乗馬でお散歩
子供達が私と別行動をすることを拒み大騒ぎしているうちに、午前の大半が過ぎた。
そこで 早めの昼食をとってから、親子一緒に乗馬体験をすることになった。
子供達は ポニー。
私は 普通のお馬さん。
馬の背中というのは 大人の頭の上あたりにある。
そこに座って移動するというのは ちょっと怖い。
でも 子供の前では 私はいつも堂々とふるまうことにしているので 面の皮が厚くなりました。
手綱を持ってもらいながら、親子6人で騎乗しての城内庭めぐり。
なかなか楽しゅうございました。
横並びになって梢をながめたり、遠くの景色を楽しんだり。
お城の敷地って すごく広いのです。
なんか 見渡す限り城内って感じで。
飛び立った鳥の飛んでいく先を見ようと、急に体をひねって馬からずり落ちそうになったのは次男。
この子は いつも 衝動的に動いては事故をおこしかけるので、
枝にとまる鳥を目にした時から 私はさりげなく次男の隣に馬を寄せて万が一に備えていました。
なので 息子がずり落ちそうになった時には、とっさに手を伸ばして子供の襟首つかんで、ポニーの上に次男を引きもどしました。
鳥の習性と次男の習性から、だいたいどっち方向に次男が落ちるかほぼ予想がついたので あえてその反対側で待機していた私。
次男のポニーの手綱を持っていた男は 次男に背を向けていたので何が起きたのかわからず、
背後の護衛兵は少し離れていたので次男の落馬寸前状態には間に合わず・・
私のとっさの行動に 男達はプチパニック
そこで 心臓バクバクを押し隠した私は
「馬から降りて 一度座り直す?」と明るく次男に声をかけ、ついでに男達も落ち着かせる。
けっきょく その場で 一度みんな馬から降りてお茶を頂きました。
馬の上での急な動きは禁物という一般的な注意のあと、
当分 何かを見る時は いったん馬から降りて観察しようと 子供達との間で話がまとまった。
そこから 派生して 馬のつなぎ方講習を 付き添いの騎士さん達にお願いした。
馬をつなぐ時の紐結び「ヒッチング・タイ」別名「馬つなぎ結び」
この結び方の特徴は、馬がつながっている側のロープはそれこそ馬が力一杯引っ張っても外れないのに、反対側の端を引くと一瞬にしてロープがほどけること。
その特徴も、わっかを二つ作って結びをつくるところも 船を係留するときのもやい結びと似ているが、馬つなぎ結びの場合 出来上がった結び目に大きなわっかが残っていることがちがいかな。
といっても もやい結びの末端を引き解け結びにしただけのように思うのだが・・・
などと考えながら ロープを結んだりほどいたりしていたら
またもや騎士たちから怪訝な顔をされてしまった。
子供達は すぐに 私のやっていることの意味に気が付いて
「馬つなぎ結び」と「もやい結び」と「縮め結び」のおさらい&スピード競争をはじめ、
さらにもやい結びを使った救助ごっこまでやりそうだったので、
「それは 馬を驚かせるからだめ」と事前にストップをかけた。
この、「もやい結びを使った救助ごっこ」というのは、早い話が長いロープの端っこに
もやい結びの大きな輪を作り、それを「助ける求めている役の相手」に向かって投げるのです、
それを、受けとった「助けられる側」は、大きな輪に体を通す。
「助ける側」は ロープを手繰り寄せると、もやい結びは程よくしまりつつ
救助対象者が手元にひきよせられてくる、というわけ。
これの上級バージョンは、カーボーイが牛にロープを投げかけ、輪を牛の体にズボットはめるように、「助けを求めている役の相手に」輪っかの部分をひっかけて手繰り寄せる、輪投げみたいなことをやります。
ただしこれ、うっかりすると 助けられ役の人の首が閉まる可能性があるので
私はまだ これをやることを子供たちに許してはいませんが。
その後は 再び 馬に乗って厩舎に戻った。
次男のハプニングは毎度のことながら・・やっぱり心臓に悪い・・・
