表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/315

情報と言う武器

いつも読んで下さっていらっしゃる皆様方、こんばんは。

執筆が終わりました。

お楽しみください。

朝飯が終わると、ノモスが視察をして来ると言って四人で出かけて行った。


支度をすると今日も魔術師ギルドの建築現場に向かう。

作業が始まると見る見るうちにその全景が出来てくる。

そうして一段落すると、ルイスとナナリーさんがお昼御飯を持って来てくれた。

木陰に移動すると、ルイスがキョロキョロと辺りを見回している。


「あの娘はいないわね?」


【そう簡単に見つからないと思うけどね?】


「いいえ、ああいう子は嗅覚が鋭いのよ!見つかると厄介だわ!」


「そうですね。でも、悪い人には見えませんねー。」


【ナナリーさん、情けを掛けると付け上がりますよ?】


「そうよ!ああいう人は言っても分からないものなのよ!?」


「うーん、そうですね。ヘファ君から距離を取ってくれないと私達が抱き着けませんからねー。」


そう言うとナナリーさんが腕に絡みついて来る。


「そうなのよ・・・って何言ってるのナナリーさん!引っ付く為にしているんじゃないわよ!!」


「ルイスさん、もっと正直になりましょうー!」


「私は正直です!この特大スケベが手を出さないかどうか、心配なだけです!!」


「それは、夜に私達が頑張って満足させれば良いのではないですかー?」


「そうですね。貴方も覚悟しなさいよね!他の女に搾り取られない様にしてあげますからね!?」


【・・・ルイスさん、ナナリーさんや、此処には他の人もいるんで、そろそろ恥ずかしい話はしないでくれると助かります。】


皆の視線が俺達に集まっていた。

皆に話が聞こえていたのだろう、ニヤニヤしながら此方を見ている。

ルイスとナナリーさんが顔を赤くして俯く。

すると声が聞こえて来た。


「アッハッハ、相変わらずだね愉快だね、君達は!」


声のする方を見ると、ノモス達四人だった。


「クックック、君達はいつも通り過ぎて見ていて飽きないよ。」


「こ、こんにちは。ノモスさん。」


「こんにちは、ノモスさんー。」


ルイスとナナリーさんは更に顔を赤くして俯いている。

横目で見るとファリスさんが進捗状況を親方から聞いている。

バウマンさんは沢山の資料を抱えていた。

グレイさんはノモスの護衛だろう。

片手に一升瓶を持っているのはどうなんだろうか・・・


しばらくするとファリスさんが戻って来た。


「・・・ノモス様、信じられません。アーサー様の手伝っている現場が、とんでもない勢いで建築されているようです。」


「ほう、個人としてはさすがだな、アーサー。ファリス、他の・・・そうだな、ギルドの方はどうだい?」


「アーサー様のおかげで建物が出来上がっても、商業ギルドはマスターが逃亡した為にマスターが不在です。指揮系統が麻痺している為に内装に時間が掛かりすぎている様ですね。稼働するにはまだ時間が掛かるかと思われます。」


「ふむ、直ぐに商業ギルドに手を回しておいてくれるかい?」


「既に本国のギルドをつついておりますので、しばらく時間は掛かるかもしれませんが、早ければ10日以内にマスターが派遣されて来るでしょう。」


「バウマン、食料や衣類、医薬品の備えはどうかな?」


「っは、未だ届かないと言われるような事はございません。贅沢をしなければ通常に過ごせるでしょう。」


「グレイ、調べた所だけで良い、あの山の状況は?」


「封印が弱まっている。一の月を待たずに復活する兆候があると報告が上がって来た。多分もって20の日の間だろう。」


「と、言う訳だ、どうだいアーサー?」


素直に驚いた。


・・・凄い人達だ。

初めての街でこれだけの事を調べ上げ、瞬時に理解して方針を定める等、出来るのか?

しかも帝国の、他国の人間だぞ?

初めての土地で土地勘も無いのにどうやって調べているんだろうか?


【凄いね、ノモスが敵だったと思うとゾッとするよ。】


「ハハハ、そう構えないでくれたまえ。君は友人だ。」


【心強いね。しかし街に人が増えてきた状況は何だろうか?】


そうなのだ。

見知らぬ人々と街の人の間での諍いが増えていると、御土産のブランデーを持って行ったアレックスさんが言っていたので気になったいた所だ。


「ファリス、答えて差し上げろ。」


「はい、ノモス様。他の都市からですが、この街が復興しているとの噂を聞きつけた、他の街の住民達が伯爵様を頼って移住しているようです。現在の人口は約8万です。」


【人口が、倍近くなっているのか・・・それと、出て行ったギルド関係の人達はどうなっていますか?」


ファリスさんがノモスの方を見るとノモスが肯いた。

ん?

