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兆しと希望

いつも読んで下さっている方々、こんにちは。

なんとか昼御飯前に、執筆が終了致しました。

楽しんで下さると嬉しいです。

彼はまだ目を覚まさない。


「お寝坊さん、今日で七日目よ?そろそろ起きたらどうかしら?」


あの後、女将さんと戻ると宿は焼き崩れていた。

女将さんがガックリと膝を付く。

亡くなった娘夫婦から託された宿屋なのだ。

当然だろう。


女将さんは立ち直ってくれると良いわね。

そう思った。

周りを見る。


街もほぼ半壊状態だった。


それに気付いたらミカさんもいなくなっていた。

行く所の無い私達は女将さんと共に南通りの宿でお世話になっている。

もちろん宿の仕事を手伝いながらだ。


三日で食料の備蓄が少なくなり、王都からの救援物資を待っている所だった。

そしてお金の価値が下がると食料の価格が跳ね上がった。

銭貨三枚で買えた肉串が今は銅貨一枚と銭貨八枚になった。

貯えのあった私達はまだ良い方だろう。


銀行は無事なようだった。


正常に機能しているらしい。

あの惨劇でも被害を受けなかったとの事だ。

とりあえずお金をおろしたりするのは大丈夫そうだった。


だが、道には親のいなくなった子供が溢れ。

仕事の無くなった女性が娼婦の真似事をして日銭を稼いでいる。

もちろん宿代も格段に高くなった。

銅貨十枚で泊まれた宿も今では六十枚だ。

女将さんと私達で何とか食いつないでいる状態だった。


そんな中リズが私に言って来た。


「ルイス姉、お兄さんはまだ起きないの?」


「うん、ごめんねリズ。あの人はお寝坊さんなのよ・・・。」


たまらず、リズを抱き寄せる。


違うの。

お寝坊さんは私なの。

いつも起こされているのは私なのよ?

涙が出てしまう。


その涙がリズの顔に落ちる。


「え・・・!?ち、違うの!ルイス姉のせいじゃないのよ!」


「そう・・・ルイス姉のせいじゃないの・・・。」


「そうです!ルイス姉のせいではないです!」


「ヘファさん起きるのです?」


「「「・・・。」」」


皆が不安でいっぱいの顔でそう言って私を見る。


あれからどうしようもなくなり、ドリュカス様を頼って屋敷を訪ねたのだ。

運良くなのだろうか?

お会いし、話をする事が出来た。

聞くと国中の街という街に黒い悪魔達が現れたらしい。

この街はまだ良い方で、どの街も壊滅状態らしい。

ドリュカス様がこの国が不味い状況になっているとおっしゃっていた。


特に王都。


物資が開放されていなく神殿の炊き出しは初日の一回だけ。

しかも途中で炊き出しが底をついたせいで食べられなかった民衆が暴徒と化しとても酷い事になっているらしい。

軍が出動して鎮圧をしているのだとか・・・。

その話をしている時にドリュカス様はこうおっしゃっていた。


「あの暗愚あんぐめは!こんな時にこそ国の備蓄を開放するべきじゃろう!!他の領地の貴族もじゃ!!!」


ドリュカス様達もかなり厳しい状態らしく街の維持をするのに手いっぱいらしい。

騎士団のおかげで最低限の治安は維持できているとの事だった。

あの精悍せいかんなレガイア様やアレックスさんもやせ細っていた。

マリーナ様もやせ細り晩餐会の時の面影はなくなっていた。

挨拶をした時に『ごめんなさいね。』と言われて二人で抱き合いながら泣いた。


それでも民達の為に物資を放出してくれているだけ助かっている。


皆が必死に復興をしながら生活をしている。

瓦礫をどけ、死体を騎士団に引き渡す。

そしてまた作業に戻る。

皆も伯爵様の恩恵にすがって生きている。


・・・食べ物に飢えながら。


そして、日が暮れると皆あの夜の事を思い出す。

いつ悪魔がやって来るのかが分からない夜に怯えながら。

寝たのか分からない状態で朝を迎える。

皆、黒い悪魔に怯えながらなので碌に眠れていない。


私はあの人の代わりに毎日祈る。


「『アリステリア様』・・・これも試練なのでしょうか?」


涙する。


だが、頼みのあの人はまだ目覚めない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「すべてのギルドの備蓄を開放しましょう!今の状態よりましになりますー!」


私が意見を言うと否定しかして来ない。


「そんな事をしても焼け石に水だぞ!」


「そうだ!根本的な事が解決しなければこの状態は続くぞ!」


「根本的とはなんでしょうかー!?」


どうして分かってくれないのかしら!?


