鋼という鉱物の性能の限界
いつも読んで下さって、誠にありがとうございます。
執筆が終わりました。
お楽しみ頂ければ幸いです。
カウンターのアリシアさんと話をすると、特例だとの事で鍛冶場や裁縫室などが、いつでも使える事になったらしい。
きっと、ポリティスさんのおかげだろう。
そうして、アリシアさんにジャスティン達への言伝を頼むと鍛冶場へと向かって行く。
新しい防具を作製する為に都合が付けばと、呼んでもらう事にしたのだ。
ついでで悪いが、ミカにも手伝ってほしいと言伝を出しておいた。
そして色々と装備を作って行く。
ジャスティンはロングソードと盾、ダンはツヴァイハンダー、アンナはコンポジットボウ、ディアナは特殊なガントレット。
ラフィアには8thまでの魔法を書き写す予定だ。
まずはディアナの武器を作って行く。
前回作った物の予備としてだった。
一回限りのギミックを作り込む。
将来的には何回も使えるようになれば良いよね。
浪漫武器だった。
とにかく止めの一撃の時に使えるようにしたいのでその機能は隠しておく。
そして出来上がったのがディアナ専用武器Ver2.00である。
鋼のガントレットの甲から内側に向けて斜めに一本の角の様な物が付いている。
斜めの角からは外側に向かって肩のあたりにまで直径が五十cm程の柱が出ている。
この柱が頑丈で受け流しの防具にもなる。
正し鋼の性能でだ。
時間があればノモスに鉱石の買い付けを頼むのだが・・・。
伯爵家でも、ミスリル鉱石を未だに手に入れられないので望みは薄いのだろうか?
今度会った時にでも聞いてみよう。
この件が落ち着いて『アリステリア様』と話し終えたら、鉱石を堀に行く旅にでも出るかな?
その時は皆と一緒に行く予定だ。
お金も貯めないとね。
おっと、横道にそれてしまった。
そして秘密のギミックを付けたので重量が重くなった。
ルーン文字の軽量化をもってしても片方が約五kgもある。
うーん、来てくれた時にでも試すかな。
これ以上の重量を減らす事が出来ないので諦めムードだ。
鍛冶部屋で装備してギミックを試してみると、ガントレットが粉々になる。
試しに何個か作ってみたのだがどれもこれも粉々になる。
だが、何度やっても鋼の耐久性能の限界を超えてしまい、ギミックを発動すると壊れてしまう。
設計には問題になる所は見当たらない。
と、なると鋼の強度では無理なのだろうか?
試行錯誤する事、二時間あまり・・・。
すると鍛冶部屋にアリシアさんが駆け込んで来た。
「ヘファイストス様。入り口にラフィア様とディアナ様がいらっしゃっておりますが、此方にお呼びしても・・・この状況は?」
【ああ、新装備の試作なんですが、上手くいかなくってですね・・・。】
どうやら二人だが、早速来てくれたようだ。
「えっと・・・それでは、御通しして来ますね。」
【ありがとうございます、アリシアさん。】
「いえ、お気になさらず。」
それは自然な対応だった。
彼女もだんだんと人間っぽくなって来たようだ。
良いね。
嬉しくなる。
「御機嫌よう、アーサー様!」
「こんちゃーっす!アーサーの兄貴ィー!」
ラフィアとディアナが部屋に来ると、早速、鋼の残骸が気になっているのだろう。
「アーサー様、今度は何をお作りになっているのですか?見た所ディアナの武器のようですが?」
「アタイの武器なのかい、アーサーの兄貴?」
【うーん、調整中なんだけれどね。重量がどうしても減らないんだよ。ディアナさん、装備してみてくれる?】
「あいよ!・・・お?ちょっと重いね?」
【ちょっと所じゃないでしょう、片側で2kgも増えるんだよ?】
「舐めてもらっちゃあ困るね、アーサーの兄貴。前に使ってたマネキンを出してくれよ!」
【まあ、良いけれどね。】
「ッシ!ッシ!」
あれ?
シャドーボクシングをしているディアナが普通に動いているぞ?
マネキンを取り出すとそれに拳を打ち込んで行く。
「ハアッ!ハッ!ハッ!ハアァッ!ッセイ!」
おお、マネキンがボロボロになった。
ディアナのスタミナは大丈夫だろうか?