何かファリスさんが意地の悪い顔をしている様な・・・。


「その方々ですが、密告しておきました。財産を不当に貯めたとの、正確な証拠を付けて報告を流しましたので更迭されておる頃でしょう。」


【え?不正をしてたんですか・・・?】


「はい、商品等の買い付けも、通常の取り分より多く取り、懐に入れていたようです。」


うーん、あの人の好さそうなブロストンさんがなぁ。

・・・俺も、人を見る目を養うべきだな。


「それと、人口は更に増える見込みです。」


【えっと、それはどうしてですか?】


「大変言いにくいのですが、他の街は復興どころか、炊き出しすらやっておりませんでした。住民はより良い方に集まる・・・蜂が蜜に集まるのと同じ事ですわ・・・あっと、失言ですわね、失礼致しました。」


【他の街は、そんなに酷い状況なんですね・・・知らなかった・・・。】


驚いた。

すごい情報ばかりだった。

昨日着いたばかりで此処まで調べられるなんて・・・

改めて情報って怖いね。

ただ、ネットの無い世界でどうやって調べているんだろうね。


「アーサー、援助は惜しまないが良いかな?大悪魔が最短で20の日で復活する。街を守れるかい?」


【もう皆の泣き顔は見たくない!それにこの街が大好きなんだ、だから全力で守るさ!!】


「良い返事だ!聞きたかった事が凝縮されている様な良い答えだ!良いぞ!!必ず守りるんだぞ、アーサー!!!」


【ああ、任せてくれ。ノモスのおかげで戦う準備が整えられそうだよ!】


「・・・言いたくはないが、死ぬなよ?まだまだ酒を酌み交わしたいからね。」


【大丈夫だ、ただ愛しい人達が害されるのだけは我慢ならない。悪いが復活する時には前もって教えてくれると助かる。】


「どうする気だい。アーサー。」


【今までは受け身になりすぎた。今度はノモスの情報と言う武器がある。今度は俺達の番だ!被害を少なくできる様に先制する!】


「成程な・・・グレイ!」


「内容は察しが付くが・・・なんだい、ボス。」


「魔法陣に見張りをつけて、i異変かあれば何時でも伝えられるようにしておいてくれ!最優先だ!!」


「了解だ、ボス。」


【感謝する、ノモス。】


「その言葉は解決したらにしてくれ。楽しみに待っているよ。」


そう言うと次は東だと言って四人は行ってしまった。

すると、その話を聞いていたルイス達が側に寄って来る。


「ねえ、20の日なんてあっという間よ?・・・大丈夫なの?」


「そうですね。もうあんな思いはしたくありませんねー。」


二人とも不安なのだろう。

だが、今度はそんな事はさせない!


【明日オーガの牙と話をして来るよ。それによって必要な武具の作成をして皆の力で街を守るんだ!】


「頑張ってね、貴方!」


「ヘファ君、頑張って下さいねー!」


【任せて下さい!・・・それでですね。二人共、お腹空いたから御飯を食べませんか?】


そう言うと二人共、ルイスの持っているバスケットを見てから微笑んで「そうね。」と言ってくれた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ノモスと別れた後俺は個人の限界を感じていた。


あの情報収集能力。

是非、欲しい。

俺にも出来ないだろうか?