「大悪魔ベルフゴールの復活だ!」


「封印が弱まっていると言うではないか!」


「国中の怨嗟の声で復活は早まるだろうよ!」


「それで余力のあるうちに夜逃げしようとー!?」


いい加減にしてとばかりに口をはさむ。


「一般職員のくせに、口を慎みたまえ!」


「ですから街の人達の声を届けているのではないですかー!?」


住民の声を届けるために私達がいるのだ!


「そんな事分かっておるわ!」


「だったら何故、備蓄を開放しないのですかー?」


私財を蓄えているくせに!


「我々は国とは関係ない組織からだ!」


もう手遅れなの!?


「そんな考えですと暴動が起こりますよ!?いえ、既に似たような事は起こっていますー!」


そう、先日、残った冒険者達が一斉に街から、国から出て行ったのだ。


「冒険者ギルドから言わせてもらうぜ?もう駄目だ、お終いってやつさ?」


「そんな短絡的な思考でよくマスター等をやっておれるな!」


「っけ、オーガの牙以外誰もいなくなっちまったんだぞ?そんなにやりたいなら代わってやるぞ?」


「「「・・・。」」」


「っけ、返事も出来ねえのかよ?」


「そんな事をしていないでまずは民への食料の供給を考えませんとー!」


これが最後の問いだ。


「これで議会を閉廷する。」


「組合長ー!?」


これで見切りを付けられるのかな?


「何をやっても無駄だ。さっさと皆も本国に帰る用意をするのが良いと思うがね?」


「そうだ!引き上げる用意を!」


「そうだ!そうだ!」


そう言うと冒険者ギルドのマスターであるゼパムさんと、何故か魔法ギルドの長のターレブさんだけが残った。


「でよ、ナナリーちゃんよ?アーサーの様子はどうなんだ?」


「そうじゃ、かの英雄はどうなのかのう?」


そう、皆でこのすべを打開できるであろう彼の事を考えていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


暗いな。


でも暖かい。

良い臭いがする。

うん、ルイスの匂いだ。

こんな事を言うと、また変態と言われるだろうか?


だが心地良い。

安心する匂いなんだ。

そう思うんだけれどなんか変だ。


前と違い、暗いのが明るくならない。


ん?

呼ばれているな。


そっちの方向に歩いて行く。

しばらく歩くが明るくならない。

随分歩いたつもりなのだが、一向に明るくならない。

・・・お腹も空かない。

どうなっているんだ?


更に歩く。


まだ暗い。

何日ぐらい歩いたのだろうか?

すると遠くの方で輝きを見つける。

懸命にその方向に走る。


おや?

おお、段々と明るくなって来た。

そして、周り中が真っ白になった。


・・・俺は目を覚ました。


「・・・おはよう、貴方。」


ルイスが側にいて頭を撫でてくれていた。


【やあ、おはようルイス。・・・痩せてるじゃないか?大丈夫かい?】


そう言って頬に手を当てるとその手を握ってくれる。


「起きて最初に何を言っているのよ、お馬鹿さん。貴方は十日も眠っていたのよ?」


【十日間も・・・歩いてたのか?後ね、ルイスは痩せなくても魅力的なんだからダイエットとか、そんな事する必要は無いんだよ?】


「だいえっと?また変な事を言って・・・でもね違うの、無理に痩せて・・・いる訳では・・・無いの・・・。」


嬉しそうにルイスが泣いている。

また泣かせちゃったね。

ごめんね、ルイス。

突然思い出す。

そうだ!


【ルイス!ナナリーさんは!?】


慌てて起き上がる!


「無事よ。今は組合の会議に参加しているらしいわ。」


【そっか・・・良かった。】


俺は落ち着きを取り戻す。

どうやら蘇生魔法が効いたようだ。

ペナルティはこの十日間の強制睡眠か?

起き上がり支度をする。


「とにかく、その事は後で話し合いましょう。」


何かあったのだろうか?

まあ良い、まずは状況の確認だね。

ベルトにバックパックを付けるとルイスと視線を合わせる為にしゃがむ。


【それで、あれからどうなったの?】


「・・・貴方にお願いがあるの。」


【何か急ぎなのかな?】


「ええ、この国の、いえ、街の危機なの。力を貸して頂戴。」


【もちろんだよ、愛しのルイス。俺に出来る事なら何だってやるよ。】


「この国、いえ、この街には食料が無いの。あっても高くて買えないの、何か考えはないかしら?」


【食料か・・・うーん、不本意だけれどまずは、あの人達を頼ってみるよ。】


「あの人達?」


【そう、唯一伝手のある双子のお姫様かな?】


そう言うと靴を履き立ち上がる。


【ねえ、ルイス。元気の出るお呪いが欲しいな。】


「もう、甘えん坊さんね。」


そう言うとルイスがキスをしてくれる。

するとどうだろうか、力が湧いて来る。

・・・俺って単純なのかね?