◇
一般論としていえば、ああいう性格の(俗に衝動的ともいわれる)子も、20歳すぎて大人になれば
落ち着くらしいが、そこまでの道は長い。
親としたら 幼いうちは 事故発生を予想しつつ さりげなく寄り添って、
あわやというところで事故予防することによって、
子供本人に 己の行動の危うさを気付かせねばならぬ。
言葉で伝えるだけでは、理解して行動を自己抑制できるタイプではないから。
そうやって こども自身の体験として、「これは危ない」と気づかせたところで
同じ過ちを2度3度繰り返すのが ああいう性格の子。
これはもう、「そういう質だから」と養育者の方で受け入れて
日常的に細目に気を配っていくより仕方がない。
幼児の間は 事故を未然に防ぐ環境整備&緊急時対応グッズの配備
学童期(5・6歳~10歳くらいまで)は、先ほどの落馬未遂のように、こどもの行動を先読みして
あわやというところで助けることによって、危険な場面を実地体験させる。
ポイントは、本気で怖いと感じさせること。と同時に怪我をさせないこと
叱らず しかしその場で状況解説して 己の行動の問題点を理解させること。
それも 自分とその子の1対1の状況だと、
「僕は悪くないのに ママは怒る」と決めつけられる可能性があるから、
できるだけ 自分達親子と母親である私を尊重する好意的雰囲気の中で
そういう体験をさせる。
すると、「ママだけでなく、自分の同輩たちもママと同じ考え、周りの大人たちもママと同じ考え。落馬しかけたのは僕だけだから、これから僕は気を付けよう」と思うようになる。
こういうタイプの子を、「視野の狭いこども」の一言でおわらせてしまうと この子の成長が止まる。
だからこそ 根気よく 指導的環境を整えながら、
「本人が自ら気づくことができるように」大人による注意と指導を続けていかねばならないのだ。
この子の中で言語理解が育って 会話が少しづつできるようになっていく10代になれば
もう少し 言葉での注意もこの子の頭の中に入っていくのだろうけど
今は まだ、言葉でやり取りができているように見えても、実際には 頭の中にはあまり定着しない時期。
頭脳的処理は早いので、一見 しっかりとした考えを持っているように見えるけど
実際には・・
頭の中の言葉の処理が速すぎて、あたかも条件反射でピンポンするように言葉を跳ね返しているのか?
言葉で伝えた内容が、「知識や経験のストック」としてその子の中に定着しない。
だから、なかなか「理解が育たない」のだ。
なので、これから先 どんどん 同年齢の子に比べて幼い一面が表に出てくるだろうなぁ。
一見頭よさげに見えるけど、その一方で・・ってやつ。
それでも 甘やかさず、かといって 叱りすぎず、根気よく あの子の「身についている状態」にあわせて 一つ一つ繰り返し言い続けて、あの子の中の「身についたもの=知識や経験のストック&正しい理解の蓄積」を増やしている行くよりしょうがない。
子育ては 根気と忍耐です。
これは、自分の中に時々湧き上がる「面倒くさい・疲れた・まだ(わからない・できない)の?」と言いたい気持ちをぐっとこらえる忍耐であり、子供のペースにあわせた対応を続ける根気です。
◇
ふにゃぁ~ でも そんな理屈抜きに 子供のハプニングは 心臓に悪い。
だって 心配しちゃうもの。
理性では きちんと「この状況なら自分が対応できる」とわかっていても、
心は「子供の安全第一、子供に危ないことは起きてほしくない!」と叫んでますから。
普通に言葉で注意するだけで 反応してくれる子の存在には ほっとします。
その一方で 次男がいると どうしても次男から目が離せないから、
そのしわ寄せがほかの子に行ってしまうのが「ほかの子たちに申し訳ない」と感じてしまうし
「私だって もっと気楽に他の兄弟姉妹と楽しむ時間が欲しいわ!」と思ってしまうことがあるのが苦しい




