの?」


【お任せください。運が良ければ討伐してまいりましょう。】


「おお、期待しておるぞ。必要な物は倉庫から持って行くが良い。ナジャーフ案内せよ!」


「かしこまりました。」


左側にいる屈強なガーゴイル族の人が返事をした。


【それでは行ってまいりますね。】


頂いた地図に印をつけると俺は倉庫に向かう。

うーん、必要な物ねえ・・・

秘薬はあるし、ポーションもある。

準備は出来て・・・ん?

巨大な手裏剣のような武器を見つけた。

ガーゴイル族の使う『投擲』武器のサイクロンだろう。

これを使っていても攻撃を食らうのか・・・。


案内されて保管庫に行くと宝の山だった。


【ほおおおぉぉぉ!】


あまり期待していなかったのだが、倉庫の中を見て奇声を上げてしまった!

希少素材がっ!

こんなに沢山!


【あのっ!?これは頂いても良い物なんですかね!?】


「あ、ああ、構わんよ?」


凄い勢いで食いついて来た俺に驚いたのだろう。

あまりの種類と在庫量に変な声が出てしまった。

いやいや、これは鍛冶師なら涎物でしょう?

遠慮したつもりだが、希少素材を100個ずつ頂いてしまった。


ふっふっふ、これで心配していた錬成は何とかなるぜ!


後は虚無のオーブだが、予想通りならヴォイドの悪魔から手に入るだろう。

思わぬ所で希少素材が手に入った。


準備はこれで良いかな?


ナジャーフさんに見送られると陣の表門を出て行く。

さてと、ゲームとの違いを確認しましょうかね?


期待と不安があったが、俺は現地へと赴いた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


一つ目の目標地点に付いた。


これまで倒したヴォイドの悪魔は30体程。

どいつもこいつも希少素材の『虚無のオーブ』を持っていた。

嬉しくて頬が緩んでしまう。

ドロップ率100%とはね!

相棒の鋼のロングソードは今日も絶好調だった。


うーん、ここはハズレみたいだな。


そんな事を考えていたが、首の後ろがザワザワしている。


【探知!】


スキルを使うと五十体程の反応があった。

うん?

後方を遮断されたか。

見事に囲まれてしまったようだ。

中でも巨大な反応が四つが前後左右に一つずつと更に巨大な物が正面に一つ。

この一番デカいヤツが統率者なのかね?

統率者を名乗るだけあって良い判断をする。


こうなったら順番に倒して行くしかないね。

まず俺は後方の悪魔達を葬って行く。

すると四方向から触手が伸びて来た。

まあ、捕まらないけれど、ねっ!


軽々と躱すとその敵を目視する。

真っ黒なリーパーのような悪魔が反応のあった方角から一体ずつ!

こいつらが大きめの反応だったのだろう。

順番に倒して行く。


だが此処で問題が発生した。

そう、倒した敵の血液が酸だったのだ。

その血液を浴びた相棒の耐久値がみるみる減って行く。

しまった!


すると一番大きな反応であろう悪魔が姿を現した。


醜い。

その姿はまさに醜悪。

頭上に口があるのか、ウネウネとした触手を縮めたり延ばしたりしている。

黒く長いイソギンチャクの親分のような出で立ちだった。


ルイス達には見せられないね。

そんな事を考えていたのだが、触手以外の行動が遅い。


【騎士魔法 2th コンセクレイト・ウエポン】


武器の属性を相手の弱点に合わせて強化させる魔法だ。

素早く近づいて来る触手を斬る。

武器が青く光っていると言う事は、弱点は冷気かな?

触手が頭の中に引っ込むと再生するのか。

きりがないので本体を狙って攻撃をしてみる。

そして相棒の耐久値が心配になった頃、そいつは靄の様になって霧散した。

すると周りの悪魔達も霧散してしまった。


しまった!


ああ、せっかくの虚無のオーブ獲得のチャンスだったのに!