【さてと、早速やりますかね。皆にも手伝ってもらうよ!っと・・・その前に、御飯を炊くから沢山食べてもらおうかね!】


「ええ、リズ達を呼んでくるわ!」


【噴水のあった中央広場にいるよ!】


「ぐすっ、分かったわ!」


そう言うとルイスは笑顔を見せて、元気に走って行った。


また心配をかけてしまったようだ。

それに思ったより深刻そうだ。

そう思いながら天幕を出て通りに出る。


周り中瓦礫だらけだった。


もう散歩をしていた頃の面影が無い。

商業ギルドの建物も潰れていた。

バックパックから赤いフードを取り出し、被るとアーサーになる。


俺は中央の噴水広場を目指す。


しばらく歩き、壊されてしまった噴水広場に着く。

瓦礫だらけだったので竈と薪には困らない。

何個か竈を作り火を起こす。


バックパックから鍋を取り出し料理を作り始める。


単純に米を炊いた物と豚汁を作る。

大人数にはこれが一番だ。

炊いた御飯をおむすびにして行く。

大工スキルからテーブルを作り並べて行く。


小さい子供達が指をくわえて俺の方を見ている。

腹が減っているのだろう。

直ぐにお腹いっぱいにしてあげるからね?


怠惰さんの対策に備蓄していた甲斐があった。

少し待っていてくれるかな?

心の中でそう思うと料理を作り叫ぶ!


【オーガの牙の炊き出しだよ!皆、順番に並んでね!】


そう大声で言い、御飯を配り始めた。


「・・・御飯が食べられるの?」


「炊き出しの予定なんて無かったはずよね?」


「だが、この良い匂いは・・・。」


ゾロゾロと人々が集まって来る。

用意した木の器は足りるだろうか?

おいおい、何を言っているんだ。

無くなったら作れば良いじゃないか!

その為の恩恵スキルだろう?


そんな考えを無視してどんどん料理を作り始めた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


しばらくするとルイスがリズ達を連れて来た。


皆が嬉しそうに俺の方を見ているが、話すのは後にしてもらおう。

早速手伝ってもらう。

皆、痩せ細っていた。

だから手伝ってもらう前に腹一杯になってもらおう。


「皆、挨拶は後でしよう。先に食べちゃってくれ!食べ終わったら手伝ってね!」


「「「はーい!」」」


「ぐすっ、お兄さんが目を覚ましてよかった!」


「心配を・・・かけるのは・・・減点です・・・。」


「信じてました、ヘファさん!」


「ヘファさんが起きたのですー!」


久しぶりのまともな御飯なのだろう。

皆がガツガツと食べている。

良い食いっぷりだった。


うん、子供は元気が一番だね!

ルイスも食べながら泣いている。

俺ってやつは・・・肝心な時にいつもこうだもんね。

バックパックには大量の食材があるので、半分程出せば今日ぐらいは大丈夫だろう。


目視で三千人程の人が並んでいる。

まだどんどん増えている。

大人もいる。

子供もいる。

だが、その為に備蓄していたんだ!


【皆!遠慮しないで食べてね!!まだいっぱいあるからね!!!】


此方を見ながらリズ達が泣いている。

そっか、皆にも心配かけちゃったんだね。

心の中で謝っておく。


【さあ!オーガの牙からの炊き出しだよ!!皆、食べて行ってね!!!】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「何っ!?あんちゃんが目を覚ましたじゃと!?」


「はい、中央の噴水前で炊き出しをしているとかで街中その話で持ちきりです。」


「レガイア!倉庫の備蓄を持って行け!」


「・・・よろしいのですね?」


「構わん。この機会に全部出せ!念の為、騎士達に護衛させよ!」


「ふふ、かしこまりました。」


「・・・なんじゃ、レガイア?」


「いえ、嬉しそうな父上等、久々に見た気がしたのでつい。お許しを、では早速。」


「うむ・・・待っておったぞ、あんちゃん!」


わしはの心は救世主の復活に心躍らせる少年の様だった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アタイは宿に駆けこむ!


「大変だよ兄貴達!?アーサーの兄貴が目を覚ましたってさ!」


「「「アーサーが目を覚ましただって!?」」」


「やっと起きましたか!いつまで寝ているのかと思ったのですが・・・。」


「寝坊助め、何やってたんだかなぁ?」


「本当に寝坊助なんさ~。」


「アーサー様!きっと試練を乗り越えられると信じておりましたわ!」


ラフィアの姉さんは創造神様に祈っている様だった。


「そうさ!アタイら『オーガの牙』の名前で炊き出しをやっているってえ事だよ!」


「ふふ、アーサーらしいですね。ですが、それなら急がないといけませんね!」


「直ぐに、アーサーん所に行かないとな!」


「行かないといけないんさね~。」


「アーサー様の元へ向かいましょう!」


「「「応!」」」


皆が走り出す。

アタイは嬉しくなっちまった。

なんて粋な兄貴だろうか!


