黒幕ッポイヤツ
いつも読んで下さっている方々、ありがとうございます。
執筆が終了いたしました。
それでは、お楽しみください。
この事件を起こしていると思われる「ヤツ」のいる場所に見当を付けるとそこに全力で駆けて行く。
そう、気になる場所。
北の山にある魔法陣だった。
高速で山を登り、崖を飛び越えた先にそいつらはいた。
よく見るとバルロンデーモンを召喚している黒く巨大な悪魔族がいた。
コイツが召喚担当の上級悪魔だろう。
ん?
その手前に人間らしい人影がいて声を上げて笑っていた。
コイツが主犯らしいな。
声を掛ける。
【笑っている所申し訳ないんだけれど、そろそろお終いの時間にさせて下さいね。】
驚いている様だ。
体が青く光る。
鑑定と言っていたから掛けられたのだろう。
バルロンを召喚している黒い大きな悪魔が呪文を唱えている。
7thのファイヤー・ストライクだね。
どのぐらいダメージが入るか受けてみよう。
足元から炎が立ち上がる!
だが耐性スキルのおかげで無傷らしい。
実験ありがとう!
黒い悪魔の首を刎ねる。
その悪魔は一撃で霧散する。
流石の悪魔特効武器。
倒した悪魔から黒い核が落ちて転がる。
拾い上げるとバックパックへしまう。
次は笑ってた奴だね。
すると人型の悪魔族だろう人物が慌てて振り返って来る。
【何をした!?】
【見てなかったので分かりませんよね?首を刎ねて送り返したんですよ?】
【送り返しただと?何処にだ?】
【やだなー、一ヵ所しか無いじゃないですか・・・地獄ですよ。】
素早く動くと斬り捨てる。
ん?
おかしい、手ごたえがないね。
【【人間ごときと思ったがやるではないか!だが、これは見抜けなかったようだな!】】
次々と分身が作られる。
ああ、忍術の分身を使っているのね。
成程、成程。
でもね、この技は大きな欠点があるんだよ?
【見事な技です。忍術のミラーイリュージョンですか。所謂、分身ですね。十体も出せるのは優秀ですね。】
【【【何を余裕こいてやがる。お前は囲まれているんだぞ?】】】
【素晴らしい技量ですがその技には欠点がありまして・・・偽物には影が無いんですよ!】
月明かりで分かった。
本体の後ろに素早く動き両腕を切断する。
ザシュッ!
【ギャアアアァァァ!】
【済みませんが、少し聞きたい事があるのですよ。】
【馬鹿な!このカノナスが!上級悪魔なんだぞ!それをこうも容易く!赤フード!まさか勇者なのか!?】
【質問しているのは俺ですよ?ここ、この山にベルフゴールが封印されているのですね?】
【そ、そうだ!もうじき蘇られる!そうすれば貴様如き!】
【では、公国の事は御存じですか?】
【ベドラムとミアスマの事か!?あいつらは失敗したんだ!貴様に殺られた!】
【俺・・・フードの男とは?】
【知らない。貴様が赤いフードを被っている事ぐらいしか知らない!】
ふむ、知らないのなら、ミカの真上に現れたのは偶然なのかな?
てっきり正体がバレているのかと思ったよ。
ただ、ルイス達を怖がらせたのは許せんな。
特にリズをあんな怖い目に合わせやがって・・・。
【それで封印が解けるのはいつですか?】
【っふ、生贄を十分に捧げた!早ければ七の月の内には蘇られるだろう!】
男はそう言うと再度分身した。
無駄だって言ってるのにね。
【グレーター・ヒール!】
力ある言葉を発動させると男の傷が治って行く。
【今日はこれで引き上げてやる。メインディッシュはこれからだ!】
【逃がすと思いますか?】
素早く背中側に回り込んで首を斬る。
【ば、馬鹿な!この俺が・・・こんな所で・・・。】
男はそう言って霧散する。
後には例の「核」が残っていた。
拾ってバックパックに入れる。
さて「探知」。
この近くには悪魔族はいない。
蓋を出来たようだ。
まだ街に赤い光点があるので俺は急いで街に向かう。
反応からすると後、大きいのが一体、普通のが八体程なのでさっさと片付けてしまおう。
大きな反応のあった街の中央広場へと走る。
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僕達は防衛線を構築してバルロンデーモンを葬っていった。
後はあの大きな悪魔のみ!
もう人影の少なくなった瓦礫と化した噴水広場で戦っている。
「斬り込みます!ラフィア、回復をお願いします。アンナは援護を!」
「マナの心配はなさらなくって結構ですわよ!」
「ジャスティン、人がいて水平には撃てないんさ~!」
ありがたい、だが相棒がいないのでとても勝てる気がしない。
頼みのアンナは住民が邪魔をして水平に弓を打てない。
駄目だ、弱気になるなジャスティン!
こんな時の為に鍛錬を、経験を積んで来たのだろう!?
