取り戻してきた日常
いつも読んで下さっている方々、誠にありがとうございます。
執筆終わりました。
それでは、お楽しみください。
そして二日が経つとノモスがやって来た。
騎士団が並んで歓迎の意を示していた。
港には復興の支援者が来るとして見物の野次馬が大勢来ていた。
ノモスがやって来ると大歓声が起こる。
「あの方が支援者様だそうだ!」
「助かっております!ノモス様!」
「プルスィオス商会に創造神の御加護を!」
「「「プルスィオス商会万歳!」」」
どうやらドリュカスさんが挨拶をしている様だ。
レガイアさんもいる。
俺は、そんな様子を遠くから眺めていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
眩しそうにその様子を見ていた俺は作業に戻る。
今日は魔法ギルドの建築だ。
大工さんが基礎を作って行く。
それを基に職人さん達が建物を作って行く。
屋根が出来た所で今日の作業は終わった。
作業を終えるといつもの宿屋に戻る。
何故かやけに盛り上がっている。
外からでも分かるような喧騒が聞こえて来る。
そう言えば一階は防音にしていなかったな。
何かあったのかなと思って中に入る。
すると人混みの中心には、ノモスがいた。
どうやら酔っぱらっている様だ。
あの侵攻騒動の中、唯一無傷だった貴族屋敷に泊まっているものとばかり思ったのだが・・・
何かあったのだろうか?
俺を見つけると手招きして呼んでいる様だ。
人をかき分け側により挨拶をする。
【やあ、ノモス。久しぶりだね!】
「酷いじゃないかい、アーサーよ。迎えにも来ないなんて、何て友達甲斐の無い奴だ。」
【いや、仕事がね・・・酔っているね、ノモス?】
「何を言ってるんだ。序の口って言うヤツさ。それで君は何でそんな恰好をしているんだい?」
作業着と言う、昭和の大工さん的な格好をし、黄色のヘルメットをした俺を見てノモスが言って来る。
【復興を手伝っているんだよ。ノモスこそ先遣いを出してくれれば迎えに行ったのにさ。】
「驚かそうと思ったら伯爵様の大歓迎だよ。だがこの街、気に入ったよアーサー。支店を出せる様に交渉するつもりさ。」
【そうか!ありがとうノモス!!大歓迎だけど、ここはド田舎なんだぜ?】
「そこが良いんじゃないか!開発と商売の道があるって事だぜ?それに魔物を何とかすれば海路はしっかりしているしね。」
【そっか、気に入ってくれたなら何よりだ。】
「・・・で、アーサーよ?そろそろ、君の良い人を紹介してくれないかな?」
【ああ、呼んでくるよ。待っていてくれ。】
そう言うと三階に駆け上がる。
「ふふ、君の選んだ人だ。楽しみだな。」
そんな俺の背中をノモスは見送っていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
部屋に入るとルイスとナナリーさんに事情を話して付いて来てもらう様に言う。
「え!?私達もなの?」
【もちろんだよ!ルイスとナナリーさん、それにリズ達を紹介しないとね!】
「あの、ヘファ君?普段着では失礼ではないでしょうかー?」
【大丈夫ですよ、ナナリーさん。ノモスはそんな事を気にするような奴じゃないんですよ?】
「それなら、リズ達にも声をかけて来るわね。」
そう言うとルイスはリズ達を呼びに行ってしまった。
しばらくするとリズ、ベス、マオ、アリスが揃って部屋に入って来る。
「あの、お兄さん。会うのは良いんだけれど、アタシ、作法とか知らないんだけれど?」
【大丈夫、気にするような奴じゃないからね。】
「ヘファさんの友人・・・まともな人のはずが・・・。」
【ベスさん、良い意味でまともじゃないのは認めるがそれは言わないでね?】
「ヘファさんの友達ですか?友人はミカさんとジャスティンさん達しかいないと思っていました!」
【マオさん?俺にも他に友人だっているんですよ?】
「ヘファさんの友達なのですー!」
【そうだ!アリス!!いつも通りで良いんだ。会ってやってくれよ。】
そんな話をしながら皆で部屋を出る。
皆、初めての相手で緊張しているのだろうか。
【そんなに緊張する必要はないよ?本当に良い奴なんだからさ!】
一階に降りると、人混みが整理され道が出来ていた。
早速ノモスに、皆を紹介していく。
【まずは、良い人のルイスだ!俺の自慢の人だ!!】
「ルイスと申します。彼がお世話になっているようで・・・それと、この街の為に色々とありがとうございます。」
「おお、慎ましく美人じゃないか!羨ましいなアーサー!」
慎ましい・・・?