「・・・ここ一番て時は頼りになるな、さすがだぜアーサーの兄貴!」


アタイ達は全力で走り出す。


目的地は中央の噴水広場だ!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


皆と炊き出しをしていると騎兵の人が連絡に来た。


【ドリュカス様が倉庫を開けて下さったんですか?食料や食器類も!?】


それを聞いた住民達が口々に言う。


「領主様は我らを見捨てておらんかった!」


「さすがは、名君!ドリュカス老!」


「これで・・・生きて行けます!」


「領主様!ありがとうございます!」


老人と女性や子供の声が多いようだ。


男性はどうしたのだろうか?

きっと瓦礫をどけたりするのに必死なのだろう。


そうは思ったがどんどんと米を炊き、豚汁を作って行く。


造った竈が六個。

それを一人で順番に使い御飯と豚汁を作っている。

流石に六人では回す事が出来なかったので困っていると女将さんが数人の女性達を連れてやって来た。

女将さんの宿で女給をしていた人達もいるようだ。

顔見知りのお姉さん達もいる。


「小僧!『とんとん汁』のレシピを置いて行きな!アタシ達が作る!」


「女将さん豚汁ですよ!」


「そんな細かいこたあ良いんだよ!どんどん作るから場所を作りな!」


そう言っている。

周りの女性達も肯いて俺の方を見ている。

女将さん・・・自分のお店の事で大変だろうに・・・。


そう思っていると人をかき分けて近寄って来る人達が。


「水臭いじゃないか!アーサー!」


「そうだぜ、アーサー!」


「呼ばないのは反則なんさ~。」


「信じておりましてよ!無事に試練を乗り越えられたのですわね!」


「アーサーの兄貴!配るのは得意なんだ。任せておくれよ!」


なんとオーガの牙の面々だった。

頼りになる援軍のおかげで料理に集中できた俺はどんどん作れるようになった。


ジャスティンとダン、ディアナに竈を作ってもらい御飯を作る効率を上げて行く。

物資が到着したのでその三人に開封してもらいそれに適した料理を作って行く。

女将さん達にレシピを渡し御飯と豚汁を任せるとラフィアに言って女性達とパン串を焼き始めた。


鮪が大量にありすぎたので赤身で鮪の叩きを大量に作って行く。

それを具にしてアンナと女性達がおむすびを作る。

ドリュカス様の備蓄が無くなる前に食料を何とかしないとね。

そんな事を考えていると、聞いた事のある声が掛かる。


「ヘファイストス様!市場の人達にも声を掛けました!」


ナナリーさんが来てくれた。

ああ、無事だ!

本当に良かった。

それに市場の皆までも!


「シビの旦那!俺達の事を忘れてやすぜ!」


「そうですよ、若旦那!こいつは先行投資って奴ですぜ!」


そう言って市場のメンバーも食料などを持って来て炊き出しに加わる。

涙が出そうだったよ。


皆のおかげで今日と言う日を乗り越える事が出来た。


だが、それだけでは足りない。

様子を見に来た爺さんの恰好をしたドリュカス様と話をする。


「何?他国から食料の買い付けをするじゃと?」


【はい、この被害で王国中で物価が跳ね上がっているらしいので、他国からでないと難しいでしょう?】


「ふむ・・・。」


【それ程の事をしないと現在の王国は頼りになりません。今も補給物資が運ばれているのかも怪しいですよ?】


「じゃがな、あんちゃんよ。当てはあるのかの?」


【まずは女王陛下と王妹殿下を頼ろうと思っております。】


「成程、あの二人か!そうじゃな・・・レガイア!」


「はい、父上?」


「公国での買い付け金をあんちゃんに持たせよ。公用通貨なら問題ないじゃろう。」


「・・・父上、王国への税はどうされますか?」


「そんな物、特別法を進言する!」


「ふぅ・・・仕方がありませんね。それでは私が王都に行きましょう。」


「いや、王都にはわしが行く。」


「父上が自らでございますか?」


「そうじゃ、ケツを蹴っ飛ばしてでも特例を認めさせてやるでの!」


「あまり無理はなさらぬようにお願い致しますよ?」


「まだまだ、こんな状況に動かんあんな暗愚には負けんわい!」


「それではよろしいのですね?」


「うむ、必要ならば家宝以外は全部貨幣にして渡せよ!」


「かしこまりました。」


四の月が終わり五の月も半ばになろうとしていた。


こうして俺が他国へ、まずは公国へ食料の買い付けに行く事が決まったのだった。

此処まで読んで下さって、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に、励みになっております!

皆様に感謝を!

楽しみにして下さっている方々がいるからこそ、拙者は執筆が出来るのであります!

では、次話 双子再び(仮 でお会いいたしましょう!

それでは、お疲れ様でした!

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