残念がる様に膝を付く。

くそう、そう言えば言われていたな。

ボスを倒すと霧散するって・・・。

迂闊な自分を責める。

だがもうやってしまった事だ。


次からは気を付けよう。


そして俺は次の目標地点に向かう。

向かっている最中にも悪魔の攻撃がやまない。

目的地に着くまでに、五十体程の悪魔を倒し素材を手に入れる。

まさにホクホクだ。

これで皆の武器を安心して強化できるぞ!


そして第二の目標地点にたどり着いた。


【探知!】


赤い光点が三十程に大きな光点が五個、特大サイズが一つ。

ふむ、さっきより少ないね。

今度も雑魚から順に倒して行こう。

そう思うと行動は早かった。

どんどんと雑魚を倒しオーブを手に入れる。

そして大きな光点が五個、近づいて来た。

今回はどんな奴だろうね?


それは黒い雷を放ちながらこちらにやって来た。

見た目は黒い球体。

ただし、帯びている黒い雷は厄介そうだった。

すると先程の物より素早く展開して行く。

気が付くと囲まれていた。

この形は、五芒星!

嫌な予感がする!


すると俺を中心に地面に逆五芒星が出来上がる。

強烈な何かが俺を襲う。

これは・・・呪いか!?


【ナイトマジック 4th リムー・・・。】


慌てて呪文を唱えようとするが遅かった。

黒い稲妻が俺を襲う。


【ぐあああぁぁぁ・・・!】


呪いが思ったよりも強力で、その効果で抵抗値と耐性がどうにかなっているのだろう。

無敵だと思っていた耐性スキルがあまり効いていない。

それ程の強力な呪いだった。


【がああああぁぁぁ!】


このままではジリジリとHPを奪われてしまう。

呪いを何とかしないと。

だが呪文を唱えようにもこの強烈な黒い稲妻が・・・

何も出来ない。

っくっそお!

無我夢中でバックパックからデッドリーな毒を取り出すと一体の球体に投げつける。


「グギャギャギャー・・・」


運良く毒が効いたようだ。

さすがのデッドリー。

さっきの状態よりは大分ましになった。

そのおかげで呪文が唱えられる!


【騎士魔法 5th ホーリー・ライト!】


唯一敵に、聖属性のダメージを与える範囲攻撃魔法だ!

効果はどうだっただろうか?

するとダメージを与えたのか、逆五芒星が消え敵の配置が大きく崩れた。

この機会を逃す事は出来ない。


体が動いていた。


まず一つ目の球体を斬り裂き倒す。

続けて二つ目。

残りは三体。


すると大きな反応のあったヤツだろう。

稲妻を帯びた、もっと大きな球体が近づいて来た。

だが遅かったね。

もう少し早ければ危なかったかもしれない。

この世界に来てから初めて危険だと思った。

そして素早く死骸からオーブを回収して巨大な黒い球体を斬り上げる。


一撃で倒すと残りの球体も消えた。


【ハァハァハァ・・・。】


あっぶねー・・・。

何とかなった。

実戦から遠ざかっていたからか?

気を緩めないようにしないといけないね。


そうして慢心していた心を入れ替え、俺は次の場所に向かったのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ねえ、ルイス姉。一緒に寝るのは久しぶりね。」


「そうね、リズ・・・でも、ここまで広いと落ち着かないわね。」


そう、王宮に泊まる事になった私達に与えられた部屋。

物凄く巨大な部屋だった。

キングサイズのベッドが・・・十個程並びそうな大部屋。

そんな部屋にキングサイズより巨大なベッドがドーンと真ん中に置かれていた。

皆で一緒に寝たいと伝えたらこの部屋に案内されたのだ。

調度品も金箔が張られていてすごく豪華だった。


こんな所に私達が泊まっても良いのだろうか?


