愛の勝利!は水着から♫
「う~で う~で ごしごしごし」
(中略)
「おなか おなか くるくるやさしく くるくるりん」
浴室から元気な声が響いてくる
男の子達がマッチョサン・アルフレッドといっしょに入浴中なのである。
◇
最近、男の子たちは、マッチョサン・アルフレッドと一緒に入浴するようになった。
私は 女の子たちと一緒に入浴
おかげで 私は 数年ぶりに 少しだけ入浴補助の負担が減った。
やっぱり5人の幼児さん達を風呂に入れるより、2人の女児と一緒に入浴するほうがはるかに楽
しかも この年齢だと 女の子の方が発達が早いから、わざわざ体洗いの唱和をしなくても
きちんと女の子たちは 体が洗える。
一方 男の子たちは、
魔法師団長と騎士団長の要望により、嬉々として、マッチョサンとアルフレッド達といっしょに体洗い体操を行なっている。
というのも、魔法師団と騎士団では、将来子供たちが戻ってきたときには、子育てにこの「体洗い体操」を取り入れたいと考え、今から全隊員がその時に備えて、この体洗い体操を覚えたいというのである。
そのために両団の代表として マッチョサンとアルフレッドが うちの子供達と一緒にこの「体洗い体操」の歌と体洗いのポイントを覚えようと実践しているのである。
子供たちは 喜んで 憧れのお兄さんたちの要望を受け入れ、今日も元気に唱和しながら体を洗っている。
♫ ♬
紆余曲折の末に 私は 水着を作ってもらえることになった。
短パンと裾の長い前開きチャック付きの上着(ラグラン袖)タイプの水着
上着の裾が腰から少し広がっているので泳ぐには不向きだが
見た目的には リゾートウェアっぽくて気に入った。
ライトグリーン系の縦じまグラデーション
これだと体型を気にせず着用できるし 袖があるので日焼け防止にもなる
◇
なぜ 水着が必要になったかというと、
子供達の入浴介助法を男達に説明するためには 大人は全員水着着用にならざるを得なかったのだ。
なにしろ、幼いこどもというのは、何気に 浴槽でおぼれかけたり
つるっと滑ってケガをする。
幼児さんへの入浴介助というのは、何もお世話することではなく
一緒にお風呂に入って、直接子供に手をだすことなく さり気に 安全面に気を配り(一見ただ傍にいるだけw)
「ものののはずみの事故」が起きないように、とっさの判断で子供の動きを制止したり、
ケガ防止(事故防止)のための行動を起こすところに意義がある。
その為の 気配り・心配りのポイントを知ってもらうためには、最初のころは みんな一緒に浴室に入って 私と子供達との入浴ぶりを見学してもらう必要があったのだ。
(私だって マッチョサンとアルフレッドが ちゃんと子供の入浴中の配慮・目配りができるかどうかをたしかめないと、子供達を任せることができなかったw
しかも 王様以下宮中の人々は 聖母子の生活を逐一観察して学ぶ気満々なので、
私たちの生活ぶりは すべて観察の対象、ゆえに入浴とて観察されてしまうのだ><
模倣前提で観察されるならば、手伝ってもらえるところは手伝ってもらい
変な模倣にならないように こちらからきちんとやり方を説明し指導したほうがいい。
将来 ローゼンタールに戻ってくる子供達の為にも。)
というわけで 混浴対策としての水着・・。
とはいえ、たとえ水着着用でも、子供の為といえども、
男性といっしょに浴室に入ることに 心理的抵抗はあった。
だけど 観察のためと称してのぞき見されるよりは、堂々と一緒に行動したほうがマシ
というわけで 水着着用でのお風呂介助となり
その一方で、作ってもらった水着で、子供達と一緒に水遊びをしよう!
温水プールで子供達の水泳指導もしよう!
と、前向きに考えることにしたのです。
だって 子供たちは 水遊びも 泳ぎも好きですもん♬
5人も子供がいると、もとの世界では プールに行くにも習い事をするにも費用がかかり
しかも 年齢差があるとレッスン時間が異なるから 私一人で子供らをお稽古ごとに通わせることも実質不可能となり
かといって 私一人で 子供をよそのプールに連れて行くのは安全管理上無理があり
というわけで これまで 存分に泳がせてやれなかったので、この機会を利用しようと考えたわけ。
♬
この「水泳指導」という発想も、ローゼンタールのお偉いさんには、寝耳に水のような驚きをもたらしたようです。
つまり、軍事的必要もないのに 水泳を覚える必要があるのか?といった意味合いで。
まして女の子が~ とか。
そこは あっさりと、健康維持のための運動の概念とか 心身の健やかな発達のためには全身運動として
幼い時から「泳ぐ」ことの意義とかを説明し・・
そして 子供たちが 楽しそうに泳ぐ姿を見て、騎士団の皆様と神官さんたちは、大いにその意義を感じたそうです。
騎士の皆さんは 主に実用的観点から
神官の皆様は 自分たちの健康づくりとストレス発散によさそうだと感じたそうです。
なにしろ それまで、「体を動かすこと=労働もしくは軍事訓練、あるいは修行・苦行」といった感覚だったので、「楽しく体を動かし、結果的に健康や心身の発達にもつながる」という考え方そのものが、目からうろこだったそうです。
それに、娯楽もだめ 殺生もだめと禁欲的な生活を理想とする神官さんにとっては
「水泳」は、水難救助にも役立つ技の習得につながるから娯楽ではない
体を鍛えて健康維持に役立つけど 軍事訓練ではない平和的営みだから、疚しさを感じなくてもよい
という点で 受け入れやすい行為であったようです。
◇
さて、水着を作るために ローゼンタール国の糸の素材から布の製法とその品質まで いろいろ吟味しつつ
いわゆる伸縮素材(織の工夫)で、透けたり 変に体に張り付いたり広がったりしない水着をいかにつくるか、私も一緒に考えました。
騎士団からは訓練着にも応用できそうだと資金面で全面的にバックアップいただきました。
神官さん達と魔導士たちも 日ごろの確執を脇におき 共同で技術開発にいそしんでくださいました。
(いつもなら 片方が参加を決めると それだけでもう一方は自動的に妨害にまわるので、ここ30年ほど技術革新がまったくなかったんですって この国では。
むしろ 足の引っ張り合いがたたって 既存の技術まで消失しすぎることの方が問題になっていたそうな。
隠ぺいと攪乱が技術崩壊を招く典型ですな)
♡
お世話係に来てくださっていたお爺ちゃんたちというのは 実は 神殿の技術部門の重鎮だった方々だそうで・・
そのおじいちゃま達がこぞって前線で檄を飛ばせば、たいていのものが1日で完成したと言う伝説が
改めて確認されたようです。
お爺ちゃんの 孫愛パワー恐るべし! 愛が勝つ! ですね♡
一方の魔導士たちはといえば・・
マッチョサンは 独身仲間に 幼い子と過ごす楽しさを語って、彼らの将来の結婚への夢を掻き立て、
10年前に家族を失った方々には、神託通りに聖母子に協力すれば家族を取り戻せるのではと希望を抱かせ、彼らのやる気を奮い起こしたのだそうです。
こちらもまた 「家族への愛」の勝利でした!
・ちなみに 王国では 神官たちの下にも 魔術師団の下にも 職人たちが付いていたので
両者の対立関係が解消されたことにより、
王宮づきの職人たちも これでやりやすくなったとほっとしたそうです。