いやいや、今は置いておこう。
巨乳だと言う事でも差別をしない。
それに外見だけではない。
その目には内面も映っている様だった。
【で、次も良い人のナナリーさんだ。】
「初めまして、ナナリーと申します。ヘファ君共々、よろしくお願い致しますー。」
「おおっ、素晴らしい!アーサーは見る目があるな!とても良い夫人達じゃないか!」
ノモスが拍手をすると周りからも歓声が上がる。
【そう言ってもらえるとありがたいよ、ノモス。】
【次はリズベットだ。可愛い妹分だ。リズって呼んで】
「ちょっと待ったぁ!」
ん?
誰だ?
告白タイムじゃないぞ?
そうするとアイツがズンズンと俺に近づいて来た。
「ダーリン会いたかったわ!」
【だから、ダーリンではない・・・エナ、そう言えば付いて来るって書いてあったな。】
「そうよ、ダーリン。放置プレイ何ていけずね!村で何日も待ったのよ?」
【俺は忘れたかったんだけれどね?それに君の村なんか知らないしね?】
「そう、あれは太陽がいつもより輝いている時よ!」
【そうかい・・・?雲が出ていた記憶があるぞ?】
「ああん、そんな所も良いわ!でもまだ話している途中よ?」
【そうか、黙っててくれると非常に助かるんだけれどね。】
「そうやって、あの時の事を黙らせようとするなんて!・・・そんな貴方もス・テ・キ!!」
【いや、もういい加減に黙ってくれないかな?紹介の途中だぞ?】
「先にアタシを紹介するのね!もちろん第一夫人は譲れないわよ?」
【聞いてなかったかな?俺の良い人はルイスとナナリーさんだ!】
「いやん、捨てようとするなんて!でも、私達はあの日々で誓い合ったの!!」
【半日一緒に行動しただけだ。しかも俺は誰にも誓っていないけれどな?】
「そう、あれは太陽が煌めく朝の事。悪漢から私を救ってくれたのよ!」
【その悪漢は、衛兵と言う門を守る人達だよね?】
「そして、アタシを連れ出した貴方は草原の中で私と誓い合ったのよ!」
【連れ出すではなく、離れたであって、誓い合ってもいないんだが?】
「そう、私は朝日に煌めくフェアリー・ゲートの前で口説かれたのよ!」
【朝日は煌めいてないし、口説いてもいないよね?】
「そしてアタシ達は手を取り合って一緒に愛の門を潜ったのよ!」
【そうだ、入街税を請求しようかね?】
「そしてノモス様と出会ったのよ!」
【それはその通りだが、俺の話を聞こうか?そろそろ後ろが怖いんだ。】
「あん、いけずね!まだまだ話足りないのに!」
【と、言う訳で、こんなやつなんだけれど、ただ会っただけだから気にしないでくれると嬉しいかな?】
そう言って皆の方を振り返るとなんかすごい目つきで俺を見ている。
「・・・ねえ、貴方。話し合う必要があるわよね?」
「ヘファ君、私達が見ていない所で何をやっているのか気になりますねー?」
「お兄さん、ルイス姉とナナリーさんと言う物がありながら!」
「そうです・・・不潔です・・・。」
「まさか、また増えるとは・・・ヘファさんどうなっているんですか!?」
「ヘファさんはすけべなのですー!」
【皆、ちょっと待とうか?今の会話で何が分かるんだい!?】
「貴方が浮気性だっていう事が分かったわ!」
「ヘファ君、私でもさすがにー・・・。」
二人の良い人の同意が求められない。
するとノモスが声を上げて大笑いしている。
「ハッハッハ!相変わらず面白いね、アーサー!クハハハ!こんなに笑うのは久しぶりだよ!アッハッハッハ!」
【御満悦の所悪いんだけれどこの状況はどうしたらいいかな?】
「そうねダーリン!」
【ダーリンじゃないんだが!?あと腕に絡みつくな!】
「ハッハッッハ!愉快だ!実に愉快だ!!!」
そう笑っているノモスに改めてリズ達を紹介して行く。
ノモスは紳士だった。
もちろん、格好良い方のだ!
