ディアナの鍛錬
いつも読んで下さっている方々、おはようございます!
朝、3時に目が覚めてしまい執筆しておりました。
UPいたします。
それでは、お楽しみください!
「アーサーの兄貴が元気ねえな?」
朝食を食べているとディアナにそう言われる。
【ああ、それはね・・・朝からですね・・・。】
「可愛がって頂いたんですわ!」
「左様ですわ!逞しかったですわ!」
「私は正面から抱き寄せて頂くのが好きですわ!」
「私は後ろからが乱暴にされるのが好きですわ!」
「あー、アーサーの兄貴、朝からっすか。まあ、元気なのは良い事っすよ・・・。」
ディアナに同情されてしまった。
むう、兄貴分としての面子が無い。
「アーサー君は御機嫌なのさ~。」
「朝からとは羨ましいですわ!」
【いや、アンナさん、ラフィアさんそう言う問題ではなくってですね・・・。】
「楽しんでいる事には、間違い無いのさ~。」
「私も可愛がってくださいませ!アーサー様!」
ぐぬぬ、駄目だこれ以上は深みにハマってしまいそうだ。
ここはひとつ厳しく行くか。
【アーゼ様、リーゼ様。仲間にも迷惑を掛けておりますので今後この様な事はなさらない方がよろしいと思いますよ?】
しまった、逆効果だった!
「アーゼの体に飽きてしまわれたのですか!?」
「リーゼの体に飽きてしまわれたのですか!?」
二人がそう言って来る。
周りの視線が痛い。
ちょっと待って、ジャスティン達のは、完全に犯罪者に向ける目でしょう!
【い、嫌だなー、飽きた等とは申しませんよ?】
「嬉しいですわ!ならばよろしいではないのでしょうか?」
「左様です!アーサー様!よろしいと思いますわ!」
うーん困った。
二人共、俺の両側から離れようとしない。
そのおかげで仲間と溝が出来ているような気さえして来る。
これで俺が帰還すると、どうなるんだろうね?
【二人共、あまり言い寄って来るなら隠れますからね?】
「そんな!あんまりでございますアーサー様!」
「左様です!そんな事はなさらないで下さい!」
【なので、せめて夜だけと言う事でお願い出来ませんか?】
「「御迷惑ですの?」」
ウルウルとした目で見つめて来るが、ここははっきり言っておいた方が良いだろう。
そろそろ、一般客の目も痛いしね!
【訓練に支障をきたしますので、昼間は迷惑でございます。】
そう言うとしばらく固まっていたが渋々承知してくれた。
「「それでは、また夜に可愛がって下さいませ!」」
そして時間になると双子は去って行った。
それまで空気の様になっていた人達が言って来る。
「アーサー、言っただろう。女性は怖いんだよ?」
「アーサーよぉ、思い人はどうするんだよ?」
そう、俺にはルイスと言う思い人がいるんだ!
これ以上流されてたまるか!
朝御飯を食べ終わった面々は適度に休憩を入れてから室内でできる訓練を行っている。
「まあ・・・アーサーの兄貴よ?夜だけになっただけましと思わねえとな?」
【ぐぬぬ、あの時の迂闊な自分を全力で締め上げたい!】
「まあ、アタイみてえに後悔は先に立たねえって事だよ、アーサーの兄貴。」
ディアナに諭されてしまった。
「まあ、今日耐えれば明日は戴冠式だろう?」
【そうだね。】
「終わったら自由になれるんじゃねえか?」
【慰めをありがとう、ディアナさん。】
「まあ、頑張ってくれよな!さて、手合わせをお願いするぜ!」
そうだね、気分を変えよう。
【よし、広間が空いてたらからそこでやりましょう。】
「分かったぜ!今日こそは一本取ってやるよ!」
【ディアナさん、そこは譲れませんよ?】
「今のアーサーの兄貴からなら取れそうな気がするぜ?」
【それは驕りと言うものですよ、ディアナさん。】
「取られた後に精々泣かないようにしてくれよな!」
ニヤニヤしているディアナを見る。
ふむ、少し自信過剰になっているようだな。
これで実戦を行うとなると危ないかもね。
一応、灸をすえておくか。
広間に着くとジャスティン達しかいなかったので早速ディアナと組み手をする。
「ぐあっ!」
【ほら、ディアナさん。接近した所での大振りは駄目ですよ。ティンバー・ウルフにさえ避けられてしまいますよ?】
「分ったっす!もう一本お願いします!」
【どんどん掛かって来て下さい。】
「ハアッ!ッセイ!」
【俺の間合いなのでしたら、ディアナさんの間合いにするのですよ!」
「うっす!デリャッ!」
【蹴りに威力を乗せる様に軸足を上手く使いましょう!】
「分かったっすよ!」
【まだまだですね。そうですね、ガントレットを装備している事を考えに入れましょう。】
そう言うと作っておいたリストバンドを二個渡す。
【一つで二kgあります。それぞれを両手に巻き付けて結んで下さい。重さに慣れる為です。】
「分かったっす!」
早速付けると疲れも出ているのだろう、腕を上げるのがやっとの様な構えになる。
「け、結構くるっすね。」
【どうですか?その状態で左右の突きを五十回ずつ出来ますか?】
「ごっ、わ、分かったっす!」
ディアナは素直に正拳突きを放っている。
まずは右からかな?