【ディアナさん疲れはありませんか?】
「前のだと軽くて決定力にかけてると思ってたんだよね!今回のは丁度良い重さだね!」
目の前でシュッシュとシャドーボクシングを繰り返している。
なんか余裕なんですけれど!?
毎日の鍛錬で更に筋力が上がっていたのだろうか?
あれこれ考えて心配して損をした気分だ。
「それでアーサーの兄貴よ?この腕の横の棒は何なのさ?」
【それはですね・・・。】
「それは!?」
ディアナが「ゴクリ」と唾を飲み込む。
【秘密です。】
ズッコケた。
良い反応だディアナ!
「そこまで引っ張るこたぁ無いだろうよ!気になっちまうじゃないか!教えておくれよ!」
【いや、使うと壊れちゃうんですよ。威力は申し分ないんですけれどね。】
周りの残骸を見渡す。
「・・・それでこの残骸かい?」
【そうなんですよねー・・・。】
「うーん、でも、余計に気になるっすよー!」
【と、言う訳で外してもらって良いですか?それは予備武器として使いましょう。邪魔にならないように、バックパックにでも入れておきましょうか・・・。】
「ねー、アーサーの兄貴。教えてはくれないのかい?」
【時が来れば教えますよ。それまでは秘密です。壊れますのでね。】
「ちぇー、分かったよー。残念だー。」
【で、その武器もそうなんだけれどね。鎧も作るから採寸をしようと思って呼んだんですよ。】
「対悪魔族用ですのね?」
ラフィアが言って来る。
さすがに決戦用の装備だと分かるのだろう。
【そうそう、思った通りの物が出来ればもっと活躍が出来ると思うよ。】
「ふふっ、まるで研究者のような言い方ですわね。アーサー様?」
【そうですよ?ラフィアさん。探究心は大事なんです。】
「それでは、私の体も探求して下さるのかしら?」
【もちろんですよ、ラフィアさん。】
そう言ってラフィアとハグをする。
「え!?探究ってそう言う!?ちょ、ちょっと覚悟が!?」
【ディアナさん、覚悟をして下さいね!】
「い、いや。アーサーの兄貴なら申し分ない相手なんだけれどさ・・・。」
恥ずかしがってはいるが、まんざらでもないのかな?
「ディアナ?採寸の覚悟ですわよ?」
「え!?」
「【一体、何を考えていたんでしょうかね?】」
二人でニヤニヤしてそう言うと、顔を赤くして反論して来る。
「っく、卑怯だぞ!なんて兄貴分と姉貴分だよ!」
【まあ、とりあえず図っていきましょうか。】
「左様ですわね。」
「そこん所をスルーされると、アタイとしては寂しいんだけれどね・・・。」
皆で予備の部屋へと向かう。
部屋に入ると隅っこで地面に落書きをしそうなディアナに言う。
【じゃあ、ディアナさんから行きましょうか?】
「お、おう!いつでも来いさ!」
そうしてディアナの採寸をして行く。
おー、身長も伸びて股下も伸びている。
格闘において体格は絶対だ。
おおっ!
おっぱいも大きくなっているね。
良いね!
九十・・・
ふふふ、秘密だ。
うむ、順調な育ちっぷりだ。
「ねえ、アーサーの兄貴?」
【何ですか?ディアナさん?】
「あのさー・・・兄貴が巨乳が好きって言うのは本当の事なのかい?」
【そうですよ?こんなに魅力的な人達がいるんですからね。俺も我慢が限界!】
「アーサー様、それは後程、久しぶりに可愛がって下さいませ。」
「ラフィアの姉さんも人が悪いぜ。兄貴よー、それだと兄貴は変わりもんじゃないのかい?」
【ふむ、ディアナさんには俺の何たるかを、叩き込む必要を認めますね?どう思いますかラフィアさん?】
「左様ですね、アーサー様の素晴らしさを分からないとは・・・ディアナ、後で一緒に可愛がって頂きましょうね。」
「またそんな事を言って・・・冗談が過ぎるぜ?」
【冗談ではありませんが?】
「左様でございますね。」
「また担ごうたってそうは・・・え!?ちょ、マジかい!?」
ディアナの胸に手を当てて揉んでみる。
慌てている様だ。
ここで止めかな?
