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本場の味よりスキル様

いつも読んで下さっていらっしゃる方々、お待たせいたしました。

執筆が終わりました。

料理、特に寿司の事を調べていたら時間がとけました。

それでは、お楽しみください。

皆が、八人掛けのテーブルで会話しながらくつろいでいる。


女将さん達は一般の泊り客の料理を出している。

俺は特別料理の支度を任されている。

ノモス達には朝御飯に寿司を出そうとしたのだが人数が分からない。

困っていると本人がカウンターにやって来た。

早速、聞いてみる。


【おはよう、ノモス。そう言えば何人で来てるのさ?】


「良い朝だな、アーサー。俺達は四人だよ。」


【あれ?確か大部屋だよね?使用人はいないの?】


「自分の事は自分で出来るさ?そうそう、部屋の事だが、これも復興の助けになるんだぜ?」


【へー、なんだか見当が付かないね?】


「アハハ、君はそれで良いんだよ。で、調理場なんかに入って、何をしているんだい?」


【料理だね。手伝ってるんだよ。】


「アハハ!君の様な人が料理かい!驚いたよ!?」


【ふむ、ならば実力をお見せしよう!で、朝からなんだけれど、今日は寿司にしようと思っているんだよ、どうだい?】


「寿司・・・か。アーサー、これでも俺は食通なんだぜ?徳之島にも行っているし、『エド』にも行っている。」


【本場の味を知っていると言う事だね?まあ、食ってみてくれよ!注文はあるかな?】


「ただな、アーサー。朝から鮒寿司だと少しな・・・。」


【ああ、海鮮寿司と言う物だからアレとは違うんだよ】


「それならば良いがな、じゃあちょっと待ってくれ。バウマン達も呼ぼう。」


【バウマンさん達を入れて四人なの?】


「そうだ、俺を含めて四人だ。」


そう答えると階段を上がって行った。

じゃあ、心を込めて握りますかね!


わざわざ作った料理人の割烹着を着て準備をしている。

ふっふっふ、格好だけ板前さんだぜ。

料理はスキル任せなんだけどな!

・・・ネタも切ったばかりで新鮮だし、酢飯も出来上がった所だ。


よし、準備は万端だ。


先にルイス達にいつものように寿司を持って行く。

ナナリーさんは初めてなので味わってほしいね。


【ナナリーさん、これが海鮮寿司だよ。】


「な、生魚ですか!?でも・・・綺麗ですね。どうやって食べるのですかー?」


「ナナリーさん、これはね、手掴みで食べるのよ。」


「て、手掴みですかー?」


「そうなの、でもとっても美味しいのよ!」


ルイスが後を引き継いでくれた。

ルイス達が手掴みで食べているのを見て、恐る恐る口に運んで行く。


「こ、これは、美味しいですー!」


うん、良い声が聞こえて来た。

そして皆からのお代わりがやって来る。

皆のお代わりを握り終わると、俺は階段を気にしている。

ノモス達が少しばかり遅いのが気に掛かるからだ。

しばらくして、ノモスが降りて来るとバウマンさんと知らない人が二人一緒に降りて来た。

俺に気付いたのかノモス以外の三人がお辞儀をして来る。


するとノモスが紹介してくれる。


「バウマンは知ってるよな?他の者はアーサーには、初めましてかな?秘書兼愛人の『ファリス』と護衛で部下の『グレイ』だ。」


「アーサー殿、良い朝ですな。手料理を食べれると聞いてきましたぞ。」


「何時も助かってます、バウマンさん。」


バウマンさんが丁寧に朝の挨拶をする。

感謝の握手をする。


続いて挨拶をして来たのは、眼鏡をかけた秘書のファリスさんだ。


「初めましてアーサー様。ノモス様の秘書を務めます『ファリス』と申します。それと、愛人ではありませんので・・・以後、お見知りおきを。」


美人さんだ。

しかも巨乳ですごく知的な人だった。

緑っぽい黒い髪のロングヘアーを、頭の後ろでリボンのような物で纏めてポニーテールにしている。

此方から見て口元の右下にほくろのある。

その存在が凄く艶っぽくて真っ赤な口紅と合っている。

女性用のパンツスタイルのスーツを着て、化粧もしており相当な切れ者の雰囲気がある人だった。


ん?