だけれど・・・。
【回数はどんどん増やして行きますからね。しっかりと継続して行う様に!】
「分かりました!」
【ディアナさん、体軸がずれていますよ!】
「はいっす!」
【利き腕でだけではありませんからね。両手で出来るようになって下さい。】
「分かったっす!」
【ほら、また体軸がぶれていますよ!気を付けて下さいね!】
「済みません!」
地味な訓練だがディアナの負けん気が出ているのが窺える。
同じく広間にいて訓練を見ていたジャスティンとダンが負けられないとばかりに腕立て伏せをする。
アンナが新装備の使い心地を試している。
後で感想を聞いておこう。
ラフィアが瞑想をしてマナの地力を上げている。
室内でもやれる事はいっぱいある。
それぞれがやれる事をしているとディアナが報告して来る。
「ア、アーサーの兄貴、右が終わったけど腕がパンパンだぜ。少し休憩をしても良いかい?」
【無理をすると逆に危ないですから、そこは自分で調整して下さいね。】
「分かったっすよ!」
ディアナはそう言うと体を大の字にして休憩している。
「ハァハァ、なあ、アーサーの兄貴よ、胸の肉を動かないようにする物は無いのかい?」
ん?
どうしたんだろうか?
さっきから揺れていて眼福なのだが?
【何か不都合があるんですか?】
「いや、動くたびに揺れて痛いんだよ。何とかならないかな?」
【ああ、では『さらし』を使って見ますか?】
「さらし?」
【胸に布、さらしって言うんだけれど巻いて固定するんですよ。】
「それで何とかなるのかい?」
【慣れれば自分一人でも巻けるし、そう言う事情なら試してみると良いですよ?】
そう言ってバックパックから幅二十cmぐらいの布束を取り出す。
【ここではアレなので、空き部屋へ行きましょう。】
「はいっす!」
部屋に入ると説明をする。
【要は、肌着の当て布をきつくするようなものです。それで固定する感じですね。】
俺がそう言うとディアナは思い切りよく上着を脱ぎ始める。
肌着姿になるとさらしを撒き始める。
【それで布をきつく巻いて行くんですよ。後ろを向いているのでやってみて下さい。】
「分かったっす。」
うふふ、良い物を見れた。
しばらく後ろを向いていたがゴソゴソと音がして「くそっ!」とか声が聞こえる。
どうやら上手く巻けないようだ。
「アーサーの兄貴よ、わりいんだけど手本を見せてくれねえかな?」
仕方ない実践して見せよう。
ディアナの為なんだからね?
・・・本当だよ?
【こうやって巻きつけて行くんですよ。】
「ほー。あ、きつくなったっすね。」
【そう、これを少し巻いて行くと固定されます。】
巻き終わるとディアナが飛び跳ねて喜んでいる。
「おお、これならあんまり気にならないっすね。ありがとうっすよ!」
【一人で巻けるようにして下さいね。俺には目の毒ですから。】
そう言うとディアナが言って来る。
「あはは、そんな事言うのはアーサーの兄貴だけっすよ?」
笑いながら手を振り答えているが頬が赤いので照れているのだろう。
とても嬉しそうだ。
そんなに魅力的な胸をしているのに、世の男達の見る目を疑ってしまうね!
っふっふっふ。
だが、計画通り良い物が見れたぜ。
ディアナがシャツを着てリストバンドを付けて行く。
「早速、訓練に戻るっすよ!ありがとうございます!」
ディアナと一緒に広間に出て行く。
「まずは、左手の五十回を目指すっすよ!」
【ええ、適度に休みを取って頑張って下さい。】
「はいっす!」
【継続してやれば筋力のアップが見込めますのでね。慣れたら両足もですよ。】
「はいっす!」
五十回ずつ出来るとさすがのディアナもバテたのだろう。
地面に大の字になっていた。
【ディアナさん、そのまま休んで回復してくださいね。スタミナの底上げになりますので。】
「わ、分かったっすよ、兄貴!」
どうやら隙を狙ったようだが見え見えだったので頭に拳骨を落とす。
「つぅ~・・・。」
【休む時は休む。それと見え見えですよ。】
「つ、次は当てて見せるぜ!」
【期待してますよ、では休んで下さいね。】
そうして一生懸命に訓練をするディアナを見ている。
一生懸命な所を見てリズとマオ、アリスを思い出してしまった。
あの子達はルイスを困らせていないだろうか?
俺はディアナに元気を分けてもらった気になったのだった。
おっさんからのアドバイスだ。
男とは単純な生き物なのである。
本当だよ?
此処まで読んで下さって、誠にありがとうございます!
それでは、いつものから!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
いつもありがとうございます!
大変励みになっております。
1部も、もうそろそろ終わりが見えてきました。
骨組みも終わり、後は書くだけでございます!
それでは 次話 戴冠式(仮 でお会いいたしましょう。
お疲れさまでした!