【本気以外の何物でもありませんが?】
「左様ですわね。」
二人して真剣な目でディアナを見つめる。
「え!?ちょっと待っておくれよ!?」
【と、言う訳でディアナさんは終了したので、ラフィアさん行きましょうか?】
「ディアナ、覚悟を決めておいて下さいましね?」
「あわわわ・・・。」
ラフィアは気にせずに肌着になる。
【ラフィアさんは相変わらず魅力的ですね。特に胸が素晴らしい。そして、俺の理想的な腰にお尻ですね!】
「ありがとうございます、アーサー様。」
ラフィアが頬を染めて微笑んでいる。
その様子を見ない様にディアナが掌で目隠しをしているが指の間から見えているのだろう。
顔が耳まで真っ赤だった。
そして採寸を済ませる。
ううむ。
おっぱいが成長しておりますな。
ふっふっふ。
後で直に確かめさせてもらおう。
そしてディアナの鎧を作る。
最適化の影響で以前より格段に速くなっている。
デザインは前と同じ物を採用している。
鎧の形を変えると慣熟するのにある程度の慣れが必要だからだ。
今回は時間が無いのでその辺りに気を付けている。
ディアナの物を作っている間に、ラフィアのハードレザーアーマー用の皮をコーティングして乾かしている。
・・・そして二人の鎧が出来上がる。
この鎧に錬成で付けれるだけの性能を付ける。
まあ、それは他の皆の分が揃ってからの話だが・・・。
ラフィアの悪魔特効のスペルブックに8thまでの魔法を書写スキルで書き込んで行く。
どうやら10th以上の魔法は何かのペナルティがあるようなので念の為に8thまでにしておく。
俺もゲームでは把握していたんだけれどね。
リアルとなった、この世界の、そのペナルティを全部把握している訳では無いので、ここいらが限界だろう。
ここもゲームと違うんだよね。
ただ、前にナナリーさんに10thの魔法を使った時は10日程の眠りを強制された。
バルロンの戦いの時に使った同じ10thの魔法はクールタイムだけだったのだが・・・。
死ぬような魔法もあるので使わないで済めばそれで良い。
まずは二人の下準備が終わった。
後は三人。
まだ先は長いが順番にやって行けばいいだろう。
そしてお約束タイム。
時間は十五時だった。
二人を可愛がるのには十分な時間があった。
まずはラフィアから。
その痴態を見ているディアナに迫る様に見せつける。
耳まで真っ赤になったディアナが、次は自分の番だと覚悟を決める。
そうして時間までラフィアとディアナを可愛がるのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
片付けを済ませるとラフィアとディアナと一緒に外に出る。
「ディアナ、貴方にもアーサー様の素晴らしさが分かりましたか?」
「こんなに気持ちの良い事だったなんて・・・兄貴、またしてくれるかい?」
【ディアナさんが望むなら、俺はいつでも良いですよ?】
「夢見心地だぜ・・・。」
そう言うとディアナが左手に縋り付き肩に頭を預けて来る。
右手にラフィアが絡みついて来る。
初めてで気持ち良かったのなら、それはそれで良かった。
次の確約が出来ないのが残念だ。
「なあ、兄貴よぉ。」
【どうしたんですか?ディアナさん。】
「絶対にまたしてくれよな?アーサーの兄貴だけだぜ?アタイをこんなにしちまうのは・・・。」
【ええ、構いませんよ?ディアナさん。とっても可愛かったですよ。】
「兄貴・・・。」
お互いに寄り添いキスをする。
「アーサー様、私にも。」
ラフィアにもキスをする。
ゆっくりと歩いていたつもりだが、中央の噴水辺りまで来ると名残惜しいが離れる時だ。
「アーサーの兄貴!絶対だからな!また・・・頼むよ!」
【ええ、ディアナさん。約束です。】
そう言うとディアナは飛び跳ねて喜んでいる。
「それでは、アーサー様。良い夜を!」
「兄貴!またな!」
【二人共!またです!】
そう言うと、いつもの宿屋に戻るのであった。
此処まで読んで下さって、誠にありがとうございます。
まずは、いつものから!
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大変に励みになります。
皆様に感謝を!
ちょっと踏み外してしまった所が気になりますが、上げさせて頂きました。
それでは 次話 誰か何とかして!(仮 で、お会い致しましょう!
お休みなさい!