巨乳?

と、言う事はノモスも巨乳好きなのだろうか?

いやいや、ノモスだぞ?

彼女は、その実力でその地位を手に入れたに違いない。


【こちらこそ、よろしくお願いします。ファリスさん。】


ファリスさんと握手する。

さてと次の人は?


「御紹介に上がった『グレイ』だ。元海賊だから適当で良い。よろしくな。」


此方はいかにも海の男と呼ぶような人だった。

頭にはバンダナを撒き、筋肉の付いた日焼けした肌を晒す様に出しているシャツを着ている。

多分だが、船団の船長とかをやっているのだろう。

腰にはカトラスを付けている。

そのカトラスからは魔力が感じられる。

どうやら魔法の武器のようだ。

剣の腕も相当の物だろう。


【よろしくお願いしますね、グレイさん。】


握手を交わす。

ん?

手首を捻られたような気がしたが・・・?


「ほう、かなりヤルね。さすが英雄様と言った所か。」


どうやら試されていたらしい。

だが、合格点は貰えたようだ。


「グレイ、その辺にしておけよ?それとアーサー、ファリスの胸を見ている様だが・・・やらないからな?」


【見抜かれていましたか。ノモスも巨乳好きなのかい?】


「いや、俺は美乳好きだ・・・だが、優秀な秘書が付いているからね。」


ファリスさんからの視線が痛かったのだろう。


【羨ましいな。・・・でも後が怖いので、早速握るよ。】


チラッと視線を移すと、ルイスとナナリーさんがこちらををじーっと見ていたのだ。

これ以上見ていると後が怖い。


「ふふ、楽しみだよ、アーサー。」


【さあ、席に着いてくれよ。】


そう言うと四人がカウンターに座る。


【早速だが、『おしぼり』で手を拭いてくれるかな?】


順に渡して行く。


「おしぼりとは、温めてあるこのタオルの事か?」


【そうだ、素手で食べてもらうからね。】


「ほう・・・良い心遣いだ。」


皆が手を拭いたのを確認して言う。


【まずは、サイドを出しますね。出汁巻き卵と味噌汁です。】


「ほう、この卵は見た事が無いな。だが、ミソスープか・・・前に飲んだのは生臭くてとても飲めたものでは無かったが、さて、その自信の程は・・・どうかな?」


ゲームでの味噌汁は生魚の切り身と水でできるという不思議レシピで味噌を使っていないんだよね。

アレの通りだったのなら生臭いだろうな・・・。

だが、今回は俺が厳選した本物の味噌を使った味噌汁だ。

器も漆塗りの上等な物を買っておいた、とっておきの物だ。

ノモスは出し巻き卵から行ったみたいだ。


【・・・如何ですか?】


「ほう、奥深い味だね、卵も柔らかく、ほのかに甘いのが良い。これは期待できるかな?」


「会頭、これは良いですね。」


「ええ、安心する味です。」


「良いな、卵の甘さが丁度良い。」


出し巻き卵を食べた事で安心したのか、次の味噌汁に行く。


「ほう・・・このミソスープは別物だな・・・全然生臭くない。なんだろうな、この奥深い味わいは・・・?」


【この味噌汁は特別なんだ。『出汁』を取ってあるんだよ。】


「「ダシ」?それだけで此処まで味わいが変わるのかい?」


「会頭、このミソスープ、いや「ダシ」は商品になりますぞ!?」


「これは美味しいです。どこか「ホッ」っとする味ですわ・・・。」


「うん、美味い。これは期待が出来るな。」


【それでは、皆さんの期待には応えて見せましょう!】


そう言うと握り始める。

こんな時の為に、下駄を用意しておいてよかった。


【まずは鯛を握りました。】


それぞれの下駄に出来上がった寿司を置いて行く。


「ほう、鯛か。」


【味付けには醤油が塗ってありますので、寿司のネタを下にして口の中に入れてお召し上がり下さい。】


下駄の上に握った寿司を置いて行く。

山葵はスキル様頼りで盛り付けている。

最初は白身から攻めてみた。

ノモス達の口に合えば良いのだが・・・。


「ほう・・・見た目は綺麗だな。だが味はどうかな?」


「会頭、折角です、頂きましょう。」


「頂こうかしら。」


「頂くぜ。」


そう言って全員が素手でネタを下にして口の中に入れる。

ほう、さすが食通を名乗るだけはあるね。

次の寿司を握り始める

・・・あれ、感想が無いな。

不味かったかな?