そう思っていると黒い悪魔が移動して来た。
呪文を唱えている。
アンナの方を見ている!
不味い。
後衛の二人が狙われるのは不味い!
僕は挑発スキルを発動させる。
「「「こちらです!」」」
掛からない!
その黒い悪魔の足元から人がいなくなった?
どうやら皆、逃げたか殺されたようだ。
「アンナ!ラフィア!何かの魔法が来ます!」
「ファイヤー・ストライクですわね!アンナ、気を付けて下さいまし!」
「りょ~!」
アンナはギリギリと弓を振り絞っている。
「吹っ飛ぶと良いんさー!」
【Огненный удар!】
弓を放とうとしたアンナの足元から炎が上がる!
「キャアアァァァー!」
「アンナ!」
「アンナ!っく・・・グレーター・ヒール!」
あちこち火傷をしているアンナをラフィアのグレーター・ヒールが瞬時に癒していく。
「ありがとう・・・なんさ・・・。」
アンナが倒れた。
「ラフィア!」
「分かっておりますわ!」
ラフィアがアンナに肩を貸して抱えるように後退して行く。
「「「さあ!僕が相手です!」」」
挑発スキルを使う。
今度は効いたようだ。
その巨大な悪魔が襲い掛かって来る!
そうだ!
僕がやらなければ!
覚悟を決めた。
すると突然、横合いから気合の乗った声が!
「ダッシャー!」
横合いから気合いと共にダンが突撃して来る。
「待っていましたよ、相棒!」
「待たせたな!相棒!」
こうして二人でその大きな悪魔と相対する。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺はルイス達を探している。
いつもの宿屋にはいなかった。
崩れていたので避難したのだろう。
何処に行ったんだ?
心配だ。
今は中央の噴水の方に向かっている。
さっきの大きな反応が気になる。
そうすると大きな音と共に土煙が上がる。
誰かが戦っている?
誰か?
ジャスティン達しかいないじゃないか!
俺は急いでそちらに向かうのだった。
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ドガーン!
その悪魔の攻撃を受け流す。
ヒヤリとしたが、アーサーの訓練が生きていたのだろう。
なんとか受け流した拳が地面に穴をあける。
「ダメージは通っているはずなんだけどな!」
「ええ、片翼を切れたのは運が良かったですね。」
「行くぜ!どりゃあ!」
「ッセイ!」
剣を振るう。
僕の攻撃では致命傷は与えられない。
くぅ、近づいたと思ったら遠ざかる!
僕は自分の力の無さが嫌になる。
『アーサー!』
心の中で目標である人物を思い浮かべる。
あの背中はまだ遠い。
そう思っていると巨大な黒い悪魔が爪で攻撃してきた。
盾で受け流す。
背中が見えた所でダンが斬り込んで行く!
ダンの攻撃も致命傷では無いだろうが、僕より確実にダメージを与えている。
「このまま行きましょう!」
「応!」
しばらく戦っていると大きな悪魔が不利を悟ったのか逃げようとする。
「逃がしませんよ!」
「応さ!行くぜ!」
「「「こちらだ!かかってこい!」」」
挑発スキルをかける。
大きな悪魔がこちらを向く。
どうやらかかったようだ。
そのまま斬り込んで行く。
「逃げなさんな!つけの回収は、まだまだここからだぜ!」
ダンの攻撃で黒い悪魔の右手が飛ぶ。
【ギャオオオオォォォォン!】
大きな悪魔が叫び声をあげる!
「もう少しです追い込みましょう!」
「応!相棒、大丈夫か!」
【グレーター・ヒール!】
突然、魔法が飛んで来た。
この声は!?
声のしたその方向を見る。
やはりアーサーだった!
【ジャスティンさん!ダンさん!まだ行けますね!】
「まだまだ、行けますよ!」
「当然だぜ!」
【では、ここは任せましたよ!】
「後ろでアンナがダメージを受けて倒れています!診てあげて下さい!」
【分かりました!ブレッシング!】
アーサーが僕とダンに魔法を掛けてくれる。
力が湧いて来る!
魔法を掛け終わるとアーサーは後ろに駆けて行った。
「さあ!詰めましょう!」
「応!」
しばらく戦っているとダンに頭をカチ割られた黒い悪魔が靄になって消えて行く。
コトリと何かが落ちる。
丸いボールのようだった。
周りに敵の姿はない。
そのボールを拾い上げる。
・・・どうやら勝ったようだ。
僕達は疲れ切った体をなんとか動かし、ラフィアとアンナの方に歩いて行くのであった。
ここまで読んで下さって、誠にありがとうございます。
まずは、いつものから!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
誠に感謝を!
大変に、励みになっております。
今日の夜からスキーだ!
ヒャッホウ!
たまには息抜きも必要ですよね?
と言う訳で、次話 ナナリー (仮 でお会いしましょう!
それでは、お疲れさまでした!
温泉、楽しみです。
癒されて来ます。