「そうですね、いつもの宿屋の部屋よりも大きいのですからねー。」


「ねえ、ナナリー姉、お兄さんを誘惑した物を触らせてよ!」


「キャッ!ちょっとリズちゃん!ああん!駄目ですよー!?」


「これか、これがお兄さんを誘惑した悪い奴なのか!」


「アリスも触るのですー!」


「じゃあ私も触ります!」


「・・・私も。」


「ちょ、皆さん!落ち着きましょうねー!」


「そんな事を言う悪い奴はコイツかー!」


「御覚悟を・・・。」


「ナナリー姉さん覚悟です!」


「あはは!ナナリーちゃん覚悟なのですー!」


「ちょっと貴女達ねぇ・・・。」


「ルイスさん、お助けをー!」


ナナリーさんは妹達に胸を揉まれたり色々な所を触られている。

・・・あの大きな胸が。

私だって・・・

近頃、更に大きくなって来た胸を見る。


あの人が帰ってこないので心配になって、お友達になったリャーズさんに尋ねてみた。

魔物退治の現場で活躍しているとの返事だった。

まあ、報告が来ているのなら安心ね。

でも、無茶はしないでよね?


物思いにふけっていると突然胸を揉まれる。

ナナリーさんだった。


「こ、此処にも悪い子がいるのですよー!?」


「むう、負けてられないわね!」


「そうね・・・。」


「そうですね!」


「アリスも負けないのですー!」


「アリスちゃんはもうちょっと大きくなってから、キャッー!」


「油断したわね!マオ左側を揉むのよ!」


「了解です、リズ姉!」


「じゃあ私はルイス姉のを・・・。」


「アリスもルイスちゃんのを揉むのですー!」


「こら!ちょっと二人共!」


「ああん、やめてください!そこは敏感なんですよー!」


今日は楽しかった。

ガーゴイル族の人が国を案内してくれたのだ。

色々な所を見て回った。

空を飛びながらの移動は気持ちが良かった。

少し寒かったけれど。


あの人も一緒だったらもっと楽しかっただろう。


だが、友と呼ぶ人からの頼み事だ。

あの人は断れない、いや、断らないだろう。

そんな所も魅力的なのよ。

それにしても・・・


「ね、ねえ。ベス、アリス?そろそろ気が済んだんじゃないかしら?」


「まだまだ味わいたいのです・・・駄目ですか・・・?」


「そうなのですー!」


「駄目って訳じゃないけれど・・・あん!アリス、先っぽは駄目よ!」


「分かったのですー!」


皆が楽しそうで良かった。

こんな旅行がまた出来れば良いわね。

そう、この旅行の間だけは全てを忘れて楽しもう。


「ああん!もう無理です!駄目ですー!」


「「「え!?」」」


「あ、あれ・・・ナナリー姉?ビクビクしちゃってる!?」


「だ、大丈夫ですか!?」


「あー・・・もう少し放っておいて上げて頂戴、そうすれば元の様に・・・なるわよ。」


「じゃあ、その間はルイス姉のも触らないとね!」


「今度はルイス姉の番です!」


「こら!ちょっと!あははは!やめて!いやー!」


そう、こんなちょっとした事を皆と楽しみたい。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【ハァ・・・ハァ・・・。】


思ったよりこいつらは厄介だった。

悪魔と言うより呪いの塊だった。

さすが魔王の残滓。

本物の魔王ってどれだけの怪物なんだろうね?


だが、オーブも結構貯まって来た。

着々と準備は整って来たのだ。

そう、まずは怠惰さんを・・・

あれ?

倒して良いんだっけ?

何かがおかしいな・・・。

倒すべき敵のはずだ。

そう・・・倒すべき・・・。

相手?

魔王が復活する条件が・・・?


待て・・・まずは落ち着こう。

そうだ、考えを纏めるのは後でも出来る。

まずはこのヴォイドの悪魔達を何とかしなければならないのだ。

残りは一か所。

此処を叩けばしばらくは大丈夫なはずだ。


そこまで苦労する事無く最後の残滓を消滅させる事が出来た。

虚無のオーブも十分に数が集まった。

だがその代償に相棒がピンチだった。

無理をさせちゃったね、相棒。


そう思うと、相棒を修理しに陣地へと急ぐのだった。

此処まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

まずはいつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変励みになっております!

皆様方に感謝を!

次話なのですがちょっと説明文と言うか講釈文が多くて脳内設定と格闘中でございます。

少し遅れるかもしれません。

楽しみにされていらっしゃる方々、申し訳ございません。

それでは 次話 ルニック改良と強化、練成(仮 で、お会い致しましょう!

今日の所は、お休みなさいませ!

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