いや、その顔は真剣だ。

味わってくれているのだろう。


【旬は少し過ぎてしまいましたが、鰤です。】


「ほう・・・まずは頂こうか。」


「左様ですね、会頭。」


「そうですわね。」


「遠慮なく。」


ううん?

感想が無くなってしまった。

いや、まだまだこれからだ。


【続きましては、帆立の貝柱でございます。】


これも無反応だった。

むう、おかしいな。

だが、早く次が出て来ないかな?

と、言うような、期待をさせている手ごたえを感じる。


【次は、鮪を召し上がって頂きます。まずは赤身です。】


やはり反応が無い。


【続いては中トロでございます。】


ぐぬぬぬ。

中トロでも反応が無い。

緊張してきたよ。


「ほう、部位があるのは知っていたが、これは美味いな。」


お、グレイさんから反応があった。


【次はいくらでございます。】


海苔が無かったので軍艦巻きには出来なかった。


「うむ、コレは良いですな。」


「プチプチと弾ける感触が新鮮でございますね。」


うん、今度はバウマンさんとファリスさんの反応があるね。


【次はウニでございます。】


「ウ、ウニだと!?ウニとはあの黒い棘のヤツかい?」


【そうだよノモス、美味いので是非、食べてみてくれ。】


「・・・ふむ、君の勧めなら頂こう。」


ノモスが食べると、それを見ていた三人が続いて食べる。


「これはっ!・・・海の香りがなんと芳醇な!?」


「美味い!会頭これは良い。商品に出来ますぞ?」


バウマンさんも喜んでいる様だ。


「磯の香りが・・・素晴らしいですわね。」


「ああ、海の美味さが凝縮している様だ。」


皆から反応があった。

嬉しいね。


【次は卵でございます。】


「ほう、これは一番料理人の腕が分かるな。・・・おお、これも良いな。」


「うん、素直で真っすぐな感じを表しておりますね。実にアーサー様らしいですな。」


「口の中がサッパリ致しますね。この、大根のすりおろした物が良く合いますわ。」


「この大根との相性が抜群だな。」


好評のようだ。


【次はイカでございます。】


「ううん、クラーケンを思い出すんだが・・・おお、これは美味い!」


「ほう、クニュクニュする歯ごたえが何とも言えませんな。」


「イカですか・・・ほう!これは美味しいですわね!」


「これは・・・朝からだが、酒が欲しくなるな。」


グレイさんは酒飲みかな?


【そして大トロでございます。】


此処で大トロ様の登場だ!

さて、反応や如何に?

それぞれが口に運ぶ。


「・・・いや、まいった!これは良い、魚が!油がとろける。素直に美味いぞ!」


「これは・・・美味い・・・ですな。」


「そうですね。・・・これは・・・美味しいです。」


「・・・美味いな。」


おお、さすが大トロだね。


【続いてコハダでございます】


「おお、先程の油臭さが消えて口の中がサッパリするな。」


「これは、酢漬けにしているようですね。切れ込みまで・・・仕事が細かいですな。」


「アーサー様の、心遣いの分かるような味ですわね。」


「これも美味い。」


良し、好評のようだ。


【口がサッパリした所で、次はアナゴです。これは甘だれを掛けております。】


鰻の応用で作ってみた。

甘だれには苦労したんだよ?