まあ、ノモスが喜んでいるのならば良いだろう。
この街の復興は時間と金がかかるだろうしね。
それには、ノモスの援助が大きいだろうからね。
「アーサーは既に第二夫人までいるのかい?・・・子供が楽しみだな?」
【ノモスのおかげでもあるんだよ。感謝しているさ。】
「それで、大悪魔の復活が近いんだろう?何か考えはあるんだろうね?」
【それなんだけれどね。もう二度と復活できない様に完膚なきまで叩こうかと思ってるんだよ。】
「・・・ハハハ!それは愉快だ!良い考えだぞ、君になら出来るさ!」
【任せてくれ。もうあんな事はさせない様に完璧に・・・葬る。】
俺の怒気に触れて、周りのテーブルや物がガタガタと音を立てて揺れる。
「・・・兄弟その怒りは分かるから殺気を収めてくれ。嫁さん達、それに皆が引いているぞ?だが、その時が来たらその力を帝国にも貸してくれよ?」
【ん?ああ、悪い。もちろんだよ!モンスター相手ならいつでも力を貸すよ。ノモスが必要ならすぐに駆け付けるからね。】
「心強いよ!じゃあ、今日の所は収めておいてくれ、それに・・・そうだねこの宿に決めよう。ここでは・・・そうか、女将さんを呼んでくれるかい?」
「分かったよ、ノモス。ちょっと待っててくれるかな?」
「小僧、その必要はないよ。」
様子をうかがっていたのだろうか?
人をかき分け、女将さんが出て来てくれた。
「女将さん、最上階の部屋を借りれるかな?」
「ほう、一部屋かい?」
「いや全部だ。何部屋あるんだい?」
「四部屋だよ。」
「丁度良い。では期間中は全部借りよう。そうすればこの楽しい時間を過ごせるのかな?」
「ふんっ!分かったよ。それで、代金はまだ決めてないんだがね?」
「それならこれで良いかな?」
ノモスはそう言うと、女将さんにお金の入った袋を渡している。
「・・・ふんっ、良いじゃないか。・・・初の部屋を貸そうじゃないか。」
「ありがたい、さあ!今日は私が持とう!諸君!ジャンジャン飲んでくれたまえ!」
「「「おおー!!!」」」
皆の声が上がった。
・・・俺はこれからどうなるんだろうね?
これからの皆の追及を考えると、ちょっと、いやすごく不安だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そして夜。
何故か俺と女給さんがエナを一人部屋に案内する。
女将さんの指名なので断れなかった。
「やん、ダーリンと一緒じゃないと嫌よ?」
【俺は別で構わん!後、何度も言うけれどダーリンではない!】
「あん、そんな貴方だからついて行きたくなるわ!」
【そうか、頑張ってくれよ。君のおかげで俺は良い人達の御機嫌を取らなきゃいけないんだ。】
「では、第一夫人と言う事でついて行くわ!」
【結構だ!という訳でお休み!】
「あん、これも試練なのね!」
そう言ってうっとりしているエナを放置して自分の部屋に行く。
弁解するのが大変だ。
エナのヤツめ。
そう言えば、なんでついて来たんだろうか?
まあ、適当にシカトしよう。
そう考えながら部屋に戻るのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
部屋に戻ると尋問が待っていた。
二人からエナの事を色々と聞かれた。
俺は必死に説明した。
そのおかげか、本当に会っただけだという事を分かってくれたのだろう。
しばらくしたら解放された。
そして、部屋の明かりを消し、就寝しようとするとルイスがベッドにやって来た。
「ねえ、いけない人にはお仕置きが必要よね?」
そう言うと情熱的にキスをして来た。
しばらくイチャイチャしていると、ナナリーさんのベッドから何かを我慢しているような声が聞こえる。
するとルイスが立ち上がってナナリーさんのベッドに近づいて行く。
「ねえ、ナナリーさん、一人で慰めていないで貴女も一緒に可愛がってもらいましょう?」
「い、いえ、私はまだ・・・耐えられますよー?」
「そんなに辛そうにしているのは駄目よ?さあ此方に来て下さい・・・貴方も優しくしてあげてね?」
【ルイスがそれで良いなら。おいでナナリー、優しく可愛がってあげるよ。】
「・・・では初めてですが、いっぱい可愛がって下さいー。」
そして二人の御機嫌を取る為にいっぱいイチャイチャしたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝、目が覚める。
おおう、合計で四つの膨らみが俺の顔に付いている。
ルイスは張りや形が良くて好みだし、ナナリーさんの物は柔らかくて更にでっかい・・・。
うむ、どちらも捨てがたい。
が、昨日の夜、頑張ったおかげで二人共疲れているのだろう。
俺は、二人を説得するのに凄く頑張ったのだ。
・・・うん、頑張ったよね?