そう思っていたのだ。


【まぁ、まずはこちらから片付けますかね。】


そう言うと今日も石材と木材を運ぶ。

バックパック経由で運んでいるので楽ちんだ。

皆が必死に働いたおかげだろう。

17時の鐘が鳴る頃には魔術師ギルドもその外郭を完成させたのであった。


宿に帰ると相変わらずの宴会騒ぎが続いていた。

常連客も戻って来ていて前と同じように、いや前よりも賑やかになっていた。

ちなみに二階には一人部屋が十八部屋ある。

その部屋は簡素で船の三等客室のようだ。

対面には二人部屋八部屋がある。

此方は二つのベッドと机がありかなり使い勝手が良い。


そして、いつもの様にノモスと酒を酌み交わしているとルイス達が降りて来た。

俺の楽しんでいる様子を見て、今日は女将さんのオススメ料理にしたようだ。

俺は久しぶりに酒を楽しんでいた。

そしてほろ酔いになる頃には湯船につかり、ゆっくりとしてから眠っていたのだが・・・どうも下半身がスースーする。

しかも気持ちが良い。

何だろうと見るとルイスとナナリーさんがマイサンに悪戯している所だった。


「あら、此方も寝起きが良いのに、本人も起きてしまったわ。」


「そ、そうですね、起きてしまいましたねー。」


【・・・あの、御二人共何をなさっているのでしょうか?】


「ふふふ、他の女に手を出さない様にしているの。」


「そうです!それに、あのままでは可哀そうだったからですねー。」


【あのまま?・・・気持ち良いのですが、御二人は寝なくて大丈夫ですか?】


「ええ、大丈夫よ?」


「大丈夫ですねー。」


そうして俺は今日も搾り取られた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


翌朝、三人でアリステリア様に祈る。


「「【『アリステリア様。』本日も我々を守り給えん事を願います。】」」


そして三人でいつもの散歩をする。

北通りを散策し色々な野菜を買う。

戻って来ると今日の朝御飯の仕込みに掛かる。


前世の物なら食べた事が無いだろうと思って今日はラーメンを作ってみた。

先程の露店で買っておいた豚骨と玉葱、ニンニク等を寸胴鍋で一緒に煮込んで行く。

灰汁を取っているとノモス達が降りて来てカウンターに座る。

相変わらず四人だ。


「アーサー、今日の朝飯は何だい?」


【ああ、ラーメンを作っているんだ。もう少し待っていてくれるかな?】


「らーめん?構わないさ。今日も美味い物が食えるんだろう?」


もちろん、バウマンさん、ファリスさん、グレイさんも一緒だ。


鍋を見ながら灰汁を取る。

味見をして調節をする。

うん、良い感じだ。

味覚スキル様も大活躍だ。


製麺機で麺を作り茹でる。

溜まり醤油を木の丼に入れて特製の豚骨スープを入れる。

茹で上がった麺をスープにからめるように入れると、作ってあった燻製卵を入れチャーシューとメンマ、ホウレンソウ等を乗せていく。

最後に長ネギを細かく切ったものをいれる。


これで完成だ。


早速、木の箸と蓮華を取り出しラーメンと一緒にノモス達の前に置く。


「ラーメンと言う食べ物だ。今回は豚骨醤油だ。味わってくれ。」


「ほう、これはどうやって食べる物なんだい、アーサー。」


「箸で麺を取って口に入れ、ズルズルと「すする」んだ。貴族様料理じゃないから音を立てて、すすって食べるんだよ。それがマナーだ。」


「ほう、「すする」のだな?」


「そうだ、すするんだ。」


「では、冷めないうちに頂こう。」


そう言うとノモス達は食べ始めたのでルイス達の分を作り席に持って行く。


「今日の朝御飯は特製のラーメンだよ。みんなもすすって食べるんだ。」


「「「すする?」」」


あれ?

しまった!

すする文化は無いのか?

そう思ってノモス達の方を見ると懸命に食べようとしている。

あ、諦めて箸に巻き付けて食べている。


「ノモス達と同じようにしてご覧、美味しいからね。」


そう言って皆の前にラーメンを置くいて行く。


「「「いただきます!」」」


うん、皆は今日も元気だ。


厨房に戻るとノモスが食いついて来た。


「アーサー!初めて食べたがこれは商品になるよ!美味い!」


「そうですな会頭。これは民衆受けするでしょう!」


「美味しいですね。これは美味しいです!」


「美味い、コレは酒を飲んだ後の〆にも丁度良い。」


「済まないが、代わりを持って来てくれないかな?昨日の寿司も美味かったが、これはまだ腹に入る。」


「・・・会頭と同じく、お願いします。」


「私は、油を少なめにして下さいますか?」


「俺もお代わりだ。」


どうやら気に入ってくれたらしい。

ルイス達の方を見ると・・・。

はい、全員お代わりですね?

すると見ていた女将さんが俺に言って来る。


「小僧!今日はこれを出すから、レシピを寄越しな!」


【女将さん、一般のお客さんには無理ですよ!】


「いいから、さっさとおし!」


【イェス・マム!】


そう言って来たのでレシピを描いて渡すと、女将さんに作り方を説明してラーメン作りに戻る。

詳しくは後々教えれば良いだろう。

そして俺は朝から忙しく働く。


そんな俺を、ノモスは懐かし気に見ていたのだった。

此処まで読んで下さって、誠にありがとうございます。

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に、励みになっております。

皆様方に感謝を!

それでは 次話 梅雨は皆が憂鬱だね(仮 で、お会い致しましょう。

お疲れ様でした!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