「これは、蒸しているのかい?手間がかかっているね。・・・うん!しかも柔らかくて美味い。」


「この甘い汁が良く合いますな!」


「これは・・・私は好みですわね!」


「ボス、酒が飲みたいな。・・・アーサー殿、何かあるかい?」


「それでは、米酒を出しましょう。」


桝に入れたグラスに注いで行く。


「グレイさん米酒です。どうぞ。」


「アーサー。俺にもくれるかな?」


「私にも頂けますか?」


「私も、是非頂きたいですわ。」


全員からリクエストが来た。

井戸で冷やしておいたので良かった。

全員に米酒を出す。


「くぁっ!この酒は良い!力強い!」


「美味い・・・土産に買って行こう。」


お酒も好評だ。


【〆にカニを用意致しました。お試し下さい。】


「カニだとっ!?カニって食べられるのかい?固いだけじゃないのか?」


【まあ、召し上がって下さいよ。】


「ふふ、もう驚かないからな?では、頂くかな。」


ノモスはそう言って口の中に入れる。


「何て事だ・・・カニの身とはこんなにも美味い物なのか!?」


「これは、素で食べても美味いですぞ?」


【バウマンさん、蒸すとまた違う味わいで美味しいんですよ。】


「蒸すのですな!アーサー殿、是非食してみたいですぞ!」


【そう言うと思って、蒸しておきました。蒸しガニです、此方の特製のタレにつけてどうぞ。】


「おお、素晴らしい・・・これは、新たな商品になりますぞ!」


「これは・・・。カニは初めて食べましたが、アーサー様、この汁、何か特別な事をされておりますね?」


「ふふふ、分かりますか?」


「蒸しガニ・・・良いな。これこそ〆に良い。それに、この酒にも合う。」


【・・・さて、いかがでしたか?】


皆が全てを食べ終わると、それぞれが感想を言って来る。


「・・・素晴らしい。アーサー、王宮でもこんな物は食べられないぞ?」


「左様でございますな、会頭。」


「このような朝御飯・・・朝から幸せな気分になりますわね。」


「うむ、久しぶりに食事をした気分だ。それに酒が合う。」


と、追加の注文が入る。


「アーサー、俺にはもう一度、大トロをくれるかな?」


【お?気に入ったかい?】


「うむ、中トロも良いが、俺は大トロ派だな。」


【直ぐに握るよ。】


「私には、ウニと蒸しガニを頂けますかな?」


【ウニも良いですがカニも良いでしょう?】


「ええ、おかげさまで商品になる物が増えます。ありがとうございます。」


「いえいえ、それなら良かったです。」


「私は、アナゴと味噌スープを頂きたいですわ。」


【アナゴは蒸しますので少しお時間を頂きますね。】


「構いませんわ。」


【俺は、カニを・・・。酒もお代わりだ。】


「グレイさん、酒の肴にするなら身だけをお出ししましょうか?」


「ほう、それは良い。お願いできるか?」


「かしこまりました。」


朝だと言う事を忘れて皆、酒を飲んでいる。

まあ、仕事に支障が無ければ良いだろう。

皆が満足してくれたようだ。

食事が終わるとノモス達が言って来る。


「満足だ、アーサー。本場で食べた寿司とは比べ物にならないぐらい美味しかったぞ?宮廷料理人にでもなるつもりかい?」


「この味を知ってしまうと、他の店の寿司は寿司と呼べるのかどうか疑わしい物ばかりでしたな。」


「左様ですね。このダシマキ卵と、ミソスープも美味しいです。是非、また味わいたいですわね。」


「そうだな、料理も美味いし、酒も美味い。この宿屋にして正解だな。」


皆が満足している所でトドメだ。


【それと、この宿屋には源泉かけ流しの湯船もあるんですよ。自慢ではありませんが、この街で一番の宿屋ですよ?】


そう、土台を作っていたら偶然見つけた物だ。


「湯船があるのかい?俺達でもめったに入れないぞ!?」


【ええ、後でお試しください。温泉を鑑定した所、美容成分も含んでおりますのでファリスさんも是非に。】


「本当でございますか!?是非!後程頂きますわ!!」


食後の優しい雰囲気が流れる。

うん、良い朝食だったのだろう。

皆が微笑んでいる。


うちの子達は・・・お代わりですね。

直ぐに握るから待っててね。


「おはよう!ダーリン!!」


するとまたヤツが来た。

朝の良い雰囲気が台無しだ。


【・・・。】


「朝から放置プレイなのね!でも気にしないわ!!私達の愛は不滅よ!!!」


【あー、もう!朝から五月蠅いな。あれ?そう言えばエナさんよ、お金、宿代はどうしたんだ?】


「ノモス様が出して下さいましたわ!」


【たかりやがったか!自分の金で泊れ!】


ノモスよ、俺とエナの事を何か誤解をしていないだろうか?