そう、昨日は頑張った。
ナナリーさんは初めてだったのでちょっと心配だ。
・・・自重しよう。
ルイスとナナリーさんの胸の柔らかさを堪能していると二人共起きてしまった。
しまった、寝かせておいて上げたかったのだが・・・。
「うんっ・・・もう、朝なの?」
「ああ、か、下半身がカクカクしますね。いっぱい愛されましたからー。」
「ナナリーさん、起き上がれる?」
「頑張りますので少し時間を下さいー。」
港は被害が少なかったおかげで、早々に復興していて朝市が復活しているのだ。
皆で行こうと誘うと二人共賛成してくれた。
ナナリーさんが歩ける様になったので皆で支度する。
寸法は分かっているので、ナナリーさんの普段着も作っておいたのだ。
そう言えば、ナナリーさんとは初めての朝市だ。
港に着くと、その賑わいを感じてルイスが言って来る。
「ここの賑わいは・・・変わらないわね。」
【そうだね。いつもの通りだ。】
「朝市は初めてですね、・・・ギルドより独特の活気があるような気がしますねー。」
【それは良かった。じゃあ、二人共見て回ろうか。】
そう言って、まずは漁港に行くと早速声がかかる。
「おや?シビ旦那じゃないですかい!今日も上がっているよ?買うかい?」
【炊き出しの時はありがとう!もちろんだよ、他のはどうなのかな?】
【そんな事は気にしないで下せえよ!今日は鯛の良い所があるはずだよ、シビ旦那。】
【それなら、いつもの様にしてくれるかな?】
「分かりました!ちょっと待ってて下せえ。」
漁師さんはそう言うと捌きに行ってしまった。
「あの、ヘファ君?シビって何の事ですかー?」
【ああ、ナナリーさんには言って無かったね。鮪の事なんだけどね。・・・ああ!そうか、食べた事ないのか!?】
「鮪・・・ですか?食べた事は無いですねー。」
【じゃあ、今日は歓迎会も兼ねて、御寿司にしましょう。それに、ノモス達の分も作らないとね。】
「そうね、でも、彼らは何人いるのかしら?」
【そう言えばそうだね。何人で来ているんだろうね?】
ノモスが借りたのは最上階の部屋の四部屋のはずだ。
ん?
他には誰がいるんだ?
バウマンさんはいたから・・・。
後の二人は誰と誰だ?