「ええ、ダーリンと一緒に働くの、子供は最低三人は欲しいわね?」


【そんな予定はない!俺にはルイスとナナリーさんという良い人がいるって言っているだろう?】


「で、何を食べさせてくれるのかしら?」


【開き直りやがった!・・・まあ、良い。座れ。】


そう言って空いているカウンターの席を指す。


「あん、ダーリンが座らせてくれないの?」


【そんなサービスはしていない!】


「もう、つれないわね?それで、何を食べさせてくれるの?」


【今日の朝は御寿司だ。】


「おすしですって!?・・・知らない料理だわ。美味しいのかしら?」


コイツはー!

相変わらず、イライラとさせてくれる。


【これから作る料理が寿司だ。奢ってやるから黙って食え!】


「ああ、ダーリンの愛を感じるわ!」


【さっさと食べたまえ!そして出来れば働いて金を稼げ!】


「ああ、そうやって二人は別れるのね!でも負けないわ!!私達の愛は不滅よ!!!」


【さっきも聞いたぞ?】


「きっと気のせいよ!で、朝食はまだかしら?」


【・・・ほら出来たぞ、食え!そして働け!】


そう言って下駄に乗った寿司を差し出す。

エナは受け取るとまた何か言いやがる。


「あん、手料理何て良いのかしら?」


【あん?どういう意味だ?】


「男性からの手料理は、プロポーズの意味があるのよ?」


【そんな事は知らないし、君はただの一般客だ!良いから黙って食え!】


マジで知らなかったので、ルイスとナナリーさんに視線を送ると二人が顔を赤くして目をそらしている。

・・・マジなんですか、そうですか。


「ダーリンがそんなに言うなら。・・・って何この料理は!生魚なの?」


【正解だけど、なんか悔しいので詳しくは教えてやらん。】


「ああ、それも運命なのね。ありがたく頂くわ!」


ノモスは笑っているが他の三人は目が点になっている。

・・・まあ、そのうち慣れるだろう。


「では頂くわ!」


【とっとと食え!】


「どうやって食べるのかしら?」


【手掴みだ!良いから食え!】


「やん、昨日あんなにされたのにまだ手でしてほしいのかしら?」


【っふ、残念だったな!昨日はルイスとナナリーさんとイチャイチャしてるんだ!!証人がいるんだよ!!!】


二人の方を見ると俯いて顔が真っ赤だった。

おのれエナめ!

後が怖いわっ!


「あん、美味しいわ!これだと全部食べてしまいそうね?」


【そうだ!食って働け!】


「もう、そんなに急かさないで!私はいつでも準備が出来ているのよ?」


【やかましいわ!さっさと食え、そして働け!御飯も自分の金で食え!】


「モグモグ。あら美味しいわ!さすがダーリンね!」


【美味いって言うのはなあ、・・・表現が難しいんだよ!】


「分かったわ!愛し合う二人が別れるまで、その愛の為に働くわ!」


【会話がかみ合ってないね?いいからとっとと食べろ!】


「モグモグ・・・。」


やっと食いだした。

コイツといるとやたら疲れる!

スタミナでも減っているんじゃないだろうか?

それともマナポイントか?


エナは食べ終わると「街を見てきますわ!」と言って出て行った。

働いてねえじゃねえか!

でも、どうやら台風は収まったらしい。

ノモスはそれを笑って見ていた。

三人は苦笑いしている。

ルイス達も苦笑いしている。

唯一楽しそうなのはアリスだけだ。

くそう、エナの奴め。


女将さん達はその間、ずっと目をぱちくりさせて俺達を見ていたのだった。

此処まで読んで下さって、誠にありがとうございます。

それでは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク、等々。

いつも励みになっております。

皆様に感謝を!

それでは 次話 情報と言う武器(仮 でお会い致しましょう。

お疲れ様でした。

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