しばらくそんな事を言っていると解体を終えた漁師さんが来てくれと言うのでそちらに向かう。
そんな俺達を見ていた船長さんが、ナナリーさんを見て言って来た。
「シビ旦那。そういやあ、そちらの女性は?」
【ああ、二人目の良い人なんだ。・・・まだ結婚はしていないんだけれどね。】
「ナナリーと申します。夫が世話になっているようでー。」
【ナ、ナナリーさん、嬉しいけれど、まだ結婚してないですよ?】
「そうでした。嫁になる予定の、ナナリーと申しますー。」
「こりゃあ大変だ、シビ旦那、婚約祝いだよ!今日はタダで良いぜ!?」
【いやいや、それは悪いよ。支払うよ。】
「いやいや、この街の急速な復興もシビ旦那のおかげなんでしょう?」
【そうだ!と、言いたい所なんだけれどノモスの援助があったからですよ。】
「旦那が、その商会の偉い人と取引したんですよね?」
【取引と言うか、結果的にそうなったんだけれど・・・。】
「それなら、この街の恩人じゃないですか!尚更ですよ、婚約祝いに送らせて下さいよ!!」
漁師さん達が俺達をじっと見ている。
それは、三人を祝福してくれている様だった。
気持ちが良い人間とはこういう人達の事を言うのだろうな。
【・・・そうか。じゃあ、ありがたく頂くよ。】
「そうだぜ!受け取ってもらわねえとな!」
「これぐらいさせて下さいよ!シビ旦那!」
魚をしまい終わると船長さんが近づいて囁いて来る。
「旦那、悪い事は言わねえ、結婚は早くしたほうが良いぜ?」
【そ、それはぁですねぇ、二人とーぉですね、良く考えてーぇですよ。ま、また来るね!】
恥ずかしかったので逃げ出すようになってしまったが、その背中に皆の声が掛かる。
「「「あっはっは、三人共お幸せにな!」」」
その言葉を背に急いで漁港を後にする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「こんなに美味しい物は、初めて食べましたー!」
【ナナリーさん、味醂干しは美味しいですか?】
「このマヨネーズと七味をつけるともっと美味しくなるのよ。」
「では、早速付けてみますねー。」
「いいわ、付けて上げますね。」
ルイスがそう言って付けるとナナリーさんに渡す。
ナナリーさんが受け取り食べ始める。
「ルイスさん、美味しいですねー。」
「でしょう?でね、お酒とも合うんですよ?」
【ああ、じゃあせっかくだし買って来るよ。】
「今日は待っているわね。ナナリーさんもいるし。」
【分かった行って来るよ。二人共、ちょっと待っててくれるかな?】
「分かったわ。」
「分かりましたー。」
二人の視線を背に酒屋へと向かう。
うん、活気は戻ってるね。
これもノモスのおかげだ。
物価も襲撃前に戻って来ている。
酒屋に着くと早速声が掛かる。
「おお、若旦那!その後どうですかい?」
【炊き出しの時はありがとうね。今日は梅酒を買いに来たんだよ。あるかな?】
「もちろんですぜ!今日は小樽で五樽ありますが・・・。」
【もちろん、全部貰うよ。】
「若旦那、いつもありがとうございやす!」
【ああ、ブランデーも貰えるかな?】
「毎度っ!そっちは大樽で二樽ですぜ?」
【もちろん、全部貰うよ。】
「いつも、ありがとうございやす!」
【こちらこそ、いつも済まないね。】
「まいどありっ!また来て下さいよ!」
梅酒とブランデーを買う。
ドリュカスさんとアレックスさんに良い土産が出来た。
樽をバックパックにしまうと、待っている二人の元にさっさと戻る。
ちょっと様子を窺うと仲良く話している様だ。
・・・良かった。
【二人共お待たせ。梅酒で良いかな?】
「良いわね、ナナリーさんもきっと気に入るはずよ?」
「うめしゅ?ですかー?」
【ええ、まずは飲んでみて下さい。】
二人に盃を渡し酒を注ぐ。
ルイスはグイッと飲み干す。
ナナリーさんは恐る恐る口を付ける。
「ふぅ、やっぱり美味しいわね。」
「・・・美味しいですね。このお酒は好きですねー。」
【味醂干しと食べるともっと美味しいですよ?】
そう言って七味マヨの付いた味醂干しを差し出すと、ナナリーさんがかぶりつく。
「んんっ!これは、美味しいですねー!」
【でしょう?遠慮せずに食べて下さいね。あ!朝御飯は食べれるようにして下さいね?】
「うふふ、御寿司ですね。どんな料理なのでしょうか?楽しみにしておきますねー。」
【ナナリーさん、マヨネーズが付いてますよ。】
指でついている所をすくい取ると自分の口に運ぶ。
ナナリーさんの顔が真っ赤になった。
嬉しかったのか恥ずかしかったのか・・・。
しばらく、三人でそんなゆったりとした時間を過ごす。
【・・・おっと、残念ですがそろそろ時間じゃないかな?戻りましょうか。】
「分かったわ。戻りましょう。」
「分かりましたー。」
いつもの様に味醂干しを頼む。
受け取って代金を支払い三人で手を繋ぎ宿に戻る。
そうして三人での朝のデートは終わった。
此処まで読んで頂き、誠にありがとうございます。
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それでは 次話 本場の味よりスキル様(仮 で、お会い致しましょう。
それでは、お休みなさい!